https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

Recent indicators suggest that economic activity has been expanding at a moderate pace. Job gains have been robust in recent months, and the unemployment rate has remained low. Inflation remains elevated.

The U.S. banking system is sound and resilient. Tighter credit conditions for households and businesses are likely to weigh on economic activity, hiring, and inflation. The extent of these effects remains uncertain. The Committee remains highly attentive to inflation risks.

The Committee seeks to achieve maximum employment and inflation at the rate of 2 percent over the longer run. In support of these goals, the Committee decided to raise the target range for the federal funds rate to 5-1/4 to 5-1/2 percent. The Committee will continue to assess additional information and its implications for monetary policy. In determining the extent of additional policy firming that may be appropriate to return inflation to 2 percent over time, the Committee will take into account the cumulative tightening of monetary policy, the lags with which monetary policy affects economic activity and inflation, and economic and financial developments. In addition, the Committee will continue reducing its holdings of Treasury securities and agency debt and agency mortgage-backed securities, as described in its previously announced plans. The Committee is strongly committed to returning inflation to its 2 percent objective.

In assessing the appropriate stance of monetary policy, the Committee will continue to monitor the implications of incoming information for the economic outlook. The Committee would be prepared to adjust the stance of monetary policy as appropriate if risks emerge that could impede the attainment of the Committee's goals. The Committee's assessments will take into account a wide range of information, including readings on labor market conditions, inflation pressures and inflation expectations, and financial and international developments.

Voting for the monetary policy action were Jerome H. Powell, Chair; John C. Williams, Vice Chair; Michael S. Barr; Michelle W. Bowman; Lisa D. Cook; Austan D. Goolsbee; Patrick Harker; Philip N. Jefferson; Neel Kashkari; Lorie K. Logan; and Christopher J. Waller.

jp.reuters.com

最近の指標は、経済活動が緩やかなペースで拡大していることを示している。雇用の伸びはここ数カ月間堅調で、失業率は低いままだ。インフレ率は高止まりしている。

米国の金融システムは健全で強固だ。家計や企業の信用状況の引き締まりが経済活動、雇用、インフレの重しになる可能性がある。これらの影響の程度は引き続き不透明だ。委員会はインフレのリスクを引き続き大いに注視している。

委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す。これらの目標を支援するため、委員会はフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジを5.25─5.50%に引き上げることを決定した。委員会は追加の情報と金融政策への意味を引き続き評価する。徐々にインフレ率を2%に戻すために適切とみられる追加的な金融政策の引き締めの程度を決めるに当たり、委員会は金融政策の度重なる引き締め、金融政策が経済活動とインフレ率に及ぼす影響の遅れ、および経済と金融の動向を考慮する。さらに、以前発表された計画で説明されている通り、委員会は保有する米国債およびエージェンシーローン担保証券の削減を続ける。委員会は、インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む。

金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する。もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある。委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する。

政策決定の投票で賛成したのは、ジェローム・パウエル委員長、ジョン・ウィリアムズ副委員長、マイケル・バー、ミシェル・ボウマン、リサ・クック、オースタン・グールズビー、パトリック・ハーカー、フィリップ・ジェファーソン、ニール・カシュカリ、ロリー・ローガン、クリストファー・ウォラーの各委員。

