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イスラエル軍レバノンにある親イラン民兵組織ヒズボラの拠点をさらに空爆した。双方に多くの犠牲者が出た2006年の戦闘以来、最も大規模な攻撃となった。

  レバノン当局者によると、23、24両日の空爆で子供50人を含む少なくとも558人が死亡、1800人余りが負傷した。死傷者はヒズボラの影響力が大きいレバノン南部と北東部ベカー高原に集中していた。

  イスラエルは、ミサイルなど武器を民間人の間に隠そうしているヒズボラ部隊を標的にしたと表明。イスラエル国防軍(IDF)は24日、ベイルートへの空爆ヒズボラのミサイル・ロケット部隊のイブラヒム・ムハンマド・カビシ司令官が死亡したと発表した。ヒズボラはその後、テレグラムに投稿した声明で死亡を確認した。

ヒズボラのミサイル部隊司令官、ベイルート空爆で死亡-イスラエル軍

  イスラエル軍高官1人はこれまでに、同国が空爆での軍事作戦に重点を置いていると指摘し、レバノンへの地上侵攻は必要ないだろうと示唆していた。

  だが、ガラント国防相のオフィスは、レバノンでの戦闘を想定して訓練するイスラエル軍を視察する同相の写真を公開した。声明によると、同相は兵士を前に「あなた方が遭遇するヒズボラ部隊は壊滅されるだろう」と語った。また、パレスチナ自治区ガザにおけるハマスとの戦闘でイスラエル軍が強化された一方で、ヒズボラの戦闘員は弱体化していると述べた。

  ニューヨークで国連総会が開かれる中、国連安全保障理事会レバノンでの緊張の高まりについて25日夜に会合を開く予定。フランスのバロ外相は23日に国連総会で、広範囲にわたる地域紛争は「市民を中心に誰にとっても壊滅的なものになる」ため会合を呼び掛けたと説明した。

  イスラエルは、外交努力が失敗したとし、約1年にわたるヒズボラのミサイルおよび無人機攻撃を阻止するために空爆は必要だと主張している。

  ヒズボライスラエル北部にロケット弾および無人機攻撃を行い、24日にイスラエルの標的に対し18回の攻撃を行ったとテレグラムで主張した。イスラエル警察によると、ガリラヤ地方の複数の地点に発射物と迎撃ミサイルの一部が落下し、複数のイスラエル人が破片で負傷したと報告した。

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原題:Israelis Targeting Hezbollah Forces Kill Over 500 in Lebanon(抜粋)

イスラエル軍は24日、レバノンの首都ベイルートへの空爆で親イラン民兵組織ヒズボラ幹部の1人を殺害したと発表した。双方による越境ロケット弾攻撃により、中東で紛争拡大懸念が一段と高まっている。

イスラエル軍によると、死亡したのはヒズボラのミサイル・ロケット部隊のイブラヒム・クバイシ司令官。ヒズボラ側も死亡を確認した。

イスラエル軍は、レバノン南部全域のヒズボラの標的に対して「大規模な攻撃」を行い、攻撃対象には武器貯蔵施設やイスラエルを狙った数十基の発射装置も含まれているとした。

イスラエルは2日連続でレバノン各地のヒズボラ支配地域を攻撃している。23日に実施した大規模な攻撃では、500人近くが死亡。1日の死者数としては1975─90年の内戦以来、最多となった。

レバノン保健相によると、2日間の死者は569人で、うち50人が子どもだという。負傷者は1835人に上っている。

イスラエルの情報収集能力と技術力は、レバノンパレスチナ自治区ガザの両方で強い優位性をもたらしている。イスラエルヒズボラの最高司令官やイスラム組織ハマス指導者らを追跡し暗殺してきた。しかし、ヒズボライスラエルとの数十年にわたる敵対関係の中で強い抵抗力を見せており、ハマスよりも手強い敵とされる。

ヒズボラはこの日、メッセージングアプリ「テレグラム」への投稿で、イスラエル軍基地への攻撃に新型ロケット「ファディ3」を使用したと発表。また、イスラエル北部のダド軍事基地にロケット弾を発射したほか、ハイファ南部のアトリット海軍基地をドローンなどで攻撃したとも明らかにした。

イスラエル軍は、ダド基地がある北部の都市サフェドとその周辺地域で夕方にサイレンが鳴ったと述べたが、基地が攻撃されたかどうかは明らかにしなかった。

イスラエルのガラント国防相は軍との協議の中で、ヒズボラはその指揮系統や戦闘員、戦闘手段に深刻な打撃を受けているとの見解を示した。また、イスラエル北部の住民の安全な帰還を確実にするという目標が達成されるまで、イスラエルレバノンにあるヒズボラ拠点への攻撃を続けると述べた。

