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米金融大手JPモルガン・チェース(JPM.N), opens new tabのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が、約3150万ドル相当の自社株を売却していたことがわかった。規制当局への提出書類で明らかになった。

同書類によると、ダイモン氏は昨年、13万3639株を売却。売却は2005年のCEO就任以来初めて。

株式売却は、同行が経営陣交代の準備を進める中で行われた。ダイモン氏は昨年、後継者選びが最重要任務だと発言した。

資産運用会社世界最大手の米ブラックロック(BLK.N), opens new tabの調査部門ブラックロック・インベストメント・インスティテュート(BII)が14日発表した報告書は、トランプ米大統領が貿易相手国に対する「相互関税」の国・地域ごとに設定した上乗せ部分を90日間停止すると表明したことを受け、米国株の投資判断を「中立」から「オーバーウエート」へ引き上げた。

トランプ政権の政策の不確実性を背景に、約1週間前には米国株の投資判断を「オーバーウエート」から「中立」に引き下げていた。

今回の急転直下の動きに関し、アナリストらは報告書で「政策の不確実性は、短期的には経済成長と株価の重荷になるかもしれない。しかし、経済と企業収益の基調は依然として堅調で、人工知能(AI)などの巨大な力が下支えすると考えている」との見解を示した。

ただ、BIIのジャン・ボワバン所長らは「大きな不確実性が依然残されている」とくぎを刺し、「リスク資産のボラティリティーが継続しており、急反転する可能性がある」と注意を促した。

BIIは今後のリスクに対するスタンスは、関税を巡るトランプ政権の政策決定に左右されると説明した。

ブラックロックは先週、2025年第1・四半期の運用資産総額が11兆5800億ドルと過去最高を更新したと発表した。

米国株式市場は主要3指数が上昇して取引を終えた。スマートフォンやコンピューターが相互関税の対象から除外されたことを受け、アップル(AAPL.O), opens new tabが買われた。

ただ、今後の関税を巡る不透明感から投資家の楽観は抑制され、3指数はいずれも日中高値から押し戻された。関税に関してさらなる変更が予想される中、企業がサプライチェーン(供給網)をどのように管理するのかについて懸念が残っている。

ホワイトハウスは11日、スマホなどの電子機器について、相互関税の免除を発表したが、トランプ大統領は13日、米国に輸入される半導体への新たな関税率を来週までに発表すると明らかにした。

この日は特に中国からの輸入に依存している企業を中心にハイテク株が上昇した。アップルは2.2%高、デル・テクノロジーズ(DELL.N), opens new tabは4%高、HP(HPQ.N), opens new tabは2.5%高。

一方、フィラデルフィア半導体指数(.SOX), opens new tabは0.3%の小幅な上昇にとどまり、エヌビディア(NVDA.O), opens new tabは0.2%下落した。

トランプ氏が2日に相互関税を発表して以降、不安定な取引が続いている。

アージェント・キャピタル・アドバイザーズのポートフォリオマネジャー、ジェド・エラーブルック氏は「消費者や企業、投資家が今後の計画を立てたり、長期的な支出計画にコミットしたりすることができない不透明な状況が続いている」と述べた。

投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)(.VIX), opens new tabは30.89に後退し、終値で4月3日以来の低水準となった。

金融大手ゴールドマン・サックス(GS.N), opens new tabは1.9%上昇。第1・四半期決算が15%の増益となった。

今週はネットフリックス(NFLX.O), opens new tabやユナイテッドヘルス・グループ(UNH.N), opens new tabなどの決算も注目される。

製薬大手ファイザー(PFE.N), opens new tabが肥満症治療薬の開発を中止すると発表したことを受け、一部の製薬株も上昇した。ファイザーは1%高。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を4.4対1の比率で上回った。ナスダックでも2.72対1で値上がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は182億株。直近20営業日の平均は187億株。

週明け14日のニューヨーク株式市場では、トランプ大統領が自動車メーカーへの支援策を検討していると明らかにしたことなどから、ダウ平均株価は一時、500ドルを超える値上がりとなりました。

先週はトランプ政権の関税措置をめぐる動きに伴い大きく乱高下しましたが、14日はトランプ大統領が「アメリカに生産を移す複数の自動車メーカーへの支援策を検討している」と発言したことを受けて、GMゼネラル・モーターズやフォードなど自動車関連の銘柄を中心に買い注文が広がりました。

終値は先週末と比べて312ドル8セント高い、4万524ドル79セントでした。

市場関係者は「トランプ政権の関税措置をめぐっては、スマートフォンなどの電子機器への関税をはじめ不透明な部分が多く、積極的な売り買いを控える投資家もいる。今週は日米交渉も行われる見通しだが、アメリカと各国の交渉の行方しだいで、金融市場が左右される展開が続きそうだ」と話しています。