*消費支出の伸びは年初から鈍化

*雇用の伸びは依然として力強いペース

*労働需給がより均衡に近づく兆しが続く

*労働需要は依然として供給を大幅に上回る

*インフレはいくらか和らいだ

*2%への回復には長い道のり

*インフレ期待は依然として安定している

*インフレがFRB政策目標の両側面にもたらすリスクには十分注意を払っている

*需要への政策効果、最も金利に敏感なセクターで現れている

*完全な効果が現れるには時間がかかる

*会合ごとに決定を下す

*インフレ率を2%目標に戻すことに引き続きコミット

*トレンド以下の成長と労働市場の軟化が必要

*1回おきの会合で利上げを決定するとは決めていない

*今後の会合について何も決めていない

*会合間のデータはおおむね予想通りだった

*6月のCPIは歓迎されたが、1カ月分の報告に過ぎない

*より広範な視野で全体を見渡し、緩やかな成長を目指す

*データが追加利上げの必要性を示唆すれば、そう判断するだろう

*金融政策は抑制的だと考えている

*経済の全体的な耐性は良好、これまでのところ景気を損なうことなくディスインフレを達成

*長期的な成長力強化はインフレを助長しかねず、政策的対応が必要かも知れない

*単一指標からインフレについて多くのシグナルを受け取ることには慎重

*データ全体が重要だが、インフレの進展に特に注目

*9月会合では追加利上げも現状維持もあり得る

*インフレの「持続的な低下」を確認する必要がある

*コアインフレは依然かなり高止まり

*しばらくの間、抑制的な水準で政策を維持する必要がある

労働市場を巡る状況の若干の軟化は今後もまだあり得る

*インフレに対処しなければ最悪の結果に

*緩やかな(moderate)、または控えめな(modest)水準での成長を望む

*インフレ率の目標回帰に向け政策が十分長期にわたり十分制約的であったとは思わない

*道のりはまだ長い

*今後入手されるデータでさらに行う必要が示されればさらに行う

*自動的な一会合おきの利上げを望まない

*連続した会合での利上げを議論の対象から外していない

*(金融政策の)ラグ(遅延)に関する議論は長く続いている

*ラグの長さには不確実性が多い

*インフレ率を目標に戻すためにツールを使うことを疑う者は誰もいない

*政策は制約的と言える、きょうの決定を受けよりそうなった

*長い道のりを歩んできたが、インフレ率を目標に戻すことに断固としてコミットしている

*インフレは予想以上に耐性がある

*上級銀行貸出担当者調査(SLOOS)ではかなり引き締まった信用状況が示された

*総合的にSLOOSはなお引き締まり続けている信用状況を示した

*政策はほぼ予想通りに機能している

*賃金インフレをターゲットにしているとは思わない

*最新のリポートでは、民間部門における労働市場の冷え込みが見られた

*利下げ時期の判断にはインフレの水準と低下スピードの双方を考慮する必要がある

*来年はもちろん、次回会合の見通しについても不確実性が多い

*今年の利下げはないと思う

*私の基本シナリオは労働市場に最悪の結果をもたらすことなくインフレ率が目標に戻ることだ

*スタッフはもはやリセッション(景気後退)を予想していない

*ソフトランディングになっても、労働市場はなお幾分軟化するだろう

*失業率の上昇を通じてではなく求人件数と退職者数の減少を通じて軟化を確認、この継続を望む

*インフレ率の確実な低下が確認できれば(政策金利を)中立水準に引き下げ、その後ある時点で同水準以下にすることが可能

*銀行セクターの状況は安定、全体的に力強さと回復力を維持しているが、なお注意深く監視している

*SLOOSは1年以上前から信用状況の引き締まりを示唆、これは今後も続き成長の重しになる

*力強い消費と経済を目の当たりにしている

*経済は銀行の混乱をうまく乗り切っているもよう

*長期的にインフレ率2%に見合った賃金上昇を望む

*賃金は初期のインフレの重要な要因ではなかったが、現在ではインフレを低下させる重要な要素となっている

*量的引き締め(QT)を継続しながら利下げを実施する可能性

*中古住宅の供給は極めてタイト

穀物相場の動向を注視、これまでに確認された動きからは米インフレに大きく寄与するとは見込まれず

米連邦準備理事会(FRB)は25─26日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、5.25─5.50%とした。

FRBはインフレはなお高水準にあると指摘。前回6月の会合では利上げを見送っており、2会合ぶりに0.25%の利上げを再開。政策金利は16年ぶりの高水準となった。決定は全会一致だった。

<9月利上げの可能性否定せず>

パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、今回の利上げに続き、9月の次回会合でも利上げを決定する可能性があると指摘。「データで裏付けられれば9月の政策決定会合で利上げを行う可能性は確かにある」と述べた。

同時に、データ次第では同会合で金利を据え置くことを選択する可能性もあるとも言及。金融政策を検討する際に幅広いデータが考慮されるとし、FRBは会合ごとに金融政策を決定していくと述べた。

また、金融政策の先行きが不透明な中、FRBは引き続き長期にわたり金利を高水準に維持する必要があると表明。「FRBは任務を遂行しなければならず、当面の間は政策を制約的に維持する必要がある。利上げが適切と判断されれば、さらに利上げを行う用意がある」と述べた。