国連安全保障理事会は、イスラエルヒズボラの紛争激化について協議するための会合を25日に開くと発表した。グテレス事務総長は「レバノンは危機に瀕している。レバノン国民、イスラエル国民、そして世界の人々は、レバノンが第二のガザになることを許容できない」と述べた。

バイデン米大統領は国連総会で一般討論演説を行い、中東情勢について「全面戦争は誰の利益にもならない。状況が悪化しても、外交的解決はまだ可能だ」とし、緊張緩和を呼びかけた。

一方、レバノンのハビブ外相はニューヨークでのイベントで、バイデン氏の演説は「力強くなく、期待も持てない」と指摘。米国は「中東で本当に変化をもたらすことができる」唯一の国だとし、「われわれの救済の鍵だ」と語った。

ガラント国防相は、国連がイスラエルに対するヒズボラの攻撃を阻止する責任を怠っていると非難した。

イスラエル軍は24日も隣国レバノンの首都ベイルートを含む各地で、イスラムシーア派組織ヒズボラへの空爆を続ける一方、ヒズボライスラエル北部にロケット弾を発射していて、攻撃の応酬が続いています。レバノンでは23日以降、子どもや女性を含む550人以上が死亡し、多くの市民が避難を余儀なくされていて、混乱が広がっています。

イスラエル軍は24日もレバノン南部でイスラム組織ハマスに連帯するヒズボラの武器庫などへの空爆を続けているほか、首都ベイルートでも空爆を行い、ヒズボラのロケット部隊の司令官を殺害したと発表しました。

レバノンの保健省によりますとこの攻撃で6人が死亡したということです。

23日以降のイスラエル軍の攻撃による死者は子ども50人、女性94人を含むあわせて558人に上ったとしていて、犠牲者が増え続けています。

また、攻撃を逃れようと南部からは多くの市民がベイルートなどへの避難を余儀なくされ、レバノン政府が学校を避難所として開放するなど対応に追われていて、混乱が広がっています。

一方、ヒズボラも24日未明からイスラエル北部にある軍用空港などへの攻撃を行っていて、イスラエルメディアは、これまでに220発のロケット弾が発射されたとしています。

イスラエルのネタニヤフ首相は24日、「引き続きヒズボラへの攻撃を続ける」などと述べ、強硬姿勢を崩しておらず、双方の間で攻撃の応酬がさらに激化することが懸念されます。

レバノン政府は公立学校を避難所として開放など対応追われる

23日から続いているイスラエル軍によるレバノン南部への大規模な空爆を受けて多くの市民が避難を余儀なくされていて、レバノン政府は公立学校を避難所として開放するなどして、対応に追われています。

このうち、首都ベイルート郊外の専門学校には、24日、イスラエル軍の攻撃から逃れてきた家族連れなど、およそ1000人が避難してきていました。

南部からベイルートなどに向かう道路は避難する市民の車で大混雑していて、通常2時間程度の道のりが16時間以上かかった人もいたということです。

また、避難してきた多くの市民は必要最低限の荷物しか持ってきておらず、薬が必要な高齢者や、子どものミルクやおむつなどを必要としている家族も多く、支援の必要性を訴えていました。

避難してきた男性は「きのうは本当に大変で、避難する場所もなく道路で寝た。戦闘がいつ終わるのか不安に感じる。一刻も早く終わってほしい」と話していました。

また、別の男性は「民間人に対しても空爆が行われていた。避難の最中、目の前の道路にもミサイル3発が着弾した。私も怖かったし、孫たちも怖がっていた」と話していました。

イスラエル軍は、ヒズボラのミサイル・ロケット部隊の司令官、イブラヒム・ムハンマド・カビシ氏を殺害したと発表した。

  カビシ氏はベイルート空爆で死亡したという。

原題:Israel Says It Killed a Hezbollah Commander in Beirut Strike(抜粋)

イスラエルのガラント国防相は24日、軍との協議の中で、イラン支援下にあるレバノン武装組織ヒズボラはその指揮系統や戦闘員、戦闘手段に深刻な打撃を受けているとの見解を示した。その上で、イスラエルヒズボラに対するさらなる攻撃の準備ができていると述べた。

