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米供給管理協会(ISM)が3日発表した6月の製造業景気指数は46.0と、前月の46.9から悪化し、2020年5月以来の低水準となった。拡大・縮小の分岐点となる50を下回るのは8カ月連続で、2008年のグレート・リセッション(大不況)以来最長。ロイターがまとめたエコノミスト予想の47も下回った。

ただ、製造業部門の価格圧力の低下のほか、輸送機器、機械、電気機器、家電製品・部品などの堅調な需要を反映し、一部の業種が力強さを保っていることも示された。

構成指数では、先行指標となる新規受注指数が45.6と、前月の42.6から改善した。

価格指数は41.8と、前月の44.2から低下。供給網の逼迫の大幅な緩和のほか、借入コストの上昇を受けた需要減退を反映した。

雇用指数は48.1と、51.4から悪化した。

ISM製造業調査責任者ティモシー・フィオーレ氏は、製造業では人員管理に向けたレイオフが見られると指摘。その程度はこれまでの数カ月よりも大きくなっているほか、「大幅な」伸びがいつ戻るかに関する見解もまちまちとした。

キャピタル・エコノミクスの米国担当副主席エコノミスト、アンドリュー・ハンター氏は「リセッション(景気後退)が差し迫っていると疑う理由がさらに増えた」と述べた。

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#経済統計(アメリカ・ISM製造業総合指数)

米債券市場で2年債利回りが10年債利回りを上回る「逆イールド」が加速し、3日午前の取引で1981年以来の大きさに拡大した。米連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクルが長期化すれば米経済は景気後退(リセッション)に陥るとの金融市場の懸念が背景にある。

2年債と10年債の利回りは昨年7月から逆転しているが、この日の午前の取引で2年債利回りの方が10年債利回りよりも大きく上昇したことで、逆イールドの幅が拡大。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス109.50ベーシスポイント(bp)と、3月に一連の米地方銀行が危機に陥った際の水準を超えて拡大した。カーター、レーガン両政権下で連邦準備理事会(FRB)議長を務めたポール・ボルカー氏の時代以来の大幅な逆イールドとなる。

米経済に堅調な兆しが出ていることで、インフレ抑制のために年内に追加利上げが実施される可能性はすでに織り込み済み。BMOの米金利戦略責任者、イアン・リンゲン氏は「米国債に安値拾いの買いが入らなかったのは、政策見通しが不安定なためだ」とし、「パウエルFRB議長が示すターミナルレート(政策金利の最終到達点)の見通しに市場が確信を持てば、弱気バイアスは均衡の取れた基調に変化していく」との見方を示した。

米サンフランシスコ地区連銀の2018年の報告書によると、1955年以降に起きた景気後退では、1回の例外を除き、全ての景気後退入りの6─24カ月前に2年債と10年債の利回りが逆転していた。

3日の米国債市場で、2─10年ゾーンの「逆イールド(長短利回り逆転)」がさらに拡大し、一時1981年以来42年ぶりの大きさになった。そのため景気後退(リセッション)の予兆とされる逆イールドに再び注目が集まっている。

逆イールドは「目先金利が上昇する一方、借り入れコスト増大を通じて最終的には経済が打撃を受け、米連邦準備理事会(FRB)は金融緩和を迫られる」と投資家が考えていることを示す。

イールドカーブとは

全ての年限の米国債の利回りをつなぐ形で形成されるのがイールドカーブで、通常は右肩上がりとなる。年限が長いほどリスクプレミアムが高くなるからだ。

イールドカーブティープ化(急傾斜化)するのは、経済活動が強まって物価と金利が上がると想定される場合。フラット化(平担化)するのは、当面利上げが実施されて経済成長の先行きに悲観的な見方が出てくる場合となる。

◎現在のイールドカーブ

リセッションの到来を占う上で投資家が主に注視するのは、3カ月─10年と2─10年のゾーン。

このうち2─10年ゾーンは昨年7月以降ずっと2年債利回りが10年債よりも高くなっている。

そして今月3日、逆イールドの幅が一時109.50ベーシスポイント(bp)と、1981年以来の大きさに達した。当時は1982年11月まで続いたリセッションの初期で、これは大恐慌以降では最悪の経済悪化局面となった。

オールスプリング・グローバル・インベストメンツのシニア投資ストラテジスト、ブライアン・ジェイコブソン氏は「逆イールド化は珍しくないが、これほど大幅になるのは異例で、われわれは久しく目にしていない」と述べた。

もっとも足元の逆イールド拡大は、6月上旬の連邦債務上限問題決着後に短期国債発行が急増したのに伴うヘッジファンドなどの機関投資家のポジション構築に影響された可能性もある。

またジェイコブソン氏は、逆イールドが深まったからといって必ずしもリセッションがより深刻化したり、期間が長引いたりするわけではないと説明した。

◎逆イールドの意味

逆イールドは、短期金利上昇が見込まれるものの、それで果たしてFRBが経済成長を著しく損なわずにインフレを制御できるのか、と投資家が不安感を抱いている表れとも言える。

サンフランシスコ地区連銀の2018年のリポートによると、1955年以降に起きた各リセッションの半年から2年前には2─10年ゾーンで逆イールドが発生している。このうちシグナルが間違っていたのは1回だけ。

コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークのグローバル投資ストラテジスト、アニュ・ガガー氏は今年6月、1900年以降に2─10年が逆イールド化したのは計28回あり、うち22回でその後リセッションが到来したと明らかにした。

ガガー氏の分析では、直近6回のリセッションは平均して逆イールドの半年から3年後に始まっている。

前回2─10年が逆イールドになったのは2019年で、その翌年に米国は新型コロナウイルスパンデミックが引き金になってリセッションに突入した。

実体経済への影響

米国の銀行は、短期金利が上昇すると消費者や企業向けの貸出基準金利を引き上げ、彼らの借り入れコストは跳ね上がる。住宅ローン金利も上昇する。

イールドカーブがスティープ化する局面では、銀行は比較的低い金利で資金を調達して、より高い金利で融資ができる。フラット化なら逆に銀行の利ざやは縮小し、融資活動の制約になる場合がある。

#米国債(逆イールド(長短利回り逆転)・スティープ化(急傾斜化)・フラット化(平担化))