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先週21日のニューヨーク為替市場では、政府・日銀が急激な円安ドル高に歯止めをかけるため、介入の事実をあえて明らかにしないいわゆる「覆面介入」を実施し、円相場は一気に7円以上値上がりしました。

これについて、日銀が24日発表した日々の資金の流れをまとめた統計によりますと、市場介入の資金が決済される25日、およそ1兆1800億円の資金が日銀を通じて金融機関から政府に移動する見通しです。

金融仲介会社によりますと、介入がなかった場合、25日は4兆2000億円から4兆3000億円程度の資金が逆に政府から金融機関に移動することが見込まれていたということです。

このため、実際に金融機関から政府に移動する資金は5兆円余りに上る見通しで、金融仲介会社は、その大半が市場介入による資金とみられるとして、介入は5兆円規模に上る可能性があると推計しています。

政府・日銀は、先月22日にも24年ぶりにドル売り円買いの市場介入を行いましたが、先月28日までのおよそ1か月間に市場介入に使われた資金は、2兆8382億円でした。

一方、24日の東京外国為替市場では円相場が急激に値上がりする場面があり、市場関係者の間では政府・日銀がドル売り円買いの市場介入を繰り返しているという見方が広がっています。

先週21日のニューヨーク為替市場では政府・日銀が急激な円安ドル高に歯止めをかけるため、介入の事実をあえて明らかにしないいわゆる「覆面介入」を実施し、円相場は一気に7円以上値上がりしました。

これについてイエレン財務長官はニューヨークで行った講演のあと記者団から「日本が再び介入を行ったと見られるが適切だと考えるか」と問われたのに対し「私は介入について何も聞いていない。以前、日本は介入を知らせてきたが、それは過度な変動に対する懸念だったと理解している」と述べ、再度の介入に関して日本側から知らされていないことを明らかにしました。

元財務官の篠原尚之氏は、政府・日本銀行による為替市場への介入について、金融緩和政策に逆行する介入には効果がないとの認識を示した。金融政策の正常化は見通しが不透明で、今後のプロセスは困難を極めるとみている。

  篠原氏は24日のインタビューで、為替介入は円安進行による「物価への影響から、政治的にやらざるを得なかった」との見方を示した。一方、円安につながる異次元金融緩和の下での円買い介入は、「マーケットから見るとものすごくちぐはぐ感がある」と指摘し、「金融政策や財政政策が一緒に動員できないと本当の効果がない」と語った。

  円は対ドルで年初の1ドル=115円から30円余り下落している。政府・日銀が9月22日、146円を目前に円買い介入を実施した後も円安基調は変わらず、10月21日には海外市場で1ドル=151円95銭と32年ぶりの安値を更新した。同日と週明け24日に円が急反発する場面が見られ、再び介入が行われたとの観測が市場で流れたが、介入の有無は公表されていない。

為替介入にコメントせず、金融政策は「日銀の独立性尊重」と財務相

  篠原氏は、「いちいちアナウンスしないことで市場に警戒感を与え、疑心暗鬼にさせる効果はある程度ある」と述べた。もっとも、「介入は伝家の宝刀、できるだけ抜かない方がいい」としている。

  現状の円安は「ドルの独歩高の部分と、他通貨に比べて円が安くなっているという二つの要素がある」と説明。ドル独歩高の是正は「米国の金融政策待ち」で、年末に方向性が見えてくる可能性があるという。構造的円安の背景にある「日本経済の競争力低下や地政学的リスクの変化が、より深刻な問題だ」と指摘した。

  篠原氏はリーマンショックで金融市場が混乱した当時の財務官(2007年-09年)で、国際通貨基金IMF)の副専務理事も務めた。

金融政策正常化「すごく難しい」

  日銀は27、28日に金融政策決定会合を開催する。黒田東彦総裁は19日の参院予算委員会で、金融政策は「為替相場を直接のターゲットにしない」と述べるとともに、緩和継続で景気回復を支える方針を改めて表明した。ブルームバーグエコノミスト調査では、調査対象の49人全員が現状維持を予測している。

調査リポート:日銀10月会合でエコノミスト全員が現状維持を予測

  篠原氏は、黒田総裁の下で金融政策を修正する可能性は見えてこないと指摘した。金融政策の正常化に向けては市場とのコミュニケーションの重要性を強調。「今検討していますよというところから始め、徐々にマーケットを慣らしていかないと金利は急に動いてしまう。その辺のプロセスはすごく難しい」と語った。

  政府はインフレ対策や円安メリットを生かす経済対策を月内に取りまとめる。与党幹部からは30兆円規模の大型対策が必要との声が出ているが、英国で大規模経済対策の公表後にポンドや英国債が売られたことを例に、「今の段階で心配すべきはお金の使い道だ」と指摘。非効率な会社の延命措置が続くと「日本の競争力・体力は弱くなっていってしまう」と警鐘を鳴らした。

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黒田日銀に逆風、世論調査過半数が金融緩和「変更すべきだ」

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#アベノミクス#リフレ#金融政策#円安政

政府は25日、関係閣僚の会議を開き、今月の月例経済報告をまとめました。

この中で、「設備投資」は「持ち直している」として8か月ぶりに判断を引き上げました。

新型コロナの影響で、先送りされていたデジタル化や脱炭素に向けた投資が増えているということです。

一方、「輸入」は中国などアジアから輸入するパソコンや家具などが減っていることから「おおむね横ばいとなっている」と判断を引き下げたほか、「個人消費」は外食の売り上げや宿泊施設の稼働率が改善しているとして、「緩やかに持ち直している」という判断を維持しました。

これらを踏まえて景気全体については、ことし7月からの「緩やかに持ち直している」という基調判断を維持しました。

一方、先行きについては物価の上昇のほか、急速な円安など金融市場の変動に十分注意する必要があるとしています。

#経済統計