また、イスラエル北部の住民の安全な帰還を確実にするという目標が達成されるまで、イスラエルレバノンにあるヒズボラ拠点への攻撃を続けると述べた。

イスラエルは過去1週間にレバノンを拠点とする親イラン民兵組織ヒズボラに対する攻撃を毎日続け、司令官を殺害し、ミサイル発射施設を破壊した。その狙いはヒズボラを国境付近から撤退させ、イスラエルに対するミサイル攻撃をやめさせることだと当局者の発言は示唆する。

  イスラム組織ハマスに対するパレスチナ自治区ガザでの作戦とは異なり、ヒズボラについてイスラエルは壊滅に追い込むほどの目標はなさそうだ。地上侵攻の必要性が生じる事態を防ぎ、国境地帯から避難を迫られたイスラエル市民の帰還を可能にするには、ヒズボラを後退させれば十分だからだ。

  イスラエル軍は「ヒズボラが過去20年にわたり建設してきた軍事インフラを破壊している」と、ハレビ参謀総長は23日に発言。「全ては北部市民が自宅に帰れる条件をつくることが目的でなければならない」と続けた。

  この目標を達成するためのイスラエルの取り組みは、多くのレバノン市民に大惨事をもたらしている。空爆で数百人が死亡し、数万人が退避を余儀なくされた。イスラエルレバノンに対し2006年以降で最大の攻撃を実施した23日には、同日だけで約500人が死亡、1650人が負傷した。

イスラエル軍レバノンヒズボラ拠点空爆、500人近く死亡

  これに先立ち、先週はヒズボラのメンバーらが所有するポケベルやトランシーバー数千台が爆発した。ヒズボラとイランはイスラエルの仕業だと非難しているが、イスラエルは否定も肯定もしていない。

  イスラエルのネタニヤフ首相は24日、同国が戦っているのはヒズボラで、レバノンの人々ではないと軍事情報拠点への訪問に際し主張。ヒズボラに対する攻撃は継続すると述べた。

  イスラエル当局者は地上侵攻の可能性も排除していないとしているが、少なくとも今のところその計画はなさそうに見える。

  そのような行動を取る場合のリスクの一つは、兵士をヒズボラに拘束され、ガザに捕らわれた人質の返還交渉と同じ長期で解決困難な展開をたどる可能性だ。長期の作戦に踏み切れば、人的・経済的に高い犠牲を伴う恐れも生じる。

  「数時間で終わる空爆とは異なる。地上侵攻となれば、少なくとも数日から数週間は現地にとどまることになる」と、イスラエルの退役陸軍大将で元国家安全保障顧問のジオラ・エイランド氏は電話取材に語った。

  イスラエル軍ヒズボラ指導部に十分な軍事的圧力をかけ、外交的な解決策を引き出すことを目指していると、同国軍の戦略に詳しい関係者は指摘。外交的解決は米国がイスラエルに長らく促していることでもある。オースティン米国防長官は定期的に、イスラエルのガラント国防相と会談している。

原題:Israel Aims to Force Back Hezbollah Without Starting Ground War(抜粋)

Israel to Continue to Strike Hezbollah, Netanyahu Says(抜粋)

イランのペゼシュキアン大統領は24日、国連総会で演説し、「2015年のイラン核合意参加国と対話する用意がある」と述べ、行き詰まっている欧米との再建交渉の再開に意欲を見せた。また、ロシアとウクライナの戦争を対話を通じて終結するよう呼びかけた。
核合意の「義務が誠実かつ完全に履行されれば、他の問題についても協議できるようになる」と指摘した。

イランを後ろ盾とするパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスが昨年10月にイスラエルを奇襲し、イスラエルハマスの衝突が始まって以来、イランの対ロシア支援強化の動きとも相まって、同国と西側諸国の関係は悪化している。

ペゼシュキアン氏は、イスラエルがガザでジェノサイド(大量虐殺)を行っていると非難。

「国際社会は、ガザにおける恒久的な停戦を早期に確保し、レバノンでのイスラエルのすさまじい蛮行を終わらせることが絶対的に必要だ」と強調した。

イスラエル軍が24日、レバノンの首都ベイルート南郊で行った空爆で、親イラン武装組織ヒズボラのロケット部隊幹部が死亡した。全面戦争を招くリスクがくすぶっている。 もっと見る

ペゼシュキアン氏は「われわれは全ての人のために平和を求め、どの国とも争うつもりはない。イランは戦争に反対しており、ウクライナにおける軍事衝突の即時停止の必要性を強調している」と言明した。

イスラエル軍による隣国レバノンへの空爆で市民の犠牲が増え続け、イスラエルと敵対するイランの出方が焦点となる中、ペゼシュキアン大統領は国連総会で演説し、イスラエルに対して「報いを受けるのは当然だ」とけん制しました。ただ、具体的な対応については言及しませんでした。