トランプ政権の関税政策をめぐって金融市場が不安定になる中、企業の間では資金調達に向けた社債の発行を見送る動きが出ています。長期金利の大幅な変動などが要因とみられ、長期化すれば、企業の資金調達の戦略に影響が出ることも予想されます。

トランプ政権の関税政策をめぐっては、株式市場で不安定な値動きが続いていますが、債券市場でも長期金利の代表的な指標となる10年ものの国債の利回りが、大幅に変動しています。

こうした中、企業の間で資金調達に向けて予定していた社債の発行を見送る動きが出ていて、大手ビールメーカーのアサヒグループホールディングスは総額500億円程度、大手食品メーカーの日清食品ホールディングスも総額400億円の社債の発行をいずれも見送ったということです。

また、大手飲料メーカーのサントリーホールディングスも100億円の劣後債と呼ばれる社債の発行を見送っていて、いずれも新たな発行の日程は未定だということです。

社債の利回りの参考となる長期金利の大幅な変動などが要因とみられ、長期化すれば、企業の資金調達戦略に影響が出ることも予想されます。

社債市場の動向に詳しい大和証券の大津大さんは「投資家側はリスクをあまりとらないスタンスとなり、企業側もいまの環境では利回りを相当上乗せする必要があるため、市場が落ち着いてから社債の発行を判断した方がいいと考えているようだ」と話しています。

金の国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のデータによると、金現物を裏付け資産に持つ中国の上場投資信託ETF)に流入した投資資金が今月に入って以降、現在までに第1・四半期全体の規模を上回り、米国上場ETFも超えた。

 資金流入額の増加は金保有高の増加になって現れる。WGCのシニア市場ストラテジスト、ジョン・リード氏が14日、ソーシャルメディアで明らかにしたところでは、中国の金ETFは4月最初の11日間で保有高が29.1トン増加した。第1・四半期の増加幅は計23.5トンにとどまっていた。また、米国上場ETF保有高は4月に入って以降27.8トン増えたが、増加幅は中国ETFを下回った。

 リード氏は「第1・四半期の増加理由は主に米国の関税(引き上げや上乗せ政策に)絡んだものと欧米のETF購入だったが、第2・四半期は中国の投資家による金への関心が膨れあがり、従来と一線を画す展開となる可能性がある」と述べた。

 金は、地政学的・経済的リスクをヘッジする受け皿とされることが多い。米国と中国の高関税措置の応酬は先行き不透明感をもたらしており、金価格は年初以来22%上昇した。14日には1オンス=3245.42ドルを付け、過去最高値を更新しており、人民元が一時2007年以来の対ドル安値水準を付けたのと対照的だ。

 国際価格に乗せる中国国内の「プレミアム」は前週、ロンドン価格の1%分となり、前々週の0.2%分から上昇した。ディーラーらによる実売価格は24─54ドルの上乗せがあった。

 ある金取引業者が匿名を条件に明かしたところによると、こうした高いプレミアムを背景に、貴金属取引部門を持つ複数の世界的銀行が先週、中国市場で「異例の活発さ」を見せ、大量の金を輸入していたという。

#金#gold(中国)

金価格はトランプ米大統領が関税戦争をエスカレートさせるのと歩調を合わせて過去最高値を次々と更新し、11日には現物が1オンス=3245.28ドルと再び史上最高値を付けた。トランプ氏の大統領選勝利直後の昨年11月14日に付けた安値である2536.71ドルからの上昇率は28%に達した。

金はある意味でまさにその本来の機能を果たしており、トランプ氏が「相互関税」の詳細を発表した今月2日以降、投資家にとって金融市場に広がる混乱からの避難先になっている。トランプ氏は中国以外の国について相互関税の上乗せ部分を一時停止したが、投資家の不安を和らげるには不十分で、金融市場が求める安定にはほど遠いものだった。

こうした不透明さは米国債が究極の安全資産としての地位を維持できるのかという重大な疑問にもつながっており、実際のところ米10年国債利回りは先週、週間ベースでは過去20年余りで最大の上昇幅を記録した。

ドルが世界の基軸通貨としての地位を維持できるのか、米国債が最も安全な避難先であり続けられるのかという不安の高まりが金にとって追い風となっているのは間違いない。

<金は人質>

金の問題は他のあらゆる資産と同様に、トランプ氏の気まぐれで一貫性のない貿易・経済政策に左右される「人質」になっているという点にある。

トランプ氏が中国との貿易戦争を継続し、90日間の猶予期間後に相互関税の上乗せ分をまた導入するなら金価格は今後も上昇し続ける可能性が高い。しかし中国との間で「双方のメンツが立つ」妥協が成立し、他国との間でも貿易体制を大きく損なわない形でディールがまとまれば、金を買う理由は薄れる。

