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アメリハワイ州のホノルルで、日本メーカーの製造車両で走る完全自動運転の鉄道の運行が始まりました。車の利用が減ることで、深刻な渋滞の緩和などにつながると期待されています。

現地時間、6月30日に運行が始まったのは「スカイライン」と名付けられた新しい路線の一部区間で、ホノルルの中心部近くから市郊外にかけての9つの駅、17キロ余りを、およそ20分で結びます。

車両は日本の日立製作所が製造しました。

ハワイで、雨上がりによく見られる虹のイラストが側面にデザインされ、車内には、自転車やサーフボードなどを持ち込めるスペースが確保されています。

また、アメリカで初めてとなる完全自動運転で運行され、郊外に設けられたオペレーションズセンターで列車を管理する仕組みです。

現地の記念式典で、ホノルル市のブランジャルディ市長は「ハワイにとって歴史的かつ変革的な転機で、ここにいるすべての皆さんに感謝します」とあいさつしました。

式典のあとは、運行を心待ちにしていた市民が列車に次々と乗り込み、車窓からの風景などを楽しんでいました。

鉄道の開通により、車の利用が減ることで、高速道路の深刻な渋滞の緩和や、二酸化炭素など温室効果ガスの排出削減につながると期待されています。

運行区間は今後、段階的に拡大され、国際空港や市の中心部も結ぶ計画で、2031年までの全線開通を目指すということです。

地元住民からは期待の声

運行の始まった「スカイライン」を利用した地元の住民からは、期待の声が聞かれました。

59歳の男性は「とてもわくわくしています。この列車は、渋滞が深刻なハワイの助けになります。買い物に行く際などにぜひ使いたい」などと話していました。

また、51歳の女性は「高架鉄道の上から見ると、いつも車で運転している道も違って見えます。残りの路線が完成したら、ぜひ通勤にも列車を利用したい」と話していました。

さらに、別の42歳の女性は「この鉄道が運行を開始したのはとても画期的です。空港や街の中心部まで路線が完成するのを心待ちにしています」と話していました。

ハワイ初の高架鉄道スカイライン」とは

ハワイのオアフ島で運行が始まった路線は、高架鉄道の車窓から見える雄大な風景にちなんで、「スカイライン」と名付けられています。

計画されているのは、島の南部およそ30キロ、19駅の区間で、ホノルル郊外の住宅街や地元の大学がある地域から、日本との直行便も発着する国際空港を経由し、ホノルル中心部までが結ばれる予定です。

このうち、今回6月30日に開通したのは、市郊外のイースト・カポレイ駅からアロハスタジアム駅までの17キロ余り、9駅の区間となっています。

2025年までに国際空港を含む、さらに4つの駅で運行が始まり、ダウンタウンなど、中心部を通る残りの6つの駅の区間も含め、2031年までに全線開通する見込みです。

ハワイで高架式の本格的な旅客鉄道事業は初めてとなります。

この鉄道事業は2000年代になって、具体的な計画の検討が開始され、2011年に起工式を実施、2014年に着工しましたが、その後も工事の遅れが重なり、今回、ようやく一部区間の運行が開始されることになりました。

乗車には、バスの乗車に使われている「HOLOカード」と呼ばれるICカードが必要で、料金は大人が1回の乗車で3ドル、1日券は7ドル50セントなどとなっています。

平日は、午前5時から午後7時まで、土日祝日は午前8時から午後7時まで、10分に1度の間隔で運行が予定されています。

日本の大手電機メーカー、日立製作所が製造した車両の運行には、アメリカで初めてとなる運転士などのいない完全自動運転システムを取り入れています。

鉄道の運行を担うオペレーションズセンターでは、10分おきに走る列車の間隔や車両、それに線路の状態などに問題が生じていないか、24時間体制で監視しています。

ホノルルは、アメリカの中でも特に渋滞が深刻だとされていて、日立によりますと、列車1編成で運ぶことができるのは最大800人で、これはホノルルの市営バス10台分の利用者にあたり、車の利用も減れば渋滞の緩和にも貢献できるとされています。

渋滞が緩和されれば、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量の削減にもつながると期待されています。
沿線住民 “完成するのか半信半疑も運行始まりうれしい”
ホノルルでは、沿線に住む市民を中心に多くの人たちが、鉄道の運行開始に期待を寄せています。

このうち、ホノルル郊外に住むビッキー・ケネディさん(78)は、目が不自由でこの23年間、盲導犬とともに生活しています。

これまで、買い物などに行く際、夫や友人などに毎回送迎を頼まなければ、どこにも行くことができず、相手が忙しい時には依頼するのを後ろめたく感じてしまうことが多くありました。

今回、自宅の近くに鉄道の最寄りの駅が完成したことで、盲導犬の力を借りれば、自分自身で買い物などに自由に行くことができると期待しています。

ケネディさんは「建設に時間がかかったので、私が生きているうちに完成するのか半信半疑でしたが運行が始まるとあってうれしい。盲導犬と一緒に電車に乗って行きたい場所へ行けることで、自分は自立していると感じることができる」などと話していました。