イスラエル軍は24日もレバノン各地でイスラムシーア派組織ヒズボラへの空爆を続け、レバノンの保健省は23日以降の攻撃による死者は558人に上ったとしています。

こうした中、ヒズボラを支援するイランのペゼシュキアン大統領は24日、国連総会の一般討論演説で、「この地域や世界に火の粉が拡大する前に、国際社会はできるだけ早く恒久的な停戦を確立し、イスラエルの残虐行為をとめなければならない」と訴えました。

そのうえで、イスラエルに対し、「罪のない人たちを殺害したこの数日間の犯罪行為は報いを受けるのが当然だ。その結果責任は悲劇を終わらせようとする国際的な努力に逆らっている政府にある」とけん制しました。

ただ、イランとして、具体的にどう対応するかは言及しませんでした。

また、欧米との対話を掲げるペゼシュキアン大統領は今回の演説で、欧米との対立の一因となっている核開発をめぐり「協議の用意がある」とも述べていて、融和的な外交姿勢を示すねらいもあるとみられます。

スウェーデン当局は24日、イランが昨年テキストメッセージサービスをハッキングし、イスラム教の聖典コーランが燃やされたことへの復讐を宣言するメッセージを数千件送っていたと明らかにした。

スウェーデン国内では昨年、コーランが公衆の面前で燃やされる事件が相次いだ。イスラム教諸国は強く反発し、イスラム教過激派が攻撃に動くとの懸念が高まっている。

スウェーデンの治安警察は「サイバー集団がイラン革命防衛隊の指示の下、組織的な活動により影響力を行使したことを確認した。活動はスウェーデンイスラム嫌悪国と印象付け、社会に分断をもたらすのが狙いだった」と説明した。

スウェーデン検察当局によると、ハッキングを実行したハッカーを特定したが、国外での訴追やスウェーデンへの身柄引き渡しが困難なため、起訴は行わない。
スウェーデンは昨年、コーラン焼却事件を受けてテロ警戒レベルを引き上げている。

バイデン米大統領は24日、国連総会で一般討論演説を行い、イスラエルレバノンイスラムシーア派組織ヒズボラ間の戦闘によって悪化の兆しを示す中東情勢について「外交的解決はまだ可能」とし、緊張緩和を呼びかけた。

バイデン大統領にとり、今回が最後の国連演説となる。

バイデン氏は「全面戦争は誰の利益にもならない。状況が悪化しても、外交的解決はまだ可能だ」と言明した。

イスラエルイスラム組織ハマスに対しては、パレスチナ地区ガザでの停戦と人質解放に向け、合意の必要性を訴えた。

ロシアによるウクライナ侵攻は失敗に終わるとも言明。「プーチン大統領の戦争が主な目的を達成できなていないことは朗報だ。ウクライナはまだ自由だ」とし、「われわれは疲労することも、目をそらすこともできない。ウクライナが公正かつ永続的な平和を勝ち取るまで、われわれはウクライナへの支援の手を緩めるつもりはない」と断言した。

バイデン大統領は26日にウクライナのゼレンスキー大統領と会談する予定。

また、米国は中国との競争が紛争に陥らないよう責任を持って対応することを目指しているとし、「われわれは緊急の課題に協力する用意がある」と述べた。

トルコのエルドアン大統領は24日開催された国連総会での演説で、国連システムと西側諸国の価値観は死につつあると述べ、イスラエルへの厳しい批判を展開した。

エルドアン氏はパレスチナ自治区ガザにおけるイスラエルの軍事作戦とイスラエル支援を行っている西側諸国に対する非難を改めて表明。「ガザの子どもたちとともに、国連システムも真実も、西側諸国が守ると主張する価値観も、より公平な世界で生きたいという人類の希望も、次々に死につつある」と述べた。その上で、イスラエル阻止に向けて「人類同盟」を結ぶよう呼びかけた。

また「停戦のために活動しているとされる人々が、イスラエルが虐殺を続けられるよう舞台裏で武器や弾薬を送り続けている。これは矛盾しており、不誠実だ」とも指摘した。

さらにイスラエルがイラン支援下にあるレバノン武装組織ヒズボラを標的とした空爆を行う中、トルコはレバノン国民と共にあると述べた。

国連総会の一般討論演説が24日始まり、冒頭、国連のグテーレス事務総長が演説しました。

グテーレス事務総長は、ウクライナガザ地区などで激しい戦闘が続くなか、ことしの一般討論演説を迎えたことについて、「戦争は終結の見通しが立たないまま激化し、核兵器による威嚇や新たな兵器が暗い影を落としている。私たちは想像を絶する事態へと近づきつつあり、世界を巻き込む火薬庫のような危険性をはらんでいる」と強い危機感を示しました。