問題は、トランプ氏の関税戦争がどのような展開をたどるのか予測するのが、ほとんど「当てずっぽう」に近いということだ。おそらく最も妥当な予測は「事が収まったときに米国が1930年代以来で平均輸入関税が最も高い国になる」ということだろう。これほど高い関税は経済成長を鈍らせ、インフレを加速させそうだ。ただ、その影響は海外よりも米国内の方が大きくなるのではないか。

こうした状況下で金が今後も大幅な上昇を続けるかどうかが問題だ。金は恐怖心からの買いが落ち着き、中央銀行による買いや中国・インドの実需といった、より伝統的な材料が金価格を押し上げる可能性もある。ゴールドマン・サックスが11日に2025年の金価格目標を1オンスあたり3700ドルに引き上げるなど、複数の投資銀行は金相場の上昇を予測している。

<中国プレミアム>

確実に言えるのは、米国債からの資金移動が進めば金の購入が増え、特に世界最大の金消費国である中国でこうした傾向が顕著だろうということ。株式市場の先行きに対する不透明感もあり、中国の個人による金需要は今後も堅調に推移しそうだ。こうした動きは金現物のプレミアム上昇にも反映されており、プレミアムは11日に1オンスあたり39ドルと2016年12月以来の高水準となった。昨年11月のトランプ氏選直後は16ドルのディスカウントだった。

一方、金消費が世界2位のインドは中国と異なり、金は価格高騰で消費者需要が鈍化する可能性がある。実際に国内では消費者の購買意欲の低下を示す兆候が出ており、3月21日には金現物のディスカウントが1オンスあたり41ドルと、8年半ぶりの低水準を記録した。

金の需要を支えているのが「投資家による買い」「中央銀行の買い」「中国とインドの消費者需要」という3本の柱であるとすれば、今は3本全てが金相場にとってプラスに働いている。しかしインドの需要を除くとこれらの柱は全てトランプ氏の政策によって支えられているとも言える。つまり金は安全資産として機能してはいるものの、他の資産と同じようにボラティリティーにさらされるリスクも大きいと言える。

最近の米国債売りについて、海外投資家が大挙して資金を引き揚げていることの表れだと断言するのは時期尚早だ。しかし何事かが進行している兆しが出ている。今後起こり得る動きがどれだけの規模になるかが、投資家と米政府が真剣に考えなければならないシナリオを決定する。

欧州時間14日午前の米10年国債利回りは4.44%と、11日終値の4.5%はやや下回ったが、4日以前の4%未満に比べるとなおずっと高い。先週の10年国債利回りの上昇幅は、過去20年余りで最大を記録した。

トランプ大統領が2日に発表した「相互関税」の詳細をきっかけに市場が混乱した足元の局面で、世界屈指のリスクフリー資産とされる米国債が買われるのではなく、売られたことはいささか驚く事態だ。理論上、借り入れコスト上昇は長期的な経済成長ないし物価上昇率の上振れによって正当化される。だが今回いずれのケースも当てはまりそうにない。関税に伴う世界的な貿易縮小は成長を圧迫するだろうし、期間10年のブレーク・イーブン・インフレ率などの長期の予想物価上昇率は4月に入ってやや低下している。

レバレッジを利かせ過ぎたヘッジファンドが売りを強いられていることも、マイナスに働いてきた。それが米国債市場を無秩序状態に陥らせれば、2022年の英国債市場の危機的動揺に際してのイングランド銀行と同じく、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長も緊急の国債買い入れに乗り出す可能性がある。

米政府の立場から見て明らかにもっと恐ろしい展開は、通商政策を巡る混乱が海外投資家をおびえさせ、米国の金融資産からの撤退を促すことだ。実情を示す公式データの発表は遅れるので、今は「状況証拠」しか入手できない。ただ4月になって、投資家が米国債を買って得られる利回りが上がったにもかかわらず、主要通貨に対するドル指数が約5%下落した点からは、ドル建て資産に売り圧力が生じている様子がうかがえる。ドイツ、スイス、日本の国債といった他の安全資産は米国債と逆に利回りが低下しているのだ。

米政府のデータによると、オランダの年金基金から中国政府、日本の生命保険各社までさまざまな海外投資家が1月に保有していた米国債は総額でおよそ8兆5000億ドル。これは米証券業金融市場協会(SIFMA)が直近で推計した発行残高の30%に相当する。海外投資家が米国債への資金配分を減らせば、利回りはこれから長期にわたって上昇する。

