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🇮🇱 1973年の第四次中東戦争直後に結ばれたゴラン高原におけるシリアとの両国間の兵力引き離し協定は、シリア軍が陣地を放棄したため、もはや無効である、とイスラエルのネタニヤフ首相が国境を訪問した際に述べた。

現段階で、イスラエル軍ゴラン高原にあるイスラエル人居住地の安全を確保するため、シリアとの国境にある緩衝地帯を占領している、とイスラエルの国防相が話している。

ℹ️ ゴラン高原は1967年までシリアの一部だった。 六日間戦争ではイスラエル軍が占領したが、第四次中東戦争(1973年)終結後、休戦協定と両国間の兵力引き離し協定が結ばれた。 1974年からはゴラン高原に国連平和維持軍が駐留している。

❗️ 大統領を辞任したシリアのアサド氏とその家族がモスクワに到着した。ロシアは人道的な観点から彼らに亡命先を与えた。クレムリンの関係者がスプートニクに明かした。

また、ロシア当局者はシリア反体制派の武装勢力の指導者らと接触しており、 彼らはシリア領内のロシア軍基地や外交施設の安全を保証しているという。

‍🗨️「ロシアは、国連の後援の下で交渉を再開する必要性に基づいて、シリア危機の政治的解決を見出せるように動いてきた」と関係者は話す。

ロシア国営メディアは8日、ロシア大統領府の関係者の話として、シリアのアサド前大統領が人道的な理由で亡命を認められ、家族とともにモスクワに到着したと伝えた。

シリアの反政府勢力は8日、首都ダマスカスを掌握。50年余り続いたアサド一族による体制が崩壊した。ロシア外務省は、アサド氏がこれを受けてシリアを去り、平和的な政権移譲を指示したと発表していた。

ロシアのメディアによると、大統領府の関係者は「アサド氏と家族がモスクワに到着した。ロシアは人道的に判断し、亡命を認めた」と述べた。

また、シリアの反政府勢力が同国にあるロシア軍基地と外交機関の安全を保証することに同意したという。

ただ、これがいつまで続くかは不明で、ロシアの戦争ブロガーによると、基地周辺の状況は極めて緊迫している。

シリアの反体制派は8日、抵抗を受けることなく首都ダマスカスを掌握し、アサド大統領を追放した。これにより、父の政権から50年余り続いたアサド一族による体制が崩壊した。

ロシア国営メディアは同国大統領府の関係者の話として、シリアのアサド前大統領が人道的な理由で亡命を認められ、家族とともにモスクワに到着したと伝えた。

アサド政権の崩壊でイランとロシアがアラブ世界に影響力を行使していた「とりで」が拭い去られた形となり、中東にとって大きなターニングポイント(転換点)となる。

トルコが部分的に支援し、イスラムスンニ派のジハード(聖戦)主義に根ざした反体制派の手によるアサド政権の突然の転覆は、イランが同盟相手に武器を行き渡らせることを制限するほか、ロシアは地中海の海軍基地を失う可能性がある。トルコ、レバノン、ヨルダンにまたがるキャンプに10年以上散らばっていた数百万人の難民が故郷に帰還する道を開くかもしれない。

反体制派のゴラニ最高指導者はダマスカス中心部にあるモスクで大衆を前に「兄弟たちよ、偉大な勝利を経てこの地域全体に新たな歴史が刻まれようとしている」と語り、多大な努力によってシリアは「イスラム国家の道標」になるとした。

反体制派によって囚人らが解放され、再会した家族は喜びの涙を流した。

ダマスカスの主要広場には数千人が車や徒歩で集まり、手を振ったり「自由」と叫んだりした。
大統領官邸内を歩く人々の姿も見られ、家具を抱えて出て行く人もいた。

反体制派連合は権力移譲を完了させるため行動していると表明した。

アサド政権下で首相を務めたジャラリ氏は自由選挙を求め、移行期間について話し合うためゴラニ氏と接触していると述べた。

<バイデン氏が支援表明>

バイデン米大統領は8日、シリアについて、情勢安定化に向け同国内のパートナーと協力していくと表明した。

イスラエルのネタニヤフ首相はアサド政権の崩壊について、イスラエルがイランとイスラムシーア派民兵組織ヒズボラに打撃を与えたことが要因になったとの認識を示した。

フランスのマクロン大統領は「野蛮な国家が倒れた」と述べた。

イランの英語放送局プレスTVによると、シリア反体制派が8日、イラン大使館を襲撃。イラン外務省は、シリアの運命はシリア国民が唯一責任を負うと表明した。

レバノン治安筋によると、ヒズボラは7日にシリアから全ての残存兵力を引き揚げた。

シリアのアサド政権が崩壊したことを受け、これまで同国の強力な後ろ盾となってきたロシアの地政学的影響力と、戦略的に重要な2つの駐留基地が危機に瀕している。

ロシア国営メディアは8日、ロシア大統領府の関係者の話として、シリアのアサド前大統領が人道的な理由で亡命を認められ、家族とともにモスクワに到着したと伝えた。 もっと見る

ロシアメディアは関係筋の話として、シリアの反体制派指導者らは国内のロシア軍基地と外交機関の安全を保証することに合意したと伝えた。しかし、ロシアの軍事ブロガーによると、基地周辺の状況は極めて緊迫しており、安全がいつまで保証されるか不明だという。

シリア国内のロシア軍基地は、西部ラタキア県のフメイミム空軍基地地中海沿岸のタルトゥース海軍基地の2カ所ある。タルトゥース基地はロシアにとって地中海で唯一の修理・補給拠点で、ロシアはここを中継基地として民間軍事会社をアフリカに送っている。

このため、タルトゥースの拠点を失うことは中東、地中海、アフリカにおけるロシアの影響力に深刻な打撃になるだろうと、西側の軍事アナリストは話す。

<軍事的プレゼンスへの影響>

ロシア国防省に近く、テレグラムで130万人以上のフォロワーを持つロシアの軍事ブロガー「Rybar」は、政府の公式見解がどうであれ、シリア国内のロシア基地周辺の状況は深刻な懸念材料だと述べている。