そしてこの危機の原因の一つとして、国際法違反や国連憲章の根幹を脅かす行為が「処罰されない世界」になっていることが問題だと指摘しました。

グテーレス事務総長は「いまやますます多くの政府や組織が処罰されないカードを手にしていると感じている。彼らは国際法を踏みにじり、国連憲章を侵害し、国際法廷の判決に目をつぶり、国際人道法を平然と無視することもできる。他国を侵略し、社会全体を荒廃させ、自国民の福祉を完全に無視することもできる。でも何も起こらない」と述べ、具体的な国名はあげませんでしたが国際法を無視する国々を批判しました。

そして「ますます多くの国々が地政学的な分裂を利用して説明責任を問われることなく、やりたい放題にしているときだからこそ、国連憲章を再確認し、国際法を尊重し、国際法廷の決定を実施し、人権を強化することがあらゆる場所でこれまで以上に重要だ」と訴えました。

またグテーレス事務総長はガザ地区について「地域全体を巻き込むおそれがある悪夢が続いている。それはレバノンを見れば明らかだ」とした上で、「われわれは事態の悪化を警戒しなければならない。レバノンはいま瀬戸際に立たされている。世界の人々はレバノンがもう一つのガザ地区になるのを許すわけにはいかない」と強調し、緊張の緩和を呼びかけました。
バイデン大統領 レバノン情勢「外交的な解決まだ可能」

アメリカのバイデン大統領は24日、国連総会で演説し、ガザ地区での停戦や緊張が高まるレバノン情勢の外交的な解決などを訴えました。

演説の中でバイデン大統領は、去年10月7日、イスラム組織ハマスイスラエルに越境攻撃をしかけたことに触れ「どんな国もこのような攻撃が二度と起きないようにする権利と責任があるはずだ」と述べ、イスラエル自衛権を支持しました。

そのうえで、イスラエルハマスの間で続く停戦と人質の解放に向けた協議について「今こそ当事者たちが条件で合意し、人質を帰還させ、ガザ地区での苦しみを和らげて戦争を終結させる時だ」と述べ、双方に協議を前進させるよう求めました。

また、イスラエル軍レバノンハマスに連帯するイスラムシーア派組織ヒズボラへの空爆を続けていることについて「全面戦争は誰の利益にもならない。情勢が激化したとしても、外交的な解決はまだ可能だ」として、さらなる戦闘の拡大を防ぐため、外交的な解決を目指す姿勢を強調しました。

さらに、バイデン大統領はロシアによるウクライナ侵攻について「われわれは疲れてはいけない。目を背けてはいけない。ウクライナへの支援を緩めることはない」と述べ、国際社会に連帯を訴えました。

また、中国をめぐっては、両国の競争関係が衝突に発展しないよう責任を持って管理すると強調しました。

その一方で「アメリカは不公正な経済競争や、南シナ海における他国への軍事的威圧に反対し、台湾海峡の平和と安定を維持する」と述べて中国をけん制したうえで、インド太平洋地域の協力関係を強化する考えを示しました。

中東各国の首脳たち イスラエルに対し激しい非難

国連総会の一般討論演説では、中東各国の首脳たちからイスラエルに対して激しい非難が続きました。

このうち、トルコのエルドアン大統領は「イスラエルの攻撃の結果、ガザは女性や子どもたちの世界最大の墓場と化した」と非難した上で、「即時で恒久的な停戦と人質などの交換が不可欠だ。ガザへの人道的な支援は妨害や中断されずに届けられなければならない」と訴えました。

また、イスラエルイスラム組織ハマスとの停戦協議の仲介役を務めているカタールのタミム首長は「イスラエルレバノンでの戦争を仕掛け、誰もどこまでエスカレートするかわからない。これはガザでの残虐な戦争が終わらなければ直面すると私たちが繰り返し警告してきたことなのだ」と述べました。

その上で「戦争の終結は、イスラエルの指導者たちがよく理解しているとおり、迫られた選択なのだ。ガザへの攻撃をやめろ。レバノンへの攻撃をやめろ」と強く訴えました。

さらに、早くからイスラエルと国交を結ぶなど、アラブ諸国の中でも比較的、穏健な路線をとってきたヨルダンのアブドラ国王も「イスラエルに対する国際社会の不満は長く高まってきたが、これほどまでに表面化したことはない。激しい怒りの声が世界中に響きわたっている。どの都市でも大規模な抗議活動が起き、イスラエルへの制裁を求める声が大きくなっている」と述べ、イスラエルは耳を傾けるべきだと主張しました。

