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スターマー英首相は1日、対イラン攻撃に英国の基地を使用するという米国からの要請を受け入れたと明らかにした。イランが保有するミサイルに対する防衛的攻撃だとしている。

スターマー首相は「米国は特定かつ限定的な防衛目的のために英国の基地の使用許可を要請してきた。われわれはイランが中東各地にミサイルを発射することを防ぐため、この要請を受け入れる決定を下した」と述べた。

イラン最高指導者ハメネイ師を殺害した米・イスラエルの空爆に英国は関与していないと改めて述べ、今後の空爆にも参加しないと明言。「この地域と世界にとって最善の方法は、イランが核兵器開発の野望を放棄するという交渉による解決だと信じているからだ」と述べた。

一方で、イランが米軍関連施設などを置く湾岸諸国に報復攻撃を行っていることに触れ、英国民の生命を守るのが自らの責務だとも述べた。

ドイツのメルツ首相は1日、イランによる核兵器と弾道ミサイルの開発停止を望む立場で独政府は米国と一致していると述べた。ただ、軍事作戦にはリスクが伴うとも指摘した。

「イランの体制によるテロの終焉と、危険な核・弾道ミサイル開発の停止を求める米国の意向を共有している」と記者団に述べ、今回の攻撃はイランによる破壊的な駆け引きに終止符を打つことを意図したものだとした。

その上で「リスクがないわけではない。イランの厳しい反撃によって、周辺地域がどこまで対立激化に巻き込まれるかは分からない」と述べた。

欧州連合(EU)加盟27カ国は1日、イラン紛争を巡って「最大限の自制」と国際法の全面的な尊重を求めた。EUのカラス外交安全保障上級代表(外相)が全加盟国を代表して声明を出した。

各国外相による緊急ビデオ会議を経て発表された声明は「イランによる同地域の複数の国々への攻撃および主権侵害は許されない。イランは無差別な軍事攻撃を控えるべき」と述べた。

また、「この紛争が中東、欧州、そしてそれ以外の地域を脅かし、経済分野も含めて予測不可能な結果を伴うようなエスカレーションにつながってはならない」と指摘。「ホルムズ海峡のような重要な海路の混乱は避けなければならない」と付け加えた。

中国は1日、米国とイスラエルによる対イラン軍事行動が中東を一段と不安定にし、国際法を損なうリスクがあると非難した。国営の新華社通信が報じた。

  新華社によれば、中国の王毅外相はロシアのラブロフ外相との電話会談で、中国は国際関係における武力行使に反対すると表明し、イランへの攻撃とイラン最高指導者ハメネイ師の殺害は「受け入れられない」と述べた。

  王氏は、紛争が現在ペルシャ湾全域に拡大しており、中東を危険な深みに追い込むリスクを高めていると指摘。中国はこうした状況に重大な懸念を抱いていると説明し、即時停戦や外交と交渉への回帰、国連の承認なしに行われる一方的な軍事行動への反対を呼びかけた。

  王氏は「イランと米国の交渉プロセスのさなかに米国とイスラエルがイランに対して開始した攻撃は受け入れられない」と強調。「主権国家の指導者に対するあからさまな暗殺や体制転換の扇動も同様だ」と語った。

原題:China Condemns ‘Unacceptable’ US, Israeli Strikes on Iran (抜粋)

中国の王毅外相は1日、ロシアのラブロフ外相に対し、米とイランが交渉中に行われた米国とイスラエルによるイランへの攻撃は「容認できない」と伝えた。新華社通信が伝えた。

イランが、攻撃で最高指導者ハメネイ師が攻撃で死亡したと発表したことを受け、王氏は「主権国家の指導者殺害」や体制転換の扇動は容認できないと述べた。

「中国は軍事行動の即時停止、対話と交渉への早期復帰、一方的な行動への共同反対を呼びかけている」と述べた。

中国外務省は2月28日、イランの国家主権、安全保障、領土の一体性が尊重されるべきだとし、全ての関係者に緊張のさらなる悪化を避け対話と交渉を再開するよう求めた。1日には、イランに在留する自国民に対し「可能な限り早急に」出国するよう求めた。

アメリカとイスラエルはイランの最高指導者ハメネイ師を殺害したあとも攻撃を続けています。イランは報復としてアメリカ軍を攻撃したなどと主張していて、さらなる衝突の拡大が懸念されます。
これまでの各国の対応や反応などをまとめました。

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英スターマー首相 米に英軍基地の使用を許可
イギリスのスターマー首相は1日、ビデオ声明で、イランが周辺の国々にも攻撃を行っているとして、「脅威を止める唯一の方法はミサイルの発生源、つまり、保管庫や発射装置を破壊することだ。アメリカはこの限定的な防衛目的のため、イギリスの基地の使用許可を求めている」と述べました。

その上で、「私たちはこの要請を受け入れることを決めた。イランが地域全体にミサイルを発射して無実の民間人を殺害し、イギリス人の命を危険にさらし、関与していない国々を攻撃するのを防ぐためだ」と述べ、アメリカ軍によるイギリス軍の基地の使用を許可したと明らかにしました。

一方、スターマー首相は「私たちはイランへの最初の攻撃には関与しておらず、今後も攻撃には参加しないだろう」と述べました。

フランス ドイツ イギリス「ミサイル発射能力 破壊措置も検討」
フランス、ドイツ、それにイギリスの首脳は、1日、共同で声明を発表し、イランがミサイルによる無差別の攻撃を続けているとして強く非難し、ただちに停止するよう求めました。

そのうえで、「地域におけるわれわれと同盟国の利益を守るための措置を講じる。ミサイルや無人機の発射能力を、その発射元で破壊することを可能にする必要かつ適切な防衛的な措置も検討する。これについてアメリカや地域の同盟国と協力することで合意した」としています。

湾岸協力会議 イランの攻撃の即時停止求める
イランによる攻撃でアメリカ軍の基地などがある湾岸諸国でも被害が拡大する中、GCC=湾岸協力会議は1日、緊急の会合をオンラインで行いました。

会合には各国の外相が参加し、イランの攻撃を最も強い言葉で非難するとした上で、「この地域の安定は単なる地域問題ではなく、世界経済の安定や海上航行の基本的な柱だ」などとして、攻撃の即時停止を求めました。

また、「GCCの協定などに基づき加盟国1国への攻撃は加盟国全体への攻撃になる」と強調した上で、各国の主権や安定を守るためにあらゆる必要な措置をとることを確認したとしています。

オマーン「イランは安定回復への努力に前向き」

イランの核開発などをめぐるアメリカとイランの協議を仲介してきたオマーンは1日、バドル外相がイランのアラグチ外相から電話を受けたと発表しました。

オマーン側の発表によりますと、「アラグチ外相は、イスラエルとアメリカによるイランへの攻撃が、地域の緊張を高め、混乱を悪化させている」と指摘したうえで、「エスカレーションの阻止と、安定の回復のためのあらゆる努力にイランは前向きだとアラグチ外相は強調した」としています。

これに対して、オマーン側は、停戦と対話や交渉への復帰を呼びかけているとしたうえでイランに自制を促し、良好な隣国関係に悪影響を与え、混乱をきたすようないかなる行為も控えるよう求めたとしています。

UAE イランによる攻撃で3人死亡
UAE=アラブ首長国連邦の国防省は1日、イランによる攻撃の内容や被害の状況について発表しました。

それによりますと、UAEに向けてこれまでに弾道ミサイル165発と巡航ミサイル2発が発射されたほか、無人機540機以上を探知したということです。

多くは迎撃したものの、これらの攻撃や迎撃による影響で外国人3人が死亡したほか、58人が軽いけがをしたということです。

またクウェート軍も1日、イランの弾道ミサイルや無人機を迎撃した際の破片が落下し、被害が出ていると発表しました。

ロイター通信によりますと、UAEは首都アブダビとドバイにある証券取引所での取り引きを2日と3日の2日間、停止すると発表しました。

UAE当局は1日、声明で「地域の動向を引き続き監視し、必要に応じてさらなる措置を講じる」と述べています。

ロシア プーチン大統領 ハメネイ師を追悼

ロシア大統領府は1日、プーチン大統領がイランのペゼシュキアン大統領に送った哀悼のメッセージを公開しました。

この中で、プーチン大統領は「最高指導者ハメネイ師とその家族はあらゆる人道的倫理と国際法の規範を冷笑的に侵害する形で殺害された」として、名指しを避けながらもアメリカとイスラエルを批判しました。

その上でハメネイ師については「ロシアとイランの友好関係の発展に多大な貢献を果たした」として、ウクライナ情勢をめぐる連携を念頭に両国の協力関係を深めたとして功績をたたえました。

中国外務省「断固として反対 厳しく非難」

アメリカとイスラエルの攻撃でイランの最高指導者ハメネイ師が殺害されたことについて、中国外務省は1日、報道官のコメントを出しました。

この中で「イランの主権と安全を著しく侵害し、国連憲章の趣旨と国際関係の基本原則を踏みにじるもので、中国は断固として反対し、厳しく非難する」としています。

その上で「軍事行動を直ちに停止し、緊張のさらなるエスカレートを避け、中東と世界の平和と安定を共に守っていくことを求める」として、アメリカとイスラエルに対し軍事行動をやめるよう求めました。

中国・ロシア 外相が電話会談

中国外務省は、王毅外相が、ロシアのラブロフ外相と1日、電話会談を行ったと発表しました。

この中で王外相は「イランとアメリカの交渉中にアメリカとイスラエルがイランを攻撃したことは受け入れられない。国家指導者を公然と殺害し、政権転覆を扇動したことも受け入れられない」と述べ、今回の攻撃を厳しく非難しました。

その上で、王外相は速やかな軍事行動の停止と対話と交渉の再開、一方的な行動への反対という、中国の3つの立場を示したということです。

また、中国側の発表によりますと、ラブロフ外相は「攻撃は中東地域の安定を著しく破壊した。ロシアは中国と立場が一致している。中国との連携を強化し、即時停戦と外交交渉プロセスへの回帰を呼びかけたい」と述べたということです。

北朝鮮外務省「厚顔無恥 最も強い言葉で糾弾」

北朝鮮外務省の報道官は、1日、国営の朝鮮中央通信を通じて談話を出しました。

この中で「イスラエルのイランへの軍事攻撃とそれに加担したアメリカの軍事行動は、不法な侵略行為であり、主権の侵害だ。利己的で覇権的な野望のためには、軍事力の乱用も辞さないアメリカとイスラエルの厚顔無恥な行動を最も強い言葉で糾弾する」と厳しく非難しました。

パキスタン イランへの攻撃に各地で抗議デモ 23人死亡
パキスタンでは1日、アメリカによるイランへの攻撃に抗議するデモが各地で行われ、一部が暴徒化して警察と衝突し、これまでに23人が死亡しました。

地元の警察などによりますと、パキスタン最大の都市カラチにあるアメリカ総領事館の前では暴徒化した一部のデモ隊が敷地内に侵入しました。

デモ隊は総領事館の窓ガラスを割るなどしたため、警察が発砲し、10人が死亡したということです。

ロイター通信はこのほかにも首都イスラマバードでアメリカ大使館に向かうデモ隊と警察が衝突し、2人が死亡したほか、北部の都市スカルドゥでは11人が死亡したと伝えています。

パキスタンではイランで多数派を占めるイスラム教シーア派の住民も多く暮らしていて、アメリカやイスラエルへの強い反発につながっています。

ドイツ首相 イランへの攻撃支持 トランプ大統領と会談の意向

ドイツのメルツ首相は1日、イラン情勢をめぐって声明を発表し、イランのイスラム体制について、「国民を数十年にわたって抑圧してきたテロリスト政権だ。われわれはアメリカやイスラエルとともにこの政権によるテロ行為の終結と、危険な核・弾道ミサイルの増強が止まることを強く望んでいる」と述べ、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃を支持しました。

さらに、今回の攻撃でイランの最高指導者、ハメネイ師だけでなく、政権の複数の幹部が殺害されたとしたうえで、「これは、不確かな未来の始まりを意味する。私は火曜日にワシントンでトランプ大統領と、事態の展開について話し合う予定だ」と述べ、ワシントンを訪問して3日にトランプ大統領と会談する意向を示し、アメリカと連携して、対応を急ぐ考えを明らかにしました。

イランのサイード・ハティブザデ外務次官は1日、CNNとの単独インタビューに応じ、トランプ米大統領は同国の最高指導者ハメネイ師を殺害したことで「非常に危険なレッドライン(越えてはならない一線)」を越えたと述べた。

ハティブザデ氏は、世界中の多くのイスラム教シーア派信者がハメネイ師の死に反応するとの見方を示している。

「宗教的な観点から言えば当然、彼は偉大な宗教指導者だった。そのため、地域全体、そして世界中の多くのシーア派信者がこれに反応するだろう。トランプ大統領が非常に危険なレッドラインを越えたのだから、これは明白だ」とハティブザデ氏は述べた。

「我々は報復するしかない」(ハティブザデ氏)

先月28日の攻撃を受け、イランは中東全域で前例のない一連の攻撃によって対抗。バーレーンやアラブ首長国連邦(UAE)など、米軍基地を擁する複数の国を標的とした。攻撃は週末を通して続き、民間人が死亡したほか、物的損害も生じ、航空・海上交通は停止を余儀なくされている。

ハティブザデ氏は、イランが脅威とみなす米軍基地の閉鎖について湾岸アラブ諸国と協議したという。「我々は彼らと協議した。イランを常に脅かし、イランを攻撃するために常に利用している米軍基地を閉鎖するか、さもなければ反撃せざるを得ない」

イランは「米国領土に手を出すことはできないので、米国の管轄下にある基地を攻撃するほかない」と同氏は続けた。

外交交渉が今も選択肢にあるかとの質問に対し、ハティブザデ氏は、米国はイランを何度も「失望させて」おり、「このような侵略行為を始める必要はなかった」と述べた。

「もしトランプ大統領がイランの反撃を望まなかったのであれば(中略)トランプ大統領は最初からこの戦争を始めるべきではなかった」とハティブザデ氏は述べた。「これは選択した戦争だったのだ」

これはイラン・イスラム共和国にとって決定的な瞬間だ。

2月28日の朝以来、最高指導者の安否をめぐってさまざまな報道が飛び交った。空爆の第一波で、その住まいが標的になったのは明らかだったからだ。

人工衛星画像は、アリ・ハメネイ師(86)が暮らす施設が重大な損害を受けたことを示していた。

最高指導者は安全な場所に移されたというのが、イラン当局の最初の反応だった。

続いて、ハメネイ師が国営テレビで演説するという話があったが、何も起きなかった。

夕方になると、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がテレビ演説で、最高指導者は「もはや存在しない」と示す「証拠がたくさんある」と発表した。

イスラエルとアメリカのメディアは、さまざまな匿名の当局者からの情報だとして、ハメネイ師が死亡したと示す、説得力のある証拠があると伝えていた。

この間、イラン当局はずっと否定し続けていた。

しかし、ドナルド・トランプ米大統領が自分のソーシャルメディアでハメネイ師の死を発表してから数時間後、イラン国営テレビのアナウンサーが涙ながらに、「イスラムの指導者として揺るぎない頑強な山のよう」な人が、「甘美で純粋な殉教の杯を飲み」死去したと発表した。

動画説明,イラン国営テレビの司会者、最高指導者ハメネイ師の死去を涙ながらに発表
40日間の服喪が発表され、戦争2日目の夜明けとともに最高指導者の死を悼む親政権イベントが開かれ始めた。

しかし同時に、夜のうちに、イラン国内のいくつかの都市や、世界中のイラン人コミュニティーの間で、大勢が歓喜を爆発させている様子の映像が次々と出回った。

在外イラン人の多くは、強硬姿勢のハメネイ師による統治の終わりを祝い、これがイスラム共和国の終わりを意味すると期待をあらわにしていた。

イラン・イスラム共和国の波乱に満ちた歴史の中でも、今は特に重大な局面だ。しかし、強大な権力を携えて体制を支えてきた聖職者や司令官たちは、この運命の時に備えてきた。

昨年6月に起きた12日間戦争の間、イラン指導部は意識を集中させた。あの時の最初の夜だけで、攻撃の第一波で、イスラエルは9人の核科学者と複数の治安責任者を暗殺することに成功した。その後さらに、研究幹部や少なくとも30人の主要司令官が殺害された。

アメリカとイスラエルが、ハメネイ師も標的しているかもしれないことも、明らかになった。

この戦争の間、ハメネイ師は特別な地下壕(ごう)で過ごしていた。そしてその間、最高指導者は政府上層部に空白が生じるのを避けるため、即座に役割を引き継げる治安当局者のリストを作成していると報じられた。

加えて報道によると、ハメネイ師は昨年6月のこの戦争の前から、聖職者88人からなる専門家会議に、あらゆる事態に備えるよう指示していたという。最高指導者を選ぶのは、この専門家会議だ。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、ハメネイ師は自分が暗殺された場合の後継候補として、「3人の上級聖職者」を選んでいた。

誰が後を継ぐのかは、もう長年取りざたされてきた。息子のモジタバ師がそうするとの臆測もあった。

テヘランで大統領府や最高指導者事務所が攻撃されたことを示す地図
今回の攻撃で殺されたのは、ハメネイ師だけではない。標的を絞った今回の攻撃を免れた人たち、あるいは今回の攻撃の影響で昇格を余儀なくされた人たちは、政権の統治は揺るぎなく、後任への承継もよどみなく行われると、世界に示したいはずだ。