ただ、FRBが再び利上げを行うかどうかは、今後の政策決定会合が開かれる時点のデータ次第になるとし、「多くのフォワドガイダンスを提供したい環境ではない」とも述べた。

FRBが利下げに転じる可能性については、年内にはないとの見通しを表明。また、FRBは将来的にバランスシートの縮小を継続しながら、利下げに踏み切る可能性もあると指摘。経済動向次第では、一見矛盾する方向に動くこの2つの政策が実施されることはあり得ると語った。

米経済については「高水準の雇用喪失をもたらすような深刻な景気後退(リセッション)を伴わずに、インフレ率を目標値まで低下させられるというのが私自身のベースシナリオだ」と述べ、米経済は大きなダメージを受けることなく、より均衡が取れた状態に戻るとの見解を表明。ただ、その道筋は「確実には程遠い」とも述べた。

FRBスタッフがもはや米国の景気後退を予想していないとも指摘。高水準の雇用喪失なしにインフレ率が目標値に戻る可能性はあるものの、こうした経済の「ソフトランディング(軟着陸)」を実現するには「まだ多くのことが残されている」とし、「FRBスタッフは今年はこれから成長率が顕著に鈍化すると予測しているが、最近の経済の回復力を考えると、もはや景気後退を予測していない」と語った。

また、ロシアが延長に合意しなかったことで黒海経由の穀物輸出合意(黒海イニシアティブ)が停止されたことを受け、FRB穀物市場の動向を注視していると述べた。ただ、今のところ米国のインフレを押し上げるような動きは確認されていないとした。

<経済見通し上方修正>

FRBは声明で「FOMCは追加の情報と金融政策への意味を引き続き評価する」とし、「徐々にインフレ率を2%に戻すために適切とみられる追加的な金融政策の引き締めの程度を決めるに当たり、金融政策の度重なる引き締め、金融政策が経済活動とインフレ率に及ぼす影響の遅れ、および経済と金融の動向を考慮する」と表明。前回6月の声明文の文言をほぼ踏襲し、FRBが現在の引き締めサイクルの終了を模索する中で、政策の選択肢を残した。

雇用の伸びは「堅調」と指摘。経済活動は「緩やかな(moderate)」ペースで拡大しているとし、6月の前回声明の「控えめ(modest)」から幾分上方修正した。

ネイションワイドのチーフ・エコノミスト、キャシー・ボストヤンチッチ氏は「FRBはインフレが低下傾向を続けなければ、追加利上げの可能性を残しており、フォワドガイダンスに変更はなかった」との見方を示した。

利上げ再開の詳細

FRBは25日と26日、金融政策を決める会合を開き、26日、0.25%の利上げを決定したと発表しました。

これによって政策金利は5.25%から5.5%の幅となり、2001年以来、22年ぶりの高い水準となりました。

前回、6月の会合ではそれまでの金融政策の影響を評価するためなどとして利上げを見送りましたが、今回、再開に踏み切りました。

インフレ率は鈍化傾向が続いていて、先月の消費者物価指数は3.0%の上昇と2年3か月ぶりの低い水準となりました。

一方でFRBが目標とする物価水準を依然として上回っているうえ、インフレの要因である人手不足や賃金の上昇が続いています。

FRBのパウエル議長は会合後の記者会見で、利上げに踏み切った理由について「雇用は依然として引き締まった状態だ。バランスは改善しつつあるもののインフレ率を物価目標の2%に戻すにはまだ長い道のりがある」と述べました。

パウエル議長はこれまでに今回の会合を含めて年内にあと2回の利上げが必要になるという考えを示唆していましたが、追加利上げについては今後発表される経済指標をみて会合ごとに判断していく考えを強調しました。

パウエル議長 会見での発言

会合後の記者会見で、FRBのパウエル議長は「雇用は依然として引き締まった状態だ。雇用増加はことし初めのペースを下回ったが、依然として力強い。労働市場の需給バランスは改善しつつあるもののインフレ率を物価目標の2%に戻すにはまだ長い道のりがある」と述べました。

そのうえで「GDPのデータと力強い消費を目の当たりにしていて、経済は堅調だ。このため、自信をもって3月以来3度目の利上げに踏み切った。経済はこの事態をうまく乗り切っているようだ」と述べ、利上げを行っても景気が悪化していないことに自信を示しました。

