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週明け29日のアジアの外国為替市場では円安がさらに加速して、午前中、およそ34年ぶりに1ドル=160円台をつける場面がありましたが、日本時間の午後1時すぎに為替は一転して円高方向に変動し、1ドル=155円台まで値を戻しました。

29日は日本では祝日ですが、アジアなど海外の外国為替市場では通常どおり取り引きが行われています。

29日のアジアの外国為替市場では1ドル=158円台前半で推移していましたが、日本時間の午前10時半すぎに円安が一気に進み、円相場はおよそ34年ぶりに1ドル=160円台をつけました。

その後、日本時間の午後1時すぎに為替は一転して円高方向に変動し、一時、1ドル=155円台をつけました。この間、円はドルに対して、およそ5円、値上がりしました。

市場関係者は「円を買い戻す材料が乏しい中で、急激に円高ドル安が進んでいるため、日本政府と日銀が市場介入を行ったのではないかという見方もある」と話しています。

財務省 神田財務官「いまはノーコメント」
外国為替市場で円相場が急激に値上がりしたあとの29日午後2時半頃、財務省の神田財務官は記者団に対し「いまはノーコメントだ」と述べました。

1ユーロ=171円台 最安値に値下がりも
円は一時、ユーロに対しても、ユーロが導入された1999年以降の最安値となる1ユーロ=171円台まで値下がりする場面がありましたが、その後、一転して円高方向に変動しています。

神田真人財務官は29日午後、外国為替市場でドル/円が乱高下し、市場で介入観測が広がったたことについて、「為替介入の有無については申し上げない」と述べた。過度な変動による悪影響は「看過しがたい」とし、「必要に応じて適切な対応をする」と語った。

ドルはこの日、160円台前半に上昇した後に急落し、155円前半まで下げ幅を広げた。一気に5円下落したことで、市場では政府・日銀による円買い介入の観測が流れた。

財務省で記者団の取材に応じた神田財務官は、「投機による、この激しい異常とも言える変動が国民経済にもたらす悪影響には看過しがたいものがある」と強調。「引き続き必要に応じて適切な対応をしていきたい」、「24時間365日、平時であっても対応できる」などと述べた。

この日に為替介入をしたかどうかは明らかにせず、毎月の介入実績を5月末(4月26─5月29日分)に発表すると説明した。今の為替水準については、「われわれは必ずしも、特定の為替レートを念頭に置いて仕事をしているわけではない」とした。

為替市場では先週の日銀金融政策決定会合後に円売りが一段と加速し、当局による介入警戒がこれまで以上に強まっていた。

スタンダード・チャータード銀行シンガポール)のマクロストラテジスト、ニコラス・チア氏は、「きょうの動きが当局による介入だったとしても、一回で終わる可能性は低い」と話す。「160円台は当局にとって痛みの分水嶺、あるいは新たな一線を意味する」と語る。

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