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日銀の植田和男総裁は27日の衆院財務金融委員会で、金融政策に関する情報発信を巡り、19日に決めた大規模緩和策の修正について全てをサプライズとして出した場合、市場に不測の影響を及ぼすリスクがあったとの認識を示した。

沢田良委員(維教)の質問に答えた。

植田総裁は、事前報道について「(日銀が)政策修正を市場に織り込ませるために事前に特定の関係者にリークするようなことは一切していない」と言明した。その上で「特に今回(3月)、4月でも同じだったと思うが、政策変更があるとすると、やや大きめの政策変更になることが私どもの中では予想された。それを全てサプライズの形で出すことになると、市場に不測の影響を及ぼすリスクも感じられた」と語った。

このため、政策変更する場合の考え方について、記者会見や国会答弁の場で分かりやすく説明してきたと述べ、具体的には、1)物価安定目標の実現を見通せるかを確認する上で今年の春季労使交渉の動向が大きなポイントになる、2)目標実現を見通せる状況に至れば大規模緩和の修正を検討する、3)政策を見直す際にはその前後で不連続な変化がなるべく生じないように配慮する──ことを説明してきたと語った。

植田総裁は、情報発信について「引き続き厳格な情報管理のもとで日銀の考え方が適切に外部に伝わるよう努めていきたい」とした。

植田和男日銀総裁は27日の衆院財務金融委員会で、金融政策運営に為替を対象としていないと述べた。為替円安の動向や経済・物価に及ぼす影響については十分注視すると強調した。

為替相場を巡り、植田総裁は「動きや水準について具体的にコメントすることは差し控える」と述べた。そのうえで「金融政策は為替相場を直接コントロールの対象としていない」と言及。「為替政策は財務省の所管と理解している」と語った。

為替は「経済、物価に重要な影響を及ぼすひとつの要因」との考えも示し、日銀としては「政府と緊密に連携しつつ、引き続き為替市場の動向や経済・物価への影響を十分注視していく」とした。

先行きの金融政策運営に関しては「現時点の経済、物価見通しを前提にすれば、当面、緩和的な金融環境が継続すると考えており、緩和的な金融環境が経済、物価をしっかりと支える方向で作用するとみている」と語った。どう対処するかは「その時の経済・物価・金融情勢次第」と述べるにとどめた。

短期金利の水準については「毎回の金融政策決定会合で経済物価の見通しやリスクを丁寧に点検し、2%の物価安定目標の下でその持続的、安定的実現という観点から適切に設定していく」とした。

国債買い入れについても触れ、「これまでと同程度の国債買い入れを継続し、長期金利が急激に上昇する場合は機動的に買い入れオペの増額などを実施する」と述べた。大規模緩和の修正を受けて「住宅ローン金利を含む貸出金利が大幅に上昇するとはみていない」との認識も示した。

賃金と物価の好循環の強まりで「先行き実質賃金の伸び率も次第にプラスに転化していく」との考えも示した。将来的な選択肢として「いずれどこかで(日銀保有国債の)残高を減らす方向に資するように、国債の買い入れを徐々に減額していくことも考えたい」と述べた。

植田総裁は「0―0.1%という短期金利の水準は十分緩和的な水準」とし、物価安定2%目標を念頭に「若干の時間はかかると思うが、目標達成に至る可能性が高い」と述べた。

一方、植田総裁は「将来、経済・物価情勢が大きく悪化した場合に、必要があれば、これまで使ってきた手段を含めて、あらゆる手段の利用の可能性を排除しない」との考えも示した。

ETF処分には距離>
保有ETFの含み益の活用策を巡る議論については「個別の提案について具体的にコメントすることは控える」とした。ETFの処分について「すぐに行うことは考えていない」としたうえで、処分を含めて今後どう扱うかは「ある程度時間をかけて検討していく必要がある」と語った。

将来的に処分を行う場合には「適正な対価によるものであることがひとつの大方針」としたうえ、「日銀の損失発生を極力回避すること、市場などにかく乱的な影響を与えることも極力回避すること、これらを考慮して処分の指針を定めていきたい」と述べた。

外国為替市場で一時、33年8か月ぶりの水準まで円安が進む中、財務省金融庁、日銀が27日夕方、臨時の会合を開き、為替相場の過度な変動は望ましくないという認識を確認しました。

去年5月以来となる3者の会合は午後6時20分から財務省で20分程度行われ、財務省の神田財務官と金融庁の栗田長官、それに日銀の清水理事らが出席しました。

外国為替市場では、先週、日銀がマイナス金利政策を解除したあとも緩和的な金融環境が続くとの見方から円安ドル高が進んでいて、27日の円相場は一時、1ドル=151円97銭まで値下がりし、33年8か月ぶりの円安水準となりました。

会合では、金融市場の動向を分析し、日本経済に与える影響などについて意見を交わした上で、為替相場の過度な変動は望ましくないという認識を確認しました。

会合のあと神田財務官は記者団に対して「今のインフレの動向や日米の金融政策の方向性の違いから、最近の円安の進展はファンダメンタルズ=経済の基礎的条件に沿ったものとは到底言えず、背景に投機的な動きがあるのは明らかだ。高い緊張感をもって注視し、あらゆる手段を排除せずに適切に対処していく」と述べました。

円相場 臨時会合伝わり 円高進む
外国為替市場では27日午後6時ごろには1ドル=151円台後半で取り引きされていましたが、財務省金融庁、日銀が幹部による臨時の会合を開くことが伝わると、1ドル=151円台前半まで円高が進みました。