「中東地域におけるロシアの軍事的プレゼンスは一本の糸にぶら下がっている」「高官らの決定は現地では全く関係ない」と懸念を示し、駐留基地のロシア軍は本国からの命令がない状態で、その立場を防衛するための行動を取っていないと示唆した。

ロシア艦船は安全保障上の理由からタルトゥースを離れ、沖合にとどまっている。一方でフメイミム空軍基地は、反体制派が近隣を制圧した後に事実上封鎖され、クルド人勢力はユーフラテス川の反対側にあるロシアの施設を封鎖し始めた。

ロイターはRybarの指摘を独自に確認できていない。

ロシア外務省は8日、2つの軍事施設は厳戒態勢に置かれているが、「現在のところ、両施設の安全に対する深刻な脅威はない」と表明。

また、「全ての当事者が暴力の使用を控え、政治的手段によって統治に関する全ての問題を解決するよう強く求める」とし、「そのため、ロシアはシリア反体制派の全てのグループと接触している」と述べた。

バイデン米大統領は8日、アサド政権が崩壊したシリアについて、情勢安定化に向け同国内のパートナーと協力していくと表明した。

シリアは「リスクと不確実性」の時期に直面しており、米国はできる限り支援すると強調。シリアで、ロシアやイラン、イスラムシーア派民兵組織ヒズボラが影響力を持っていないのはここ数年で初めてだと指摘した。

「長年、アサド大統領の主な支援者はイラン、ヒズボラ、ロシアだった。だが先週、これらの支援は崩壊した。なぜならイラン、ヒズボラ、ロシアが私が大統領に就任した時よりもはるかに弱体化しているからだ」と説明した。

「次に何が起こるかという疑問に向き合う中、米国はシリアにおけるパートナーや利害関係者と協力し、彼らがリスクを管理する機会をつかめるよう支援していく」と述べた。

さらに、過激派組織「イスラム国」(IS)が勢力を再び拡大するのを阻止するため、米軍が8日にシリアでISの拠点と工作員を標的とした精密攻撃を数十回実施したと述べた。

「これは、長い間苦しんできたシリアの人々にとって誇りある国のより良い未来を築く歴史的な機会だ。同時にリスクと不確実性の瞬間でもある」と語った。

イスラエルは8日、シリアの首都ダマスカスでイランの研究者がミサイル開発を実施していたとされる研究施設などを空爆した。治安筋がロイターに明らかにした。

空爆が3回行われ、ダマスカスのカフル・スーサ地区にある警備施設内の主要税関本部と軍事情報局に隣接する建物に大きな被害が出たという。機密軍事データや機器、誘導ミサイル部品の保管に使用されるインフラが標的になったという。

イスラエル当局者は、シリアが何十年も保管していた化学兵器やその他の禁止されている弾薬やミサイルがイスラム主義主導の反政府勢力の手に渡ることへの懸念を示した。

治安筋によると、イスラエルは8日の早い時間帯にシリア南西部で少なくとも7つの標的に攻撃を行った。スウェイダ市の北にあるカルカラ空軍基地も標的となった。シリア軍は前日夜にこの基地から撤退していた。

イスラエル軍のラジオ局が伝えたところによりますと、イスラエル軍は8日、シリアの首都ダマスカスなどで空爆を行いました。

崩壊したアサド政権が保有していた兵器が反政府勢力の手に渡らないようにするためだとしています。

一方、イスラエルのネタニヤフ首相は8日、アサド政権が崩壊したことについて「中東における歴史的な日だ」と歓迎する声明を出し、安全保障の取り組みとしてシリアとの緩衝地帯に部隊を展開したことを明らかにしました。

内戦が続くシリアで反政府勢力が8日、首都ダマスカスを制圧し、アサド大統領は後ろ盾となってきたロシアに亡命したと伝えられ、政権は崩壊しました。

シリアでは反政府勢力を主導した組織の指導者が演説し、「この勝利は歴史の新たな1ページで、地域にとっての転換点だ」と述べました。

ただ、この組織がテロ組織に指定されていることをめぐって懸念の声もあがっていて、平和的に政権の移譲が行われ、国際社会の承認を得られるかが当面の焦点となりそうです。

目次

半世紀あまりにおよんだアサド政権崩壊
ロシア国営タス通信 “アサド大統領 モスクワに到着”
ロシアとアサド政権
アメリカ軍 シリアのIS拠点など空
《各国の反応》

半世紀あまりにおよんだアサド政権崩壊

内戦が続いてきたシリアでは、先月下旬以降、攻勢を強めた反政府勢力が8日、大統領宮殿を抑えるなどして首都ダマスカスを制圧し、親子2代、半世紀あまりにおよんだアサド政権は崩壊しました。

これを受けて、反政府勢力を主導した「シリア解放機構」のジャウラニ指導者がダマスカスのモスクに姿を見せ、大勢の人々を前に演説しました。

この中でジャウラニ指導者は「この勝利はイスラム国家全体の歴史の新たないちページでこの地域にとっての転換点だ。シリアは北から南、東から西まで11日間で解放された。私たちは偉大な勝利によって13年間に及ぶ苦しみが癒やされるのをこの目で目撃した」と述べました。

また、国営テレビを通じて公共施設は政権移譲されるまで前首相の管理下におかれると宣言し、秩序ある政権移譲が行われるよう国民に融和も求めていました。

ロシア国営タス通信 “アサド大統領 モスクワに到着”

ロシア外務省の発表によりますと、アサド大統領は辞任することを決め、平和的に政権を移譲するよう指示した上でシリア国外に去ったということです。

ロシア国営タス通信は8日、アサド大統領が家族とともにロシアの首都モスクワに到着したと伝え、ロシア大統領府の情報筋の話として、政府がアサド大統領と家族の亡命を認めたとしています。

一方、反政府勢力はSNSでみずからの部隊に向けて「公共施設は正式に移譲されるまでは前首相の管理下にあり、接近することを禁止する」と命じたほか、国営テレビを通じて国民融和を訴えたということで混乱が起きないよう腐心している姿勢も伺えます。