レバノン情勢受けて安保理緊急会合開催へ

イスラエル軍レバノンイスラムシーア派組織ヒズボラに対して大規模な空爆を行い、大勢の死傷者が出ている事態を受けて国連の安全保障理事会の緊急会合が25日に開催されることになりました。

この緊急会合はレバノン旧宗主国でいまも政治や経済に影響力を持つフランスが開催を要請していたものです。

安保理で議長国を務めるスロベニアによりますと、緊急会合は現地時間の25日の午後6時から(日本時間の26日午前7時から)始まる予定で、冒頭、国連のグテーレス事務総長が状況を説明します。

イスラエル軍レバノンの各地で空爆を続け、ヒズボラもロケット弾で応酬するなか、事態のエスカレートを食い止めるため、安保理が一致できるかが注目されます。

ゼレンスキー大統領 各国に平和サミットへの参加を呼びかけ

ウクライナのゼレンスキー大統領は、国連の安全保障理事会の首脳級会合で演説し「ロシアの戦争を止めたければ、ともに団結して行動することが重要だ」と訴え、各国にウクライナの和平案を話し合う平和サミットへの参加を呼びかけました。

ニューヨークの国連本部では、国連総会の一般討論演説と並行してウクライナ情勢をめぐる安保理の首脳級会合が24日、開かれ、ウクライナのゼレンスキー大統領が去年に続き対面で出席しました。

この中で、ゼレンスキー大統領は「きょうもまたロシアの爆弾が住宅に直撃し、普通のパン工場が標的になった。パンを焼くことが、ロシアに何の脅威なのか。プーチン大統領は何も答えない」と述べ、軍事侵攻を続けるロシアを非難しました。

また、ロシアがこの秋にウクライナ原子力発電所を標的にしようと準備している情報があるとして、ロシアによるインフラ施設への攻撃を強くけん制しました。

その上でロシア軍の撤退や領土の回復などウクライナの和平案を話し合う「平和サミット」について触れ「私たちは、ロシアの戦争を本当に止めたいのであれば、何をすべきかを知っている。最も重要なことは、ともに団結して行動することだ」と述べ、各国に、ことし11月の開催を目指す2回目の平和サミットへの参加を呼びかけました。

ウクライナガザ地区での戦闘が長期化し、国連の存在意義が問われる中、24日に始まった国連総会の一般討論演説では、各国の首脳から、常任理事国の拒否権で機能不全に陥っている安全保障理事会の改革を求める声が相次ぎました。

ウクライナや中東などの情勢をめぐり、国連安保理では、5か国の常任理事国のうちロシアやアメリカ、中国がたびたび拒否権を行使し、戦闘を止めるために有効な対策を打ち出せていないとして批判の声が高まっています。

こうした中、ニューヨークの国連本部で24日から始まった、各国の首脳らによる一般討論演説では、常任理事国の拡大や拒否権の制限など安保理改革を求める意見が相次ぎました。

このうちトルコのエルドアン大統領は「国連はここ数年、設立時の使命を果たせず、機能不全に陥っている」と指摘したうえで「国際的な正義を特権的な5か国の意思に委ねるわけにはいかない。その最たる例がガザ地区で350日間続く戦争だ」と述べ、アメリカなどによる拒否権の行使で戦闘を止められない状況を批判しました。

また、リトアニアのナウセーダ大統領は、常任理事国でありながらウクライナに侵攻したロシアについて「侵略者が常任理事国の名の下に隠れ、拒否権を無制限に振りかざしている」と批判し、紛争当事国による拒否権の行使は制限されるべきだとの考えを示しました。

そして、ブラジルのルーラ大統領が「南米とアフリカの国が常任理事国に入っていないのは植民地時代と変わらず受け入れがたい」と批判したほか、シエラレオネのビオ大統領も「安保理は創設から80年近くたつが、その不均衡な構成は不当で現実と相いれない」と述べ、常任理事国を現在の5か国から増やすよう求めました。

中東で本格的な紛争発生リスクが高まる中、米国の複数の都市で24日、イスラエルに対する米国の軍事支援に反対するデモが行われた。

米国の市民団体連絡組織「ANSWER」によると、ニューヨーク市のヘラルドスクエアには数十人の抗議者が集まり、「レバノンから即刻手を引け」などと書かれた横断幕を掲げ、「中東に触るな」「パレスチナを解放せよ」などと連呼した。