そして「金融政策は望むような十分な効果を発揮するほどには引き締め的ではなく、その期間も十分ではなかった。インフレ率が物価目標の2%に向けて持続的に低下していると確信できるまで、金融引き締め策を続けるつもりだ」と述べました。

また「6月の消費者物価指数の低下は歓迎すべきものだが、1つのデータ、1か月のデータにすぎない。さらにデータを見る必要がある。インフレ率に注目し、経済指標全体がさらなる利上げの必要性を示唆し、われわれがその結論に達すれば利上げに踏み切る」と述べました。

今後の利上げについては「会合ごとに判断していく。今後の会合での利上げやそのペースを含めて何も決めていない。しかし、さらなる金融引き締めの必要が適切かどうか評価していくつもりだ」と述べました。

そして「2%の物価目標に到達するだいぶ前に利上げは停止すると考えている」と述べるとともに「利下げはことしはないだろう。多くのメンバーが来年の利下げを予測している」と述べました。

また、アメリカの景気の先行きについて「FRBのスタッフはことし後半からは景気が顕著に減速すると予測するが最近の経済の堅調ぶりをみるともはや景気後退を予測していない」と述べました。

米大手資産運用会社「今回の利上げは最後」

FRBのパウエル議長の会見についてアメリカの大手資産運用会社、PGIMのチーフ投資ストラテジスト、ロバート・チップ氏は「意外な発言はなく慎重な姿勢で臨んでいて、このところの物価上昇率の低下は一時的なものである可能性があり、油断することなく物価上昇率を確実に下げるというメッセージに時間を費やした。一方で、今後の利上げについて経済データ次第だとしたことは少し消極的だと受け止められた。私としては今回の利上げは最後の利上げだと考えている」と話しています。

松野官房長官「日本経済に影響が生じるか注視」

松野官房長官は午前の記者会見で「各国の金融政策はそれぞれの国の経済や物価の情勢などに応じて実施されるもので、その影響を一概に申し上げることは困難だが、日本経済や世界経済にどのような影響が生じるか引き続き注視していく」と述べました。

また、27日からの日銀の金融政策決定会合について「議論の内容を政府としてあらかじめ何か申し上げることは差し控えるが、日本銀行には引き続き政府と密接に連携を図りつつ、物価安定目標の持続的で安定的な実現に向けて適切に金融政策運営を行うことを期待する」と述べました。

FRBの金融政策 これまでの経緯

2021年12月以降、消費者物価が7%以上となりインフレが加速したことから、FRBは2022年3月の会合で0.25%の利上げを決めてゼロ金利政策を解除。

金融引き締めへと転換します。

利上げは3年3か月ぶりでした。

さらに去年5月の会合で22年ぶりとなる0.5%の利上げと、「量的引き締め」と呼ばれる金融資産の圧縮に乗り出すことも決めました。

しかし、その後もインフレに収束の兆しは見えず、6月以降、11月の会合まで4回連続で0.75%という大幅な利上げを決めました。

その後発表された消費者物価指数は上昇率が前の月を下回る傾向が続いたことなどから去年12月の会合では利上げ幅を縮小し、0.5%の利上げを決めました。

去年3月にゼロ金利政策を解除し利上げを開始して以降、利上げ幅の縮小は初めてでした。

さらに、ことし1月31日と2月1日に開いた会合では0.25%の利上げと、上げ幅を縮小し、会合後の会見でパウエル議長は「インフレが収まっていく過程が始まった」と言及しました。

しかし、その後再びインフレの根強さを示す経済指標が相次ぎ、パウエル議長は3月7日の議会証言で今後の経済指標しだいで「利上げのペースを加速させる用意がある」と述べました。

市場ではインフレを抑え込むために0.5%の大幅な利上げに踏み切るという観測が高まりました。

この議会証言の直後、3月10日と12日に「シリコンバレーバンク」、それに「シグネチャーバンク」と銀行破綻が相次ぎました。

3月の会合では利上げが金融システムに及ぼす影響を踏まえ0.25%の利上げにとどめました。

また5月の会合では直前に「ファースト・リパブリック・バンク」が史上2番目の規模で経営破綻しましたが、FRBは再び0.25%の利上げを決めました。

去年3月以降、利上げは10回連続でした。

こうした中、先月13日と14日に開かれた金融政策を決める会合ではそれまでの金融政策の影響を評価するためなどとして利上げを見送りました。

FRB金利を据え置くのは2022年3月に利上げを開始して以降、初めてでした。

今回の会合では物価の低下傾向が続く一方、インフレの要因として指摘される人手不足が続いていることなどから市場関係者の間で再び利上げを行うとの見方が強まっていました。

