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田中秀征の一言啓上 近くばかり見て、遠くを見ない福田首相

今のところ、人事に対する表立った不満は、自民党からも公明党からも出ていない。逆に言えば、そこに福田首相の改造目的があったことが分かる。

もしも麻生氏が無役であれば、福田降ろしの動きが出てきた時にシンボル的な存在になりかねない。その芽を事前に摘んだということだ。これでしばらくは自民党内や公明党から反福田の動きが出にくくなった。

端的に言って、この内閣は、増税派によって固められた。改革派も成長派も党役員や閣僚から見事に排除された印象を受ける。

たぶん福田首相は、改革、成長、増税の同時進行論を唱えるだろうが、本欄で再三再四指摘したように、それは必ず「増税先行論」になる。

“行革派”対“増税派”の最大の抗争はこれからである。内閣が増税派の旗色を鮮明にしたので、遂に世論の改革派支持の流れが加速する可能性も出てきた。