ワシントンのホワイトハウス近くでも同様のスローガンや横断幕を掲げ、小規模な抗議活動が行われた。

ANSWERは声明で「イスラエルによるレバノン攻撃やパレスチナ自治区ガザで行われている包囲とジェノサイド(大量虐殺)は、米政府が提供した大量の爆弾、ミサイル、戦闘機によって可能になった」と主張した。

また、サンフランシスコ、シアトル、サンアントニオ、フェニックスなどでも抗議活動が組織されたと明らかにした。

英政府は24日、イスラエルレバノンの親イラン武装組織ヒズボラの戦闘激化を受け、国民の退避を支援するため数百人の兵士をキプロスに動員した。

英国の外務・英連邦・開発省(FCDO)によると、約700人の部隊が国境警備隊の支援を受けキプロスに展開される。

空軍も航空機と輸送ヘリコプターを待機させ、必要に応じて支援を提供するという。

ヒーリー国防相「この数時間、数日の出来事は状況がいかに不安定であるかを示している。われわれのメッセージは明確で、英国民は今すぐ退避すべきだ」と述べた。

イスラエルは2日連続でレバノン各地のヒズボラ支配地域を攻撃。レバノン保健相によると、2日間の死者は569人で、うち50人が子どもだという。負傷者は1835人に上っている。

ロシアが超音速対艦ミサイル「ヤーホント」(別名P―800オーニクス)をイエメンの親イラン武装勢力フーシ派に供与するかどうかに関する双方の秘密会談を、イランが仲介したことが分かった。イランがロシアとの結び付きを深めていることを示す動きだ。欧米と地元の計3人の関係筋が明らかにした。

7人の情報筋によると、ロシアはヤーホントをフーシ派に供与するかどうかをまだ決定していない。専門家によると、ヤーホントを使えば紅海で商船をより正確に攻撃することが可能になり、商船を護衛する欧米の軍艦にとっての脅威が高まる。

フーシ派は昨年11月以降、パレスチナ自治区ガザでイスラエルと戦っているパレスチナ人を支援するため、重要な航路となっている紅海で船舶へのドローンやミサイルによる攻撃を繰り返している。

フーシ派は少なくとも2隻の船舶を沈没させ、1隻を拿捕(だほ)した。海運会社は貨物船を迂回させることを強いられるなど世界の海上輸送を混乱させており、業界筋によると、紅海を航行する船舶の保険料が上昇した。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は今年7月、ロシアがミサイルを送ることを検討していると報じていた。イランが仲介役を果たしていることはこれまでに報じられていなかった。

#パレスチナガザ地区ハマス大規模攻撃「アルアクサの洪水」・350日目②)

イスラエル軍は25日、レバノンに対するさらなる空爆を行った。一方、レバノンの親イラン武装組織ヒズボラは同国情報機関モサド本部を標的として、イスラエル北部に向けロケット弾を発射するなど、過去1年で最も激しい戦闘が繰り広げられた。

ヒズボラは声明で、25日朝にテルアビブ郊外のモサド本部を狙ってミサイルを発射したと表明した。「パレスチナ自治区ガザの忠実なパレスチナ人を支援し、レバノンと国民を守るためだ」と説明した。

ヒズボラは指導者の暗殺や同組織が使用する通信機器の爆発についてモサドに責任があるとしている。

イスラエル軍は、レバノンから飛来した地対地ミサイル1発を防空システムが迎撃したと発表した。被害や死傷者の報告はないという。

イスラエル軍のショシャニ報道官は、ヒズボラのミサイルの標的が何であったかは確認できないと述べた。

「ミサイルがテルアビブの民間人居住地域に向かって飛んだ。モサドの本部はその地域にはない」と語った。

ネタニヤ市を含むイスラエル中部の他の地域でも警報サイレンが鳴り響いた。

イスラエルは空軍機が現在、レバノン南部と東部ベカー高原で大規模な攻撃を行っていると発表した。

レバノン保健省は、ケセルワン地方のシーア派住民が住むマーイスラが攻撃を受け、3人が死亡し9人が負傷したと発表した。最近の戦闘で同地域が攻撃を受けたのは初めて。

イスラエル軍は24日夜から攻撃している地域を拡大し、ベイルートとマーイスラの南にあるビーチリゾートの町ジーヤを初めて攻撃した。

アビアド保健相は、イスラエルの攻撃により23日の朝から、50人の子供を含む569人が死亡し1835人が負傷したとアルジャジーラ・ムバッシャーテレビに語った。ハビブ外相は国内で50万人が避難したとみられると述べた。

