7月米ミシガン大消費者信頼感、約2年ぶり高水準 インフレ鈍化で https://t.co/1KqwX9NzQj
— ロイター (@ReutersJapan) July 28, 2023
米ミシガン大学が２８日発表した７月の消費者信頼感指数（確報値）は７１．６となり、２０２１年１０月以来、約２年ぶりの高水準となった。
速報値（７２．６）からは若干低下したものの、先月の６４．４からは上昇。インフレ率の低下が消費者心理の改善に影響した。
ただ、ロイターがまとめた市場予想７２．６は下回った。
１年先のインフレ期待は６月の３．３％から３．４％に上昇した。５年先のインフレ期待は３．０％で横ばいとなった。
14日に発表された7月の消費者態度指数の速報値は72.6と、前の月を8.2ポイント上回りました。
これはおととし9月以来、1年10か月ぶりの高い水準で、市場予想を大きく上回りました。
アングル：米景気後退入りのサインか、キャンピングカー需要激減 https://t.co/MBOWXIpWds
— ロイター (@ReutersJapan) July 29, 2023
米経済は最終的に景気後退を回避するかもしれないが、ジョン・フェランド氏が経営するレクリエーショナルビークル（ＲＶ、日本のキャンピングカー）販売店は数カ月にわたって閑古鳥が鳴いている。
フェランド氏が最高経営責任者（ＣＥＯ）兼社長を務める「ブルー・コンパスＲＶ」は、フロリダ州の保養地フォートローダーデールを本拠に全米３３州で１０３店舗を展開。販売は２０１５年以来最悪の水準に落ち込む見通しで、「業界は間違いなく不況だ」とフェランド氏は言う。
元をたどれば、これは新型コロナウイルスのパンデミックの「特需」が関係している。
コロナ危機の間に米産業界では消費行動に変化が起きたが、中でもＲＶ業界は動きが劇的だった。数カ月もの自宅に閉じこもった消費者は、レストランが閉鎖され、空港がゴーストタウン化する中、サービスへの支出を減らした。特にＲＶや自転車、プールなどにお金をかけるようになり、隔離期間をより快適にするための商品は需要が急増。ＲＶ市場の当時の過熱ぶりを「コロナによる販売の狂乱」と呼んだ業界関係者もいた。
しかし、パンデミック関連の制限が緩和され、米国の金利が上昇し始めると、すぐに問題が浮上した。連邦準備理事会（ＦＲＢ）はインフレ抑制のため利上げを続け、政策金利は約１０年半ぶりの水準まで上昇。市中の金利も大幅に上がった。フェランド氏によると、ブルー・コンパスは顧客の８０％がローンを使ってＲＶを購入しており、急激な金利上昇で購買意欲が落ち込むのは当然だという。
＜景気後退の悲鳴＞
需要が消えるとメーカーにも影響が波及した。ＲＶ産業協会によると、北米で生産されるモーターホーム（全ての生活が可能な設備を持つ大型ＲＶ）とトレーラー（けん引タイプ）の新車出荷台数は今年３０万台へと急減。これほどの急激な減少は世界金融危機と景気後退が起きた２００７―０９年以来だ。モーターホームとトレーラーはほぼ全てが米国で生産されている。
一方、投資家はＲＶ業界が最悪期を越えたと考えているようだ。インディアナ州エルクハートに拠点を置くソア、ミネソタ州エデンプレーリーに拠点を置くウィネバゴのＲＶメーカー２社は株価がそれぞれ年初来で約４６．５％、２９％上昇している。
ＲＶ業界は長らく景気後退の指標と見なされてきたが、今回は予想が外れるかもしれない。「ＲＶ業界のデータだけを見ると景気後退入りすると悲鳴を上げるかもしれない」と、ボールステート大の経済学教授、マイケル・ヒックス氏は指摘。１９８１年以降の全ての米景気後退期にＲＶの出荷量が減少してきたが、今回はパンデミックという珍しい出来事によって歪みが生じている可能性があるという。
ＲＶ産業協会の広報担当、モニカ・ジェラチ氏は、業界がインフレによる車両の値上がりと金利上昇という二重の問題に見舞われていると説明する。ただ、消費者がインフレの落ち着きや金利水準に安心感を強めることで、今年下半期にはＲＶ出荷台数が再び増加に転じると予想。来年の北米の出荷台数は３５万台前後に回復すると見込んでいる。
＜古くて高額＞
多くのディーラーにとって頭の痛い問題が売れ残ったＲＶ車の在庫。ＲＶ業界コンサルタントのグレッグ・フォア氏によると、取引がある幾つかのディーラーは新車在庫の半分を２０２２年モデルが占めている。通常ならこの数字は２０％ないし２５％程度だ。
ディーラーには今後、こうした旧モデルよりも価格の安い最新の２０２４年モデルが出荷される見通し。フォア氏は「２４年モデルより値段の高い２２年モデルがどうやったら売れるのか」と厳しい見方を示す。
しかし、ブルー・コンパスは希望を捨てていない。大量に抱えていた旧モデルの売却に素早く動いたし、既存顧客から修理や改修の受注が途切れず、サービス部門も好調を維持しているという。フェランド氏は「ＲＶへの関心は失われていない。今のところ顧客が慎重になっているだけだ」と強気の姿勢を崩さなかった。
#経済統計（アメリカ・キャンピングカー）