シリアなどではアサド政権の崩壊を歓迎する声があがる一方で、「シリア解放機構」が国連などからテロ組織に指定されていることをめぐって懸念の声もあがっていて、今後、平和的に政権の移譲が行われ、国際社会の承認を得られるかが当面の焦点となりそうです。

ロシアとアサド政権

ロシアは、シリア内戦で、反政府勢力との戦闘を続けてきたアサド政権を支援してきました。

その背景には、シリアがロシアにとって旧ソビエト時代以来の友好国だということがあります。

シリアは戦車や航空機といったロシア製兵器の大口の輸出先です。また、シリアの地中海沿岸にあるタルトゥース海軍基地と、北西部のフメイミム空軍基地にはロシア軍が駐留し、ロシアは中東で影響力を及ぼしてきました。

反政府勢力が攻勢を強めていた今月2日、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、記者団に対し「アサド大統領を支援し続ける」と述べたほか、ロシアのラブロフ外相は7日、あらゆる手段を講じて反政府勢力に対抗していく考えを示していました。

しかし、ロシアは、シリア情勢が急速に進展するなか、アサド政権を支えきれず、アサド大統領とその家族を亡命という形でモスクワに受け入れることになったとみられます。

一方、ロシア国営タス通信プーチン政権がすでに反政府勢力側と接触し、シリア国内のロシア軍基地と大使館の安全の保証を得たと伝えています。

アサド政権が崩壊したいま、ロシアにとっては軍と大使館関係者の安全の確保が最優先の課題となっています。

アメリカ軍 シリアのIS拠点など空爆

アメリカ中央軍は、シリアで8日、過激派組織IS=イスラミックステートの幹部や拠点など75以上の標的を爆撃機や戦闘機で空爆したと発表しました。

攻撃はISを壊滅するための任務の一環で、ISがアサド政権が崩壊した状況を利用して、再編成しないようにするためだったとしています。

バイデン大統領はホワイトハウスで行った演説で、ISに対する作戦は継続されるとした上で「われわれはISが戦力を再編成し、安全な居場所を作ろうと、あらゆる状況を利用しようとすることをはっきりと見据えている。われわれはそれを許さない」と強調しました。

《各国の反応》

アメリカ バイデン大統領「良い未来を築くためのチャンス」

アメリカのバイデン大統領は8日、ホワイトハウスで演説し「アサド政権は多くの罪のないシリアの人々を苦しめ、殺害してきた。長い間、苦しんできた人々にとって、誇り高い国のより良い未来を築くための歴史的なチャンスの瞬間だ」と述べました。

一方、バイデン大統領は「危険と不確実性の瞬間でもあり、われわれは、次に何が起こるのかという問題に目を向けている。アメリカはパートナー国やシリアの関係者と協力し、危機を管理する機会をつかめるよう支援する」と述べました。

タス通信 “シリア反政府勢力側 ロシア軍基地近くの町掌握”

ロシア国営のタス通信は8日、シリアの反政府勢力側がシリアにあるロシア軍のフメイミム空軍基地の近くにある町、ジャブラを掌握したと伝えました。

現地からの情報として「反政府の武装勢力は、昼間のうちにはすでに町の中心部に入り、空に向かって発砲していたが、現在は平穏だ」としています。

崩壊したアサド政権の後ろ盾となってきたロシアは、シリア国内に複数の基地を置いていて、タス通信は、大統領府の情報筋の話として、シリアの反政府勢力がシリア国内のロシア軍の基地とロシア大使館などの安全は保証すると伝えたと報じています。

トルコ 新たな政権と対話行っていく考え

トルコ政府は8日、ギュレル国防相アメリカのオースティン国防長官と電話会談し、最新のシリア情勢について意見を交わしたと明らかにしました。

またフィダン外相は8日、訪問先のカタールで会見し、トルコ政府は、シリアの新たな政権と対話を行っていく考えを示しました。

その上で、「シリア国民が国の未来をつくることができる段階に到達した。国を追われた何百万ものシリア人は故郷に戻ることができる。団結し、国を再建する時だ」と述べました。

一方、多くのシリア難民が暮らすトルコ各地では8日、アサド政権の崩壊を祝うシリアの人々の姿が見られ、最大の都市イスタンブールでも広場などで歓喜の声を上げていました。

イラン外務省「支援惜しまない」情勢を注視

政権を支援してきたイランの外務省は8日、声明を出し、「シリアの運命と未来を決めるのはシリアの人々だけであり、ただちに軍事衝突をやめて国民の対話を始め、すべてのシリア人を代表する包括的な政府を立ち上げる必要がある」として現状を容認する考えを示しました。

その上で「イランとシリアの人々の関係には長い歴史があり、この関係が続くことが期待される。シリアの安全と安定のために支援は惜しまない」とし、シリアへの関与を続けたい考えをにじませました。

ただ、今後の対応については「シリアの政治で鍵を握る勢力のふるまいを考慮しながら適切な対応をする」として、情勢を注視する姿勢を強調しています。

国連特使 “テロ組織は難しい課題”

国連でシリア問題を担当するペデルセン特使は8日、カタールのドーハで記者会見し、アサド政権の崩壊について「暗黒の時代は深い傷を残したが、きょう私たちは平和と和解と尊厳、そしてすべてのシリア人を含む新たな時代の幕開けに慎重ながらも希望を抱いている」と述べ歓迎する考えを示しました。

そのうえで現地の武装勢力に対し、法と秩序の維持と市民の保護などを求め、「シリアのすべての人々に対話と団結、国際人道法と人権の尊重を優先するよう強く求める」と呼びかけました。

一方、反政府勢力を主導する「シリア解放機構」が国連の安全保障理事会の決議でテロ組織に指定されていることについては、「明らかに難しい課題となっている」としたうえで、「指定を外すためには手続きがあり、可能なかぎり包括的なプロセスになるよう努力し続けるつもりだ」と述べました。

フランス マクロン大統領 政権崩壊を歓迎

シリアのアサド政権の崩壊を受けて、フランスのマクロン大統領は8日「野蛮な政権はついに倒れた」とSNSに投稿し、アサド政権のこれまでの強権的な政治を非難するとともに、政権崩壊を歓迎しました。