海外勢は近年、米国株も熱狂的に購入してきた。UBSのアナリストチームが最近試算したところでは、海外投資家が保有するドル建て資産(株式と債券)が5%少なくなれば、7000億ドル前後のドル売り圧力が生み出されてもおかしくない。これは米国の経常赤字の3分の2に等しく、現実化すれば足元の混乱が全く他愛もないものに見えるほど深刻な事態になるだろう。

トランプ米大統領が「解放の日」と銘打って関税措置を発表して以降に起こった事のうち、最も驚くべき現象の1つがドルの持続的な軟化だ。市場に端を発する危機が、世界一の経済大国である米国で始まるのではないかとの懸念も生じている。
しかし、今起こりつつあるのは世界資本の健全なリバランス(再配分)である可能性が高い。

トランプ氏が2日に「相互関税」を発表する前、ほぼ全てのエコノミストがこの発表でドルは上昇すると予想していた。関税はインフレをもたらすので、理論的には米連邦準備理事会(FRB)の利下げ回数が減ると予想されて債券利回りが上昇するはずだから、というのがその理屈だった。

ドルの利回りが他通貨に比べて大幅に上昇することは、短期的にはドル高をもたらすはずだった。ドルが安くなるのは、米国の貿易赤字が縮小し、それに伴い外国企業のドル需要が減る段階が訪れてからのはずだった。

それまでの間、幅広い関税措置はユーロ圏その他、対米輸出国の成長率を押し下げ、ユーロ安につながるはずだった。

あろうことか、それと正反対の事が起こった。関税措置による為替実効レートの変動を予測する当社のモデルは、報復措置がなければドルは1%上昇し、報復措置があれば小幅に下落すると予想していた。ユーロは前者の場合に1%、後者では0.7%、それぞれ下落するはずだった。

実際に起こったことは何か。ドルは4%余りも下がってユーロは2.8%跳ね上がったのだ。

債券市場が同時に動いていなければ、このことは、ありがちな経済モデルの欠陥で片付けられたかもしれない。
しかし米国債市場では、期待インフレ率の指標である物価連動国債と通常の国債の利回り差「ブレークイーブン・インフレ率」が、関税発表に反応して5年物で20ベーシスポイント(bp)低下した。何度も言うが、関税はインフレをもたらすはずなのに。

関税は経済成長率を低下させて実質利回りを押し下げるはずなのに、5年物国債の実質利回りは上昇した。

私がこのコラムを執筆している時点で、米国の債券利回りは上昇を続けており、そのほぼ全部が実質利回りの上昇によるものだ。市場では「米国例外主義」は終わったという声が高まりつつある。

<リズ・トラスの瞬間>

経験豊富な投資家なら、このパターンになじみがあるだろう。これは、投資家がある国の政府とその債務返済能力への信頼を失った時に起こる新興国市場危機の典型例だ。その結果、資本は逃げ出し、国債は激しく売られ、リスクプレミアムは上昇する。

こうした現象は先進国ではほとんど見られなかった。2022年9月、当時のリズ・トラス英首相が悪名高い「ミニ予算」を発表して世界の投資家からの信頼を失うまでは。

この時、英国債利回りは急上昇し、資本逃避が起こってイングランド銀行(英中央銀行)は介入を余儀なくされた。結局、首相は政策を撤回せざるを得ず、辞任に至った。彼女の政権がレタスの賞味期限より短命に終わったことは有名な逸話だ。
現在のドル安と米国債実質利回りの動きは、トランプ氏も「リズ・トラスの瞬間」を迎える可能性を示唆している。世界の投資家は、資本を振り向けるのに最善の場所としてのドルと米国への信頼を失いつつある。

資本フローの詳細なデータはまだ入手できないが、日々の上場投資信託ETF)の資金流出入を見れば、今起こっていることを想像できる。相互関税発表後の米国および欧州の株式ETFを見ると、米国株に特化したETFからは差し引きで大量の資金が流出している一方、欧州株ETFからはほとんど流出していないことが明確に分かる。

米国の投資家の間では、米国を除く世界の株式に投資する「国際ETF」への純資金流入さえ起こっている。

<リバランシング>

われわれは米国例外主義の終焉をリアルタイムで目撃しているのかもしれない。しかしこれは、世界の基軸通貨というドルの地位の終わりではない。今目にしているのは、国際的な投資ポートフォリオのリバランスである可能性が高い。過去10年間、世界のポートフォリオは米国資産への集中度合いを高めてきた。例えばMSCI世界株価指数に占める米国株の割合は、2010年の48%から今では73%まで高まっている。

現在の動きは、2000年のハイテクバブル崩壊後に起こったことを想起させる。当時、投資家は徐々に米国への資産配分を減らし、欧州とアジアへの配分を増やしていった。それまでのわずか5年間で、MSCI世界株価指数における米国株の割合は40%から60%へと高まっていた。

