https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

佐藤 本日お招きした公証人の西村尚芳さんは、私とは浅からぬ因縁があります。私は外務省時代の2002年、背任や偽計業務妨害東京地検特捜部に逮捕されましたが、その時に私を逮捕し、その後、取り調べを担当した検察官が西村さんです。

佐藤 西村さんこそ、その後に東京地検特捜部副部長になり、大阪地検特捜部長も務められた。かつての私にとっては「尊敬に値する敵」とも言うべき存在でした。ただ私の著作『国家の罠』の中では実名で取り調べの様子を描いたので、出版以降は大変だったのではないですか。

西村 けっこう風当たりはキツかったですね(笑)。

佐藤 特捜事件と一般の刑事事件には、どんな違いがありますか。

西村 最大の違いは警察が入るかどうかですね。特捜事件は警察が入らず、検事たちが捜査をする。警察が捜査する一般の刑事事件では、検事たちは捜査官ではあるけども、半分は審査官の立場になるんですね。

佐藤 公判が維持できるかを見る。

西村 そうです。証拠が足りないとか、これで大丈夫かとか警察に口を挟むので、すごく嫌がられる。でも審査官的な目で見る人がいることは大切なんですよ。特捜事件では検事は捜査官として捜査を行うわけですが、この場合も、審査官的な立場の別の検察官が関与して間違いがないか見てもらうことになっています。

佐藤 私の罪状は背任と偽計業務妨害でしたが、ターゲットは鈴木宗男議員だったわけですよね。偽計業務妨害の方でいえば、国後島ディーゼル発電所を造るのに、三井物産が鈴木さんのところに請託したら、私たちがいて、何らかの役割を果たしたという見立てだった。私は否認し続けましたが、西村さんはそれによく付き合ってくださいました。

西村 無理をすると、やっぱりどこかで破綻しますからね。ただ三井物産にしか仕事を取らせないというと、それは談合指示になるわけですよ。

佐藤 本では、西村さんの口も借りて「国策捜査」であることを強調しましたが、当時、外務省は鈴木さんへの依存がすごかった。そこに田中真紀子議員が外務大臣に就任して、次々問題を起こしました。それを鈴木さんの力を借りて排除しましたから、今度は鈴木さんの支配を恐れて、距離を置こうとした。

西村 あの時は、ものすごい風が吹いていましたね。こんなことは普通ないだろうということが多々起きました。例えば、外務省は非常にプライドの高い役所で、なかなか資料を出してこないのですが、それがびっくりするくらい協力的だった。

佐藤 外務省には審査室という部署があって、報償費(機密費)を扱っています。審査室の書類は門外不出なのですが、西村さんが持ってきた書類に、そこにしかない情報源を記したものがありました。

西村 普通なら見られないものがたくさんありましたね。

佐藤 「時代のけじめ」という言い方をされていましたが、国策捜査は誰かが時代を転換させようとし、それを民意が支持した時に起きる。

西村 佐藤さんの本に出ている私の発言は、あくまで私の「感想」でしかありませんが、当時、何らかの風が吹いていたのは確かです。それは被疑者になっている佐藤さんも、捜査官である私も同じように感じていたと思います。共に翻弄されていたといえるかもしれません。

佐藤 組織に無理をさせられていたという面は、どちらもあるでしょう。私自身は、外務省で課長補佐にもなっていないのに、総理大臣と直接会ったり電話したりして、課長や局長をすっ飛ばして仕事をしていた。ロシアではワンクッションでエリツィン大統領に会えるところにいました。でも、それだと官僚組織が持たない。

西村 嫌な官僚ですねぇ(笑)。

佐藤 そこが見えていなかった。

西村 そうした無理が事件化するわけです。無理は風向きがいい時には問題ありませんが、風向きが変わると事件になります。

佐藤 イスラエルの国際会議へ学者らを派遣した件では、いい仕事したね、目の付け所がいいね、と言われていたのが、2年後には背任事件となった。決裁が下りている話だったのですが。