そして「シリアの人々の勇気と忍耐に敬意を表する。平和と自由と団結を願う」として、今後も中東全体の安定化に取り組む姿勢を示しました。

またフランス外務省も8日の声明で「シリア国民の多様性を尊重し、市民とすべての少数派を保護する平和的な政治の移行を求める」としたうえで、国内の和解や再建に向けて国際社会とともに支援を行うとしています。

シリアの反体制派は8日、アサド大統領を追放し、首都ダマスカスを掌握したと発表した。ロシアメディアによると、アサド大統領と家族はロシアに亡命した。

アサド政権崩壊を受けた各国の指導者・機関の発言は以下の通り。

欧州連合(EU)フォンデアライエン欧州委員長

  「残酷なアサド独裁政権は崩壊した。地域におけるこの歴史的な変革は機会をもたらすが、リスクがないわけではない。欧州は国家統一の維持と、全ての少数派を保護するシリア国家の再建を支援する用意がある」

◎イラン外務省

シリア統一と国家主権を尊重するとし、「軍事紛争の速やかな終結、テロ行為の防止、国民的対話の開始」を声明で求めた。

またイラン政府は、政治的プロセスを実現するための国際的なメカニズムを引き続き支持し、イランとシリアの長期にわたる友好関係は今後も続くとの見通しを示した。

イスラエルのネタニヤフ首相

イランとの主要なつながりであるアサド政権の崩壊は歴史的な日となり、イスラエルが(レバノンの親イラン武装組織)ヒズボラとイランに与えた打撃の直接的な結果だと指摘。さらに「いかなる敵対勢力もわが国の国境に進出することを許さない」とした。

◎バイデン米大統領

「長年、アサド大統領の主な支援者はイラン、ヒズボラ、ロシアだった。だが、これらの支援は崩壊した。なぜならイラン、ヒズボラ、ロシアが私が大統領に就任した時よりもはるかに弱体化しているからだ」

「米国はシリアにおけるパートナーや利害関係者と協力し、彼らがリスクを管理する機会をつかめるよう支援していく」

◎トランプ次期米大統領

「アサドは去った。彼は国から逃げた。庇護者であるプーチン大統領のロシアは、もはや彼を守るつもりはなかった」

「ロシアとイランは現在弱体化しているが、その原因はウクライナと経済悪化、そしてイスラエルと同国による戦闘の成功だ」

◎ロシア外務省

声明で、アサド大統領が平和的な権力移譲を命じた後、退任し国を離れたと明かした。
また、シリアにあるロシアの軍事基地は厳戒態勢に置かれているが、現時点では深刻な脅威はないとし、ロシア政府は全てのシリア反体制派と連絡を取っており、暴力を控えるよう求めていると述べた。

◎ヨルダンのアブドラ国王

ヨルダンはシリア国民の選択を尊重すると述べた。シリアで混乱を招く可能性のあるいかなる紛争も回避するよう求め、隣国の安全を守る必要性を強調した。

マクロン仏大統領

「ついに野蛮な国家は崩壊した。シリア国民の勇気、忍耐に敬意を表する。この不確実な瞬間に彼らの平和、自由、団結を願う」

「フランスは中東全域の安全保障に引き続き尽力する」

◎スターマー英首相

「シリア国民はアサド氏の野蛮な政権下で、あまりにも長い間苦しんできた。われわれは彼の退陣を歓迎する」

「われわれの焦点は今、政治的解決を実現し、平和と安定を回復することだ」

  「全ての関係者に対し、民間人と少数派を保護し、今後数時間から数日中に必要な援助が届くよう求める」

サウジアラビア政府高官

 「われわれはトルコや全ての利害関係者と常に連絡を取っている」とし、シリアの混乱を避けるために可能なことを行う決意があると述べた。  

◎トルコのフィダン外相

シリア国民が自らの国の将来を形作る段階に達しており、希望はあると述べた。
また、テロ組織がこの状況を利用することを許してはならないとし、非合法組織PKK(クルド労働者党民兵のいかなる拡大も、シリアにおける正当な対抗勢力とは見なされないと警告した。

◎ショルツ独首相

「アサド氏は国民を残酷に抑圧し、多くの命を奪い、多数の人々をシリアから逃亡させ、その多くがドイツに逃れて来た。シリア国民は恐ろしい苦痛を経験してきた。アサド政権の終焉は朗報だ」

  「今重要なのは、シリアで法と秩序が速やかに回復されることだ。全ての宗教グループ、少数派は将来にわたり保護されなければならない」

◎ゲイル・ペデルセン国連シリア特使

  「シリアの歴史において重要な節目だ。シリアは14年近く容赦ない苦痛と言葉に尽くせないほどの喪失に耐えてきた。この暗い章は深い傷跡を残したが、きょう私たちは慎重に、希望を持って新たな章の始まりを待ち望んでいる。それは全てのシリア人にとって平和、和解、尊厳、そして包摂の時代だ」

トランプ次期米大統領は8日、ロシアがシリアのアサド大統領を見捨てたことがアサド氏の失脚につながったと述べた。

トランプ氏は「アサド(大統領)は去った。頼みのロシアにも守ってもらえなかった」と自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。

「ロシアはウクライナ(侵略)のためにシリアへの関心を完全に失った」とし、ロシアはウクライナとの戦争と景気低迷で、イランはイスラエルとの闘いが原因でそれぞれ弱体化したと指摘した。

ロシアとウクライナの双方が数十万人の死傷者を出しており、ウクライナは多くの民間人も失っているとし、ゼレンスキー大統領は「取引をしてこの狂気の沙汰を止めたいと思っている。即時停戦と交渉開始が必要だ」と訴えた。「中国が助けになる」とも述べた。

正直、これを許してしまうなら次期政権との手打ちがあったと考えるのが普通だろう…

穏健派のトランプの事です。
同じ様に中東もウクライナも政治取り引きにて 丸く収めるつもりなのだろう…

🐸シリアへのトランプ大統領の仲介的なコメントにも今回は疑問があった…
強権だからこそ出来る穏健処置か…

国際関係学者の大家の一人スティーブン・ウォルト(ハーバード大学教授)

