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言葉を超えた 真剣が語る真理 日本武徳院試斬居合道師範 剣士 黒澤雄太さんインタビュー

 「自分対自分、自分対刀なんだと知る。そうすると、人から認められたいといった考えも、人と比べて自分が強いか弱いかといった観念もなくなっていきます」。模造刀や竹刀ではない、真剣だからこそ至れる真理がある

 「今の道場でのぼくは、ただの役割に過ぎません」。道場主ではあっても、強さを誇って門弟を威圧するようなことはしない。剣のために生きる。その生きざまを示すことで門弟を導き成長していく門弟からさまざまなことを教わって、ともに人間としての深さを探っていく

 だから、この道場では、剣の腕前だけでは入門も昇段もできない。口頭試問を行って人間そのものを問い直す。「入門を希望する画家志望の男には、その時に浮かんだ“足下行末(そくかゆくすえ)”という言葉を題に与えました」。進路希望や将来の夢を語るだけでは不可。そんな試験を経るうちに、今の自分を見つめ直し、これからの自分を見据える深い思索が身についていく。