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有明海のりを生産している漁協や漁連が、生産者の取り引きを不当に拘束しているとして、公正取引委員会行政処分を通知したのに対し、漁協と漁連側が処分の差し止めを求めていた裁判で、東京地方裁判所は9日、訴えを退ける判決を言い渡しました。

国内最大の「のり」の産地、有明海の生産者が加入する佐賀県有明海漁業協同組合」熊本県漁業協同組合連合会について公正取引委員会は、すべての「のり」を組合向けに出荷するという誓約書を書かせ、生産者の取り引きを不当に拘束しているとして、独占禁止法が規定する行政処分の中で最も重い「排除措置命令」を出す方針を固め、団体側に通知しています。

これに対して2つの団体は不当な取り引きの拘束はなく、命令が出ることによって、商品の信頼が失われるなど重大な損害が生じるおそれがあるなどとして、命令の差し止めを求める訴えを東京地方裁判所に起こしていました。

9日の判決で笹本哲朗裁判長は「排除措置命令の内容はのりの品質それ自体を問題にしておらず、処分による信用毀損の程度はかなり限定的だ」と指摘しました。

そのうえで「命令によって、原告に重大な損害が生じるおそれがあるとは認められないので、不当な取り引きの拘束があったかどうかなどを判断するまでもなく、訴訟の要件を欠いている」などとして、団体の訴えを退ける判決を言い渡しました。

公取委「主張が認められたと理解」
判決について、公正取引委員会は「裁判所の慎重な審理の結果、主張が認められたものと理解している」としています。

原告の漁協と漁連は
判決について、原告の漁協と漁連は「生産者との取り引き関係が、合法か違法かは判断されなかったが、今後も取り引き関係が正当であると裁判で説明していきたい」としていて、代理人の弁護士は、公正取引委員会が実際に排除措置命令を出した場合、取り消しを求めてふたたび裁判を起こす方針を示しました。

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