・米国の外交政策が民主主義、自由、法の支配、人権といった高尚な理想によって導かれているという主張はナンセンス

アメリカの歴史はすべてその逆を証明している。アメリカが建国した「先住民に対する大量虐殺キャンペーン」から、「多くの国の民主化プロセスを妨害するために軍事介入し、インドシナラテンアメリカ、中東で何百万人もの人々を殺した戦争を行った、あるいは支援した」という事実まで。

・これがアメリカ国民に対する大規模な洗脳キャンペーンによって可能になっている。 政府機関は、情報を機密にし、リークした者を訴追し、国民に嘘をつき、問題が起きたり不正行為が露見したりしても責任を問われないようにすることで、「同意を製造 」するために残業している。彼らの努力は、政府の主張を無批判に繰り返し、公式のシナリオに疑問を呈することはめったにない、一般的に従順なメディアによって助けられている。

チョムスキーの本を読むのと、『フォーリン・アフェアーズ』や『アトランティック』といった雑誌に現役のアメリカ政府高官や元政府高官が寄稿するエッセイ集を読むのとでは、どちらがアメリカの外交政策について学べるかと問われれば、チョムスキーが圧勝と今は答える。私が40年前にキャリアをスタートさせたときには、そうは思っていなかったし、そうは書かなかった。しかし、現実を注意深く観察し、証拠が積み重なるにつれて私の考え方も進化してきた。

記事タイトル:ノーム・チョムスキーが正しかった
https://foreignpolicy.com/2024/11/15/chomsky-foreign-policy-book-review-american-idealism/

西側諸国の外交筋は7日、イランが濃縮度を高めたウランの生産ペースを加速させていることは重大な懸念であり、同国が核問題を巡る交渉に戻るという宣言と矛盾していると述べた。

イラン外務省は同日、同国の核開発計画は引き続き国際原子力機関IAEA)の監視下にあると述べた。

匿名を条件に語った西側外交筋は、濃縮度の加速は「信頼できる交渉に戻るというイランの宣言と矛盾している」とし、「これらの措置には信頼できる民生用の正当な理由がなく、逆に、イランがその決定を下した場合、軍事核計画を直接助長することにつながる可能性がある」と語った。

IAEAは6日、加盟国への報告書で、イランが濃縮度を60%に高めたウランの生産ペースを大幅に加速させていると明らかにした。

イラン外務省の報道官は7日、イランの核開発計画は核拡散防止条約およびその他の保障措置の枠組みの中で「完全に透明性のある方法によりIAEAの監督の下で」実施されていると述べた。イラン国営メディアによると、同報道官は「最近の活動もIAEAに提供された詳細な情報に基づいて実施されており、IAEAの継続的な監督下にある」と主張した。

#パレスチナガザ地区ハマス大規模攻撃「アルアクサの洪水」・426日目②)

反体制派が抵抗を受けることなく首都ダマスカスを掌握し、アサド大統領を追放したシリアで、市民らは9日、不確実ながらも希望に満ちた夜明けを迎えた。反体制派が外出禁止令を出しているため、ダマスカスでは大半の商店が営業しておらず屋外で市民の姿はほとんど見られない。

アサド政権の崩壊に国際社会からも歓迎の声が上がっているが、反体制派は今後、内戦と海外からの制裁によりほぼ壊滅状態にある国を再建するという難事業に直面することになる。

アサド政権への攻勢を主導したシャーム解放機構(HTS)のジャウラニ指導者は8日、ダマスカス中心部にあるモスクで大衆を前に「兄弟たちよ、偉大な勝利を経てこの地域全体に新たな歴史が刻まれようとしている」と語り、多大な努力によってシリアは「イスラム国家の道標」になるとした。

アサド政権のジャラリ首相は、スカイ・ニューアラビアに対して、ジャウラニ氏との会談を希望するとしたほか、政権移行のための文書や支援を提供する用意があると語った。

シリア軍の処遇については「国政を引き継ぐ兄弟に託された問題であり、今重要なのはシリア国民への公共サービスの継続だ」とした。

約6カ月前、シリアの反体制派はアサド大統領による権力を弱める好機が訪れたことを察知した。トルコに大規模な攻勢計画を伝えたところ、同国から暗黙の承認が得られたという感触があったからだ。計画を知る情報筋2人が語った。

この作戦は開始からわずか2週間で、当初の目標だったシリア第2の都市アレッポの制圧を達成し、ほぼ全員を驚かせた。それから1週間余りで反体制派連合軍は首都ダマスカスに到達し、8日にはアサド氏一族による50年にわたる支配に終止符を打った。
電撃的な進撃が可能になったのは、反体制派にとってほとんど完璧とも言える条件が整ったおかげだ。アサド政権の軍は士気が低下し、疲弊していた。政権の主要同盟相手だったイランとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラは、イスラエルとの戦争で深刻な打撃を受けていた。その上、アサド政権にとってもう1つの主要な軍事支援国であるロシアは、ウクライナ侵攻に気を取られ、シリアへの関心をなくしていた。

中東の外交官とシリア反体制派メンバーは、内線の初期から反体制派を支援してきたトルコに通知せずに反体制派が行動を起こすことはあり得なかったと語った。

トルコはシリア北西部に軍を駐留させ、シリア国民軍(SNA)など一部の反体制派を支援してきた。ただ、反体制派連合の主要グループであるシャーム解放機構(HTS、旧ヌスラ戦線)についてはテロ集団とみなしている。

中東の外交官によると、反体制派の大胆な作戦はHTSとその指導者アブ・ムハンマド・アル・ゴラニ氏の発案だった。

ラニ氏は過去に国際テロ組織アルカイダとつながっていたため、米国、欧州、トルコからテロリストに指定されている。

トルコのエルドアン政権は2020年、シリア北西部での戦闘を縮小することでロシアと合意。エルドアン大統領は長年、新たにシリア難民が押し寄せることを懸念し、シリア反体制派の大規模な攻勢に反対してきた。