西村 少なくともお金に関しての無理は危ない。それは事件になります。

佐藤 おっしゃる通りです。政治的問題もいったん経済事件に変換されますから、やっぱりお金なんですよ。

西村 特捜部の事件は、基本的に経済事件です。

佐藤 公証人はだいたいの数が決まっていて、空いた席がないとなれないわけですね。全国にどのくらいいますか。

西村 約500名です。その数はほとんど変わりません。公証役場は300か所ほどです。

西村 実は、公証人の仕事の一つには尊厳死宣言公正証書の作成があります。延命治療を行わないという内容で、かなりポピュラーになってきた。これをあらかじめ本人が作成しておけば、親族の負担は非常に軽くなります。これがあれば、と思いましたね。

西村 まず定義からお話しすると、公証人は公証業務を行う者として、法務大臣から任命された公務員です。ただし国から給与をもらうわけではなく、公証事務の手数料が収入になります。国から補助金をもらうこともありません。

佐藤 国家公務員法地方公務員法に規定されている公務員とは違うのですね。

西村 はい。実質は個人事業主です。仕事をする場所を公証役場と言いますが、これは全国どこでも公証人が家賃を払って借りています。公証人の仕事を手伝ってくれる書記も、法務局から「書記」の肩書を与えられてはいますが、私どもが雇って給料を払っています。それでも公務員であるのは、扱っている公証業務が公務だからです。

佐藤 他に公務だけれども、国からお金は出なくて、手数料で食べているという職業はありますか。

西村 裁判所の執行官も手数料を収入としています。ただ、事務所の家賃まで払っているということはないと思います。公証人の制度は、国によってさまざまですが、日本では明治19年に制度ができて以来、このシステムでやってきています。国は公証業務に予算をかけなくてもいいし、公証人も相応の仕事をさせていただけるということでウィンウィンになっているとは思いますが、決して楽な仕事ではないですよ。

佐藤 一般には裁判官や検事の天下り先で、ものすごく稼いでいるように思われていますね。

西村 車がつくわけではないし、秘書もいないし、個室が与えられるわけでもない。天下りとは別世界です。それに、自営業者ですから自分で稼がなければならない。つまりある程度の量の仕事をこなしていかないとお金にならないわけです。しかも公証役場は全国にありますが、場所によっては、集中しているところもある。だから競争もあります。

佐藤 西村さんは東京の霞ヶ関公証役場ですから仕事は多そうですね。

西村 実は周囲に公証役場が結構あるところなんですよ。だから役場同士、熾烈(しれつ)な競争をしている(笑)。

佐藤 地方では仕事が少ない場所もあるでしょう。

西村 県庁所在地にはそれなりの需要がありますが、それ以外の地域だと、経営が大変なところはありますね。しかし、全国どこの公証役場でも適正な公証サービスを提供する必要があるので、そうしたところへは、公証役場が協力し合って、一定限度経営が成り立つように補助をする仕組みがあります。

佐藤 公証事務にはどんなものがありますか。

西村 大きく分けると、公正証書の作成、認証の付与、確定日付の付与の三つです。公正証書は、まず遺言ですね。遺言は自分で書く自筆の遺言もありますが、公正証書遺言を作成することも多くなっています。これには作成段階で証人2人が必要で、ご本人の意思、真意で遺言したかどうかの証明がたやすい。

西村 金銭債務について公正証書を作った場合、債務の履行を怠ると、裁判をせずとも、その内容に沿って、相手の個人財産に強制執行ができます。ですから離婚の際の養育費の取り決めなどには非常に有効です。

佐藤 養育費は長きにわたります。

西村 その通りです。月3万円ずつ十数年ということになると、どこかで途切れる可能性があります。最初は払います。そして払い続けようと思っている。でも何年かすると、いろいろなことが起きて払わなくなる。

佐藤 西村さんのおられる霞ヶ関公証役場はどんな仕事が多いのですか。

西村 場所柄、私署証明が多いですね。私署とはサインのこと、このサインが本人によってなされた真正のものであることを証明するのが私署証明です。外国向けの私文書にサインした場合、その文書を外国に送るためには、そのサインについて公証人の私署証明が求められる。