注目
【QA】FRBの利上げ再開なぜ? 元副委員長に聞く

FRBが利上げの再開を決めたことについて、2009年から2018年まで、ニューヨーク連邦準備銀行の総裁を務め、この間、金融政策を決めるFRBの会合で副委員長だったウィリアム・ダドリー氏に聞きました。

Q.なぜ 前回の会合で利上げを見送り 今回再開したのか
A.FRBは金融政策が効果を発揮するまでに時間がかかるため、金融引き締めをやり過ぎることを懸念して前回は利上げを見送った。
しかし、その後、経済がかなり堅調であることが分かり、さらなる引き締めが必要だと判断した。

Q.歴史的に異例の利上げにもかかわらず なぜ経済が堅調なのか

A.コロナ禍でアメリカ政府が家計や企業にかつてない大規模な財政支出を行ったことで、景気を減速させることが難しくなっている。
今回の会合の声明では、経済活動の判断が「緩やかに拡大」に引き上げられた。
ほとんどの人が景気が上向きだと受け止めているだろう。
その象徴的な例が住宅市場だ。
住宅ローンの金利が大きく上昇しているが、中古住宅の供給が限られていることもあって、住宅市場は回復し始めている。

Q.インフレ率を目標の2%に戻す鍵は?

A.雇用市場をさらに減速させる必要があるが、FRBはまだ達成できていない。
農業分野以外の就業者の増加数はまだ20万人を超えているが、FRBは5万人台にまで下がることを望んでいる。
また、サービス産業では人手不足による賃金の上昇がインフレを招いている。
賃金を下げないかぎり、インフレを抑えこむことはできない。

Q.FRBはいつ2%に物価を戻せるのか?

A.かなり長い時間がかかると思う。
FRBも前回6月の会合で示した予測で、2025年末まで2%には戻らないと見ている。

Q.今後の金融政策をどう見ている?

A.今回の会合での利上げ再開はサプライズではなかった。
ただ、唯一意外だと感じたのは、前回、これまでの金融政策の効果を評価するために利上げペースを緩めると強調していたが、今回は、次回9月の会合は『ライブミーティング(会合の時点で判断する)』だと明確にしたことだ。
今回で利上げを打ち止めにするのか、追加の利上げを行うか、FRB自身が現時点では確信を持てていない。
パウエル議長が伝えたのは、今後発表される経済指標しだいだということだ。

0.25%利上げ決定 22年ぶりの高水準に

FRBは25日と26日、金融政策を決める会合を開き、26日に0.25%の利上げを決定したと発表しました。

これによって政策金利は5.25%から5.5%の幅となり、2001年以来、22年ぶりの高い水準となりました。

前回、6月の会合ではそれまでの金融政策の影響を評価するためなどとして利上げを見送りましたが、今回、再開に踏み切りました。

インフレ率は鈍化傾向が続いていて、先月の消費者物価指数は3.0%の上昇と2年3か月ぶりの低い水準となりました。

一方でFRBが目標とする物価水準を依然として上回っているうえ、インフレの要因である人手不足や賃金の上昇が続いています。

FRBのパウエル議長は会合後の記者会見で、利上げに踏み切った理由について「雇用は依然として引き締まった状態だ。バランスは改善しつつあるもののインフレ率を物価目標の2%に戻すにはまだ長い道のりがある」と述べました。

パウエル議長はこれまでに今回の会合を含めて年内にあと2回の利上げが必要になるという考えを示唆していましたが、追加利上げについては今後発表される経済指標をみて会合ごとに判断していく考えを強調しました。

日銀 金融政策決定会合を開催 金融緩和策の修正は?