しかし、36年に及ぶ最高指導者の統治の終わりは、彼の支持者、とりわけ彼を守りイスラム革命を国内外で防衛する任務を負う精鋭イラン革命防衛隊(IRGC)の側近や協力者たちに衝撃を与えるだろう。

しかしBBCは、テヘランやカラジの街頭で、ハメネイ師の死を祝う人々の映像を確認している。

ハメネイ師は西側に、とりわけアメリカに深い不信感を抱き、イスラエルに対しては強い敵意を抱いてきた。そして、国内の改革要求や繰り返される抗議を抑え込みながら、強力に統治してきた。

イスラエルおよびアメリカとの直接的な軍事衝突が続き、国内でも変化を求める声が高まったここ数年、彼は最大の試練に直面していた。

私たちが今月初めにテヘランに滞在した際、イランはこれまでと別の国のように感じられた。歴史上最悪の弾圧で数千人のイラン人が殺害された後の、その痛みと怒りはまだ生々しかった。

ハメネイ師による統治が突然終わった今、イランは今後どうなるのかが、後継者に突き付けられることになる。政権のトップ交代が、体制樹立から47年になるイスラム共和国の方向転換につながるのかどうかも。

誰が後継者になるとしても、優先的な目標は変わらない。聖職者と強力な治安部隊を権力の座にとどめるための、体制の存続が、共和国の最優先の目的なのだ。

この戦争の終わりは、まだ到底見えない。しかし、すでに予測不能で危険な形で展開している。

アヤトラ・ハメネイ師の暗殺について、インド駐在代表のアブドゥル・マジド・ハキーム・イラーヒー博士は次のように述べた。
「ハメネイ師は執務室におられました。警備担当者が何度も別の都市へ移動するよう要請しましたが、師は拒否されました。

『9000万人のイラン国民を別の都市へ移せるなら、その後で私も移動する』とおっしゃったのです」

『安全のため地下室を用意する』と提案されたが、彼は『全イラン国民に地下室を建設できるなら…』と応じた。

彼は執務室と自宅に留まり、翌朝、シオニスト政権とアメリカの航空機が執務室を攻撃した。彼と妻、嫁、甥数名が亡くなった…」

イスラエルと米国の空爆でイランの最高指導者ハメネイ師が死亡したことを巡るイラン国内の反応は悼む国民もいれば、祝う国民もおり、深い分断が露呈している。

イラン国営テレビは1日未明にハメネイ師の死を報じ、アナウンサーは感情を抑えきれない様子だった。テヘランからの映像には、広場に詰めかけた喪服姿の嘆く人々が映り、多くが涙を流していた。

一方、ソーシャルメディアに投稿された動画によると、他の地域では歓喜の様子が映し出されている。

イラン南部のガレダル町では、1979年にイラン・イスラム共和国を成立させたホメイニ師を記念するモニュメントが倒され、男性が「私は夢を見ているのか? 新たな世界へようこそ!」と叫んでいた。

複数の米高官は、最高指導者ハメネイ師の殺害に至ったイランに対する米国とイスラエルの軍事作戦が近い将来のイラン体制転換につながるかどうか懐疑的な見方を維持している。

3人の米当局者は、弱体化しているイランの反体制派が1979年以来続いている神権的、権威主義的な統治体制を打倒できるかどうかについては深刻な懐疑論があるとしている。

ロイターが取材した当局者は誰も、イラン体制崩壊の可能性を完全には否定しなかったものの、近い将来にそれが起こり得る可能性はかなり低いと述べた。

ホワイトハウスの内部事情に詳しい米当局者は、イスラム革命防衛隊(IRGC)の幹部が自発的に降伏する可能性は低いと述べた。その理由の一つとして、忠誠心を維持するために構築された広範な利益供与ネットワークの恩恵を受けている点を挙げた。

トランプ米大統領自身も1日、イランとの対話再開を計画していると発言しており、少なくとも当面の間、米国はイラン体制が存続すると見ていることを示唆している。

ホワイトハウスからは今のところコメントを得られていない。

イランの最高指導者ハメネイ師が死亡したことを受け、次の最高指導者が選出されるまで国政運営を担う「臨時評議会」が1日、設置されました。

「臨時評議会」は、ペゼシュキアン大統領と司法長官、それに法案の審査などを行う「護憲評議会」の法学者からなり、次の最高指導者が選出されるまでの間、国政運営を担います。

ペゼシュキアン大統領は1日、ビデオ声明で「臨時評議会がその任務を開始する」と述べました。

次の最高指導者について、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは1日、去年6月に起きたイスラエルとアメリカとの軍事衝突の際に、ハメネイ師が3人の候補者の名前をあげていたと伝えました。

3人について、ニューヨーク・タイムズは現在の司法長官とハメネイ師の側近、それに初代の最高指導者、ホメイニ師の孫だとしています。

一方、イギリスの公共放送BBCは、最高指導者の選出にあたる「専門家会議」は、憲法で速やかな後継者の選出が求められているものの、アメリカとイスラエルによる攻撃が続く中ではメンバーを招集するのも困難だろうという見方を伝えています。

イランは最高指導者ハメネイ師が殺害されたことで、イスラム神政政治体制が危機に陥り、次期最高指導者が誰になるのか、またこれからどのような事態が起きるのか予測が難しくなっている。

聖職者や革命防衛隊幹部、ハメネイ師の長年の顧問といった過去数十年にわたってイランの体制を運営してきた人々を標的とする米国とイスラエルの攻撃はなお継続中だ。一方でイランの大統領らでつくる「臨時評議会」が設置され、次期最高指導者選出まで当面の国家運営を代行する。

イランの統治システムや次期最高指導者選出方法、具体的な候補、米国・イスラエルの攻撃による変化の可能性について以下にまとめた。

◎イスラム神政政治とは

現在の神政政治体制は1979年のイスラム革命でパーレビ国王を追放して最高指導者になったホメイニ師が「イスラム法学者の統治」として新たに導入した。

この理論によると、9世紀に姿を消したイスラム教シーア派第12代イマーム(神が定めた指導者)が再臨するまで、地上の権力は徳の高い聖職者によって行使されるべきとなっている。

つまり最高指導者に就任する者は、大統領と国会を導く究極の権威として憲法から権限を与えられた高位の聖職者でなければならない。

1989年に死去したホメイニ師と、その後継者になったハメネイ師の下で、最高指導者は国家の全ての事案について最終的な決定権を保持してきた。しかし新しい指導者は、極めて大きな変革の瞬間に、自らの権威を主張することを迫られるだろう。

◎ハメネイ師の後継者を誰が選ぶか

憲法では新たな指導者を3カ月以内に必ず選出することが義務付けられている。それまではペゼシュキアン大統領と聖職者アラフィ師、モホセニエジェイ司法府代表の3人がメンバーとなる「臨時評議会」が国政を代行する。

新たな最高指導者を選ぶ責任は、約90名の高位聖職者で構成され、8年ごとに選出される専門家会議にある。しかし攻撃が続いているため、会議がいつ、どのように開かれるかは不明だ。

ハメネイ師は好ましい後継者を指名しておらず、現実的にはハメネイ師の下で統治に携わってきた最も高位の聖職者によって決められる公算が大きい。こうして指名された候補者は、専門家会議の承認を受けなければならないだろう。

これら高位聖職者のうち最も重要な人物は、長らくハメネイ師の顧問を務めてきた最高安全保障委員会(SNSC)のラリジャニ事務局長で、イランでも屈指の政治的な実力者との見方が多い。

◎後継者の有力候補

ハメネイ師の息子、モジュタバ氏はこれまで時折、後継者になりそうだとみなされてきたが、現在は消息が不明になっている。モジュタバ氏の妻は2月28日に空爆で死亡したことが確認されているが、同氏自身が死んだかどうかはっきりしていない。

そこでホメイニ師の孫に当たるハッサン氏がより有力な選択肢として浮上してきた。ハッサン氏は何十年にもわたってイランを穏健化しようとしてきた改革派と密接なつながりがあり、西側との敵対関係を和らげ、国民の体制への怒りを静める可能性があるとみなされるかもしれない。

アラフィ師とモホセニエジェイ氏は、ハメネイ師の強硬姿勢を継承する公算が大きく、後継者に選ばれる確率はより低い。モホセニエジェイ氏は、情報相時代の2009年に選挙結果を巡る抗議デモを強引に鎮圧した責任もある。

ロウハニ元大統領は高位聖職者だが、最高指導者選出で大きな影響力を持つ最強硬派の一部から不信感を持たれている。

専門家会議は、知名度の低い聖職者を最高指導者として選ぶことも理論的にはあり得る。ただ米国とイスラエルの攻撃で統治機構がばらばらに崩されてしまった以上、新たに就任した最高指導者の権威を支えるのは、これまでよりずっと困難になるだろう。

◎革命防衛隊の役割は

革命防衛隊はこれまでずっと、ハメネイ師の後継者決定の舞台裏で中心的な役割を果たすと見込まれていた。革命防衛隊は、選挙を経た大統領の指揮下にある通常の軍と異なり、命令を聞くのは最高指導者だけだ。

しかし米国とイスラエルによる近年の攻撃で、革命防衛隊の上層部が次々殺害されたため、最高指導者選出になお影響力を及ぼせるかどうかは不透明感が非常に大きい。

近年の革命防衛隊で最も重要な存在だったのは、精鋭のコッズ部隊を率いてアラブ諸国の親イラン武装勢力を通じた「革命輸出」の戦略を推進してきたカッセム・ソレイマニ氏だったが、2020年に米軍の攻撃で殺害された。

昨年6月の「12日間戦争」においても複数の革命防衛隊上層幹部がイスラエルによって殺害され、今回の米国・イスラエルの攻撃では革命防衛隊トップのパクプール司令官も死亡している。

革命防衛隊は2000年代初頭以降経済的影響力も拡大の一途をたどり、関連企業がイランの石油・ガス部門で数十億ドル規模の事業を受注してきた。その巨大な経済的権益を守ることが、革命防衛隊にとって新たな最高指導者を支持するかどうかの判断にかかわってくるかもしれない。

◎イラン国民は発言権を持てるか。

イランでは大統領と国会議員が4年ごとに国民の選挙で選ばれる。大統領に任命された政府は、最高指導者が認めた範囲内で日常的な政策を扱う。

こうした選挙は、イスラム共和国の初期こそ投票率が高かったが、現在も選挙の公正性に信頼を置く国民はずっと少なくなっている。

ペゼシュキアン大統領は穏健派として知られ、臨時評議会の一員になった。ただ今後の情勢に関して大統領がどれほどの発言力を持つのかは非常に不透明だ。

また専門家会議は選挙を経てメンバーが決まるものの、その候補者はイランの国政選挙の全ての立候補者と同様に、聖職者で構成する監督者評議会の審査を受けなければならない。このため当局に忠実な人物しか候補者になれない仕組みとなっている。

今日は何が起きたのか。
アメリカとイスラエルは何をしようとしたのか。

元CIA情報将校ラリージョンソン(Larry Johnson):

「アメリカとイスラエルは、勝てない戦いを始めた。
負ける戦いだ。しかも、簡単に抜け出せる道はない。
彼らは、「我々がやることは、この大規模攻撃を仕掛けるだけだ」と自分たちに思い込ませていた。
というのも、トランプが愚かにも、自分の言っているたわごとを信じているからだ。

つまり、世界に我々より優れていて、より大きく、
より強力な軍隊などない、イスラエルが僅差の二番手かもしれないが我々が最高で、何でもできる、という話だ。
だから彼らは、2025年6月13日に起きたことの再現を本気でやるつもりだった。斬首攻撃を行い、政治・軍事の上層部を排除するということだ。

彼らは、これをやるつもりだという身振りを、
もう2か月以上前から示し続けていた。
イラン側は、彼らが実行することを疑っていなかった。
イラン側も、実際にそうなった場合に備えて準備していた。

仮にそれが起きて、例えばアヤトラ・ハメネイが死んだとしても、
後継者はすでに指名してあった。
大統領が死んだ場合も、指名してある。

要するに皆が、「俺に何かあったら、お前が仕切れ」と言っていた。
そういう備えをしていたということだ。

そこへイスラエルが動いた。
しかも、最近のシーモア・ハーシュの記事で見たように、彼の情報源が米情報機関なのかイスラエル諜報機関なのかは分からないが、とにかくその情報源はシーモア・ハーシュにこう告げた。
「我々は昨年、イランの弾道ミサイル計画を壊滅させた。彼らには何も残っていない」と。

ところが、昨日の朝の奇襲攻撃から1時間半もしないうちに、
イランは反撃を始めた。イランでは土曜の朝だった。
だが今回は、2025年6月に起きた時とは違う。
当時イランは、攻撃をイスラエルの標的だけに限定していた。
主として経済目標と軍事目標を狙っていた。
今回は違う。全く違う。
ペルシャ湾一帯からイラクにかけて、米軍基地や施設を狙っている。
アメリカは大きな物的損害を被っている。

人的損失については、現時点では分からない。

Larry Johnson : Trump’s Colossal Mistake https://youtube.com/live/wRcGnlVR_kA?si=af0upyb6NNb5ihe8
@YouTube
より

イラン国民がハメネイ師の暗殺を喜んでいるという投稿に数万のいいねがつき、圧政を解放したトランプとイスラエルすごい!というストーリーになっていますが、これがイーロンXのアルゴリズムです。

昨日、私のアカウントはグロックに「ロシア在住を名乗り、ショッキングな情報を流すので注意して下さい」と書かれました。AIに学習させてプログラミング、印象操作をさせることは容易いですね。

小児性愛を助長する18禁ポルノの方がよほどショッキングな内容だと思うけど、こちらは規制を受けることなく絶賛増殖中。

米中央軍は1日、対イラン軍事作戦で米軍兵士3人が死亡、5人が重傷を負ったと発表した。今回の作戦で米兵の死亡発表は初めて。このほか軽傷を負った兵士もいるという。

中央軍はXに投稿した声明で「他の数人は破片による軽度のけがを負ったり脳振とうを起こしたりしたが、任務復帰に向かっている。主要な戦闘作戦は継続中で、われわれの対応も進行中だ」と述べた。

兵士が死傷した際の状況について詳細は明らかにしていないが、イラン革命防衛隊は中東全域の標的に対し、ドローン(無人機)やミサイルで激しい攻撃を仕掛けている。

匿名を条件に米当局者2人がロイターに明らかにしたところによると、米軍兵士はクウェートの基地で死亡した。

トランプ米大統領は動画を通じ、死者を悼みつつ、「残念ながら終結までにさらに増えるだろう」と指摘。「しかし米国は彼らの死に対して報復を行い、文明に対して戦争を仕掛けたテロリストたちに最も厳しい打撃を与える」と述べた。

デイリー・メール紙とのインタビューでは、攻撃は4週間続く可能性があると述べた。

イランは1日、米空母エーブラハム・リンカーンに対し弾道ミサイル4発による攻撃を行ったと国営メディアが報じた。米中央軍はイランのミサイルは接近せず、空母は被弾していないとしている。

アメリカとイスラエルはイランの最高指導者ハメネイ師を殺害したあとも攻撃を続けているのに対し、イランは報復としてアメリカ軍を攻撃したなどと主張して応酬が激しくなっています。トランプ大統領は作戦が計画より順調に進んでいるとして対話にも言及しましたが、4週間続く可能性も示唆し「目標がすべて達成されるまで続く」と強調していて、衝突のさらなる拡大が懸念されています。

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最新のイラン情勢 特集サイト
アメリカとイスラエルはイランへの再攻撃に踏み切り、最高指導者ハメネイ師を殺害したあと、2日目に入った1日も各地で攻勢を強めています。

トランプ大統領は1日、イラン海軍の艦艇9隻を沈め司令部を破壊したと主張し、イスラエル軍も首都テヘランをはじめ、各地で防空やミサイルシステム、司令部などを攻撃したとしています。

これに対しイランは報復を訴えて、アメリカとイスラエルの標的にミサイルと無人機による大規模な攻撃を実施したと主張しました。

米軍 隊員3人の死亡を発表 イスラエルでは9人死亡
アメリカ軍は今回の軍事作戦で隊員3人が死亡したと発表し、イスラエルでは住宅街にミサイルが落下して9人が死亡したと報じられています。

さらに一連の攻撃でアメリカ軍の施設がある湾岸諸国では各地で無人機による攻撃などによって被害が出ていて、攻撃の応酬が激しくなっています。

また、イランはアメリカの原子力空母を弾道ミサイルで攻撃したと主張しましたが、アメリカは空母は被害は受けておらず、作戦を続けているとしています。

こうした中、トランプ大統領はメディアのインタビューで作戦が計画より順調に進んでいるという認識を示し、別のインタビューではイラン側は話し合いを望んでいると主張して「私は話し合いに同意した」と対話にも言及しました。

ただ別のメディアのインタビューでは作戦について「4週間くらいになるだろうと見積もっていた。強力で大きな国だ。4週間かかるかそれより短いかもしれない」と述べたということです。

さらにSNSに演説の動画を投稿し「現在も軍事作戦はすべての力をもって継続しており、われわれの目標がすべて達成されるまで続く」と強調しました。

イラン 革命防衛隊トップや軍の参謀総長なども死亡か
一方のイランではハメネイ師だけでなく軍事精鋭部隊、革命防衛隊のトップや軍の参謀総長なども死亡したと伝えられ、ペゼシュキアン大統領は1日、次の最高指導者が選出されるまでの国政運営を担う「臨時評議会が任務を開始する」と述べました。

