【元気のでる歴史人物講座】(46)山田方谷 経済と人心の再建は両輪
方谷の改革における基本方針は一言をもってすれば「事の外に立つ」「財の外に立つ」ことにある。つまり財政の収支、狭い意味の経済に心を奪われず、財(財政、財利)の外(局外)に立つこと、換言すると政治の根本、大局に立つことにあった。
すなわち経済の再建、藩(国)政改革の根本は(1)「経国の大法」(国家の政治の大本)を打ち立て政道を正すこと(2)道義を明らかにし人心を教化し立て直すこと(3)士気を奮い武備(国防)を整え、もって治国の大方針を明らかにすることだというのである。
そしてくれぐれも戒むべきことは大衆迎合のその場凌(しの)ぎの姑息(こそく)な措置に走らぬことであり、根本を打ち立て長期的展望を失わず、少なくとも10〜15年間急がず倦(う)まず、いかなる困難にも屈せずやり抜くことが大切と言っている。