イスラエル当局は北部ガリラヤ地方がヒズボラの激しい砲撃を受けたと発表した。

約40発のロケット弾が一斉に発射され、いくつかは空中で迎撃されたが、一部は防空網を突破して人口密集地域に到達したという。サフェドで介護施設が攻撃を受けたが、負傷者の報告はないとしている。

イスラエル軍はまた、シリアからイスラエル領内に侵入したドローンがガリラヤ湖の南で戦闘機に迎撃されたと明らかにした。

武装組織「イラクイスラム抵抗運動」は声明で、ドローンを使ってイスラエルが占領するゴラン高原の標的を攻撃したと表明した。

東レバノンのイスラムシーア派組織ヒズボラは25日、イスラエル中部のテルアビブ郊外に向けて弾道ミサイルを発射し、イスラエル軍はこれを迎撃しました。ヒズボラの攻撃がテルアビブ郊外におよんだのは今回の戦闘では初めてだということで、さらに緊張が高まることが懸念されます。

レバノンヒズボラは25日朝、イスラエル中部にある最大の商業都市、テルアビブ郊外の情報機関モサドの本部に向けて弾道ミサイル1発を発射したと発表しました。

モサドヒズボラの幹部を殺害し、ポケットベルなどによる爆発に関与したためだとしています。

これに対し、イスラエル軍はこの弾道ミサイルを防空システムで迎撃するとともに発射元となったレバノン南部の軍事施設を空爆したと発表しました。

イスラエル北部ではヒズボラのロケット弾による攻撃が相次いでいますが、イスラエルメディアによりますと、射程の長い弾道ミサイルを使ってテルアビブ郊外などのイスラエル中部への攻撃は、今回の戦闘では初めてでさらに緊張が高まることが懸念されます。

イスラエル軍レバノン南部でヒズボラの武器庫などへの空爆を繰り返していて、UNHCR=国連難民高等弁務官事務所は24日、レバノン東部への攻撃で女性職員と子どもが死亡したと発表し、イスラエルヒズボラ双方に対し、民間人や支援関係者を保護するよう訴えています。

レバノン保健省によりますと、イスラエル軍による空爆レバノン国内では24日までに子ども50人、女性94人を含む合わせて558人が死亡しています。

空爆を受けたレバノン南部の村の様子は

ロイター通信が24日、イスラエル軍空爆を受けたレバノン南部の村で撮影した映像では、建物が崩れ落ちたり車が黒焦げになったりした被害の様子が映っています。

また南部ティールの病院では空爆で足を骨折した子どもや頭に包帯を巻いた男性がベッドに横たわっています。

息子2人が空爆でけがをしたという母親は「イスラエル軍の攻撃を受けたとき、私たちは家で神に祈っていました。普通の子どもなのにイスラエルは私たちが家を持つことすら許さないと言っているかのようです」と話していました。

テルアビブでは不安を訴える声

25日朝、ミサイルなどへの警戒が呼びかけられたイスラエル最大の商業都市テルアビブでは、市民から不安を訴える声が聞かれました。

妻が妊娠中だという42歳の男性は「家とは違う建物にあるシェルターに逃げこみました。とても怖かったです。数日はなんとか乗り切れると思いますが、状況が悪くなる一方なので、戦争を止める必要があると思います」と話していました。

また、双子が今月に生まれたばかりだという35歳の男性は「すぐにアパートの中のシェルターへ避難しましたが、とにかく慌ただしかったです。子どもたちが寝ていてくれて助かりました。テルアビブ周辺に向けて攻撃があるだろうとは予想していましたが、続かないことを願っています」と話していました。

イランの最高指導者ハメネイ師は25日、イスラエルレバノン全土を空爆し、レバノンの親イラン武装組織ヒズボラの幹部を殺害したことを受け、ヒズボラの司令官を殺害してもヒズボラを屈服させることはできないと述べた。

ハメネイ師はヒズボラ組織力と人的資源は非常に堅固であり、たとえ司令官の殺害が明らかに損失であっても、ヒズボラが致命的な打撃を受けることはない」と語った。

また、イスラエルが敵を倒すことができないために市民を殺害していると非難した上で、「パレスチナレバノン抵抗勢力は最終的に勝利する」と述べた。

レバノンの保健相によれば、イスラエルの新たな攻撃による死者は23日以降で569人に達した。

#パレスチナガザ地区ハマス大規模攻撃「アルアクサの洪水」・351日目①)