しかし反体制派は今年、アサド氏に対するトルコの姿勢が硬化したことを感じ取っていたと情報筋は言う。エルドアン氏が、軍事的膠着(こうちゃく)状態の政治的解決を前進させるため度重なる申し入れを行ったにもかかわらずアサド氏がそれを拒絶したためだ。この結果シリアは政権側と、複数の反体制派グループの寄せ集めに分断されたままの状態に置かれた。

シリア反体制派の情報筋によると、アサド氏がトルコの申し入れを拒絶した後、反体制派はトルコに作戦の詳細を知らせた。「他の方法はもう何年も成功していない。だからわれわれの方法を試してくれ。何もする必要はない。ただ介入しないでいてくれ」というメッセージだったという。

ロイターは、こうしたやり取りの正確な内容を確認できなかった。

トルコのフィダン外相は8日にドーハで演説し、エルドアン大統領がここ数カ月アサド氏に接触を試みたが失敗に終わり、トルコは「何かが起こることを知っていた」と述べた。

一方トルコの外務省高官の1人はこの日、シリア反体制派の攻勢はトルコが「黒幕」ではないし、同意を与えたわけでもないと説明している。

トルコの外務省と国防省は、アレッポ作戦に関するHTSとトルコの認識についてロイターの質問に直接回答しなかった。

トルコ政府高官はロイターに対し、HTSは「われわれから命令や指示を受けておらず、作戦についてわれわれと調整もしていない」と説明。「そういう意味では」アレッポでの作戦がトルコの承認または許可のもとで行われたと言うのは正しくないと述べた。

<弱体化したアサド政権>

反体制派はアサド政権が最も弱体化した時に攻撃を仕掛けた。

政権に軍事協力するロシア、イラン、レバノンヒズボラは他の戦闘に目を奪われ、長年アサド氏を支えてきたような決定的な戦力を動員できなかった。

アサド政権の脆弱な軍事力だけでは反体制派に抵抗できなかった。政権筋はロイターに対し、戦車や飛行機は汚職と略奪により燃料が切れていたと語った。政権の空洞化を如実に示すエピソードだ。過去2年間に軍隊の士気は著しく低下していたと同筋は言う。

シンクタンク、センチュリー・インターナショナルのアロン・ランド研究員は、HTS主導の連合軍は内戦始まって以来のどの反体制派よりも強力で結束しており「その多くはゴラニ氏の功績だ」と述べた。ただ同氏は、決定的な要因は政権側の弱さにあったと指摘した。

米政府高官は、米政府はトルコが反体制派を全面的に支援していることを認識していたが、アレッポ攻勢に関するトルコの暗黙の承認については承知していなかったと述べた。

トランプ次期米大統領は8日、ロシアがアサド氏を見捨てたことが同氏の失脚につながったと発言。そもそもロシアはアサド氏を守るべきではなかった上に、起こってはならなかったウクライナ戦争のためにシリアへの関心を失っていたと付け加えた。

ガザ地区戦闘の余波>

情報筋によると、ヒズボラは内戦初期にアサド政権を支援していたが、過去1年間にイスラエルとの戦闘のために多くの精鋭戦闘員をシリアから撤退させていた。

シリアでの反体制派の攻勢は、イスラエルヒズボラの停戦が発効した11月27日に始まった。情報筋によると、ヒズボラはこの戦闘による大打撃からの組織立て直しに集中しており、シリアで大きな戦闘に関与することを望んでいなかった

アサド政権崩壊は、ヒズボラの後退に続いてイランの中東地域における影響力に重大な打撃を与えたと言える。対照的にシリアで最も強力な外国勢力となったように見えるのはトルコだ。

トルコはシリアからの難民を送り返す道筋を確保しただけでなく、シリアの北東部を実質的に支配するクルド人グループの力を抑えたいと考えている。これらのグループは、トルコがテロ組織と認定するクルド系団体とつながりがあるためだ。

こうした中、反体制派による攻勢作戦の一環としてトルコを後ろ盾とするSNAは、クルド人グループの支配地域に属していたテルラファートなどを掌握。トルコの治安当局筋によると、8日にはクルド人グループを押し返して反体制派が北部の都市マンビジに突入したという。

「独裁者アサドを打倒した」

首都ダマスカスを制圧したシリアの反政府勢力は、アサド大統領の追放を高らかに宣言しました。

「反政府勢力の攻勢は国際社会もシリア政府もこの時期はないだろうと油断していた」
シリア情勢に詳しい東京外国語大学の青山弘之教授は、今回の事態についてこう分析します。

反政府勢力がなぜここまで一気に攻勢を強めることができたのか。今後のシリアはどうなるのか。青山教授に詳しく聞きました。

(国際部記者 勅使河原佳野)

そもそもシリアってどこにある?

トルコやイラク、ヨルダン、レバノン、それにイスラエルと国境を接し、古くから交通や文化の要衝として栄えたシリア。

30年にわたり独裁的な政権運営を続けた父親の死去に伴い、2000年に34歳で大統領になったバシャール・アサド大統領が強権的な統治を続けてきました。

シリア アサド大統領

シリアってどうなっていた?

2011年、民主化運動「アラブの春」が波及する形で、シリアでも民主化を求めるデモが起こり、アサド政権がこれを武力弾圧したことをきっかけに反政府勢力との激しい内戦に発展しました。

2014年には内戦の混乱に乗じて過激派組織IS=イスラミックステートがシリアとイラクにまたがるイスラム国家の樹立を一方的に宣言。

一方、アサド政権は、ロシアから空爆の支援を得て反政府勢力やISの支配地域に激しい攻撃を加えるなど、内戦は泥沼化します。

その後ISは弱体化、2020年にアサド政権の後ろ盾のロシアと反政府勢力を支援するトルコが停戦合意を交わして以降は、大規模な戦闘は起きずこう着状態となっていました。
停戦合意を交わすロシア プーチン大統領とトルコ エルドアン大統領(2020年)

※以下、青山教授の話(インタビューは12月8日に行いました)

なぜこの時期に反政府勢力が攻勢?