一方の日銀。27日から金融政策決定会合を開いています。

焦点はいまの金融緩和策を修正するかどうかです。

今回の会合で日銀は、3か月ぶりに今年度から3年間の消費者物価の見通しを示します。

企業の価格転嫁の動きが広がり、物価が日銀の想定より上振れて推移する中、日銀は3か月前にプラス1.8%としていた今年度の物価の見通しを2%台に引き上げるとみられます。

そのうえで日銀は来年度・2024年度と2025年度の物価の見通しをふまえて金融政策の方向性を判断するものとみられます。

日銀の会合は28日も開かれ、どのような決定をするのか注目されています。

パウエル議長 会見での発言

話をアメリカ、FRBのパウエル議長に戻します。

パウエル議長は会合後の記者会見で「雇用は依然として引き締まった状態だ。雇用増加はことし初めのペースを下回ったが、依然として力強い。労働市場の需給バランスは改善しつつあるもののインフレ率を物価目標の2%に戻すにはまだ長い道のりがある」と述べました。

そのうえで「GDPのデータと力強い消費を目の当たりにしていて、経済は堅調だ。このため、自信をもって3月以来3度目の利上げに踏み切った。経済はこの事態をうまく乗り切っているようだ」と述べ、利上げを行っても景気が悪化していないことに自信を示しました。

そして「金融政策は望むような十分な効果を発揮するほどには引き締め的ではなく、その期間も十分ではなかった。インフレ率が物価目標の2%に向けて持続的に低下していると確信できるまで、金融引き締め策を続けるつもりだ」と述べました。

また「6月の消費者物価指数の低下は歓迎すべきものだが、1つのデータ、1か月のデータにすぎない。さらにデータを見る必要がある。インフレ率に注目し、経済指標全体がさらなる利上げの必要性を示唆し、われわれがその結論に達すれば利上げに踏み切る」と述べました。

今後の利上げについては「会合ごとに判断していく。今後の会合での利上げやそのペースを含めて何も決めていない。しかし、さらなる金融引き締めの必要が適切かどうか評価していくつもりだ」と述べました。

そして「2%の物価目標に到達するだいぶ前に利上げは停止すると考えている」と述べるとともに「利下げはことしはないだろう。多くのメンバーが来年の利下げを予測している」と述べました。

また、アメリカの景気の先行きについて「FRBのスタッフはことし後半からは景気が顕著に減速すると予測するが最近の経済の堅調ぶりをみるともはや景気後退を予測していない」と述べました。

注目

2人の専門家に聞く 今回の利上げ【QA】

FRBが決めた利上げの再開と今後の見通しについて専門家はどのように見ているのか。

アメリカの大手資産運用会社PGIMのチーフ投資ストラテジスト、ロバート・チップ氏と、2009年から2018年までニューヨーク連邦準備銀行の総裁を務め、この間、金融政策を決めるFRBの会合で副委員長だったウィリアム・ダドリー氏の2人に聞きました。

大手資産運用会社 チップ氏は…

Q.今回のFRBの決定をどう受け止めたか?

A.失業率が非常に低く、雇用の増加が続いている今の時点でのFRBの主な使命は、インフレを確実にコントロールすることだ。
パウエル議長の記者会見では、このところの物価上昇率の低下は一時的なものである可能性があり、油断することなく確実に物価上昇を低下させるというメッセージに時間が費やされた。
パウエル議長は慎重な姿勢で臨んでいた。

Q.パウエル議長は「もはや景気後退は予測していない」と述べたが、経済の見通しをどうみるか?

A.アメリカは成長率が1%台近辺の緩やかな成長が続いている。
これだけ利上げが続き、不確実性が高まる時期もあったが、現時点では、景気後退の可能性はかなり低くなっている。
景気はソフトランディング(=軟着陸)の確率が高まり、個人的な意見では、市場には非常に好都合な経済環境だと思う。

Q.今後の利上げの可能性についてどうみているか?