この結果、米国株のバリュエーションが下がって欧州株のそれはほぼ横ばいだったため、米国株に対する欧州株のバリュエーションのディスカウントは徐々に縮まった。投資家が米国から資金を引き揚げ、もっとパフォーマンスの良い市場に移したのは驚くに当たらない。

今後数年間も当時と似たポートフォリオのリバランス期間が訪れ、欧州およびアジア市場に対する米国市場のアンダーパフォームが続くかもしれない。近年どれだけの外国資本が米国市場に押し寄せたかを考えれば、このリバランスはウォール街に痛みをもたらす可能性はある。

BofAグローバル・リサーチが15日明らかにした月例のファンドマネジャー調査によると、2月以降の米国株の売却ペースが過去最高となった。

記録的な数のファンドマネジャーが米国株への配分を引き下げる方針を示しており、今後もこうした傾向が続く可能性が高い。

月例調査では米国株はネットで36%のアンダーウエート。過去2年近くで最大のアンダーウエートとなった。2月以降、53%ポイント低下しており、低下幅は過去最大。

大多数のファンドマネジャーが市場の最大のリスクとして、世界的な景気後退を引き起こす貿易戦争を挙げた。

調査はファンドマネジャー164人(運用資産総額3860億ドル)を対象に実施した。

世界的な景気後退を予想したファンドマネジャーはネットで42%。2023年6月以降で最も多く、過去20年間で4番目に高い水準だった。

また73%が「米国例外主義」というテーマがピークを過ぎたと回答。49%が「金のロング」に最も取引が集中していると答えた。これまでは24カ月連続で米大手ハイテク株との回答が寄せられていた。

ドルが今後1年で下落するとの予想はネットで61%で、06年5月以降で最多だった。

米株式市場はトランプ米大統領の高関税政策に加えて、今度は米S&P総合500種株価指数で弱気相場入りのサインとされる「デスクロス」が出現し、一段と警戒感が強まっている。ただ、過去の歴史を振り返ると、デスクロスが起きたときに必ず株価が下げ幅を大きく広げているわけではない。

デスクロスは指数終値の50日移動平均が200日移動平均を上から下へ突き抜ける現象で、テクニカル的に短期の相場調整が長期の下落トレンドに転じたタイミングと見なされている。

S&P500種は14日、2023年2月1日以来初めて終値で50日移動平均が200日移動平均を割り込んだ。デスクロスは9日にはナスダック指数(.IXIC), opens new tabでも発生していた。

しかしLPLファイナンシャルのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、アダム・ターンクイスト氏は「デスクロスは株式市場では非常に不吉なサインとして知られているが、実際に過去にさかのぼって分析すると、デスクロスのタイミングで株を売るよりも買った方が結果的に良いことが多い」と話す。

S&P500種は過去約50年間で24回のデスクロスが発生した。ロイターがLSEGのデータを分析したところによると、全体の54%では指数がデスクロス発生前に日中最大の下げを記録していた。つまり最悪期はデスクロスの前に起きていたことになる。

残りの46%ではデスクロス後も売りがきつくなり、デスクロス発生時点から平均で19%下落した。特に1981年、2000年、2007年のデスクロスではその後の下落がそれぞれ21%、45%、55%と大きかった。

一方、バンク・オブ・アメリカのテクニカルストラテジスト、ポール・シアナ氏が過去100年近いデータを分析したメモによると、デスクロスの20日後にS&P500種が下落していた確率は52%で、平均下落率は0.5%だった。しかし30日後では60%の確率で上昇しており、平均上昇率は0.8%だった。

経営の立て直しを進めているアメリカの大手半導体メーカー、インテルは日本円で6400億円に相当する子会社の株式を売却し、財務基盤の強化に取り組むと発表しました。

インテルは14日、アメリカで半導体の開発などを手がける子会社「アルテラ」の株式51%を投資ファンドに売却すると発表しました。

インテルは2015年、この会社を買収し、データセンター向けの事業強化に取り組んでいましたが、このところ業績が悪化していました。

売却は、ことし後半に完了する見通しで、売却額は44億ドル、日本円にして6400億円余りに相当する見通しです。

インテルは、主力とするパソコン向け製品の低迷に加え、AI向けの半導体開発に出遅れ、4四半期連続で最終的な赤字となっていて、先月に就任した新たなCEOのもと、経営の立て直しを進めています。

今回の売却によって財務基盤の強化に取り組みたい考えで、リップブー・タンCEOは「事業の焦点を絞り込み、バランスシートを強化する」とコメントしています。

イギリスの経済紙、フィナンシャル・タイムズは「トランプ大統領が、シリコンバレーの立て役者の1つでもあるインテルの再建策を模索する中で、今回の売却が行われた」と伝えています。