ホノルル市長「未来の世代にとって変革的なものに」

ホノルル市のリック・ブランジャルディ市長は、鉄道事業の計画が予定より大幅に遅れ、市民の間で不満が広がったことに対して、できることから少しずつ確実にやっていくよう方針を転換しました。

そして、
▽最初の運行開始を今回の2023年
▽空港までを含む次の区間の拡張を2025年
▽全線開通を2031年までにと、
段階を踏むようにしたと説明しています。

そのうえで、鉄道開通のメリットについて、ブランジャルディ市長は「経済にとってとてもよい影響があると考えている。鉄道の周辺には、新たなコミュニティーが生まれ、これまでなかったものをつくりだしていく。未来の世代にとって、変革的なものになるだろう」などと述べ、その効果に大きな期待を寄せました。

今後の利用者の見通しについて、「専門家の見立てでは、運行開始から1年後には1日当たり平均で8000人から1万人が利用するだろうと予測されている。今後、この路線が全面的に開通すれば、1日当たり8万5000人まで利用者が増えるとみられる」と説明しました。

日立製作所アメリカは重要な市場の1つ」

長年にわたり鉄道事業を担ってきた日立製作所のアリステア・ドーマー執行役副社長は、ハワイのホノルル鉄道が、日立が納入した完全自動運転のシステムで運行されることについて、「ホノルルのような都市が最新技術を導入し、より多くの人が車ではなく、環境に優しく効率的な交通システムを利用できるようになったのは、すばらしいことだと思う」などと述べました。

そのうえで、「アメリカは会社にとって、とても重要な市場の1つだ。ホノルルで、この鉄道を利用した人たちに、自分たちの地元にも、こうした鉄道がほしいと思ってもらいたい」などと述べ、アメリカのほかの地域にも鉄道事業を拡大していきたいという考えを示しました。

専門家 “世界の大都市で 最も高額な鉄道計画に”

ハワイの公共政策の課題などについて研究しているグラスルーツ・インスティチュート・オブ・ハワイのジョー・ケント副社長は、ハワイの鉄道事業の構想が持ち上がった2006年時点では、総事業費はおよそ25億ドル、日本円で3600億円余りとされていましたが、最新のデータでは、その4倍近くにあたる、およそ100億ドル、1兆4000億円余りに膨れ上がっていると指摘しています。

背景にあるとされるのが、たび重なる事業計画の変更による工事の大幅な遅れや、記録的なインフレを背景とした資材価格や人件費の高騰などです。

ロンドンや東京、ニューヨークなど、1990年代以降に実施された世界の大都市の鉄道事業と比較しても、1人当たりのコストが最も高くなるという試算も出ています。

ケント副社長は「道路、橋、学校、警察などに費やすことができるお金が減ってしまいます。多くの税金が、この鉄道に費やされることになります」などと述べました。

さらに、この鉄道事業は、2031年までの全線の開通を目指していますが、資金不足の影響で、日本人観光客にも人気の大型商業施設、アラモアナショッピングセンターを含むホノルル中心部の2つの駅までの路線は完成する見通しが立っていません。

これについて、ホノルル高速鉄道輸送機構のロリ・カヒキナCEOは「電車に乗ることで、市民はこれまでの車移動では気がつかなかった飲食店などを知ることにもつながるので、駅の周辺のビジネスにはプラスの効果がある」としたうえで、「アラモアナショッピングセンターは、バスなどの交通の主要なターミナルとしても使われている場所で、鉄道の開通は不可欠だ」と述べ、中心部の2つの駅までの路線の完成にも意欲を示しました。

京都の夏を彩る祇園祭が1日から始まり、山鉾巡行で先頭をいく長刀鉾の稚児が「お千度の儀」を行い、祭りの無事を祈りました。

「お千度の儀」は、山鉾巡行で先頭を進む長刀鉾に乗る稚児などが、祇園祭の無事を祈る行事で、毎年7月1日に京都市東山区の八坂神社で行われます。

1日は、ことしの稚児を務める小学6年生の瀧光翔くんが、禿と呼ばれる補佐役を務める6年生の高田聡佑くん、5年生の石角拓也くんとともに神社を訪れました。

瀧くんたちは、伝統的なはかま姿で白塗りの化粧をして、おはらいを受けたあと、「お千度の儀」に臨みました。

「お千度の儀」では、本殿の周りを3周すると、1000回参拝したことになるとされていて、瀧くんたちは、雨にぬれた石畳の上をゆっくりと歩いて、祭りの無事を祈っていました。

八坂神社を訪れていた京都市内の大学に通う女子学生は「大学で祇園祭について学んでいますが、こうした神事を実際に生で見ることができ感動しています」と話していました。

山鉾巡行は、「前祭」が7月17日に、「後祭」が24日に実施されます。

#アウトドア#交通