アメリカとイランの協議を仲介してきたオマーンは1日、イランのアラグチ外相から電話を受けたと発表し、アラグチ外相が「エスカレーションの阻止と安定の回復のためのあらゆる努力にイランは前向きだと強調した」としています。

しかしアメリカ、イスラエル、そしてイランはいずれも攻撃を続ける構えで、衝突のさらなる拡大が懸念されています。

米軍「壮絶な怒り」作戦 24時間で1000か所以上攻撃
アメリカ中央軍は1日、今回の「壮絶な怒り」と名付けたイランに対する軍事作戦の最初の24時間の概要を明らかにしました。

それによりますと作戦はアメリカ東部時間の2月28日午前1時15分に開始され、イランの安全保障体制を解体するため脅威をもたらす対象を優先しながら標的を攻撃したとしています。

具体的な攻撃対象はイランの指揮統制センターやイラン革命防衛隊の統合司令部と航空宇宙軍司令部、防空システム、弾道ミサイル施設、イラン海軍の艦艇や潜水艦、対艦ミサイル施設、軍事通信施設で、1000か所以上を攻撃したとしています。

作戦にはB2ステルス戦略爆撃機に自爆型の無人機、F22戦闘機やF35ステルス戦闘機、電子攻撃機、パトリオットなどの迎撃ミサイル、原子力空母、ミサイル駆逐艦、対無人機システムなどのほか、公表できない特殊な能力を持った兵力を投入したとしています。

攻撃前後のイラン軍基地 衛星画像
人工衛星を運用しているアメリカの企業「バンター」は1日、アメリカとイスラエルによる攻撃の前後に撮影したとするイラン軍の基地などの画像を公開しました。

このうちイラン南東部の都市、ザヘダンの空軍基地を撮影した衛星画像では、2月下旬にうつっているレーダー施設が3月1日には完全に破壊されているのがわかります。

また、1日に撮影された別の画像では、イラン南部のコナラクにある無人機の基地が破壊された様子を確認できます。

さらにコナラクにある海軍基地では、被害を受けた艦艇が傾いて沈んでいる様子をとらえています。

このほか、巡航ミサイルの貯蔵施設や航空機の格納庫が大きく壊れている画像も公開されています。

イスラエル軍 約10万人の予備役動員へ準備
イランへの攻撃を続けているイスラエル軍は1日、予備役の兵士およそ10万人を動員する準備を進めていると発表しました。

現地メディアはシリアやレバノンとの国境やパレスチナのガザ地区との境界で地上部隊が増強されたなどと伝えています。

トランプ米大統領は1日、イランでの戦闘作戦は継続しており、全ての目標が達成されるまで続くと述べた。

自身の交流サイト(SNS)に投稿した動画で「戦闘作戦は現在も全力で継続しており、われわれの目標が全て達成されるまで継続される。われわれは非常に強い目標を持っている」と述べた。

米軍兵士3人が死亡したことも確認。さらに多くの犠牲者が出る可能性が高いとした上で、報復を誓った。

アメリカとイスラエルはイランの最高指導者ハメネイ師を殺害したあとも攻撃を続けているのに対し、イランは報復としてアメリカ軍を攻撃したなどと主張して応酬が激しくなっています。トランプ大統領は作戦が計画より順調に進んでいるとして対話にも言及しましたが、4週間続く可能性も示唆し「目標がすべて達成されるまで続く」と強調していて、衝突のさらなる拡大が懸念されています。

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アメリカとイスラエルはイランへの再攻撃に踏み切り、最高指導者ハメネイ師を殺害したあと、2日目に入った1日も各地で攻勢を強めています。

トランプ大統領は1日、イラン海軍の艦艇9隻を沈め司令部を破壊したと主張し、イスラエル軍も首都テヘランをはじめ、各地で防空やミサイルシステム、司令部などを攻撃したとしています。

これに対しイランは報復を訴えて、アメリカとイスラエルの標的にミサイルと無人機による大規模な攻撃を実施したと主張しました。

米軍 隊員3人の死亡を発表 イスラエルでは9人死亡
アメリカ軍は今回の軍事作戦で隊員3人が死亡したと発表し、イスラエルでは住宅街にミサイルが落下して9人が死亡したと報じられています。

さらに一連の攻撃でアメリカ軍の施設がある湾岸諸国では各地で無人機による攻撃などによって被害が出ていて、攻撃の応酬が激しくなっています。

また、イランはアメリカの原子力空母を弾道ミサイルで攻撃したと主張しましたが、アメリカは空母は被害は受けておらず、作戦を続けているとしています。

こうした中、トランプ大統領はメディアのインタビューで作戦が計画より順調に進んでいるという認識を示し、別のインタビューではイラン側は話し合いを望んでいると主張して「私は話し合いに同意した」と対話にも言及しました。

ただ別のメディアのインタビューでは作戦について「4週間くらいになるだろうと見積もっていた。強力で大きな国だ。4週間かかるかそれより短いかもしれない」と述べたということです。

さらにSNSに演説の動画を投稿し「現在も軍事作戦はすべての力をもって継続しており、われわれの目標がすべて達成されるまで続く」と強調しました。

イラン 革命防衛隊トップや軍の参謀総長なども死亡か
一方のイランではハメネイ師だけでなく軍事精鋭部隊、革命防衛隊のトップや軍の参謀総長なども死亡したと伝えられ、ペゼシュキアン大統領は1日、次の最高指導者が選出されるまでの国政運営を担う「臨時評議会が任務を開始する」と述べました。

アメリカとイランの協議を仲介してきたオマーンは1日、イランのアラグチ外相から電話を受けたと発表し、アラグチ外相が「エスカレーションの阻止と安定の回復のためのあらゆる努力にイランは前向きだと強調した」としています。

しかしアメリカ、イスラエル、そしてイランはいずれも攻撃を続ける構えで、衝突のさらなる拡大が懸念されています。

米軍「壮絶な怒り」作戦 24時間で1000か所以上攻撃
アメリカ中央軍は1日、今回の「壮絶な怒り」と名付けたイランに対する軍事作戦の最初の24時間の概要を明らかにしました。

それによりますと作戦はアメリカ東部時間の2月28日午前1時15分に開始され、イランの安全保障体制を解体するため脅威をもたらす対象を優先しながら標的を攻撃したとしています。

具体的な攻撃対象はイランの指揮統制センターやイラン革命防衛隊の統合司令部と航空宇宙軍司令部、防空システム、弾道ミサイル施設、イラン海軍の艦艇や潜水艦、対艦ミサイル施設、軍事通信施設で、1000か所以上を攻撃したとしています。

作戦にはB2ステルス戦略爆撃機に自爆型の無人機、F22戦闘機やF35ステルス戦闘機、電子攻撃機、パトリオットなどの迎撃ミサイル、原子力空母、ミサイル駆逐艦、対無人機システムなどのほか、公表できない特殊な能力を持った兵力を投入したとしています。

攻撃前後のイラン軍基地 衛星画像
人工衛星を運用しているアメリカの企業「バンター」は1日、アメリカとイスラエルによる攻撃の前後に撮影したとするイラン軍の基地などの画像を公開しました。

このうちイラン南東部の都市、ザヘダンの空軍基地を撮影した衛星画像では、2月下旬にうつっているレーダー施設が3月1日には完全に破壊されているのがわかります。

また、1日に撮影された別の画像では、イラン南部のコナラクにある無人機の基地が破壊された様子を確認できます。

さらにコナラクにある海軍基地では、被害を受けた艦艇が傾いて沈んでいる様子をとらえています。

このほか、巡航ミサイルの貯蔵施設や航空機の格納庫が大きく壊れている画像も公開されています。

イスラエル軍 約10万人の予備役動員へ準備
イランへの攻撃を続けているイスラエル軍は1日、予備役の兵士およそ10万人を動員する準備を進めていると発表しました。

現地メディアはシリアやレバノンとの国境やパレスチナのガザ地区との境界で地上部隊が増強されたなどと伝えています。

スラエルは1日、イランの首都テヘランに新たな攻撃を実施し、イランもさらなるミサイル攻撃で応酬した。エネルギー価格上昇や湾岸地域におけるビジネスの混乱が懸念される中、海運、航空、石油など世界中のさまざまな業界に動揺が広がっている。

トランプ米大統領は自身の交流サイト(SNS)に投稿した動画で「目標が全て達成されるまで」軍事作戦を継続すると表明。攻撃によってイラン海軍の艦船9隻と海軍の建物1棟が破壊されたと述べた。

米中央軍は対イラン軍事作戦で米軍兵士3人が死亡したと発表した。トランプ氏は3人を「真の米国の愛国者」と称えつつ、さらなる犠牲者が出る可能性があるとした。

中央軍によると、米軍は作戦開始以降、イランの1000以上の標的を攻撃した。

イスラエル軍は1日夜、空軍がテヘラン上空で制空権を確立し、同市全域で情報機関や治安機関、軍司令部を標的とした一連の攻撃を実施したと発表した。

イスラエル当局者は、イラン政府を弱体化させて崩壊させることが現在の焦点だと述べた。また、イラン国民に街頭での抗議を促すため「独自に行動」していると語った。

一方、イラン革命防衛隊は1日、ペルシャ湾とホルムズ海峡で米英の石油タンカー3隻を攻撃し、クウェートとバーレーンの軍事基地をドローン(無人機)とミサイルで攻撃したと発表した。

海運データによると、石油・ガスタンカーを含む数百隻の船舶が近隣海域に停泊しており、トレーダーらは2日の取引で原油価格が急騰すると予想している。

イランが湾岸地域全体に新たなミサイル攻撃を仕掛ける中、イスラエル救急サービスは中部ベイトシェメシュで9人が死亡したと発表。アラブ首長国連邦(UAE)では3人、クウェートでも1人が死亡した。

イランのペゼシュキアン大統領は、自身と司法府代表、護憲評議会のメンバーで構成する「臨時評議会」が暫定的に最高指導者の職務を引き継いだと表明した。

トランプ氏はSNSの動画で、イラン軍と警察に対し武装解除を求め、降伏すれば免責を与えると約束。一方、抵抗すれば「確実な死」が待っていると警告した。またイラン国民に体制転換を改めて呼びかけた。

「自由を渇望する全てのイラン愛国者よ、この瞬間を捉えよ。勇敢に、大胆に、英雄的に、祖国を取り戻せ」と訴え「米国はあなた方と共にある」と述べた。

同氏はこれに先立ち、米誌アトランティックのインタビューで、イランの「新指導部」が協議を求めていると明らかにし、応じる意向を示した。

英紙デイリー・メールのインタビューでは、軍事作戦が4週間続く可能性があると述べた。

1日公表のロイター/イプソス調査によると、今回の対イラン攻撃について「支持しない」と回答した米国民は調査対象全体の43%に達し、「支持する」の約27%を上回った。

世界の石油供給の約20%が通過するホルムズ海峡が数日以上にわたり閉鎖されれば、米国内でガソリン価格が上昇し始める見通しだ。

オマーン外務省はイランのアラグチ外相が緊張緩和にオープンな姿勢を示したと明らかにした。しかし、同外相はXへの投稿で戦闘継続の用意を示唆。「われわれは20年にわたり、東西の隣国における米軍の敗北を研究してきた」とし、「首都への爆撃はわれわれの戦争遂行能力に影響を与えない」と書き込んだ。

トランプ米大統領は1日、交流サイト(SNS)を通じ、米軍がイランの軍艦9隻を撃沈し、「残りを追撃している」と明らかにした。

米国の攻撃はイラン海軍司令部もほぼ壊滅させたとも述べた。

【トランプ氏「対イラン作戦はすべての目標が達成されるまで継続される」】

🎥トランプ米大統領は、自身のSNSに掲載された新たなビデオ演説の中で、このように述べた。

その他の主な発言
🔸イランの治安部隊や軍関係者は、武器を放棄しなければ死を免れない。

🔸米国の対イラン攻撃により、イランの軍事指導部を事実上壊滅させた。

🔸米国の対イラン攻撃により、革命防衛隊(IRGC)の関連施設、ミサイル防衛システム、海軍施設、9隻の艦船を含む数百の目標が打撃を受けた。

【米国とイスラエルが対イラン攻撃 現時点までに判明している情報】

🔸 米中央軍は、イランに対する作戦で米軍関係者3人が死亡したと発表した。他に5人が負傷したという。

🔸 イランのペゼシュキアン大統領は、次期指導者が選出されるまで国を運営する「臨時評議会」が活動を開始したと発表した。

🔸 ロシア外務省は、国家間関係の基本原則に違反しているとして、政治的暗殺や指導者「狩り」を非難した。

🔸米国はイランへの部隊派遣を計画していないと米上院情報委員会のトム・コットン委員長は述べた。

🔸イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は、米空母「エイブラハム・リンカーン」を弾道ミサイル4発で攻撃したと発表した。

米共和、民主両党の議員らは1日、イランを攻撃したトランプ政権の今後の計画は今のところ定かではないとの見方を示した。

共和党は攻撃について楽観的な見方を示したが、民主党は好ましい結果につながるかどうか懐疑的だ。

ただ、同日朝のトーク番組に出演した議員らは全員、イランへの米地上部隊派遣に反対した。

上院情報委員会委員長のトム・コットン議員(共和党、アーカンソー州選出)は「今後の展開に単純な答えはない」と述べた。

トランプ氏に近い防衛タカ派のリンゼー・グラム上院議員(共和党、サウスカロライナ州選出)は、イラン国民が自国の指導者を決めるべきだという大統領の見解に同調した。

「『壊したものが責任を取れ』という考え方は、まったく受け入れられない」と発言。「これはイラクでもドイツでも日本でもない。われわれはテロリスト体制から国民を解放するのだ」と語った。

クリス・クーンズ上院議員(民主党、デラウェア州選出)は、現行作戦ではイランの体制転換が実現する見通しは立たないと指摘。「現代史において、空爆のみによって体制転換が起きた事例は私の知る限り存在しない」と語った。

クリス・マーフィー上院議員(民主党、コネチカット州選出)は「民主主義は実現せず、さらに悪いイラン指導部が誕生するだろう」とし、「この(トランプ)政権が現在の中東の混乱に対する計画を持っていないことは周知の事実だ」と述べた。

中東地域を管轄するアメリカ海軍第5艦隊の元司令官のジョン・ミラー氏が1日、NHKの取材に応じ、アメリカの当面の作戦は、イラン指導部の影響力を奪うとともに、イラン側の報復攻撃の能力を弱体化させることに焦点をあてることになると分析しています。


ミラー氏は今回の作戦について「作戦全体の目的は、イラン国民が立ち上がり、現体制を打倒する条件を整えることだ。その一環として指揮統制能力の無力化を図っている」と指摘しました。

最高指導者ハメネイ師を殺害したあとも、攻撃を継続することについては「イランの体制は最高指導者や指導部の一部が殺害されても、活動を継続できる組織になっている。そのため指導部への対応を継続していく必要がある」と述べました。

その上で「アメリカはイラン側の報復攻撃を抑え込むことに関心を持っている。これまでも弾道ミサイルの発射装置や生産施設、ミサイルそのものを標的にして報復攻撃を阻止しようとしている」と述べ、当面はイラン指導部の影響力を奪うとともに、報復攻撃の能力を弱体化させることに焦点をあてることになると分析しています。

また、ミラー氏は「トランプ大統領は、大規模な地上部隊を投じずに、体制転換を実現できるならそれがよい方法だと考えている」と述べ、アメリカ軍の地上部隊の投入はリスクが大きく、トランプ政権が実行することは考えにくいとの見方を示しました。

1日公表のロイター/イプソス調査によると、2月28日に米国とイスラエルが開始したイランへの大規模攻撃について「支持しない」と回答した米国民は調査対象全体の43%に達し、「支持する」の約27%を上回った。29%は「分からない」と答えた。

また56%は、トランプ大統領による米国の利益追求のための軍事力行使が「行き過ぎ」との見方を示した。この比率を党派別に分けると、民主党員は87%、共和党でも23%となった。無党派層は60%だった。

共和党員は55%が対イラン攻撃を支持し、不支持は13%にとどまったが、42%は中東の米軍部隊に死傷者が発生するなら賛成の気持ちが薄れるだろうと答えた。

今回調査は、米中央軍がイランへの軍事作戦で米軍関係者3人が死亡し、5人が重傷を負ったと発表する前の時点で終了していた。

また全体の45%、共和党員の34%、無党派層の44%は、今後米国内で原油ないしガソリンの価格が上昇する場合も、軍事作戦を支持できなくなりそうだと述べた。

トランプ氏の支持率は39%で、2月18-23日の調査時から1ポイント低下した。

トランプ米大統領は世論が不安定な中でイラン攻撃を開始した。任務に伴う米国の負担が小さい限り、乗り越え難い政治的圧力に直面し、終結を迫られる可能性は低いとみられる。だが、事態が悪化した場合には強い反発を受けかねないという点で、極めて脆弱(ぜいじゃく)な立場で戦争に踏み切った。

  世論調査によれば、大半の米国民はイランの核開発計画を脅威とみなしている。ただ、1月のある調査では、全体の70%(無党派層では80%)がイランに対する軍事行動に反対すると回答した。いずれの層でも同程度の割合で、軍事行動を開始する前に大統領はいかなる場合でも議会の承認を得るべきだと答えた。

  それにもかかわらず、トランプ大統領は世論の支持を築くための取り組みをほとんど行わないまま、イランとの戦争に踏み切った。先週公表されたAP通信・NORCの世論調査によると、トランプ氏が国外での武力行使に関する判断や、同盟国や敵対国との関係を適切に扱う能力について「ほとんど、あるいは全く信頼していない」と答えた米国民は約55%に上る。こうした堅固な多数派にとって、大統領の対応は安心材料とはなりにくい。