東京外国語大学 青山弘之教授

去年10月以降のイスラエルによるガザやレバノンへの攻撃で生じたこの地域の安全保障上の揺らぎみたいなものに乗じて、かなり入念に計画を練り攻撃に踏み切ったという形だと思います。

また、攻撃はレバノンヒズボライスラエルが停戦に踏み切った、まさにその時期で、国際社会全体も、シリア政府側も、この時期に攻撃に踏み切ることはないだろうというふうに油断していた。そういう時期をねらって攻撃に踏み切ったと考えることができます。

今回の戦闘で特徴的なのは、反政府勢力側がかなり高性能の無人機を戦力の1つとして位置づけ、航空戦力の能力を高めるために長期間、準備をしてきたと見られること。

そして、主力の部隊、エリート部隊の戦術などを見ても極めて高度に訓練されているなど、戦闘員や武器の確保など、一朝一夕にできるものではないと思います。

反政府勢力の兵士ら(シリア ホムス 2024年12月8日)

なぜ事態がここまで急展開?

1年間にわたるイスラエルと、いわゆる「抵抗の枢軸」との対立ではイランやヒズボラが大きな被害を被り、「抵抗の枢軸」側が明らかに劣勢に立たされています。

それが、そうした国などと連携しているシリア政府の能力低下にもつながり、押し返すことができない状況に追いやられていたということが1つ。

反政府勢力側は、いくつか主要な軍の拠点を攻撃しましたが、シリア政府軍はほとんどが逃げる、あるいは撤退をするという形になりました。本格的な戦闘に入ることすらできないぐらい士気が低下していて、装備などの面でも不足があったと見られます。

また、シリア政府は、民間人の犠牲者を出さないために軍隊は市街地の外に出て防衛線を張るということを主張していました。

実はシリアでは2020年に戦闘が収束して以降、シリア軍が街の中に検問所を設けたり、兵士を駐留させたりして陣地を築くということはなくなっていました。

そうした状況が一般的になっていたために、反政府勢力がそれぞれの都市の中に入ってきても市街地に陣地をつくることができず、まちの外には展開するが何もできず、主要都市の陥落を招いてしまったということが言えるかと思います。

国営テレビで「ダマスカスは解放された」と宣言する反政府勢力のメンバー(2024年12月8日)

反政府勢力の圧勝 予想できなかった?

おそらくこの結果を予想していた人はほとんどいなかったと思います。

なぜなら最近、(一部の反政府勢力を支援してきた)トルコのエルドアン大統領が「シリア政府との関係改善を望んでいる」ということをたびたび発言するなど、トルコとシリアの関係がよくなる状況にありました。

そうした中で、反政府勢力は主要な紛争当事国にとって無用の長物になり始めていて、彼らがこうした大胆な行動をとっても周辺の紛争当事国が阻止するであろうという見立てがあったので、今回のような大規模な攻撃は想定もしていなかったです。

ただ、逆に言うと、シリア情勢をめぐる各国の関係が良好になっている、シリア政府とトルコ政府の関係が改善するのではないか、そうした楽観的なムードを反政府勢力、また、それを支援する勢力、武器や兵站を提供する勢力が利用して、今回のような、誰も予想できなかったような、大胆な行動に出たというふうに考えることもできます。

会見するエルドアン大統領(2024年12月6日)

アサド政権支援してきたイラン ロシアは?

イランに関しては民兵と言われている組織がこつ然とではないですが、姿を消していて、さして大きな抵抗を見せないだろうと私自身は考えています。

一方でロシアは、シリアの地中海沿岸地域にロシア軍の海軍と空軍の基地があって、これをロシア政府が手放すとは到底考えられません。カタールでのドーハフォーラムでもラブロフ外相は「徹底的に戦う」ということを主張しています。

現段階で断言することはできませんが、シリア国内にあるロシアの権益、特に地中海側にある海軍と空軍の基地が何らかの形で攻撃を受ける、また、撤退を余儀なくされるようなロシアにとって不当な環境ができてしまった場合には、極めて大規模な形での反抗がある可能性はあります。

アサド大統領がどうこうということとは別に、地中海の東岸に権益を維持したいというロシアがどういう動きをとるのか、注視していく必要があると思ってます。

ロシア プーチン大統領

中東情勢にも影響与える?

中東地域に関して言うと、いわゆる「抵抗の枢軸」が物理的に寸断された形になっています。

「抵抗の枢軸」は、イランからイラク、シリアを経由してレバノンヒズボラにさまざまな支援を送るという1990年代以降続いてきた仕組みですが、シリアがアサド政権ではなくなることで寸断されてしまいます。

ガザで紛争が始まって以降、イスラエルヒズボラと対じして、ヒズボラの武器密輸ルートを根絶するという形でシリアへの攻撃を繰り返してきたわけですが、このイスラエルの目的が期せずして、反政府勢力による大攻勢で実現することになりました。

今後、イスラエルの安全保障というのはこれまで以上に高まり、それに対してイランをはじめとする「抵抗の枢軸」側の能力というものは低下する、かなり大きなバランスの変化が見られるかと思います。

国際社会とシリアの関係はどうなる?

ここ数年、シリア政府は周辺諸国との関係を改善し、国際社会における地位を回復しようとしていたのですが、それが完全にご破算になってしまうということだと思います。

今後、シリアで政権を握る勢力がもし「シリア解放機構」※であるならば、国際テロ組織との国交樹立や外交関係というものは相当慎重に行うことになります。例えば、アフガニスタンの場合、中国やパキスタンタリバン政権と実利的な関係は結んでいますが、いわゆる国交樹立している国というのはいないわけです。

シリアで今回、「シリア解放機構」が政権を握ったことで何らかの形でオフィシャルに外交関係を結ぶような国が出てくるのであれば、それは911以来続いていた国際社会のアルカイダタリバンに対する制裁のスキームそのものが崩壊するということを意味しているかと思います。

反政府勢力「シリア解放機構」ジャウラニ指導者(2024年12月8日)

※「シリア解放機構」とは

11月27日以降の反政府勢力の攻勢を主導している過激派組織。

2011年のシリア内戦開始後に結成され、アサド政権との間で戦闘を続けてきた国際テロ組織アルカイダ系の過激派組織「ヌスラ戦線」が母体となっている。「ヌスラ戦線」の分裂をへて立ち上げられ、ジャウラニ指導者のもとでシリア北西部イドリブを拠点に活動していた。

中東の衛星テレビ局アルジャジーラは「シリア解放機構には最大3万人の戦闘員がいると推定されている」と伝えている。

今後のシリアはどうなる?