A.パウエル議長は経済データ次第だと言った。
今後の金融引き締めには少し消極的だったかもしれない。
私は利上げが最終的な局面に入っていると考えている。
インフレが収まっていくというのが基本的なシナリオだ。
今回の利上げが最後の利上げで、今後12か月以内に利下げが行われる可能性があるとみている。

元副委員長 ダドリー氏は…

Q.なぜ、前回の会合で利上げを見送り、今回再開したのか。

A.FRBは、金融政策が効果を発揮するまでに時間がかかるため、金融引き締めをやり過ぎることを懸念して前回は利上げを見送った。
しかし、その後、経済がかなり堅調であることが分かり、さらなる引き締めが必要だと判断した。

Q.歴史的に異例の利上げにもかかわらず、なぜ経済が堅調なのか。

A.コロナ禍でアメリカ政府が家計や企業にかつてない大規模な財政支出を行ったことで、景気を減速させることが難しくなっている。
今回の会合の声明では、経済活動の判断が「緩やかに拡大」に引き上げられた。
ほとんどの人が景気が上向きだと受け止めているだろう。
その象徴的な例が住宅市場だ。
住宅ローンの金利が大きく上昇しているが、中古住宅の供給が限られていることもあって、住宅市場は回復し始めている。

Q.インフレ率を目標の2%に戻す鍵は?

A.雇用市場をさらに減速させる必要があるが、FRBはまだ達成できていない。
農業分野以外の就業者の増加数はまだ20万人を超えているが、FRBは5万人台にまで下がることを望んでいる。
また、サービス産業では人手不足による賃金の上昇がインフレを招いている。
賃金を下げないかぎり、インフレを抑えこむことはできない。

Q.FRBはいつ2%に物価を戻せるのか?

A.かなり長い時間がかかると思う。
FRBも前回6月の会合で示した予測で、2025年末まで2%には戻らないと見ている。

Q.今後の金融政策をどう見ている?

A.今回の会合での利上げ再開はサプライズではなかった。
ただ、唯一意外だと感じたのは、前回、これまでの金融政策の効果を評価するために利上げペースを緩めると強調していたが、今回は、次回9月の会合は『ライブミーティング(会合の時点で判断する)』だと明確にしたことだ。
今回で利上げを打ち止めにするのか、追加の利上げを行うか、FRB自身が現時点では確信を持てていない。
パウエル議長が伝えたのは、今後発表される経済指標しだいだということだ。

FRBの金融政策 これまでの経緯

2021年12月以降、消費者物価が7%以上となりインフレが加速したことから、FRBは2022年3月の会合で0.25%の利上げを決めてゼロ金利政策を解除。

金融引き締めへと転換します。

利上げは3年3か月ぶりでした。

さらに去年5月の会合で22年ぶりとなる0.5%の利上げと、「量的引き締め」と呼ばれる金融資産の圧縮に乗り出すことも決めました。

しかし、その後もインフレに収束の兆しは見えず、6月以降、11月の会合まで4回連続で0.75%という大幅な利上げを決めました。

その後発表された消費者物価指数は上昇率が前の月を下回る傾向が続いたことなどから去年12月の会合では利上げ幅を縮小し、0.5%の利上げを決めました。

去年3月にゼロ金利政策を解除し利上げを開始して以降、利上げ幅の縮小は初めてでした。

さらに、ことし1月31日と2月1日に開いた会合では0.25%の利上げと、上げ幅を縮小し、会合後の会見でパウエル議長は「インフレが収まっていく過程が始まった」と言及しました。

しかし、その後再びインフレの根強さを示す経済指標が相次ぎ、パウエル議長は3月7日の議会証言で今後の経済指標しだいで「利上げのペースを加速させる用意がある」と述べました。

市場ではインフレを抑え込むために0.5%の大幅な利上げに踏み切るという観測が高まりました。

この議会証言の直後、3月10日と12日に「シリコンバレーバンク」、それに「シグネチャーバンク」と銀行破綻が相次ぎました。

3月の会合では利上げが金融システムに及ぼす影響を踏まえ0.25%の利上げにとどめました。

また5月の会合では直前に「ファースト・リパブリック・バンク」が史上2番目の規模で経営破綻しましたが、FRBは再び0.25%の利上げを決めました。

去年3月以降、利上げは10回連続でした。

こうした中、先月13日と14日に開かれた金融政策を決める会合ではそれまでの金融政策の影響を評価するためなどとして利上げを見送りました。

FRB金利を据え置くのは2022年3月に利上げを開始して以降、初めてでした。

今回の会合では物価の低下傾向が続く一方、インフレの要因として指摘される人手不足が続いていることなどから市場関係者の間で再び利上げを行うとの見方が強まっていました。

#FRB#FOMC#金融政策