  イランに対する攻撃を空爆のみに限定したトランプ氏の選択は、少なくとも一定のレベルでは、自らが公に認めている以上の厳しい政治的制約を認識していることをうかがわせる。トランプ氏は1月、ニューヨーク・タイムズ紙に対し、武力行使を決定する際の唯一の歯止めは自らの「道徳観」と「判断力」だと語ったことで知られる。だが、自身の広範な目標を達成するのに必要となる可能性が高い、地上侵攻をためらっている点は、別の力学にも縛られていることを示している。すなわち、米国に多大な犠牲者が出た場合に世論の激しい反発が起きる可能性だ。

  共和党支持者は間違いなく今回の攻撃を支持するだろうし、過去およそ40年にわたりイランの最高指導者を務めてきた冷酷なハメネイ師の死を悼む米国人は、政治的立場を問わずほとんどいないだろう。だが、この戦争が米国民の死亡や国内外でのテロ攻撃、さらには原油価格の急騰といった事態を招けば、トランプ氏は民主党だけでなく無党派層からも強い反発に遭う可能性がある。

  数日間の空爆で仮にイラン体制が崩壊すれば、トランプ氏にとって政治的な追い風がある程度強まる可能性は高い。ただ、それさえも長続きしないかもしれない。というのも、以前にイランに対して実施した爆撃作戦や、ベネズエラのマドゥロ大統領の拘束も、支持率の持続的な改善には結び付かなかったからだ。

  むしろ、最も現実味があるとみられる曖昧な結果、すなわち一定期間の空爆で体制に打撃は与えるものの、打倒には至らないという展開からトランプ氏が政治的利益を得る姿を思い描くのは、いっそう難しい。

  実際、そのような結末は同氏を弱体化させかねない。2期目のトランプ氏が直面する大きな問題の一つは、2024年の大統領選でインフレへの不満から同氏を支持した有権者の多くが、自分たちが期待した課題ではなく、ほとんど別のことばかりに力を注いでいると受け止めている点にある。先月のCNN・SRSSの世論調査では、成人全体の3分の2超、無党派層や若年層、有色人種では4分の3余りが、トランプ氏は国の最重要課題に十分な注意を払っていないと回答した。戦争に踏み切ることは、こうした懸念を和らげるどころか、むしろ強める可能性が高い。

  中道寄りの民主党系世論調査アナリスト、エバン・ロス・スミス氏は、2024年は民主党が文化的な問題に気を取られて本来の課題から目を離したと訴えることに共和党は成功したが、いまはトランプ氏が中東情勢や他の海外紛争に過度に集中し、平均的な米国民が日々直面している家計上の懸念に向き合っていないと受け止められていると指摘。トランプ氏にとって下振れリスクは、見込まれる上振れの利益よりもはるかに大きい可能性が高いと述べている。

  これほどの規模の国際紛争を、公に自らの行動を正当化する試みをほとんど行わないまま開始した大統領を思い浮かべるのは難しい。2003年のイラク侵攻に先立つ局面では、単独行動主義的だったジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)でさえ、国内外に向けて説得努力をはるかに継続的に展開していた。

  トランプ氏は、この戦争を必要と考える理由をほとんど説明しておらず、何をもって成功と定義するのかも示していない。議会との協議にも積極的とは言えない。先週行われた一般教書演説は、キューバの元指導者カストロ氏を思わせるほどの長さだったが、今回の紛争への言及はわずかにとどまった。

  さらに、1期目に出馬した際に「国家建設と体制転換を目指す現在の戦略は、完全な失敗であることが実証済みだ」と述べていた立場から、イランでの体制転換を目標として明確に掲げるまでに、どのように考えを変化させたのかについても、踏み込んだ説明はしていない。

  共和党政権で国家安全保障分野の高官を務めた元当局者は、歴代政権は党派を問わず、敵対行為を始める前に国民やメディア、議会と向き合う必要があると認識していたと筆者に語った。「戦争を始めるときは、自分の支持基盤だけでなく、国全体とともに臨まなければならない」と話した。

  しかし、トランプ氏はそのモデルに従う道をあえて選ばなかった。同盟国への協力取り付けと同様、議会と協議することにもほとんど関心を示していない。むしろ、同意を取り付けるといった正式な手続きを踏む必要は、もはやないと考えているかのような振る舞いを見せている。

  もっとも、トランプ氏が前例のない形で米国の民主主義体制を揺るがしているとはいえ、同氏と共和党は11月にはなお有権者の審判を受けなければならない。そして、これほど明確に自らの判断で戦争に踏み切った以上、その政治的帰結は疑いなく自身が引き受けることになる。その現実は、地上の状況がどうであれ、最初の軍事攻撃の成功に浸っていられるうちに、そして痛みを伴う代償が積み上がる前に、早期に勝利を宣言しようとする動機になり得る。

  先述の元当局者は2月28日、ミネアポリスで展開された政権の移民取り締まり強化策が、大統領の思考を読み解く手掛かりになるかもしれないと筆者に語った。トランプ氏は、州や地方当局の反対を押し切って数千人の連邦捜査官をミネアポリスに派遣し、大統領権限についてほぼ無制限ともいえる見方を示すとともに、連邦主義の伝統的な在り方を踏みにじった。しかし、その元当局者が指摘したように、連邦捜査官による中産階級の白人市民2人の殺害という、別の種類の「米国人の犠牲」が激しい世論の反発を引き起こすと、トランプ氏は迅速に方針を後退させた。

  いまや米国政治は、国の将来像をめぐって相いれず、規模がほぼ拮抗(きっこう)する「赤(共和党)」と「青(民主党)」の勢力が塹壕(ざんごう)戦を繰り広げる構図となっている。その両者の力の均衡を左右しているのは、わずかな無党派層であり、彼らを突き動かす最大の要因は外交政策よりも、むしろ目の前の家計問題だ。

  急速な体制転換や、コストが膨らむ泥沼化といった事態に至らない限り、トランプ氏による今回の軍事行動が、両勢力間の脆弱な均衡を大きく変える可能性は高くない。むしろ可能性が高いのは、抑制と均衡を基盤とする米国の憲法体制と、それを打ち破ろうとする大統領との間で、すでに揺らいでいる均衡がさらに不安定になることだ。

(ロナルド・ブラウンスタイン氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストで、政治と政策を担当しています。CNNのアナリストでもあり、これまでに7冊の著書を執筆または編集しています。このコラムの内容は個人の意見で、必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

原題:Iran Strikes Are Rife With Political Downside: Ronald Brownstein(抜粋)

トランプ米大統領が主導する「米国を再び偉大に(MAGA)」運動の一部有力者らは2月28日、イラン攻撃に対し反対を表明し、11月に控える中間選挙で共和党が不利になると警告した。ただ、現時点で支持層の決定的離反にはつながっていない。

トランプ氏が2024年の大統領選で経済再生と戦争を始めないという公約を掲げていた以上、今回の攻撃は党にとってのリスクになるというのが彼らの主張だ。世論調査によれば、有権者はトランプ氏の経済手腕に対し失望の色を深めている。

MAGA支持者でインフルエンサーでもあるジャック・ポソビエック氏は、昨年9月に暗殺された保守系活動家チャーリー・カーク氏に言及。X(旧ツイッター)にこう投稿した。

「米国の若い世代は、国際紛争への深入りよりも国内政治への関心の方がはるかに強いとカーク氏は説いていた。中間選挙の年に、このことを忘れてはならない」

トランプ氏は24年の大統領選で若い男性有権者からの支持を伸ばしたが、最近の世論調査では勢いに陰りが見え始めている。

<共和党による議会支配へのリスク>

トランプ氏が断行したイラン攻撃は、中間選挙の今年、あまりに代償の大きな賭けだ。上下両院の多数派維持を狙う共和党にとって、リスクは一段と高まる結果となっている。

南部ジョージア州14区では今年1月、熱心なトランプ支持者だったマージョリー・テイラー・グリーン氏(共和党)がトランプ氏との対立で辞任した。グリーン氏はXで「イランと戦争をしても、インフレは解消せず生活費も安くならない」と述べた。

同州で後釜を狙うリーガン・ボックス氏もMAGA支持者だが、今回の攻撃には反対の立場だ。

ボックス氏はロイターの取材に対し、イラン指導部は「凶悪」だとしつつ「中東での政権転覆など、成功した試しはない。特に中東においては、ただ事態を不安定化させてきただけだ」と述べた。

イスラエル側は、今回の作戦で最高指導者ハメネイ師が殺害されたと発表した。

世論調査は一貫して、米国人の最大の関心が生活費の高騰であることを示している。だが、第2次トランプ政権は発足から1年1カ月間の大半において外交問題への対応に忙殺されてきた。有権者の不満が爆発し、中間選挙でしっぺ返しを食らうのではないか――共和党の議会指導者らはそう恐れている。

トランプ氏を支持してきた2人組保守派ポッドキャスターのホッジツインズは、350万人のフォロワーに向け、今回のイラン攻撃は24年の公約に逆行するものだと激しく非難した。

「イランの人々を解放するために、トランプ氏に投票したわけではない」

<側近は攻撃支持>

他方で、攻撃を支持するMAGA支持派のインフルエンサーもいる。トランプ氏は国民向けのビデオ演説で、今回の目的はイランの政権交代にあると明言。この「戦争」において米国側に犠牲が出る可能性も示唆した。

トランプ氏に近いインフルエンサーのローラ・ルーマー氏は、Xで「イランは47年以上にわたり米国を攻撃し続けてきた。そして今、第47代合衆国大統領がその恐怖政治に終止符を打つ」と息巻いた。

米軍が今年1月、ベネズエラのマドゥロ大統領を拘束した際、トランプ支持者の多くは迅速で犠牲のない軍事的勝利としておおむね歓迎した。

ミシガン大学のマイケル・トラウゴット名誉教授(政治学)は、現在イラン攻撃を批判しているのは主にMAGA運動の「論客」であり、共和党議員ではないと指摘する。ただ、支持者らが長期的にどう反応するかを断定するには時期尚早だという。

教授はイランとの紛争が泥沼化すれば、核心的なトランプ支持層の一部が離反する可能性があるとも指摘。「一般のMAGA支持者からみれば、今回の件は、『海外紛争には関与しない』という選挙公約に対する明らかな背信行為と言えるからだ」と述べた。

共和党全国委員会はイラン攻撃を支持する声明を出した。一方、議会での反応はおおむね党派によって分かれており、共和党議員の多くは攻撃を不可欠なものだと評した。

トランプ支持派の法律擁護団体「アーティクルIIIプロジェクト」の責任者マイク・デービス氏は28日、ハメネイ師が米軍艦の撃沈を警告した最近のビデオメッセージを引き合いに出し、今回の攻撃を正当化した。

デービス氏は、MAGA層に絶大な人気を誇るトランプ氏元側近スティーブ・バノン氏のポッドキャスト「ウォールーム」に出演。「あのビデオだけで、トランプ大統領がハメネイ師を排除するのに十分な大義名分になる」と語った。

米国防総省当局者は1日、連邦議会関係者に対する非公開のブリーフィングで、イランが米軍への先制攻撃を計画していたことを示唆する情報はなかったと認めた。事情に詳しい関係筋2人が明らかにした。

米政権当局者らは前日、トランプ大統領が攻撃を決定した理由の一つとして、イランが中東の駐留米軍に「おそらく先制的な」攻撃を行う可能性を示す兆候があったと記者団に話していた。

ホワイトハウスのジョンソン報道官によると、国防総省当局者は1日、上下院における複数の国家安全保障関連委員会の与野党スタッフに対し、米軍の対イラン攻撃について90分以上にわたり説明した。

関係筋2人がロイターに明かしたところによると、当局者はその中で、イランの弾道ミサイルと周辺地域の代理勢力が米国の利益に差し迫った脅威をもたらしていたと強調したものの、イランが米軍に先制攻撃を行うとの情報はなかったと述べたという。

トランプ米大統領は1日、米誌アトランティックのインタビューで、イランの「新指導部」が協議を求めていると明らかにし、応じる意向を示した。

「彼らは対話を求めており、私も応じることに同意した。彼らと対話するつもりだ。彼らはもっと早くそうすべきだった。非常に現実的で容易なことをもっと早く提供すべきだった。彼らは待ちすぎた」と述べた。

協議の相手には言及せず、1日か2日に行われるかについても明らかにしなかった。

イランのペゼシュキアン大統領は最高指導者ハメネイ師の死亡を受け、自身と司法府代表、護憲評議会のメンバーで構成する「臨時評議会」が暫定的に最高指導者の職務を引き継ぐとしている。

トランプ氏は、最近の米国との協議に関与していた人物の一部が既に死亡したとも指摘。「われわれが交渉していた相手の一部はいなくなった。あの攻撃は大きな打撃だったからだ」とし、「彼らはもっと早く行動すべきだった。合意できたはずだ。彼らはこざかしいことをしすぎた」と語った。

アメリカのトランプ大統領はイランに対する軍事作戦について「われわれのすべての目標が達成されるまで続く」と述べました。またイランの革命防衛隊に攻撃をやめるよう強く迫った上で「自由を渇望するイランの愛国者に行動を呼びかける」として体制転換に動き出すよう改めて訴えました。

トランプ大統領は1日、SNSにおよそ6分間の演説の動画を投稿しました。

演説では「軍事作戦は現時点で全力をもって継続しており、われわれのすべての目標が達成されるまで続く。われわれには非常に強固な目的がある」と述べました。

そしてアメリカ軍で3人が死亡したことに言及し、さらに犠牲が出る可能性があるとした上で「アメリカは彼らの死に対して報復し、文明そのものに戦争を仕掛けてきたテロリストに痛烈な打撃を加える」と述べました。

また「われわれとイスラエルの決意はかつてなく強い」と強調し「この大規模な作戦はわれわれの居場所と時代の安全を確保するためだけでなく子どもたちのためでもある」と主張しました。

そしてイランの軍事精鋭部隊革命防衛隊と治安部隊に対し攻撃をやめるよう強く迫った上で、「自由を渇望するすべてのイランの愛国者に呼びかける。勇敢に大胆に英雄的に行動し、祖国を取り戻せ。アメリカはあなたたちとともにある」と述べ、体制転換に動き出すよう改めて訴えました。

“軍事作戦は4週間くらいかかるだろう”
イギリスの保守系の大衆紙「デイリー・メール」はトランプ大統領に1日、電話でインタビューした内容を報じました。

記事によりますとイランに対する軍事作戦中にアメリカ軍の犠牲者が出たことについて、トランプ大統領は「残念ながら、そうした事態は起こり得ると認識している。継続的に、この後もまた起こり得る」と述べたということです。

そのうえで作戦を継続する期間について「4週間か、そのくらいになるだろうと見積もっていた。強力で、大きな国だ。4週間かかるだろう。もしくはそれより短いかもしれない」と述べたということです。

また、トランプ大統領はイランへの軍事作戦について国民に向けて演説する意向があると述べたということです。

“イランへの作戦は順調 新指導部と話し合う”
また、トランプ大統領は、複数のメディアのインタビューに応じ、この中で、イランへの作戦が計画よりも順調に進んでいると成果を強調したほか、「イランの新しい指導部は話し合いを望み、私も同意したので話し合うつもりだ」とも述べ、協議に前向きな姿勢を示しました。

トランプ大統領は1日、アメリカメディアの取材に相次いで応じ、このうちCNBCではイランへの作戦の進捗(しんちょく)について「計画よりもかなり早く、非常に順調に進んでいる」と述べ、成果を強調しました。

また、FOXニュースも1日、トランプ大統領が「誰もわれわれの成功を信じられないだろう。48人の指導者が一気に去った」とインタビューで述べたと、記者がSNSに投稿しています。

また、1日に公開された雑誌アトランティックのインタビューでは「イランの新たな指導部は、話し合いを望み、私も同意したので、話し合うつもりだ」と述べ、協議に前向きな姿勢を示しました。

ただ、イラン側の誰と話すかや、時期については明らかにしていません。

また、トランプ大統領はこれまで交渉してきたイラン側の関係者が死亡したとした上で、「大きな打撃だったのでわれわれが交渉していた人たちもほとんどいない。もっと早く合意すべきだった」としています。

米 報道官「トランプ大統領がイスラエルやUAEなどと会談」
ホワイトハウスのレビット報道官は1日、SNSに投稿し、トランプ大統領がイスラエルやバーレーン、それにUAE=アラブ首長国連邦の首脳と話をしたと明らかにしました。

このうち、イスラエルとUAE=アラブ首長国連邦の首脳とは前日の2月28日も会談しています。

会談の詳しい内容については言及していません。

米 世論調査 イランへの軍事攻撃「反対」43%「賛成」27%
アメリカで行われた世論調査によりますと、イランに対する軍事攻撃に「反対する」と回答した人は43%で、「賛成する」の27%を上回っています。

ロイター通信は国際的な調査会社イプソスとともに、アメリカとイスラエルがイランへの攻撃に踏み切った2月28日から3月1日にかけて1282人を対象に世論調査を行いました。

その結果、アメリカのイランに対する軍事攻撃について「賛成する」と回答した人は27%、「反対する」は43%、「わからない」と答えた人は29%となり、反対が賛成を上回りました。

また、軍事行動の結果、アメリカの兵士が殺害されたり負傷したりした場合には「反対に回るだろう」と答えた人は54%、中東に紛争が拡大して多くの国が関わる場合に「反対に回るだろう」と答えた人は45%でした。