インターネット検索最大手のアメリカの「グーグル」が、スマートフォンのメーカーに対し自社のアプリを搭載させる契約を結ぶなど独占禁止法に違反する行為をしていたとして、公正取引委員会は違反行為の取りやめなどを求める排除措置命令を出しました。「GAFAM」と呼ばれるアメリカの巨大IT企業に公正取引委員会が排除措置命令を出すのは初めてです。

記事の後半では、公正取引委員会がなぜ排除措置命令に踏み切ったのかなどをQ&A解説でお伝えします。

目次

【Q&A解説】なぜ排除措置命令が?
公正取引委員会によりますと「グーグル」は、遅くとも2020年7月以降、国内で販売される「アンドロイド」端末のスマートフォンのメーカーに対し、アプリストアの「グーグルプレイ」の使用許諾を与える際、閲覧アプリの「クローム」などをあわせて搭載し、画面上の目立つ位置に配置するよう求める契約を結んでいました。

去年12月時点でメーカー6社と契約を結び、国内で販売される「アンドロイド」のスマホの少なくとも8割以上が対象になっていたということです。

また、検索と連動する広告サービスで得た収益を分配する条件として、競合他社の検索アプリなどを搭載せずに排除するようメーカーなどに求めていたということです。

公正取引委員会は、グーグルが自社を優遇し、取引先の事業を不当に拘束して独占禁止法に違反したと認定し、15日、違反行為の取りやめや再発防止などを求める排除措置命令を出しました。

行政措置の中で最も重く、命令に従わない場合、罰金などが科されます。

また、公正取引委員会は今回、命令としては初めて、再発防止の取り組みなどを独立した第三者が5年間監視し履行状況を報告することを求めました。

「グーグル」や「アマゾン」などアメリカの巨大IT企業「GAFAM」をめぐっては、アメリカやヨーロッパの当局などが規制強化に乗り出していますが、日本の公正取引委員会が排除措置命令を出すのは初めてです。

公正取引委員会スマートフォン競争環境の整備に大きく寄与」

公正取引委員会の大胡勝審査局長は15日の会見で「今回の排除措置命令はいま、国民の生活必需品となっているスマートフォン分野における競争環境の整備に大きく寄与すると考えている。今後も、デジタル分野で独占禁止法に違反する疑いがあるという情報に接した場合には、積極的かつ厳正、的確に対処していきたい」と述べました。

グーグル「今回の排除措置命令を慎重に検討」

公正取引委員会から排除措置命令が出されたことについて、グーグルは「日本のスマートフォンメーカーや通信事業者は、グーグルとの取り引きを強制されていません。自らの事業や日本におけるユーザーにとって最良の選択肢として、自らグーグルを選択している」として遺憾だとしています。

そのうえで「今回の排除措置命令を慎重に検討し、アンドロイドが日本の消費者、スマートフォンメーカーおよび通信事業者にとって競争力のある選択肢であり続けられるよう、公正取引委員会と協力して取り組んでまいります」としています。

初めての「排除措置命令」 狙いと経緯は

今回の初めての排除措置命令は、公正取引委員会プラットフォーマーと呼ばれる巨大IT企業を相手に厳格な態度で臨む姿勢を示した形です。

公正取引委員会は近年「GAFAM」と呼ばれるアメリカの巨大IT企業の日本法人などに立ち入り検査をしたり市場の実態調査を行ったりするなど、監視を強めています。

独占禁止法に違反するかどうか調べる審査は通常、行政処分が決まるまで公表されませんが、公正取引委員会はおととし10月、グーグルへの審査を始めた際に概要を公表し情報提供を呼びかけました。デジタルプラットフォーム事業者が関係する事案については、審査を始めた段階で公表し広く情報を収集する手法が初めて適用されたのです。

関係者によりますと、審査開始から1年以上がたった去年11月ごろ、グーグル側は自主的に改善計画を提出し、認定されれば排除措置命令などが免除される「確約手続き」を申し出ました。「確約手続き」は、公正取引委員会が問題となる行為を認定する一方、違法性については「疑い」にとどめることで、調査の期間を大幅に短縮でき、市場の競争環境を回復する効果的な手段として活用が進んでいます。

グーグルをめぐっては、去年4月、インターネット広告の配信事業で、競合する「LINEヤフー」の事業を不当に制限したなどの行為について、この「確約手続き」に基づき公正取引委員会が改善計画を認めました。

しかし、今回のケースではすでに審査から1年以上がたっていて、違反事実の認定も進んでいたことなどから、公正取引委員会はより重い行政処分の「排除措置命令」に踏み切ったとみられます。