佐藤 要するに署名の証明ですね。ただ内容には関知しない。

西村 そうです。日本だと印鑑登録証明でということになりますが、外国ではそれは通用しない。それで、サインの証明を求められることになるわけです。

佐藤 定年はあるのですか。

西村 70歳です。

佐藤 いま西村さんは63歳ですが、今後、ずっと公証人を続けられるのですか。

西村 弟のことがありましたから、公証人を身近に感じていますし、公証人としてもっと社会に役立ちたいという気持ちはもっています。ただ将来的に、どこかの時点で弁護士をするだろうな、とも思っています。いつになるかはわかりませんが。やはりそれなりに経験を積んできたので、それが発揮できるような仕事はしたいですね。

#佐藤優(西村尚芳「無理が事件化する」「特捜部の事件は、基本的に経済事件」「公証人は実質個人事業主」)

ロシアを訪れた鈴木宗男参議院議員について、先週、日本維新の会の国会議員団の役員会では、党側に必要な事前の届け出が行われなかったうえ、鈴木氏がウクライナ侵攻をめぐり現地で「ロシアの勝利を確信している」などと発言した動画が確認されたとして、厳しい処分を求める意見が出ていました。

そして党紀委員会は、党の規律を乱す行為があったとして、国会議員団から「除籍」処分とするよう藤田幹事長に答申しました。

これを受けて党執行部は党から除名処分とする方向で調整していて、最終的に決定し、馬場代表が午後、鈴木氏に伝えることにしています。

これに対し、鈴木氏は、事務的なミスで届け出が遅れたと説明し、処分は受け入れるとする一方、発言内容を理由に処分された場合は、裁判を起こすことも含め対応を検討する考えを示していました。

鈴木氏は日本維新の会で国会議員団の副代表を務めています。

ロシアを訪れた鈴木宗男参議院議員について、先週、日本維新の会の国会議員団の役員会では、党側に必要な事前の届け出が行われなかったうえ、鈴木氏がウクライナ侵攻をめぐり現地で「ロシアの勝利を確信している」などと発言した動画が確認されたとして、厳しい処分を求める意見が出ていました。

そして党紀委員会は、党の規律を乱す行為があったとして、国会議員団から「除籍」処分とするよう藤田幹事長に答申し、日本維新の会は10日持ち回りの常任役員会で、党から除名処分とすることを決めました。

このあと鈴木氏に伝えることにしています。

党としては、事前の届け出なしにロシアを訪れ、今後も執行部の指示に従わず訪問する意向を示しているとして処分を判断したとみられます。

一方、ウクライナ侵攻をめぐる発言は処分の理由に含まれていないということです。

鈴木氏は、事務的なミスで届け出が遅れたと説明し、処分は受け入れるとする一方、発言内容を理由に処分された場合は、裁判を起こすことも含め対応を検討する考えを示していました。

鈴木氏は日本維新の会で国会議員団の副代表を務めています。

国民 玉木代表「国会決議に反するなら問題視せざるをえない」
国民民主党の玉木代表は記者会見で日本維新の会の内規に従って判断されるべきものだが、鈴木氏の発言が国会決議や政府の方向性に反するなら問題視せざるをえない。個人の政治信条は尊重するが、日本としての統一的なメッセージが揺らいでいると受け取られないようにするためには、何らかの対応が必要だ。議院運営委員会を中心に問題提起し議論してみたい」と述べました。