一方、今回の軍事行動によってイランの核開発が終わった場合については「支持に回るだろう」と答えた人は48%でした。

トランプ大統領がアメリカの国益のために軍事力を行使することについては「積極的すぎる」と回答した人は56%で、「適切なレベルだ」と回答した人の35%を上回りました。

イスラエル軍は2日、レバノンから飛翔体が発射され、イスラエル北部の複数地域で警報が鳴ったと明らかにした。米国とイスラエルによるイラン攻撃開始以降、レバノン領内から飛翔体が発射されるのは初めて。

イスラエルとレバノンは2024年、米国の仲介で停戦に合意。これにより、イスラエルとレバノンの親イラン武装組織ヒズボラとの間で1年以上続いた戦闘が終結した。

ヒズボラは先月28日、イランへの連帯を表明したが、紛争に関与するかどうかについては言及を控えた。

イスラエル軍はその後の声明で、飛翔体1発を迎撃したと発表。他の飛翔体は無人地帯に落下したとし、負傷者や被害は報告されていないと説明した。

米国は1日、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)など湾岸諸国との共同声明で、イランによるミサイル・無人機(ドローン)攻撃を強く非難した。

共同声明にはバーレーン、ヨルダン、クウェート、カタールも含まれた。

イランの行動は「危険なエスカレーション」であり、民間人を危険にさらすと表明。また、自衛権の行使を改めて確認した。

米国とイスラエルがイランを攻撃して中東地域が混乱に陥ったことを受け、ホルムズ海峡より内側のペルシャ湾で少なくとも150隻のタンカーが錨を下ろして停泊していることが、1日の船舶運航データで明らかになった。またホルムズ海峡の反対側では数十隻が滞留している。

海上交通情報サイト「マリントラフィック」のデータに基づくロイターの推計によると、タンカーはイラク、サウジアラビア、カタールといった主要産油国の沿岸沖に集まっている。

多くの船舶はクウェート、アラブ首長国連邦(UAE)などの湾岸主要国の排他的経済水域(EEZ)内で止まっている。

さらにホルムズ海峡の外側ではUAEおよびオマーンの沿岸沖と停泊地点に少なくとも100隻のタンカーや数十隻の貨物船が停泊している。

サウジアラビアやUAE、イラク、クウェート、イランを含む産油国が生産する世界全体の石油の約20%と、カタールが生産する大量の液化天然ガス(LNG)がホルムズ海峡を通過する。
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複数のタンカー所有者、石油メジャー、商社は、ホルムズ海峡経由の原油、燃料、LNGの輸送を停止したと、取引関係者が2月28日に明らかにした。

ロシア外務省は1日に発表したイラン情勢に関する声明で、ホルムズ海峡が事実上閉鎖状態にあることは世界の石油・ガス市場に重大な不均衡をもたらす可能性があると警告した。

最高指導者ハメネイ師とその家族、複数のイラン政府高官が殺害されたとのニュースは、ロシア国内で憤りと深い遺憾の念で受け止められたと主張した。

その上で、声明では「ロシア連邦は、政治的暗殺や主権国家の指導者を『狩る』行為を断固かつ一貫して非難する。これらは文明化された国家間関係の基本原則に反し、国際法を著しく侵害している」と批判。関係各国に緊急の事態沈静化と戦闘停止、政治的・外交的取り組みへの復帰を呼びかけた。

中東の紛争激化を受け、石油供給への影響が懸念される中、アナリストらは原油価格が今後数日にわたり高止まりすると予想している。世界の石油の20%超が通過するホルムズ海峡の通航に特に関心が集まる。

米国とイスラエルの対イラン攻撃で最高指導者ハメネイ師が死亡し、イランがイスラエルなど少なくとも8カ国の標的に報復攻撃を行う中、2日アジア時間の原油先物は8%超急騰した。

攻撃によりタンカーが損傷し、多くのタンカー所有者や石油メジャー、商社はホルムズ海峡経由の原油、燃料、液化天然ガス(LNG)の輸送を停止した。

シティのアナリストは基本シナリオとして、北海ブレントが少なくとも今後1週間は1バレル=80─90ドルで取引されるとの見方を示した。緊張が緩和すれば70ドルまで下落すると予想している。

ゴールドマン・サックスは1日のリポートで、原油価格には1バレル当たり18ドルのリアルタイムのリスクプレミアムが上乗せされていると推定。ホルムズ海峡経由の輸送量の半分のみが1カ月間停止した場合、リスクプレミアムは4ドルに緩和されると予想した。

ただ、市場が供給混乱長期化のリスクに対するプレミアムを要求した場合、原油価格はさらに大幅に上昇する可能性があると述べた。

ウッド・マッケンジーはタンカーのホルムズ海峡通航が迅速に回復しない場合、原油価格が100ドルを超える可能性があると指摘。

「この混乱は二重の供給ショックを引き起こす。同海峡経由の現在の輸出が停止されているだけでなく、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の追加生産量、ひいては予備生産能力の大部分が、海峡通過が停止されている限り利用不能になる」と述べた。

OPECプラスは1日、4月に日量20万6000バレルの増産を行うことで合意した。

ソシエテ・ジェネラルのアナリストは2日、原油価格は一時的な急騰後、供給の継続性が信頼できると市場が判断するにつれて幾分反落するシナリオが最も可能性が高いと述べた。

米国とイスラエルによるイラン攻撃を受け、世界的な石油・ガス輸送が混乱する中、主要海運会社はスエズ運河とバベルマンデブ海峡を回避し、アフリカの喜望峰経由に航路を変更している。

イランは2月28日、ホルムズ海峡の封鎖を警告した。海運会社マースク(MAERSKb.CO), opens new tabは1日、「当面の間、バベルマンデブ海峡経由のスエズ運河航路を一時停止する」と発表。同社は先月、イエメンのフーシ派による船舶攻撃で約2年間停止していたスエズ運河航路を段階的に再開したばかりだった。

同社はアラブ首長国連邦(UAE)、オマーン、カタールでのサービスに影響が出る可能性があるとしている。

独海運グループ、ハパックロイド(HLAG.DE), opens new tabは、インド・中東と地中海を結ぶコンテナ輸送を南アフリカ経由に迂回させると発表。3月2日から湾岸向け貨物に戦争リスク割増料金を適用するとした。

CMA CGMも1日、イラク、バーレーン、クウェートなど中東各国を発着する貨物に対し割増料金を適用すると発表した。

マースクとハパックロイドは、ホルムズ海峡における全船舶の航行を当面の間停止すると発表した。

複数の海上保険会社がイランを巡る紛争を理由に、湾岸地域で船舶向け戦争リスク補償の引き受けを停止すると発表した。

ガード、スクルド、ノーススタンダード、ロンドン・P&Iクラブ、アメリカン・クラブなどの保険会社は、解約は3月5日に発効するとした。戦争リスク補償はイラン領海に加え、ペルシャ湾および周辺海域で適用外となる。

スクルドは追加保険料を支払うことで補償を復活させる「バイバックオプション」を検討している。

MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725.T), opens new tabは、イラン及びイスラエル周辺水域と隣接国を対象とする各種戦争リスク保険の引き受けを停止したと明らかにした。

サウジアラビアなどOPECプラスの主な産油国は、原油の生産量を4月は増やすと明らかにしました。増産は去年12月以来で、アメリカとイスラエルのイランに対する攻撃をきっかけに原油の安定供給への懸念が強まっていることを踏まえた措置とみられます。

OPECプラスのうち、サウジアラビアやロシアなど主な産油国8か国は1日、オンラインで会合を開き、4月の原油の生産量を一日当たり20万6000バレル増やすと明らかにしました。

増産は去年12月以来で、増産幅はその時と比べて7万バレル近く拡大します。

アメリカとイスラエルのイランに対する攻撃をきっかけに原油の安定供給への懸念が強まっていることを踏まえた措置とみられます。

2月27日のニューヨーク原油市場では、中東情勢の緊迫化への懸念から国際的な原油取り引きの指標となるWTIの先物価格が一時、去年8月以来の高値水準となる1バレル=67ドル台後半まで値上がりしました。

イランの革命防衛隊とつながりのあるタスニム通信は湾岸諸国からの原油の輸送などに使われるホルムズ海峡について日本時間の1日、「船舶の通航が停止されたことで、『事実上』閉鎖された」と報じていて、原油市場では船舶への影響が広がれば価格がさらに上昇するという見方が出ています。

石油輸出国機構(OPEC)プラスは4月から原油生産を日量20万6000バレル引き上げると決めたが、OPECプラスのほぼ10年間の歴史上おそらく最も無意味な決定となった。

世界の原油需要の約0.2%に相当する供給を今から1カ月後に増産しても、中東で拡大する紛争の前では象徴的な態度でしかない。紛争は既に深刻な供給混乱を引き起こしているのだ。

しかし、自主減産を実施しているOPECプラスの8カ国は市場に供給の安全性を安心させるために1日の会合でできることがほとんどなかった。

4月からの日量20万6000バレルの増産はアナリストが会合前に予測した13万7000バレルを上回ったが、何らかの影響があるとすれば、OPECプラスが必要に応じてさらに増産できるという姿勢を示した象徴的な意味合いだろう。

当然ながら、OPECプラスの決定は週明け2日の原油市場の取引開始に伴う価格急騰を回避するのに不十分だった。欧州市場の指標となる北海ブレント原油先物は一時13.6%も跳ね上がり、12カ月ぶりの最高値となる1バレル=82.37ドルを付けた。その後、アジア市場の序盤で79.10ドル付近に落ち着いている。

原油市場の最大の関心事は中東からの供給停止がどの程度続くのか、主要輸入国がどのように反応するかどうかだ。

戦時の混乱にまつわる相当な不透明感は常に存在しており、イスラエルと米国がイランに対して現在爆撃やミサイル攻撃を実施しイランが周辺の湾岸諸国を標的とした報復攻撃を続けている状況も例外でない。

しかし原油市場にとって現在分かっていることと現状に対して最も起こり得る対応に目を向けるのが重要だ。

ホルムズ海峡は原油と石油製品が日量約2000万バレル通過しているが、船主や保険会社は大規模な紛争が進行する中で船舶が被害を受けるリスクを取りたがらないため実質的に封鎖された状態にある。

幸いなことに、イランは今のところ世界の原油・石油製品供給の約20%を運搬するこの狭い航路を積極的に封鎖しようとしていないように思われる。

つまり戦闘が停止すれば、タンカーは迅速に海峡の通過を再開し供給のボトルネックを解消できるのだ。

<中国とインド>

供給懸念をある程度緩和させる可能性がある要因が他にも存在する。

ます1番目は世界最大の原油輸入国の中国が今後数カ月の輸入量を抑制するとみられることだ。

中国の輸入はここ数カ月間極めて好調で、LSEG原油調査の推計によると、1月に日量1161万バレル、2月に過去最高だった昨年12月の1318万バレルを更新する1342万バレルに達したとみられる。

中国は価格急騰のため現在手配している貨物が5月と6月に引き渡される時に、輸入量を2月の水準から最大で日量200万バレル削減する可能性がある。

別の要因はアジア第2の輸入国インドだ。インドはトランプ米大統領とロシア産原油の輸入の劇的な削減で合意したが、再びロシア産の購入に切り替えるだろう。

インドにとって原油供給の安全保障はトランプ氏との合意に優先する。とりわけ、インドに供給難の可能性を生み出しているのはトランプ氏が選択した対イラン戦だからだ。

また、ホルムズ海峡を経由する供給が長期間制約を受けたままならば、輸入国は戦略備蓄を放出する一方で、世界中の輸出国は生産量と輸出量を最大化しようとするだろう。

原油はメディア報道の主見出しを大きく飾るが、液化天然ガス(LNG)に注目するべきだ。カタールの輸出量は世界全体の約20%を占めており、またホルムズ海峡も通過している。

原油と同様に、輸入国は供給混乱のために価格が高騰すれば需要を調整できるし、中国などの主要な買い手は十中八九、スポット購入を削減して契約分を転売しさえするだろう。

インドのようなアジアの価格に敏感な買い手もまた輸入量を縮小するだろうし、欧州でさえも輸入を抑えて冬のピーク需要の期間中に減った在庫を再び積み増すペースを落とす可能性がある。

原油市場とLNG市場のどちらにも重要なのは戦闘がどの程度の期間続くかどうかであり、これが見通しを不可能にさせる最大の要因だ。

米国とイスラエルの連合、イランの双方が主要な弾薬を使い果たすかもしれないが、おそらく何らかの形で紛争を長期間継続できるだろう。

原油と天然ガスの価格が高騰し高値のままの状態が続ければ、トランプ氏や他の指導者たちは紛争を終結させるよう国民から圧力が高まりやすくなるだろう。

サウジアラビアの国有石油会社サウジアラムコ(2222.SE), opens new tabは、ドローン攻撃を受けてラスタヌラ製油所の操業を停止した。関係筋が2日明らかにした。

ペルシャ湾岸に位置する同製油所は日量55万バレルの処理能力を持つ中東最大級の施設で、サウジ産原油の重要な輸出拠点。

関係筋によると、予防措置としての操業停止で事態は落ち着いているという。サウジ国防省報道官はテレビ局アルアラビーヤに対し、施設でドローン2機を迎撃、落下した破片で小規模な火災が発生したが負傷者はいないと明らかにした。

イランは米国とイスラエルによる空爆への報復として、アブダビ、ドバイ、ドーハ、マナマ、オマーンの商業地区ドゥクムなど中東湾岸地域をドローンで攻撃している。
サウジのエネルギー施設は過去にも攻撃対象となったことがあり、2019年9月にはアブカイクとクライスの施設に対するドローン・ミサイル攻撃では、同国の原油生産の半分以上が一時的に停止し、世界的に市場が混乱した。

リスク情報会社ベリスク・メープルクロフトの中東首席アナリスト、トルビョルン・ソルトヴェット氏は、ラスタヌラ製油所への攻撃は事態の悪化を示し、湾岸地域のエネルギーインフラはイランの狙い目となっていると指摘。「今回の攻撃でサウジや近隣湾岸諸国が、対イラン軍事作戦に加わる可能性が高まる」との見方を示した。

【クウェート上空で米軍機墜落か】

中東のクウェート上空で2日、米軍の戦闘機が墜落したとの目撃投稿が相次いだ。米軍や現地当局からの公式声明は確認されていない。

SNSで拡散された映像では、F15とみられる機体が回転しながら落下する様子が確認できる。その信ぴょう性、出処、詳細な撮影日時は不明だが、同様の映像が様々な角度から撮影された模様だ。

「墜落は味方の誤射によるもの」「パイロットは脱出し生存した」との情報もある。

【「クウェート軍の誤射で戦闘機3機墜落」と米軍】

米中央軍は2日、対イラン作戦に参加していた米軍のF15E・ストライクイーグル3機がクウェート上空で撃墜されたと発表した。同盟国クウェートによる誤射が原因とみられるとしている。

6人の乗組員は全員が脱出し、現在は安定した状態にあるという。これまでに、クウェート国防省も米軍機の墜落について発表していた。

映像は目撃者が捉えた墜落時の映像として拡散されているもの。いずれもその信ぴょう性、撮影の場所、正確な日時は確認できない。

米国の大規模軍事作戦「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」を支援中だった米軍のF15E「ストライクイーグル」3機がクウェート上空で、味方による誤射と思われる事故で墜落した。米中央軍司令部(CENTCOM)がXへの投稿で明らかにした。

  6人の搭乗員全員が緊急脱出に成功し、安全に救助された。容体は安定しているという。CENTCOMによれば、戦闘が続く中で、ストライクイーグルがクウェートの防空システムにより誤って撃墜された。

  今回の墜落原因について現在調査が進められているという。

原題:US Says 3 Jets Downed Due to Apparent Friendly Fire Over Kuwait

イランを攻撃しようとしていた米国のF15戦闘機を、イランの防空システムが撃墜したと、イランのタスニム通信が報じた。同機はクウェートに墜落したという。

クウェート国防省によると、した。国営通信社が伝えた国防省の声明によると、米軍と連携して対応し、乗組員は病院に搬送され容態は安定しているという。

イランによる湾岸諸国への報復攻撃は3日連続で

在クウェートの米国大使館は米国民に対し、クウェートでのミサイル・ドローン攻撃の脅威が続いているとし、大使館への来館を控えるよう強く求め、住宅では最下層階にとどまって窓から離れ、外出しないよう勧告した。

クウェートの国営通信社は2日、民間防衛部門高官の発言として、無人機(ドローン)の攻撃を受けたものの、防空部隊が大半を迎撃したと伝えた。負傷者は報告されていないという。

ロイターの記者によると、大きな爆発音とサイレンが聞こえた。また、ドバイとカタールの首都ドーハでも大きな爆発音が相次いだ。

米国とイスラエルによる攻撃を受け、イランは湾岸地域の米軍基地を報復の標的にすると表明している。湾岸諸都市の民間・商業地区にも広範に攻撃を加えており、主要な航空・貿易拠点への影響が拡大している。

【イラン、バーレーンの米軍基地を攻撃】

❗️ イラン軍は2日、中東の米軍基地があるカタール(ドーハ)、クウェート、バーレーン、アラブ首長国連邦(ドバイ、アブダビ)へのミサイル、ドローンによる一斉攻撃を新たに開始した。

