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【正論】立命館大学教授 大阪大学名誉教授・加地伸行

 中国は11世紀(日本では平安時代のころ)、宋王朝王安石という大政治家がいた。それこそ百年に一人の大才。ただし、死後、まったくと言っていいほど評価されず、罵声(ばせい)を浴び続けた。天才の孤独である。

自分は経済(財利)のことを学んだことはないが、聖人の善政を見ると「天下の力(国民の労働)に因りて以て天下の財(所得)を生じ、天下の財を取りて以て天下の費(ついえ)(歳出)に供す」ことに尽きるから、国民の労働環境を良くして所得をあげ、それに応じて国家予算を組めば「古より治世(において)未(いま)だ嘗(かつ)て(税収が)足らざるを以て天下の公患(こうかん)となさず。(現政府の)患(わずらい)(難点)は財を治むる(財政担当)に(おいて)其の道(対処方法)無きに在り」

新法の青苗法では、農民に国家が低利の資金を貸して、自作農・小商人ら中産階級を保護し、貧農にも余禄が波及することとなり、国力が充実していった。国家財政も好転してゆくが、減収となった大地主・大商人が反対してゆく。

 しかし 王安石はめげなかった。博引旁証、その見識と弁舌とにだれも勝てなかった。のみならず、彼は天下国家のためには私情を挟まず信念を貫いた。そのためには、自分を引きあげてくれた数々の恩人も親友も、反対すれば退け、容易に妥協しなかった。

小沢‐鳩山‐岡田そのもの。
悪相なのは麻生らの方。