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ポスト福田で「経済対策」はどうなるのか|山崎元のマルチスコープ|ダイヤモンド・オンライン

 いずれにせよ、今回のスキームでは、どこの業種、どういう企業の劣後ローンに対して金融機関が融資すべきなのかについて、金融庁や、金融庁に働きかける政治家がなんらかの影響を及ぼすことができ、実質的に経済に対する政府の関与を大きくすることが出来ように作られている。

 敢えて注文を付けると、麻生首相(仮にそうなった場合)は、先ず、小泉内閣時代に、現在のような経済状況を想定せずに作ったはずの2011年度に基礎的財政収支を黒字化させるという目標を先送りする旨を高らかに宣言すべきだ。加えて、基本的に、金融政策以外の景気対策は、全て減税(と困窮者への手当)だけでやるといい。

 現状は、日本の生産者にとって、デフレ的だ。財政再建の先送り宣言が生むインフレ期待を恐れる必要はない。また、十分な資金需要がないまま長期金利だけが高騰する筈もない。せめてプラスのインフレ期待と資金需要を喚起するためには、減税による財政赤字の拡大はむしろいいことだろう。「日本の財政収支は緊急に立て直しを要する」という先入観は、霞が関の人々が、増税によって長期的に「大きな政府」をファイナンスするために使っている方便であり、実は「常識の嘘」の類だろう。

 加えて、目下の状況下、おそらく最も効く経済対策は、外国のお金が日本に大きく投資される状況を作ることだ。

 こうした点では、中川秀直氏を中心とする「上げ潮派」の政策には乗ってみる価値がある。乱暴にいうと、麻生首相(仮)としては、今回の経済対策のメリット部分を踏襲した上で、上げ潮派の政策をさらに丸呑みして、さらに財政再建目標先送りをプラスして、「俺は、上げ潮派以上の上げ潮派だ」と胸を張ればいい。

財政再建目標先送りをプラス」するのは、時事放談藤井裕久が財政規律が緩むと必ずインフレになるからダメだと反対したのに対して、堺屋太一が主張していたのと同じ意見。