バーレーンの首都マナマの空は一面煙に覆われ、基地周辺ではサイレンが鳴り響いているとの報告が相次いでいる。

キプロス島の英空軍アクロティリ基地が2日未明、イランのドローン(無人機)の攻撃を受けた。英国防省とキプロス政府は2日、被害は限定的で死傷者はいないと説明した。

英軍施設が攻撃を受けるのは、リビア武装勢力による1986年の攻撃以来。キプロスのフリストドゥリディス大統領によると、イランの「シャヘド」型無人機が2日午前12時03分に基地の施設に墜落し損傷した。損傷の程度は軽度という。同大統領は演説で、この事案を受け関係機関が警戒態勢を取っているとした上で「わが国はいかなる軍事作戦にも参加しておらず、参加するつもりもない」と述べた。

シャヘドがどこから飛んできたのかは不明。関係者によると、2機目は迎撃されたという。

英国は、キプロス島にアクロティリを含む2つの基地を持つ。スターマー英首相は1日、対イラン攻撃のために英国基地を使用するという米国の要請を受け入れたと明らかにした。

アメリカのトランプ大統領は、イランに対する軍事作戦について、「すべての目標が達成されるまで続く」と述べ、攻撃を継続する構えを示しました。イランによる報復攻撃も続いていて、サウジアラビアの製油所や、地中海のキプロスにあるイギリス軍の基地など、広い範囲で無人機によるものとみられる被害が相次いでいます。

イランへの攻撃に踏み切ったアメリカとイスラエルは、最高指導者ハメネイ師を殺害したあとも、各地で攻勢を強めています。

イランのタスニム通信は2日、「テヘランの一部の地域で爆発音が聞こえている」と伝えました。

トランプ大統領は1日、SNSに、およそ6分間の演説の動画を投稿し、「軍事作戦は現時点で全力をもって継続しており、われわれのすべての目標が達成されるまで続く。われわれには非常に強固な目的がある」と述べました。

イランの赤新月社は2日、イスラエルやアメリカの攻撃で、これまでにイラン各地で555人が死亡したと発表しました。

また、国内の131都市で被害が出ていて、各地で救助活動を行っているなどとしています。

イランは報復を訴えて、アメリカとイスラエルの標的に大規模な攻撃を実施したと主張しています。

アメリカ軍は、今回の軍事作戦で隊員4人が死亡したと発表し、イスラエルでは住宅街にミサイルが落下するなどして11人が死亡したと報じられています。

アメリカ軍の施設がある湾岸諸国などでは、各地で被害が相次いでいます。

このうち、
▽バーレーンの内務省は2日、北東部の「サルマン工業都市」で、迎撃されたミサイルの破片によって火災が起き、1人が死亡し、2人が重傷を負ったと発表しました。

また、
▽イギリスの国防省は、地中海のキプロスにある空軍基地が1日夜、無人機によるとみられる攻撃を受けたことを明らかにしたほか、

▽クウェートでは、イランの攻撃があったあと、アメリカ大使館の敷地内から火と煙が上がったと、AP通信などが伝えました。

▽アメリカのメディア、ブルームバーグは2日、関係者の話として、サウジアラビアの国営石油会社、サウジアラムコの製油所が、周辺への無人機の攻撃を受けて、操業を停止したと伝えています。

さらに、イスラエルの隣国レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラが、イランの最高指導者ハメネイ師が殺害された報復などとして、イスラエルをミサイルで攻撃し、戦線は拡大しました。

イスラエル軍は「ヒズボラは、イランの代理勢力だ」として、レバノンへの攻撃を行っていると発表し、レバノンの国営通信は、保健当局の話として、レバノン南部や、ベイルート郊外への空爆で、これまでに31人が死亡したと伝えています。

アメリカ中央軍 SNSに「攻撃継続中」と投稿
アメリカ中央軍は1日、SNSに「アメリカ軍はイラン政府による脅威を排除するため果敢な行動をとっている。攻撃は継続中だ」と投稿しました。

投稿された動画には、航空機やミサイルの発射台と見られるものが爆撃で破壊される様子が写されています。

イギリス国防省 “キプロスにある空軍基地が攻撃受けた”
イギリスの国防省は、地中海のキプロスにある空軍基地が1日夜、無人機によるとみられる攻撃を受けたと発表しました。

公共放送BBCによりますと、この攻撃による死傷者はいないということです。

無人機がどこから飛来したのかは明らかになっていませんが、イギリスのスターマー首相はイランが周辺の国々に対しても攻撃を行っているとして、アメリカ軍によるイギリス軍の基地の使用を許可したと発表していました。

バーレーン 迎撃されたミサイルの破片で火事発生
バーレーンの内務省は、2日未明、北東部の「サルマン工業都市」で迎撃されたミサイルの破片によって火事が起き、1人が死亡し、2人が重傷を負ったと発表しました。

このミサイルがどこから発射されたものかは明らかにしていませんが、1日夜には首都マナマにあるアメリカ海軍の基地が、イランの攻撃を受けたと発表していました。

ストラリアのウォン外相は2日、同国はイランにおける軍事活動に参加しないと表明した。イスラエルがイランに対する新たな攻撃を開始してイランがミサイル攻撃で応酬する中、紛争が一段と激化しても中東に軍隊を派遣する可能性はないと明言した。テレビ局チャネル・ナインに語った。

ウォン氏は「われわれは中東における問題で中心的な存在ではない。われわれはこうした攻撃に参加しておらず、今後も参加しないだろう」と述べた。

同氏は、オーストラリア政府は中東に取り残されたオーストラリア国民を支援するため航空会社と協議していると明らかにしたが、中東のかなりの地域で空路が閉鎖された状況下では避難計画は困難だと指摘。情報提供と支援に全力を尽くすと強調した。

ウォン氏は、中東には約11万5000人のオーストラリア国民が在留しており、航空会社が運航を再開した際に帰国させるのが最も現実的な選択肢だと話した。帰国のための航空便を政府が計画しているかどうかには言及しなかった。

2日にはエティハド航空エミレーツ航空がオーストリア発着の一部の便を欠航するなど、オーストラリアから欧州やアジアへの主要中継拠点である中東への運航状況は乱れたままとなっている。

【イスラエル、レバノンでヒズボラ拠点への攻撃開始】

🇮🇱🇱🇧イスラエル軍は、レバノンのシーア派イスラム主義組織「ヒズボラ」がイランに代わって活動し、レバノン北部の「民間人を脅かしている」として、ヒズボラの主要拠点への攻撃を開始した。

一方ヒズボラも、イスラエル北部ハイファ近郊にあるイスラエルのミサイル防衛基地を攻撃したと発表した。イランの最高指導者ハメネイ師暗殺への報復だとしている。

🎥地元メディアは、レバノン首都ベイルートでの攻撃の様子を捉えた映像を公開しており、複数の爆発が確認されている。

イスラエルは2日、イランに対する新たな攻撃を開始するとともに、親イラン武装組織ヒズボラが拠点とするレバノンへも攻撃を実施した。一方、イランはイスラエルに対し「大いなる火の門を開いた」と述べ、新たにミサイル攻撃を行ったと発表した。

国営メディアによると、2日朝にはイランの首都テヘランの各地で爆発音が聞かれた。西部クルディスタン州のサナンダジへの攻撃では少なくとも3人が死亡した。

イスラエルのイラン攻撃作戦に詳しい情報筋によると、今回の攻撃は昨年6月の両国間の12日間の戦争と比べて大幅に激しく広範なものとなっている。同筋はまた、48時間以内に予備役兵の追加招集が行われると明らかにした。イスラエルは過去数週間で可能な限り多くの武器を調達しており、攻撃・防御能力に不足はないと述べた。

ヒズボラはイランの最高指導者ハメネイ師殺害への報復としてイスラエルにミサイルと無人機(ドローン)を発射したと表明。イスラエルはベイルート南郊を空爆し、レバノン南部・東部の住民に避難を警告した。ヒズボラとイスラエルは2024年に米国の仲介で停戦合意したが、イランへの攻撃を受けて戦闘が再び本格化している。

イスラエル軍のザミール参謀総長は声明で、ヒズボラへの戦闘作戦は長期化し、数日間続く可能性があると述べた。

イスラエルの午前7時(0500GMT、日本時間午後2時)過ぎにはテルアビブやエルサレムを含む全土で防空警報が鳴り響き、イランからの新たな攻撃に警戒が呼びかけられた。

イラン国営メディアは2日朝、新たなミサイルがイラン中部から「敵の拠点」に向けて発射されていると報じた。革命防衛隊は声明で、テルアビブのイスラエル政府複合施設のほか、ハイファの軍事・治安拠点、東エルサレムの地域を標的としたと明らかにした。攻撃はさらに拡大し、イスラエルの空襲警報は「決して止まらない」と述べた。

ロイターの記者はアラブ首長国連邦(UAE)のドバイとカタールの首都ドーハでも大きな爆発音を確認した。クウェートは3日連続でドローンを迎撃したと発表。英国はキプロスのアクロティリ英空軍基地がドローン攻撃を受けたが、被害は軽微で死傷者はなかったと発表した。

最高安全保障委員会(SNSC)のラリジャニ事務局長は2日、米国と交渉しないとし、米大統領が「妄想的な野心」を抱いており、米兵の犠牲を懸念しているとXに投稿した。

ホワイトハウス高官はロイターに対し、「トランプ大統領はイランの新たな指導部が対話を望んでいると述べている。いずれ対話するが、今は作戦を継続する」と語った。

イランのペゼシュキアン大統領は1日、自身と司法府代表、護憲評議会のメンバーで構成する「臨時評議会」が暫定的に最高指導者の職務を引き継いだと表明した。

イスラエル軍は2日、親イラン武装組織ヒズボラが拠点とするベイルート南郊を空爆した。ヒズボラがイランの最高指導者ハメネイ師殺害への報復として、イスラエルに向けてミサイルとドローン(無人機)を発射したことを受けた。

ベイルートでは十数回の爆発が起き、南部郊外への空爆としては2024年のイスラエル・ヒズボラ戦争以来で最も激しいものとなった。レバノン保健省によると、空爆で31人が死亡した。

空爆は現地時間午前2時40分(0040GMT、日本時間午前9時40分)頃に始まった。人々は徒歩や車で避難し、道路は渋滞した。

米国とイスラエルが2月28日にイランを攻撃して以来、中東に広がる紛争がさらに拡大した。ヒズボラは1982年にイラン革命防衛隊によって設立されたシーア派イスラム組織であり、中東におけるイランの主要な同盟組織の一つだ。

イスラエル軍は、ベイルートにいる高官を含むレバノン全土のヒズボラの標的への攻撃を開始したと発表した。レバノン治安当局によると、空爆はダヒエ地区として知られる南部郊外の複数地域に対して行われた。

イスラエル軍のザミール参謀総長は声明で「ヒズボラは昨夜、イスラエルに対する攻撃を開始した。事態の悪化の責任は全面的にヒズボラにある」と強調した。別の声明では、「長期にわたる日々の戦闘に備えなければならない」と述べた。

イスラエル軍はレバノン南部・東部の数十の村の住民に対し、避難を命じる警告を発した。

ヒズボラは、イスラエル北部ハイファの南にあるミサイル防衛施設を標的にしたと明らかにした。イスラエル軍は、レバノン側から飛来した複数の飛翔体が空き地に落下し、1発がイスラエル空軍によって迎撃されたと発表した。「負傷者や被害の報告はない」という。

ヒズボラは声明で「抵抗の指導部は常に、イスラエルの攻撃の継続、そしてわれわれの指導者、若者、人々の暗殺が、われわれに自衛権と適切な時と場所での反撃権を与えることを強調してきた」と述べた。

イスラエル軍は「イスラエル国防軍(IDF)はヒズボラの作戦参加決定に対抗し、同組織がイスラエル国家への脅威となることを許さない」と表明した。

<レバノン政府、イスラエルへの攻撃を批判>

レバノンのアウン大統領はイスラエルの攻撃を非難する一方、レバノンが「われわれには何の関係もない」戦争の足場として利用されれば、「わが国を再び危険にさらす」と警告した。

レバノン国営メディアによると、検察当局は治安部隊に対し、イスラエルにロケット弾を発射した者を直ちに逮捕するよう命じた。

サラーム首相は、レバノン領内からロケット弾を発射する行為は無責任であり、レバノンの安全を危うくすると非難した。

サイバーセキュリティー専門家や観測筋によると、先月28日早朝に米国とイスラエルによるイラン各地への攻撃と並行して、サイバー技術を活用した一連の作戦が実施された。

複数のニュースサイトをハッキングしてさまざまなメッセージを表示したり、500万回以上ダウンロードされた宗教カレンダーアプリ「BadeSaba」に侵入して「審判の時だ」と表示し、治安部隊に対し武器を放棄して民衆に加わるよう促すなどした。

米サイバー軍報道官はコメント要請に返答していない。

サイバーセキュリティー企業ダークセルの創業者でセキュリティー研究者のハミド・カシュフィ氏はBadeSabaへのサイバー攻撃について、同サービスは政府支持者が利用しているため賢明な措置だと指摘した。

イスラエル紙エルサレム・ポストによると、イランの組織的な反撃を抑制するため、イラン政府の各種サービスや軍事目標もサイバー攻撃の標的となった。

サイバーセキュリティー企業ソフォスの脅威インテリジェンス責任者レイフ・ピリング氏は「イランが対応策を検討する中、親イラン組織やハクティビスト(ハッキングする活動家)がイスラエルや米国に関連する軍事、商業、民間の標的に対しサイバー攻撃を含む行動を起こす可能性が高まっている」と述べた。

元米連邦捜査局(FBI)サイバー部門高官で現在はランサムウエア対策企業ハルシオンの上級副社長を務めるシンシア・カイザー氏は、中東地域で活動が増加していると指摘。過去に情報流出作戦やランサムウエア攻撃、大量のデータを送り付けてインターネットサービスを停止させる「DDoS」攻撃を実行してきた既知の親イラン系ハッカーらによる行動呼びかけも確認していると述べた。

クラウドストライク(CRWD.O), opens new tabのアダム・マイヤーズ上級副社長も、現在のサイバー活動はより攻撃的な作戦の前兆である可能性があるとし、「イランとつながりのあるハクティビスト集団などによる偵察活動やDDoS攻撃の開始と一致する活動を既に確認している」と述べた。

国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は2日、イスラエルと米国によるイラン攻撃で核施設が被害を受けた形跡はないと理事会で報告した。

米・イスラエルは昨年6月、イランの核関連施設を攻撃したが、今回の作戦ではほぼ無傷のようだ。

グロッシ事務局長は理事会向け声明で、「核関連施設が損傷または攻撃を受けたという兆候は確認されていない」と述べた。

しかし、イランの関連機関と連絡が取れておらず、連絡を取るよう努力しているとも述べた。イランは昨年6月の攻撃以降、爆撃された施設にIAEAが立ち入ることを許可していない。

イランのIAEA大使はこの直後、記者団に対し、ナタンツの核施設が前日攻撃されたと述べた。

しかし事務局長はその後、核施設への攻撃や被害の兆候はないとの評価を改めて確認した。


1期目のトランプ政権の際に国防総省で中東政策を担当した元高官で、ワシントン近東政策研究所のグラント・ラムリー上級研究員はNHKのインタビューに対し、今後、アメリカ軍に生じる被害の程度によっては、トランプ大統領の判断にも影響を与える可能性があると分析しています。

ラムリー氏はアメリカは軍事作戦を通じて、イランの核開発や弾道ミサイルなどの懸念を解消し体制転換を目指していると指摘しながらも、「トランプ政権が地上部隊を投入することは考えにくい。航空戦力によって目的を達するのが理想的なシナリオだ。ただ、航空戦力だけで、体制転換を実現するのは歴史的にも極めて難しい」と指摘しました。

ラムリー氏は、イラン国内でアメリカやイスラエルに反発する動きが出てくる可能性があり、体制転換を求める動きが広がるかは不透明だとしています。

また、「トランプ大統領にとって最悪のシナリオは、目的を遂げないまま、中東地域のアメリカ軍の兵士や施設に多大な被害が出ることだ」と指摘しました。

ラムリー氏はアメリカ側に3人の死者が出たことに触れ「アメリカ側の兵士などに被害が出てくることになると戦闘をどこまで続けるのかに制約が出るだろう。こうしたことが続けば大統領の判断に影響を与える可能性もある」と分析しています。

米国とイスラエルによるイラン攻撃を受け、湾岸諸国をはじめ多くの航空各社が運航を停止しており、中東地域で空の混乱が続いている。

  アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ航空は、ドバイ発着の全便を現地時間2日午後3時まで停止し、混乱は5日まで続く可能性があると警告した。エティハド航空も欠航を2日午後2時まで延長した。カタール航空は、カタール領空の閉鎖を受けてドーハ発着便を停止したと発表した。

米国とイスラエルによるイラン攻撃を受け、湾岸諸国の航空各社が運航停止を延長した
  夏の繁忙期を前に旅行需要が冷え込むとの懸念から、欧州では2日、主要航空会社の株価が下落している。ルフトハンザ航空は一時11%安、ブリティッシュ・エアウェイズの親会社IAGは一時13%安、エールフランスKLMは欧州序盤の取引で10%下落した。

  トランプ米大統領は、イランに対する爆撃作戦を目的が達成されるまで継続するとしている。情勢の悪化により原油価格も急騰しており、航空会社最大の費用である燃料コストを押し上げている。さらに空域閉鎖により、多くの航空機がより長い航路を取らざるを得ず、運航コストが一段と増加している。

