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国際親善のためイギリスを公式訪問している天皇陛下は、ロンドン郊外のウィンザー城にあるイギリス王室の墓所を訪ねて、エリザベス女王と夫のフィリップ殿下の墓に花を供えられました。

天皇陛下は、現地時間の27日午後、ウィンザー城の西側にある礼拝堂を訪ねられました。

今回のイギリス訪問にあたって、天皇陛下は、おととし亡くなったエリザベス女王と3年前に亡くなった夫のフィリップ殿下の遺体が埋葬されているこの場所の訪問を強く望んだということで、2人の墓に花輪を供えられました。

天皇陛下は、記者団からどのような気持ちで参拝したのか尋ねられ、「今までのいろいろお世話になったこと、本当に良くしていただいたことに対する心からのお礼の気持ちできょうは参拝をさせて頂きました」と話されました。

また、天皇陛下は、ロンドンにある世界最大級の規模の植物園「キュー植物園」を23年ぶりに訪ねられました。

そして、「ミレニアムシードバンク」と呼ばれる研究施設で進められている世界中からさまざまな種類の植物の種を集めて保存する取り組みなどについて説明を受けられました。

天皇陛下は、視察のあと記者団に対し、「ミレニアムシードバンクの取り組みが進んできて、それが生物多様性保全に貢献しているということをうかがって、大変うれしく思いました」と話されました。

天皇陛下は、28日は、皇后さまとともに、かつておふたりが学んだオックスフォード大学を訪問されます。

「キュー植物園」とは

「キュー植物園」は、ロンドンにある世界最大級の規模の植物園で、265年前(1759年)にイギリス王室の庭園として開かれ、平成15年にユネスコ世界遺産に登録されました。

東京ドームおよそ28個分の広さにおよそ5万種の植物が栽培されていて、世界の植物園や研究機関などと連携して、生態系保護に寄与する植物学の研究を行っています。

また、「ミレニアムシードバンク」と呼ばれる大規模な研究施設では、世界97か国から集めた24億種を超える植物の種が保存されています。

皇室とのゆかりが深く、昭和46年には、天皇として初めてイギリスを訪問した昭和天皇香淳皇后とともにこの植物園を訪ねました。

当時はまだ日本に対する厳しい国民感情が残っていて、昭和天皇が記念に植樹したスギが翌日切り倒される事件が起きました。

この4年後の昭和51年には、当時皇太子夫妻だった上皇ご夫妻が国際親善のためイギリスを訪問し、この植物園にある日本とイギリスの友好親善のシンボルとしてつくられた枯れ山水の日本庭園にヒノキを植樹されました。

即位後、国賓として訪問した平成10年には、再びこの植物園を訪ねて現地の若者たちと懇談されました。

天皇陛下も、イギリス滞在中にこの植物園をよく訪れたということで、平成13年の訪問の際にも園内の日本庭園を視察されています。

天皇陛下「非常に温かく迎えていただき大変うれしい」

国賓としての公式日程を終えた天皇陛下は、視察先のキュー植物園で記者団の取材に応じ、「イギリス政府からご招待をいただき雅子とともにイギリスを国賓として訪問することができましたことを、大変うれしく思っております。チャールズ国王陛下、そしてカミラ王妃陛下には、歓迎式典、また馬車によるパレード、そしてバッキンガム宮殿における午餐会、夕食会を催していただき、大変心温まるひとときを過ごさせていただいたことを大変ありがたく思っております」と話されました。

そのうえで、これまでのイギリス滞在を振り返って、「本当に多くの方々から、大変温かいことばをかけていただき、非常におもてなしをいただいたことを大変うれしく思っております。馬車でのパレードの時もそうでしたし、また車で走っている時にも、沿道から多くの方々に手を振っていただいたりして、非常に温かく迎えていただいていることを大変うれしく思っております」と述べられました。

さらに、晩さん会のスピーチの冒頭でチャールズ国王から「英国にお帰りなさい」と語りかけられたことについて尋ねられ、「歴史あるロンドンの建物の荘重なたたずまい、それからテムズ川、そういったものを眺めながら、やっぱり思い出の地に戻ってきたという印象を強く持ちましたし、そのような中で、本当にお帰りなさいというふうに言っていただいた、ウェルカムバックというようなことを多くの方から言っていただいたこと、本当に私はうれしかったですし、その思い出の地に、今回、雅子にとってもこのイギリスは思い出の地ですので、2人でもって立つことができた、これは大変幸せなことだというふうに思っています」と語られました。