「シリア解放機構」のジャウラニ指導者はCNNのインタビューで「首都機能を完全に確保したら次は制度構築、統治にかかわるプロセスを進めていく」と答えています。

具体的には明らかにはなっていませんが、「シリア解放機構」が国際テロ組織に指定されている都合上、政府をこのまま構築したとしてもアフガニスタンタリバン政権のように国際社会の承認を得られないわけです。

それはシリアという国をつくる上であまりにもメリットがないので、組織としては消滅をさせてアルカイダが統治を行っているという体裁を取らない形にしようとすることが予想されます。

その段階で今回の戦闘に参加した、シリア南部の武装勢力アメリカが支援する勢力など、彼らとの何らかの合意に基づくような仕組みを作る。また、反体制派の政治家の多くが国外に逃れているので、彼らについてもかつてイラクサダム・フセイン政権が崩壊したときのように国内に呼び戻して移行期の統治であるとか、今後のシリアの政治をつかさどる、そうした任務に就かせようとしていることが考えられます。

演説するジャウラニ

アラブの春」を経てこの結末 どう見る?

アラブの春は本来、民主化の運動として始まっていました。

一般の民衆が平和的なデモによって政権を倒し民主化への道を進めるというのが理想的なものですが、実際にはそうではなく2010年代を通じてさまざまな国でテロが発生したりテロリストがばっこしたりするという事態を招いてしまいました。

それを国際社会全体で抑止する形で2020年代を迎えたわけですが、今回、アラブの春の1つの帰結としてアサド政権が機能を失い、それに代わって「シリア解放機構」が政権を握るということであれば、それは国際社会が「国際テロ組織」だと指定していたものがアフガニスタンに続いてシリアでも政権を担うようになってしまう。

本来、民主化を目指していた「アラブの春」が、そうした国際社会にとってテロ組織だと見なされているものの統治を招いてしまったということは、極めて悲劇的なことだと思います。

(12月8日 ニュース7で放送)

  • イランのある高官は9日、シリアのアサド大統領が追放されて以来、イランはシリア新指導部の反体制派と直接接触していると、ロイターに対して明らかにした。両国関係が敵対化することを避けるためだという。

アサド政権の崩壊によって、イランとロシアがこれまでアラブ世界に影響力を行使していた「とりで」が拭い去られた形となった。シリアの政変が、地域的影響力の要であるシリアにおけるイランの影響力にどのような影響を及ぼすのか、イラン当局は懸念を深めているもようだ。

ただ、イラン高官によると、イランは「シリアの新支配グループの中でイラン寄りの人々」と接触する外交的手段を模索。「イランにとっての最大の懸念は、アサド氏の後継者がシリアをイランから遠ざけるかどうかであり、それはイランにとって避けたいシナリオだ」という。

高官は、シリアという重要な同盟国を失い、来年1月にトランプ次期米大統領の就任に直面しているイランの支配層はシリアの新たな指導者との関与に前向きと分析。「こうした関与は、関係を安定させ、さらなる地域的緊張を避けるための鍵となる」と語った。既にシリア新指導部内の2つのグループと接触したという。

イスラエルはシリアが保有する最新兵器への空爆を強化し、「限定的な」地上部隊を駐留させて、アサド政権の崩壊に伴うあらゆる脅威を阻止すると表明した。

アサド政権の崩壊はシリアにおけるイランの拠点を喪失させる一方で、国際武装組織アルカイダイスラム主義思想に根ざした反政府勢力の進撃は危機をもたらす恐れがある。

イスラエルのカッツ国防相は、「地対空ミサイル、防空システム、地対地ミサイル、巡航ミサイル、長距離ロケット、対艦ミサイルなど、シリア全土の戦略兵器を破壊する」と述べた。

イスラエルの高官は、シリアへの空爆数日間続くだろうと述べた。

サール外相は記者団に、イスラエルはシリアの内政に干渉する意図はなく、自国民を守ることに専念していると表明した。「攻撃しているのは、残存する化学兵器や長距離ミサイル、ロケット弾のような戦略兵器が過激派の手に渡らないようにするためだ」と述べた。

イスラエル軍は8日、同国が占領するゴラン高原とシリア国境の非武装地帯に地上部隊を派遣したと発表した。

サール氏は部隊の駐留は極めて限定的だと述べた。「基本的にはイスラエル国境付近で、数百メートルか1─2マイルだ。安全保障上の理由によるもので、非常に限定的で一時的なものだ」と説明した。

トルコ治安筋によると、トルコが支援する複数のシリア反体制派組織がシリア北部の町マンビジュを米国が支援するクルド人主体の組織「シリア民主軍(SDF)」 から奪取した。

シリアでは反体制派が首都ダマスカスを掌握し、アサド大統領を追放したが、北部での衝突は続いている。

SDFは「シリア国民軍(SNA)」などトルコが支援する組織と激しい戦闘を繰り広げ、ここ数日マンビジュを占拠していた。

ロイターが確認した動画によると、マンビジュでは住民が反体制派組織を歓迎する様子が映っている。マンビジュはトルコとの国境の南30キロの地点に位置する。

SDFは過激派組織「イスラム国」(IS) の掃討で米国の支援を受けているが、トルコはSDFについて、トルコ国内で非合法化されている武装組織「クルド労働者党」(PKK)とつながりのあるテロリスト集団が指揮していると主張している。

米国はSDFが制圧するシリア東部でプレゼンスを維持し、ISの復活を阻むために必要な措置を講じる意向を示している。

これとは別にオースティン米国防長官は、米軍がここ数日、シリアを攻撃したことについて、ISが混乱に乗じて活動を拡大することを阻止する狙いがあると説明した。

#パレスチナガザ地区ハマス大規模攻撃「アルアクサの洪水」・427日目①)