  中東地域では、ほとんどの空港が閉鎖されている。中東は、世界の主要都市を1回の乗り継ぎで結ぶグローバルなハブとして機能してきた。紛争により数万人が足止めされている。

  アラブ首長国連邦(UAE)の民間航空当局は、混乱の影響を受けた2万人超の乗客に対応したと明らかにした。世界で最も利用者の多い国際ハブであるドバイ空港はコンコースが損傷し、職員4人が負傷したという。

  航空サービスの広範な停止は、精緻に組み上げられてきた世界の航空機運航の連携を大きく乱す見通しだ。すでに多くの機材や乗員が本来の配置から外れており、運航が再開された後も滞留の解消には数日を要する可能性が高い。

  フライトレーダー24など航空機追跡サイトによると、ルフトハンザが運航するエアバスA380型機が2日、アブダビを出発しミュンヘンへ向かう動きがみられた。ルフトハンザによると、同機体は商業便ではなく、整備を終え、いわゆるフェリーフライトとして乗客を乗せず、拠点へ戻るところだ。

イランを巡る戦争で影響を受けている中東地域の空域

  混乱はアジアにも波及した。キャセイパシフィック航空は5日まで中東路線の一部を欠航とした。インドではインディゴの運航停止が3日まで延長された。インドの民間航空当局は、国内航空会社が2月28日に410便を欠航し、3月1日には444便が欠航する見込みだと明らかにした。カナダや欧州、シンガポールなど世界各地の航空会社も、中東路線の運航停止を発表している。

  香港市場ではキャセイパシフィック航空が7%、シンガポール航空は7.5%、カンタス航空は10%、それぞれ一時下落した。

原題:Travel Chaos Worsens as Iran Conflict Shuts Mideast Airports (1)、Lufthansa A380 Leaving Abu Dhabi Sends Planespotters Into Frenzy(抜粋)

中東にある海上輸送の要衝 ホルムズ海峡の状況について、東京大学の教授がタンカーと貨物船の動きを分析したところ、イランへの攻撃が開始されたあと航行する船が減り、日本時間の2日時点では往来がほとんどなくなっていることが分かりました。


東京大学大学院の渡邉英徳教授が船の位置情報を公開している「マリントラフィック」のデータをもとにホルムズ海峡でのタンカーと貨物船の動きを分析したところ、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が行われたあと航行する船が徐々に減り、中には海峡の手前で引き返す動きも見られます。

そして日本時間の2日時点では海峡を往来する船がほとんどなくなっていることが分かります。

海峡の周辺でとどまる船の中には、日本へ向かう予定の船も複数確認できます。

渡邉教授は「このデータを見るだけでもホルムズ海峡が世界中の船が航行する非常に重要な場所であり、今回の戦争が起こって海峡を通れなくなることがどれだけ影響が大きいか分かります。事態が長期化すれば私たちの生活にも大変な影響が出てくることが予想されます」と話しています。

  中東の主要産油国は、域内の紛争拡大によりホルムズ海峡の閉鎖が25日超に及んだ場合、生産停止を余儀なくされる可能性がある。JPモルガン・チェースのアナリストが指摘した。

  ナターシャ・カネヴァ氏らアナリストはリポートで、「これを超えると、貯蔵制約により強制的な生産停止に追い込まれる」と説明した。

  米国とイスラエルは2月28日、イランに対する攻撃を開始した。これに対しイランは、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、バーレーンなど複数の国を標的としたミサイル攻撃で報復した。

  イラン沖の要衝で、世界の原油および液化天然ガス(LNG)の約5分の1が通過するホルムズ海峡は、正式な閉鎖には至っていないものの、船主が自主的に通航を見合わせているため、タンカーの往来は事実上停止している。JPモルガンによると、2月28日の同海峡経由の輸出量は、ほぼ全量がイラン産原油で、約400万バレルと通常の1日当たり水準のおよそ4分の1に落ち込んだ。

  JPモルガンの3月1日付リポートによると、同海峡を経由して輸出される液体燃料は日量約1900万バレルで、このうち原油は約1600万バレル。サウジアラビアやUAEなどは一部をパイプラインで別の海上ルートに振り向けることが可能だが、その量は限定的だという。

  イラク、クウェート、カタール、オマーン、イランを含む湾岸7カ国全体では、陸上の原油貯蔵能力に約3億4300万バレルの余力があるとJPモルガンは試算する。これは海峡閉鎖で滞留する生産量の約22日分に相当する。さらに海上での追加貯蔵も緩衝材となり得る。湾岸地域には約60隻の空船タンカーがあり、約5000万バレルを吸収できるため、生産をさらに3-4日延ばすことが可能だという。

原題:Mideast Oil Output May Need to Stop If Hormuz Closed for 25 Days(抜粋)

アメリカのトランプ大統領はイランに対する軍事作戦について「すべての目標が達成されるまで続く」と述べ、攻撃を継続する構えを示しました。

イランへの攻撃について国際法が専門の早稲田大学法学部の萬歳寛之教授に話を聞きました。

Q.アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃、国際法の観点からどのように見ていますか?

A.結論から言うと現行の国際法に違反していると考えています。
そもそも、国際法の一つである国連憲章では武力による威嚇と武力行使が違法とされています。
これは第一次世界大戦と第二次世界大戦を経て、人類の到達点として武力による威嚇と武力行使が違法化されたという背景があります。
武力行使が認められる例外としては、自衛権の行使に該当する場合か、安全保障理事会で武力行使の容認が決議された場合ということになっています。
今回の攻撃はこれらの例外に該当せず、現行の国際法に違反していると考えます。

Q.例外に該当しないということですが、アメリカとイスラエルの主張はどう見ていますか?

A.イスラエルは、イランが核兵器につながりうる開発をしていて取り返しがつかない状況が来る前に対応しているという意味で、自衛権ではないものの「緊急避難」として攻撃していると説明しています。
アメリカは、集団的自衛権ではなくて「世界規模の安全保障」という視点で国際の平和と安全を確保するために合法的な措置として攻撃しているという言い方をしています。
アメリカが言う「世界規模の安全保障」やイスラエルが言う「緊急避難」は、現行法の観点からは例外として認められないと考えています。
ただ、国連憲章ができて80年がたち憲章が国際秩序を守ってきた部分はもちろんあるものの国家主権の壁を悪用する国も出てきていてそれを見過ごしていいのかという感覚が国際社会の中に存在していることは確かだと思います。
それでも去年6月のイランへの攻撃やことし1月のベネズエラへの軍事作戦も含め国際法違反だと言え、とんでもないことをしていると考えています。

Q.こうした状況の中、日本はどのように対応したらいいのでしょうか?

A.日本は他国から「国際法を尊重し順守する国だから信頼する」と言われています。
80年がたち、国連憲章に揺らぎが出てきていることも直視しなければならないかもしれませんが、それでもやはり平和で安定した社会をこれからも継続していくために法の支配が日本にとって重要だという旗を掲げていくことが必要ではないかと思います。
また、日本の外交上の立ち位置を考えていくうえでも、国際社会の国々が今回の攻撃を国際法の観点からどういう目で見ているのかを客観的に観察していくことが必要だと考えています。
そのうえで、仮に国連憲章を変えるならば戦争によらずにどうやって平和的に法を変更していくのかという知恵を出していくことも求められていると思います。

トランプ米大統領はかねて、米国が軍事介入した国の「国家再建」には関与しないと主張してきた。そして現在、トランプ氏はかつての米国の時代を想起させる介入手法を受け入れている。

  それは、敵対国の指導者を公然と拘束または殺害の標的としながら、その後の事態を米国がどのように管理するのかについては、ほとんど詳細を示さないというやり方だ。

  米軍は1月、空からの奇襲作戦でベネズエラのマドゥロ大統領を拘束した。その後、トランプ氏は先月末にイランへの攻撃を命じ、その結果、最高指導者ハメネイ師が死亡。対応は一段と踏み込んだものとなっている。

  報復を誓うイランのミサイルやドローンが周辺各国に多数着弾し、米兵3人を含む多数の死者が既に出ている一方、米国とイスラエルはイラン攻撃を継続している。

  事態の緊迫化とその結果が予測不能なことで原油相場が急伸し、地政学リスクに対する投資家の警戒感は高まっている。

  メッセージは明確だ。核兵器を保有している国を除けば、米国のほとんどいかなる敵対国も安全とは感じられないということだ。ライバル諸国は、抑制を欠く米国の力と向き合わざるを得なくなる。米国が長年にわたり他国に求めてきた法的制約を打ち砕くものだとする批判の声も上がっている。

  英国の国家安全保障担当補佐官を務めたピーター・リケッツ氏はブルームバーグに対し、「トランプ氏は強大な米軍の力を行使することに、憂慮すべきほど前向きになっているように見受けられる。しかも、その時々で自らが米国の利益と考えるものにのみ導かれ、いかなる制約もなく行動している」と語った。

  さらに、「力こそ正義というこのアプローチは、どの国も他国の指導者を自由に攻撃してよいと認識しかねない極めてあしき前例となる。まさに国連憲章が防ごうとしてきた事態だ」と述べた。

  イランのミサイルがペルシャ湾岸各地の標的を攻撃し、世界の海上輸送による石油・ガスの約5分の1が通過する要衝ホルムズ海峡を通る輸送は急減した。

  海運各社は通航を停止し、保険会社はリスクを再評価。一部の船主は戦争条項を発動して航海を取り消した。ドバイをはじめとする世界的ハブを含め、地域全体で航空各社も運航を停止した。

  年初来で約20%上昇していたブレント原油先物は、一時13%高の1バレル=約82ドルまで上昇後、1日には上げ幅を縮小した。

  ブルームバーグ・エコノミクス(BE)は、海峡が完全閉鎖された場合、原油相場が108ドルまで急上昇する可能性があると推計している。金とドルも上昇する一方、米株価指数先物は1日早朝の取引で大きく下落して始まった。

全く新しい世界
  米中央情報局(CIA)で作戦部長を務めたジャック・ディバイン氏は、「歴代の大統領の例を振り返ると、われわれはこれまで持てる力を全て行使したことはなかった」と指摘。「従来は比較的協調的なレベル7にとどまっていたが、トランプ氏はそれをレベル10まで引き上げた。これは全く新しい世界だ」と語った。

  トランプ氏は昨年12月と今年1月にイラン各地で街頭にあふれた抗議集会参加者に対し、政権掌握を促してきた。だが、同国の体制に対抗する勢力が迅速に台頭するための地ならしを米政権として進めてきた兆候はない。紛争長期化リスクを受け、投資家は米国債や金、スイス・フランに資金を振り向け、まず安全資産を買う戦略が広がっている。

関連記事:ウォール街の戦略「まず安全資産」、イラン危機で-市場関係者の見方

​​​​​  数十年にわたる抑圧の首謀者として非難される指導者の死を祝って、街頭に繰り出すイラン人もいたが、大規模な群衆が追悼する場面も見られ、トランプ氏が呼びかけてきたような広範な蜂起の兆しは直ちには確認されていない。

  トランプ氏は1日、イランがさらなる協議を求めてきたと述べた。だが、米国とイスラエルがイランの軍事能力と核開発計画の破壊を目指す中、攻撃は数日から数週間続く可能性があると米当局者は話している。イスラエルのネタニヤフ首相は、攻撃は今後数日で強化されるとの見通しを示した。

  クリントン元大統領の中東担当特使で、現在はワシントン近東政策研究所のフェローを務めるデニス・ロス氏は指導者排除について、「理論上は体制転換を意味するが、実際には個人を排除したに過ぎず、体制そのものは存続するという結果になりかねない」と話す。その上で、「脅威がもはや存在せず、国民が立ち上がり、当局が自国民を虐殺しない場合にのみ、初めて大きな成功と見なされるだろう」と述べた。

者ハメネイ師の死を悼む人々(3月1日、テヘラン)Photographer: Atta Kenare/AFP/Getty Images
  トランプ氏は1日に公表した動画メッセージで、米国の死傷者がさらに出る可能性が高いと警告しつつも、軍事作戦は「われわれの全ての目標が達成されるまで継続する」と述べた。

関連記事:トランプ米大統領、全ての目標達成まで対イラン攻撃継続

  米国内に目を転じると、対外戦争に反対して大統領選を闘い、今回の作戦について国民的支持をほとんど築いてこなかったトランプ氏にとって、この強硬な外交政策はリスクの高い賭けとなっている。

  物価高に有権者の関心が集まる中、世論調査では共和党が11月の中間選挙で議席を減らす可能性が高いことが示されている。

国民的な合意欠く
  トランプ氏は、2001年9月11日の米同時テロ後にブッシュ(子)元大統領が行ったのと同程度に急進的な米外交政策の再編を試みている。しかし、当時のように世論と政界を結束させる衝撃的な出来事は今回は存在しない。国民的な合意はなく、議会内の反対も先鋭だ。終わりの見えない新たな対外紛争に対する公の支持はほとんどない。

  ロイター通信とイプソスが1日に公表した世論調査によると、ハメネイ師を殺害した米国の攻撃を支持する米国人は4人に1人にとどまる。一方で約半数は、トランプ氏が軍事力の行使に前のめりになり過ぎていると回答しており、その中には共和党支持者の4人に1人も含まれる。

  トランプ氏の盟友は今回の作戦を歴史的成功だと直ちに評価した。共和党のグラム上院議員は「イランの殺人的な体制は間もなく消滅するとの思いが頭を駆け巡っている」とXに投稿。「中東における1000年で最大の変化が目前にある」と論じた。

  一方、これとは異なる批判的な見方もある。

  民主党のキム上院議員はインタビューで、「トランプ氏は明らかに帝国主義的な大統領だ。軍を展開できるという点で、自らの権力に魅了されていることは明白だ」と述べた。さらに、「今の米国には大きな戦略は存在しない。これは極めて明確に、ただ1人の人物、ドナルド・トランプ氏の気まぐれによるものだ」と語った。

  今回の攻撃は、昨年6月のイラン核施設への攻撃をはるかに上回る規模だ。30年余りにわたりイラン政治を支配してきたハメネイ師が死亡し、治安当局高官も排除されたことで、同国は突如として後継者危機に直面している。

  ベネズエラではマドゥロ氏が排除されたものの、同氏が率いてきた統治機構は大部分が維持されている。ロドリゲス暫定大統領は、同国の巨大な石油産業に対する広範な支配権をトランプ氏に与えることで合意している。

  トランプ氏はキューバが次の標的の一つとなる可能性があると示唆している。これまでのところ、制裁強化やエネルギー面での圧力で同国が抱える困難は深まっているものの、政治的変化は生じていない。

  イランでは、事態はさらに重大だ。同国はアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアを含むペルシャ湾岸各地の米国関連施設やイスラエルなどを攻撃している。

核保有国
  他国の指導者にとっての教訓は厳しいものがある。

  一部の国々にとっては、信頼できる核抑止力と米国との関係の慎重な運営が強力な防御手段となる。核戦力に守られ、常にトランプ氏を称賛する姿勢を示してきたロシアのプーチン大統領や北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は、そのことを理解しているように見受けられる。

  トランプ氏は、イランが核兵器を保有することは認められないと繰り返し明言。これに対しイラン側はそうした目標はないと主張している。

  イランで体制転換があれば、同国との関係を築いてきたロシアと中国にとっては打撃となる。プーチン氏はハメネイ師の殺害を「道徳と国際法のあらゆる規範に対する冷笑的な違反」と呼んだ。

  中国の王毅外相は、主権国家の指導者を公然と殺害し体制転換を図ることは「容認できない」と述べ、ロシアのラブロフ外相との電話会談で、今回の行動が中東を「奈落」に追いやるリスクがあると警告した。

関連記事:トランプ氏、習主席に親しい指導者2人排除-米中首脳会談に影落とす

  中国人アナリストの一部は、米国が中東に長期的に関与すれば、最終的には米国の関心がそちらに吸収され、米国のアジアへの注力がそがれる可能性があると指摘する。

  上海国際問題研究院(SIIS)の研究員、李偉建氏は「イラン政府が通常通り機能し、速やかに代替体制を確立できれば」と断った上で、「中国のさまざまな利益に重大な影響は及ばない」との見方を示した。

  米国の同盟国も懸念を強めている。フランスのマクロン大統領、ドイツのメルツ首相、スターマー英首相は共同声明を発表し、これら3カ国は「イランへの攻撃に参加していない」と強調するとともに、対話の再開を求めた。

  欧州の高官2人は、たとえ同意しなくとも、トランプ氏の対決的なアプローチが新たな常態になったと同盟国は受け止めていると、非公式に語った。欧州ではマドゥロ氏やハメネイ師のような指導者の排除を惜しむ声はほとんどないが、排除手法については残念に思っているという。

  アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)の外交・防衛政策研究ディレクターで元ホワイトハウス高官のコリ・シャキー氏は「米国とイスラエルがまるで自らが法であるかのように振る舞い、欧州の同盟国にさえ事前に通知しなかったやり方に欧州側は強い不安を抱いている」と解説した。

  原油市場にとって、今年のトランプ氏の政策の影響は既に顕著となっている。かつて厳しい制裁下で、秘密裏に原油を運ぶ「影の船団」のタンカーで輸送されていたベネズエラ産原油は、現在では欧米の船舶で米国、欧州、インドの買い手に向かっている。

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  イラン攻撃が世界の供給構造をどのように変えるかは不透明だ。週末にかけて、ホルムズ海峡を通過する輸送が減速し、この地域で3隻の船舶が攻撃を受けたと報じられたほか、イランのカーグ島にある輸出拠点で爆発が伝えられ、詳細が明らかになりつつある。