#日露(日本維新の会鈴木宗男参院議員「参議院には事前に訪問を届け出た」・ロシア訪問・ロシア「対ロ制裁は米に押しつけられた反ロシアの路線だ」「日本の国益に合致しない」・帰国面会「事務的なミスで党側への届け出が遅れた」・会見「日本は仲裁すべき」・会見「発言内容で処分の場合は裁判も検討」・除名処分へ・吉村大阪府知事「党の考え方と違う」・常任役員「除名処分」)

d1021.hatenadiary.jp

#日露(日本維新の会鈴木宗男参院議員「参議院には事前に訪問を届け出た」・ロシア訪問・ロシア「対ロ制裁は米に押しつけられた反ロシアの路線だ」「日本の国益に合致しない」・帰国面会「事務的なミスで党側への届け出が遅れた」・会見「日本は仲裁すべき」・会見「発言内容で処分の場合は裁判も検討」・除名処分へ・吉村大阪府知事「党の考え方と違う」)

d1021.hatenadiary.jp

国民民主党の玉木代表は記者会見で「力による現状変更は許さず、領土の統一性を乱すような侵略行為を認めないというのは わが国の立場であり、今回の訪問はG7を中心とした結束を乱すような行為として捉えられてしまう。日本維新の会としてもロシアに利用されるような行為とならないようしっかり対応してもらいたい」と述べました。

海上自衛隊は、アメリカ海軍の空母も参加した日米韓3か国による共同訓練を東シナ海で行っていると発表しました。弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮などを念頭に日米韓の連携を示すねらいがあるとみられます。

海上自衛隊によりますと、共同訓練は9日と10日の2日間の日程で東シナ海で行われています。

護衛艦「ひゅうが」や、アメリカ海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」、それに韓国海軍の駆逐艦などあわせて7隻が参加しているということで、ヘリコプターから「ひゅうが」の甲板に降下したアメリカ海軍の兵士の写真などを公開しました。

また訓練に先立って8日には日米韓の各艦隊の司令官らが懇談を行い、共同訓練を通じて相互運用性の向上を図っていくことなどで一致したということです。

海上自衛隊によりますと、アメリカの空母も参加した日米韓3か国の共同訓練が行われたのはことし4月以来で、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮のほか、海洋進出の動きを強める中国などを念頭に日米韓の連携を示すねらいがあるとみられます。

#日米韓(共同訓練・東シナ海北朝鮮など念頭)

日本と中国で行われた共同世論調査で、現在の日中関係を「悪い」と答えた人の割合が日本では10ポイント以上増えました。調査を行った団体は、福島第一原発の処理水の放出をめぐる中国側の一連の対応が、日本国民の反中感情を悪化させたと分析しています。

この世論調査は、日本の民間団体「言論NPO」と、中国の「中国国際伝播集団」が毎年共同で行っているもので、ことしは8月から先月にかけて実施され、両国で合わせて2506人が回答しました。

それによりますと、現在の日中関係について「悪い」「どちらかといえば悪い」と答えた人の割合は、日本では68.4%で、去年に比べて12.2ポイント悪化しました。

一方、中国で「悪い」「どちらかといえば悪い」と答えた人の割合は41.2%で、去年に比べて3.5ポイント増加しましたが、「良い」「どちらかといえば良い」と答えた人も、去年より12.2ポイント増加し29.7%でした。

また、相手国の印象について聞いたところ「良くない」「どちらかといえば良くない」と答えた人は、中国では去年より0.3ポイント多い62.9%とほぼ横ばいだった一方、日本では去年より4.9ポイント多い92.2%でした。

調査を行った「言論NPO」は、調査の期間が福島第一原発の処理水の放出や、その後の中国による水産物の輸入停止などと重なったとしたうえで「処理水に関する反発は中国では過熱せず、逆に日本国民の反中感情を悪化させる事態になった」と分析しています。

#日中(共同世論調査・現在「悪い」「どちらかといえば悪い」日本68.4%中国41.2%・印象「良くない」「どちらかといえば良くない」日本92.2%中国62.9%)

d1021.hatenadiary.jp

#日中(日中平和友好条約締結45年・呉江浩駐日大使「複雑で厳しい情勢に直面している。双方が、条約締結から45年となるのを契機に、条約の精神を再確認して、新しい時代の要求にふさわしい関係の構築に努めることが求められている」「アジアと世界の重要な国である中国と日本が協力して、アジア太平洋と世界に積極的な貢献をすべきだ。両国関係の改善と発展を推進し、よりよい未来を切り開いていくために、努力を続けていきたい」)

d1021.hatenadiary.jp

#外交・安全保障