フランス、大企業や富裕層に増税-財政赤字巡り市場の信頼回復目指す https://t.co/A5ErLeKTii
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) October 11, 2024
フランス政府は、606億ユーロ(約9兆8500億円)の収支改善策を盛り込んだ2025年度予算案を公表した。バルニエ首相は、絶対多数政党不在の国民議会(下院)で敵対勢力が反発するリスクを冒し、投資家の信頼回復を目指す。
「前例のない財政改善努力」(アルマン経済・財務相)は3分の2余りが歳出削減、残りは企業と富裕層、エネルギーへの増税で賄われる。
新たな財政計画では、年間収入10億ユーロ超の高収益企業約440社を対象に一時的増税を実施し、来年80億ユーロ、26年には40億ユーロの税収増を見込む。海運会社への臨時増税は、来年5億ユーロ、26年は3億ユーロの税収増につながる。
フランスの今年の財政赤字は国内総生産(GDP)比6.1%と予想されているが、25年は5%への縮小を目指し、対策を講じなければ7%に拡大すると政府は警告している。GDP比3%以内という欧州連合(EU)の財政基準を順守する目標は29年になるまで2年先送りした。イタリアの財政赤字は26年に基準内に収まる見通しだ。
コメルツ銀行の金利ストラテジスト、 ハウケ・ ジームスン氏は予算案発表前の段階で、「今回の財政赤字削減を市場が特に大きな成果と見なすとは考えない」と見解を示した。
シティグループのジェイミー・サール氏らストラテジストは、新たな財政赤字目標が「楽観的過ぎる」とした上で、既に価格に織り込まれていると思われるが、格付けリスクを高めるとリポートで分析した。
S&Pグローバル・レーティング、フィッチ・レーティングスより格付けが1段階高いムーディーズ・レーティングスが2週間以内に動くリスクが恐らく最も高いが、「シングルA」格付けに道を開き、格付けに敏感な投資家の資金流出を促す恐れがあるという意味で、フィッチの変更に伴うマイナスの影響が潜在的に最も大きいという。
絶対多数政党不在のハングパーラメントが生じた政治的混乱と、特に税収の落ち込みに伴う財政赤字の著しい悪化が重なり、フランスに対する投資家の信頼は揺らいでいる。フランス10年国債のドイツ国債に対する上乗せ利回り(プレミアム)は、国民議会選前は50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満から、80bp近くに拡大した。
シティのストラテジストらはフランス10年国債のプレミアについて、「今後数週間は80bpより拡大するとみておらず、格付けや格付け見通しの変更がなければ、むしろ幾分引き締まることもあり得るが、25年は100bpに向け拡大する」と予測を明らかにした。
原題:France Hits Big Firms, Wealthy to Trim ‘Colossal’ Debt Pile (1)、France’s ‘Too Optimistic’ Debt Target May Spur Bond Moves: Citi(抜粋)
仏が25年度予算案発表、歳出減・増税で財政赤字GDP比5%に https://t.co/svHuOWQYwc https://t.co/svHuOWQYwc
— ロイター (@ReutersJapan) October 11, 2024
フランス政府は10日、2025年度予算案を発表した。歳出削減と富裕層や大企業への増税による600億ユーロ(656億8000万ドル)の収支改善策を盛り込み、財政赤字を対国内総生産(GDP)比で今年の6.1%(見通し)から来年には5%に抑える方針だ。
アルマン経済・財務相は「赤字を減らし、債務を抑制するのが第1の狙いだ」とし、「直ちに削減を開始し、仏財政の信用を守るとともに、経済安定を確保する必要がある」と記者団に述べた。
バルニエ首相は先に、大企業に対する一時的な増税で80億ユーロ、年収25万ユーロ以上の個人に対する増税で20億ユーロの税収増を図る計画を示している。
600億ユーロの財政改善策のうち増税は約3分の1を占め、残りは歳出削減で実現する。国防、内務、司法省を除く省庁の支出を200億ユーロ削減する計画だ。
バルニエ政権に対しては、金融市場や他の欧州連合(EU)加盟国から財政再建への取り組みを求める圧力が強まっている。
ただ、議会の過半数を大きく下回っていることから、予算案可決には多くの譲歩を迫られる可能性が高く、成立は12月半ばから下旬以降になるとみられる。市場は予算案が大幅に修正されずに成立するか注視する見通しだ。
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