  イランは公には海峡を封鎖する意図はないとしているが、船主の不安は払拭されておらず、回避の動きが続いている。

  ペルシャ湾岸地域では、ドバイ、ドーハ、アブダビで航空各社が運航を停止し、数万人の乗客が足止めされた。世界で最も利用の多い航空回廊の一つであり、金融センターでもある地域の機能が混乱している。

  イランが支援する代理勢力が戦闘を拡大させる可能性もある。イスラエルは近年、これら勢力の軍事能力の多くを破壊してきた。ただイエメンの親イラン武装組織フーシ派は既に、紅海で米国関連の船舶への攻撃を再開すると警告している。

トランプ氏の新たな認識
  事情に詳しいワシントン駐在の欧州の高官によると、トランプ氏は政権1期目よりもはるかに積極的に外交目標を追求している。その背景には、自らのレガシーを確立したいという思いと、大統領として行使できる軍事権限が以前理解していたよりもはるかに大きいと認識したことがあるという。

  退役米陸軍大将で元CIA長官、現在はKKRの幹部を務めるデービッド・ペトレアス氏は、「地上での長期作戦は別としても、武力行使をいとわない大統領の姿がある。彼が命じた作戦を遂行する上で、その戦力はまさに並外れたものだった」と発言。「潜在的な敵対国や現実の敵対国はどこであれ、このメッセージを重く受け止めるのが望ましい」と語った。

  トランプ氏のアプローチは、24時間続くニュースサイクルと本人の集中力の短さに影響されているとの批判がある。

  米国の有権者も長期にわたる作戦にはほとんど忍耐を示してこなかった。数カ月や数年にわたる段階的な圧力ではなく、トランプ氏はこれまでのところ短期間で大きな衝撃を与える一撃を選んできた。

  その手法は全く新しいものではない。01年9月の同時テロ以降、標的殺害は米国の対テロ戦略の柱となった。オバマ元大統領はドローン攻撃の活用を大幅に拡大し、バイデン前大統領も規則を厳格化しつつ、その手段を維持した。

  トランプ氏は政権1期目でその範囲をさらに拡大。20年には、イランによる中東地域ネットワークの立案者とされる革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害する攻撃を命じたが、政治体制の頂点そのものを標的にすることは避けた。

  ノートルダム大学のメアリー・エレン・オコンネル教授(法学)は、「トランプ氏は国際法を『必要としない』と公言し、それを公然とかつ臆面もなく無視して行動した初めての米大統領だ」と指摘する。

  中東における米国の介入主義は、結果が表れるまでに何年もかかり、予期せぬ影響をもたらしてきた長い歴史がある。

  1953年にCIAが支援したイランのクーデターは最終的に1979年のイスラム革命を助長する一因となり、イラク侵攻から10年後には混乱の中で「イスラム国(IS)」がイラクとシリアで領土を掌握する事態を招いた。

  イランで中央権力が崩壊すれば、10年前のシリアの場合のように、欧州を含む広範な地域に難民の流入を引き起こし、周辺国や世界の大国を一段と深く紛争に引き込む可能性がある。

  米国はこれまでも外国の指導者を標的にしてきたが、その多くは水面下で行われてきた。1973年にピノチェト氏をチリの権力の座に就かせたクーデターや、1960年代にキューバのカストロ氏らに対して企てられた暗殺計画が含まれる。

  トランプ氏の今回の行動を際立たせているのは、そのオープンな姿勢だ。つまり、米国に差し迫った脅威をもたらしているとほとんど誰も考えていない主権国家の最高指導者を標的とした軍事作戦を、公に認めた上で展開している点だ。

  ワシントンのシンクタンクで武力行使に懐疑的な立場を取るディフェンス・プライオリティーズの中東プログラム責任者ローズマリー・ケラニック氏は、「地球上で最も強大な国が十分な警告も十分な理屈もなく、あちこちで政権を倒して回っている状況だ」と批判。「その後に何が起きるのかについての計画は、あったとしてもごくわずかだ」と論じた。

原題:Trump’s Iran Strikes Usher in Era of Unrestrained American Power (1)(抜粋)

アメリカのトランプ大統領はイランに対する軍事作戦について「すべての目標が達成されるまで続く」と述べ、攻撃を継続する構えを示しました。イランによる報復攻撃も続いていて、サウジアラビアの製油所や地中海のキプロスにあるイギリス軍の基地など、広い範囲で無人機によるものとみられる被害が相次いでいます。

目次

5項目
イラン 赤新月社 “イラン各地で555人が死亡”と発表
カタール国営のエネルギー会社 LNG生産を停止
レバノン国営通信 “イスラエルの空爆で31人死亡”
イラン ラリジャニ事務局長「アメリカとは交渉しない」
ハメネイ師死亡 イラン国内の反応は
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トランプ大統領 「すべての目標達成されるまで続く」
イランへの攻撃に踏み切ったアメリカとイスラエルは、最高指導者ハメネイ師を殺害したあとも各地で攻勢を強めています。イランのタスニム通信は、2日、「テヘランの一部の地域で爆発音が聞こえている」と伝えました。

トランプ大統領は1日、SNSにおよそ6分間の演説の動画を投稿し、「軍事作戦は現時点で全力をもって継続しており、われわれのすべての目標が達成されるまで続く。われわれには非常に強固な目的がある」と述べました。

イラン 赤新月社 “イラン各地で555人が死亡”と発表
イランの赤新月社は2日、イスラエルやアメリカの攻撃でこれまでにイラン各地で555人が死亡したと発表しました。また、国内の131都市で被害が出ていて、各地で救助活動を行っているなどとしています。

イランは報復を訴えてアメリカとイスラエルの標的に大規模な攻撃を実施したと主張しています。

米軍 死者4人に
アメリカ軍で中東地域を管轄するアメリカ中央軍は2日、戦闘で重傷を負った兵士が死亡し、これまでの死者は4人になったと明らかにしました。

カタール国営のエネルギー会社 LNG生産を停止
中東のカタール国営のエネルギー会社「カタール・エナジー」は2日、国内の関連施設が攻撃を受けたとして、LNG=液化天然ガスの生産を停止したと明らかにしました。

これを受けて、ヨーロッパのエネルギー市場では安定供給への懸念が高まり、天然ガスの指標価格が上昇しています。

オマーン当局 “石油タンカーが攻撃を受けた”
中東オマーンの当局は2日、オマーン北部の沖合で石油タンカーが無人ボートによる攻撃を受けたと発表しました。この攻撃で、タンカーの機関室で爆発が起き、インド国籍の乗組員1人が死亡したということです。

オマーン海軍の艦船が被害状況を確認するとともに、近くの海域を航行する船舶に対して警報を発令しています。

また、イギリスの海運機関によりますと2日、バーレーンの港でも船に飛しょう体2つが当たり、火災が発生したと発表しました。

先月28日以降の周辺海域での船舶への攻撃をめぐっては、イギリスの海運機関がUAE=アラブ首長国連邦の北西沖で、船に飛しょう体が衝突し、火災が発生したとしたほか、オマーン当局が、オマーン北部沖で、パラオ船籍の石油タンカーが攻撃を受け4人がけがをしたと発表しています。

このほかイランの革命防衛隊も1日、ペルシャ湾とホルムズ海峡で違反行為をしていたアメリカとイギリスの3隻の石油タンカーがミサイル攻撃を受け、炎上しているなどと主張しています。

イスラエル滞在の日本人5人 ヨルダンに退避
外務省によりますと、イスラエルに滞在していた日本人5人が、政府の支援を受けて日本時間の2日夜、隣国のヨルダンに退避しました。

5人は2日午後5時ごろにイスラエルのテルアビブをバスで出発し、9時すぎにヨルダンの首都アンマンに到着したということです。

アンマンでは、現地の大使館の職員や医務官らが支援に当たっていて、全員、健康状態などに問題はないということです。

イスラエルには、およそ1000人の日本人が滞在しているということで、政府は、今後も必要に応じて退避の支援を検討する方針です。

IAEA イラン国内の核施設「攻撃や損傷 示すものなし」
IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は2日、オーストリアで開かれた特別理事会の中で、イラン国内の核施設について「攻撃や損傷を受けたことを示すものはない」としたうえで、イランの原子力当局と連絡を取ろうと試みているがまだ反応がないと説明しました。

一方、ロイター通信は2日、IAEAの担当大使を務めるイランのナジャフィ氏が報道陣の取材に対して「3月1日にイスラエルとアメリカがイランの平和的で安全に守られた核施設を再び攻撃した」と述べたと伝えました。

そのうえで「どの施設が攻撃されたのか」と問われると、ナジャフィ大使は「ナタンズだ」と述べ、イラン中部にある核施設が攻撃されたと主張したということです。

サウジアラビア国営通信 “製油所近くで2機の無人機迎撃”
サウジアラビアの国営通信は、エネルギー省の関係者の話として現地時間の2日午前7時すぎ、日本時間の2日午後1時すぎ、サウジアラビアの国営石油会社、サウジアラムコの製油所近くで2機の無人機が迎撃されたと伝えました。

その際に落ちた破片で、火災が発生したものの消火され、死傷者は出ていないということです。

この影響で稼働中だった一部の施設が予防措置として停止されたものの、供給への影響はないとしています。

レバノン国営通信 “イスラエルの空爆で31人死亡”
イスラエル軍は「ヒズボラはイランの代理勢力だ」としてレバノンへの攻撃を行っていると発表し、レバノンの国営通信は2日、保健当局の話として、レバノン南部や、首都ベイルート郊外へのイスラエルの空爆でこれまでに31人が死亡し、149人がけがをしたと伝えています。

イスラエル軍は、イスラム教シーア派組織ヒズボラによる攻撃を受けて、反撃を開始し、レバノン南部などにある複数の都市の住民に対し、退避通告を発表しています。

米軍 “F15E戦闘機3機墜落 クウェートが誤って撃墜か”
アメリカ中央軍は声明を発表し、イランへの軍事作戦に参加していた3機のF15E戦闘機が、2日、クウェートに墜落したと明らかにしました。

イランの航空機や弾道ミサイル、無人機などによる攻撃が行われる中、クウェートの防空網により、誤って撃墜されたということで、原因を調べています。

乗員あわせて6人は、脱出して救助され、容体は安定しているということです。

SNSに投稿された映像には、後部から炎と煙を上げる戦闘機が、水平に回転して墜落する様子や、操縦席を脱出したパイロットが、パラシュートで降下する様子が写っています。

一方、イランの革命防衛隊とつながりのあるタスニム通信は2日、アメリカ軍の戦闘機3機をイラン側が撃墜したとする主張を伝えました。

ロイター “イラン側の先制攻撃計画の情報なし”
ロイター通信は、アメリカのトランプ政権が議会職員への説明で、イラン側がアメリカ軍への先制攻撃を計画していたことを示す情報がないことを認めたと報じました。

トランプ政権の高官は28日、一部のメディアに対し、イランへの攻撃に踏み切った理由として、イランがアメリカ軍の基地などに先制攻撃を仕掛ける兆候があったためだと主張しました。

ロイター通信は、アメリカ国防総省の高官が1日、連邦議会上下両院の安全保障に関係する委員会の職員に対して、1時間半以上にわたり説明を行ったと報じました。

この中で高官は、イランの弾道ミサイルなどがアメリカの国益に差し迫った脅威になっていると強調したものの、イラン側がアメリカ軍への先制攻撃を計画していたことを示す情報はないと認めたということです。

ロイター通信は「政権の高官が述べた、この戦争のための重要な根拠の1つが弱まるとみられる」と伝えています。

中国外務省 “軍事攻撃は国際法違反 即時停止を”
アメリカとイスラエルがイランを攻撃して、最高指導者のハメネイ師を殺害したことについて、中国外務省の毛寧報道官は2日の会見で、「イランの主権と安全に対する重大な侵害で、国連憲章の趣旨などを踏みにじるもので、断固として反対し厳しく非難する」と述べて、国連の安全保障理事会の決議を経ない軍事攻撃は、国際法違反だと批判しました。

そのうえで、「軍事行動を即時停止して、緊張のエスカレートを回避し、中東と世界の平和と安定を守るよう求める」として、軍事行動をやめるよう求めました。

また、ホルムズ海峡が事実上、閉鎖されたと報じられたことについては、「この地域の安全と安定を守ることは、国際社会の共通の利益にかなう」と述べて、世界経済に影響が広がるのを防ぐよう求めました。

そして、2日までに、およそ3000人の中国国民がイランから退避したものの、テヘランで1人が軍事衝突に巻き込まれて亡くなったことを明らかにしました。

また、アメリカ側から、今回の軍事行動について事前通告はなかったことも明らかにしました。

イラン ラリジャニ事務局長「アメリカとは交渉しない」
イランの最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長は2日、SNSで自身が協議の再開に向けアメリカ側に働きかけを行ったとする報道を引用し、「アメリカとは交渉しない」と投稿しました。

ラリジャニ氏は「トランプは『妄想的な野心』で地域を混乱に陥れた。自らが掲げた『アメリカ・ファースト』を『イスラエル・ファースト』に変え、イスラエルの野望のためにアメリカ兵をささげた」とトランプ大統領を批判したうえで「イランは自衛をしている。イランが侵攻をしかけたわけではない」と主張しています。

ハメネイ師死亡 イラン国内の反応は

イランの最高指導者、ハメネイ師が死亡したことについてイラン国内ではさまざまな反応が見られます。

イランの国営メディアのニュース番組では1日、男性のキャスターが言葉をつまらせながらハメネイ師の死亡を伝えていました。

ロイター通信が配信した映像では、黒い服を着た人たちがイランの国旗やハメネイ師の写真を手に、首都テヘランの中心部に集まり、悲しみに暮れる姿が見られます。

集まった人たちはイスラム教シーア派のしきたりにのっとってみずからの胸をたたき、ハメネイ師の死を悼んでいました。

一方、テヘラン郊外のカラジではハメネイ師の死を受けて市民が街頭に集まり、音楽をかけながら踊ったり歓声を上げたりしていました。

このほか、南西部フーゼスタン州では花火が打ち上げられたり、1979年のイスラム革命以前のイランの国旗が掲げられたりしていました。

UAE駐在の男性 “2日朝も複数回の爆発音”
UAE=アラブ首長国連邦のドバイに駐在する50代の男性がNHKの取材に応じ、「ドバイが狙われたことは非常に驚いている。今は比較的落ち着いていて、このまま沈静化してほしいが家族をどの時点で退避させるか難しい」と話していました。

専門商社の社員で、妻と一緒にドバイで暮らしている奥野芳彦さんによりますと、イランによる報復攻撃を迎撃したとみられる爆発音は、1日の午後からやんでいたということですが、2日朝、再び複数回聞こえたということです。

奥野さんは「5発か6発ほどの音が聞こえた。少し遠めで鳴る花火のような音だった。ドバイはアメリカ軍の基地はなく、イラン人が退避してくるような場所なので、攻撃があったことは驚いた」と話していました。

攻撃が始まってから3日目を迎え、街の中は落ち着きを取り戻しているものの、交通量は3割ほど減り、歩いている人もまばらだということです。

UAE政府は現地の法人に対して、3日までは社員のリモートワークを推奨する通知を出していて、奥野さんも自宅で待機しているということです。

奥野さんは「会社の退避計画もあったが、イランによる報復活動がすぐに始まってしまい、退避どころか動けなくなってしまった。このまま沈静化してほしいが家族をどの時点で退避させるか難しい」と話していました。

奥野さんの勤める会社は中東に鉄を輸入しているということですが、ホルムズ海峡が「事実上、閉鎖された」などと伝わる中で、代替の輸送ルートの検討を始めています。

奥野さんは「ホルムズ海峡の問題が解決できないと開店休業状態が続き、ビジネス面でも非常によくない状況だ。海峡の手前で荷物をおろして陸送するなど、調整しなければならないが、追加コストがかかる」などと話していました。

中国政府は2日、米軍によるイラン攻撃について米政府から事前通告はなかったとの認識を示した。

  中国外務省の毛寧報道官は北京での定例記者会見で、「中国は事前に知らされていなかったと言える」と述べ、「戦闘の波及が地域の他国に影響を及ぼしていることを深く懸念している」と表明。「関係各国に軍事行動の停止を求める」と語った。

  毛氏によれば、テヘランを狙った攻撃で負傷していた中国人1人が死亡した。これまでに中国人3000人余りがイランから退避したという。

  毛氏はトランプ政権による攻撃を非難し、イラン最高指導者ハメネイ師の殺害について「中国は強い遺憾の意を表する」と述べた。

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原題:China Says US Didn’t Give It Any Notice Before Attacking Iran (抜粋)

元米国国家安全保障担当補佐官ズビグネフ・ブレジンスキーは、
1997年、米国の世界覇権戦略を論じた最も影響力のある著作『グランド・チェスボード:The Grand Chessboard』を著した。
ブレジンスキーは、その覇権プロジェクトが、
中国・ロシア・イランによる「反覇権連合」を招き得ると警告していた。

私たちが生きる時代を見誤らないことが重要である。
これは自由民主主義と権威主義の対立ではない。
覇権国を中心とする国際秩序の再均衡である。

平和は、他の権力中心の存在を受け入れ、
勢力均衡を回復することによってこそ達成され得る。
善の勢力が悪の勢力を滅ぼさねばならないという、
マニ教的(善と悪の絶対的対立)かつイデオロギー的な世界戦争によってではない

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カント/宇都宮芳明 訳『永遠平和のために』

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王家に捧ぐ歌

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カマラーダ

one heart

#中東(260302)

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