「GAFAM」に対する調査はこれまでも行われてきましたが、確約手続きなどで終わり、命令を出したケースはなく、公正取引委員会の幹部の1人は「証拠がそろっているのだから命令を出すときには出すという姿勢を示すことが企業側の自主的な改善の機運を生むことにつながる」と話しました。

グーグルの強い影響力 背景には

グーグルが強い影響力を持つ背景には、検索サービスで圧倒的なシェアを誇っていることがあります。

総務省の「情報通信白書」によりますと、グーグルは去年1月の時点で国内のスマートフォンの検索サービスにおいておよそ81%のシェアを持っています。2位のヤフーのシェアは、16%余りで、大きく差をつけています。

さらに世界の携帯端末でのグーグルのシェアは、おととし12月時点で95%余りと、圧倒的な地位を築いています。キーワードによる精度の高い検索技術に強みを持ち、基本ソフトの「アンドロイド」を搭載したスマホやインターネットの閲覧ソフト「クローム」などを通じて多くの利用者を抱えています。

その一方で、こうした状況を変える可能性があるのが生成AIの登場です。情報の検索だけでなく、利用する人の要望に応じた回答や情報の整理もできるようになっています。検索システムの中に生成AIの機能を搭載する動きも出ていて、今後、各社の技術開発がいっそう激しくなるとみられています。

大手メーカー担当者 “国内スマホ産業守る難しさも”

グーグルと契約するスマートフォンの大手メーカーの担当者は、巨大IT企業間の競争の中で国内のスマホ産業を守る難しさもあると明かしました。

今回の排除措置命令についてスマートフォンの大手メーカーの担当者は「競争環境の健全化は極めて重要であり、競争が制限されることで新たなイノベーションが生まれづらいとする公正取引委員会の指摘は産業の発展という視点からはそのとおりだと思う」と話しました。

現在の国内のスマホ市場については、アメリカの「アップル」に対し、グーグルとその技術を活用するメーカーなどで事実上二分されている状況だと指摘した上で、「端末メーカーが競争力を維持できているのは、グーグルがOSやアプリなどを無償で提供しているからだ。それをメーカーが開発したスマホに搭載することでユーザーに良心的な価格で提供できている。その現実を踏まえた上で、限られた外資メーカーが市場を事実上占有する構図にならないよう、慎重な議論が必要だ」と話しています。

専門家「寡占を避け市場の活性化を」

今回の排除措置命令について、独占禁止法に詳しい同志社大学大学院司法研究科の小林渉特別客員教授は「日常生活の中で使われるスマートフォンについて競争があまり起きておらず『技術革新が滞っているのではないか』といった議論もあるため、技術革新を阻害するような競争を排除する行為を禁止するという公正取引委員会のねらいがあると思う」と指摘しています。

グーグルが認定された違反行為については「スマートフォンを使う際、消費者は通常、購入時の初期設定、いわゆるデフォルトの状態で使うことが多いと考えられる。その場合にグーグルの検索アプリがスマートフォンのわかりやすい位置に配置されれば、多くの消費者はそのままそれを使う可能性が高い。するとほかのアプリが使われない、つまり競争相手のメーカーが排除されてしまうことにつながるので、こうした行為は独占禁止法で禁止されている」としています。

今後の市場環境のあり方については「デジタルの世界というのは情報が集約されると、どんどん人が集まってきて、特定のサービスや特定の企業にニーズが集中しやすいので、ほかの商品や業界に比べて寡占化が進みやすい構造があると思う。寡占構造によって競争が妨げられて技術革新が滞る、といったことのないように環境を整え、スマートフォンやITの市場の活性化を保つことが必要だ」と話していました。

巨大IT企業への規制 国内の状況

スマートフォンの分野での巨大IT企業に対する規制としては、ことし、新たな法律が本格施行されることになっています。

去年6月に成立した「スマホソフトウエア競争促進法」は、スマートフォンのアプリストアや検索エンジンなどの各分野で、それぞれ優越的な地位にある巨大IT企業を規制するものです。アップルとその子会社のiTunes、それにグーグルの3社が対象ですが、各事業者ごとに、規制される分野は異なります。

このうち、アプリストアの分野では3社すべてが規制の対象となり、他社のアプリストアの提供を妨げたり、ストア内の決済システムに他社が参入することを妨げたりすることを禁止されます。

また、検索エンジンの分野では、グーグルが規制の対象となり、検索結果を表示する際、正当な理由がない場合は、自社のサービスを優先的に取り扱うことを禁止されます。規制に違反した場合は、違反行為による国内での売り上げの20%が課徴金として課されます。いまの独占禁止法で同じように違反した場合に比べ、課徴金の水準は3倍以上で、10年以内に違反を繰り返した場合、課徴金の水準は30%に引き上げられます。