そして、ウイリアム皇太子など国王夫妻以外のイギリス王室のメンバーとも再会できたことに触れ、「以前からいろいろ存じ上げていたみなさんと、またこの機会に、旧交を温めることができたことを大変うれしく思っております。いずれにしても、イギリスで本当に多くの方々から温かく迎えて頂いたことを大変うれしく思っておりますし、今回の私たち2人の国賓としての訪問が今後の日本・イギリス両国の友好親善に貢献することを心から願っております」と話されました。

イギリスを公式訪問中の天皇皇后両陛下は、滞在最終日となる28日の現地時間午前11時半すぎ、かつておふたりが学んだ思い出の地、オックスフォード大学に到着されました。

おふたりでオックスフォード大学を訪問するのは初めてで、皇后さまが留学したべーリオールコレッジを訪ねたあと、市内を散策して思い出の場所をめぐり、その後、天皇陛下が留学したマートンコレッジを訪ねられる予定です。

天皇陛下は、イギリス訪問を前にした記者会見で、初めて皇后さまとともにオックスフォード大学を訪問し市内を散策することを、心待ちにしていると話されていました。

天皇陛下は、留学のため、昭和58年6月から昭和60年10月まで2年4か月、オックスフォードに滞在されました。

留学先のオックスフォード大学は、30余りのコレッジに分かれていて、天皇陛下マートンコレッジで学び、150人の学生とともに寮生活を送る中でその後の人生に大きな影響を及ぼす経験をされました。

身の回りのことをすべて自分でしたイギリスでの暮らしは天皇陛下にとって初めてのことばかりで、留学中の体験を記した著書「テムズとともに 英国の二年間」には、警護官に教わって衣類にアイロンをかけたりクレジットカードを使って買い物したりした1人暮らしのエピソードが数多くつづられています。

天皇陛下は、留学中の記者会見で「生まれて初めて寮生活をしてみたわけです。洗濯機の中にモノを多く入れすぎて、それがあふれてしまったこと。いろいろな失敗をしたこともありました」と話していて、帰国したあとの記者会見では「自分でものを考え、自分で決定し、そして自分でそれを行動に移すということができるようになったのではないかと思います」と話されています。

著書では、音楽やスポーツを通じてさまざまな交流を重ね、友人たちとパブやディスコに行くなど、日本では経験できないような自由な時間も楽しんだエピソードも紹介されています。

学習院大学で中世・日本の海上交通を研究した天皇陛下は、留学先でも18世紀におけるテムズ川の水運の歴史を研究テーマに選び、指導教授のもと史料集めに奔走して当時のテムズ川の水運の実態を河川改修や輸送業者などの側面から分析し、論文にまとめられました。

著書では「今にしてみれば夢のような充実した留学生活」だったと振り返り「再びオックスフォードを訪れる時は、今のように自由な一学生としてこの町を見て回ることはできないであろう。おそらく町そのものは今後も変わらないが、変わるのは自分の立場であろうなどと考えると、妙な焦燥感におそわれ、いっそこのまま時間が止まってくれたらなどと考えてしまう」と記されていました。

皇后さまは、昭和63年から平成2年にかけて、当時勤務していた外務省の研修生としてオックスフォード大学のべーリオールコレッジに留学し、国際関係論を学ばれました。

天皇陛下は今回の訪問を前にした記者会見で、皇后さまのイギリス留学について「オックスフォード大学の歴史や伝統、荘厳な建物や庭の美しさなどに感銘を受けるとともに、先生方や友人たちからも多くのことを教わり、かけがえのない貴重な経験ができたということです。また、英国各地の美しい風景や人々の親切も深く心に残り、私(わたくし)同様、思い出深い2年間になったようです」と話されました。

天皇陛下は、去年、著書が30年ぶりに復刊された際、巻末の文章に「遠くない将来、同じオックスフォード大学で学んだ雅子とともに、イギリスの地を再び訪れることができることを願っている」と記されています。

訪問を前にした記者会見でも「私(わたくし)たちにとって、英国は、それぞれ留学生活を送った思い出の地であることもあり、今回の訪問を楽しみにしています。今回の訪問で、初めて雅子と一緒にオックスフォードのマートン・コレッジやベイリオル・コレッジなどを訪れ、市内を散策することを心待ちにしております」と述べられています。

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