公正取引委員会は今後、具体的な規制の内容をガイドラインにまとめるなど、法律の年内の本格施行に向けた準備を進めることにしています。

グーグルへの規制 海外は

グーグルのサービスに対しては、日本以外でも、公正な競争を確保する観点から規制する動きが出ています。

EUヨーロッパ連合では、去年3月から巨大IT企業を規制する「デジタル市場法」の本格運用が始まりました。デジタル市場での公正な競争の確保を目指すもので、日本の「スマホソフトウエア競争促進法」では規制の対象としていない、ネット通販やSNSといった分野も網羅しています。

違反した場合は、最大で、世界全体の年間の売上高の10%という巨額の制裁金を科すことができ、国内の売上高に絞っている日本の規制より厳しい内容となっています。

EUの執行機関、ヨーロッパ委員会は先月、グーグルの親会社「アルファベット」に対して、検索やアプリストアの分野でデジタル市場法に違反しているとする、予備的な見解を通知しています。

一方、アメリカは独占禁止法にあたる「反トラスト法」に基づいて、巨大IT企業への対応を進めています。グーグルに対しては、アメリカ司法省が検索や広告などの分野で反トラスト法に違反した疑いがあるとして提訴し、去年8月、首都ワシントンの連邦地方裁判所が訴えを認める判決を出しました。

これを受けて、司法省は、去年11月、裁判所にグーグルに対する是正策の案を提出し、インターネット閲覧ソフト「クローム」事業の売却などを求めています。

【Q&A解説】なぜ排除措置命令が?

GAFAM

公正取引委員会が出した「GAFAM」の1つグーグルへの初めての排除措置命令。
ポイントをまとめました。

Q.公正取引委員会はなぜ、排除措置命令に踏み切った

アメリカの巨大IT企業を相手に強い態度で臨む必要があったからです。

公正取引委員会の「GAFAM」に対するこれまでの調査では、命令を出したケースはありませんでした。

グーグルに対しては、アメリカやヨーロッパの規制当局も監視を強め今回と同じような調査を行っている中で、公正取引委員会は海外の規制当局の対応も参考に排除措置命令の内容を設計し命令に踏み切りました。

国民の生活必需品であるスマートフォンの分野で不当な拘束をやめさせ、事業者の間の競争を促進するねらいです。

Q.どんな行為が違反とされた

グーグルがスマートフォンを動かすためのグーグル製の基本ソフト「アンドロイド」を搭載したスマホのメーカーに対し、自社のアプリの優遇を求めていたことを、公正取引委員会は、独占禁止法に違反すると認定しました。

公正取引委員会によりますとグーグルは、アプリストアの「グーグルプレイ」の使用許諾を与える際、「クローム」という自社の閲覧アプリや「グーグルサーチ」という検索アプリをスマホ端末にあわせて搭載させ、画面上の目立つ位置に配置するよう求めていました。

「アンドロイド」のアプリの多くは「グーグルプレイ」からのダウンロードが必要で、メーカーは従わざるを得なかったと公正取引委員会はみています。

スマホを使う人にとっては、最初から搭載されているグーグルのアプリを使うことが見込まれ、ほかの会社が提供しているサービスへの変更に煩わしさを感じたり、他社のサービスに気付かなかったりする可能性があるということです。

このほか、検索サイトなどに表示される広告の収益をメーカーに分配する条件として、グーグルが競合他社の検索アプリなどをスマホに搭載しないよう求めていたことについても、不当な拘束と認定されました。

公正取引委員会は、こうした行為によって競合他社のサービスが参入しにくい構図になり、利用者の自由な選択を狭めるおそれがあると判断しました。

Q.命令を受けるとどうなる

排除措置命令は公正取引委員会が、すみやかに違法行為をやめさせ、市場の競争環境を回復させるため、再発防止などを命じるものです。

行政調査に基づく措置の中で最も重く、命令に従わない場合、罰金などが科されます。

今回、違反行為を取りやめて今後も禁止することやコンプライアンス体制を整備することなどの再発防止、それに排除措置命令としては初めて、再発防止の取り組みなどを独立した第三者が5年間監視し履行状況を報告することも命じました。

誰もが持つ身近なスマートフォンをめぐり、競争環境を健全化することが期待される今回の命令。

一方で、スマートフォンのメーカーからは巨大IT企業の競争の中で国内のスマホ産業を守る難しさもあるという声も聞かれました。

巨大IT企業が市場での支配を強める傾向がいっそう強まる中、公正取引委員会には海外の規制当局とも連携するなどして市場の競争原理が適切に働くよう監視を行い、優れたサービスやイノベーションが生まれやすい環境を整備することが求められています。


#マーケット(250415)

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