首相のこうした発言によって、昨年３月の西松建設の違法献金事件に端を発する一連の問題は、小沢氏と検察の対立から、鳩山政権と検察の全面対決に発展する異例の事態になった。
首相は小沢氏を支援し続ける構えだ。最高実力者の小沢氏を失えば、自らの政権基盤が危うくなるのは火を見るよりも明らかだ。
菅直人副総理も首相の判断を了承。政権全体で検察との闘争に踏み込む姿勢を見せたことになる。
党内からは「政権も党も小沢氏と一蓮托生（いちれんたくしょう）ということだ」（ベテラン議員）、「憲政史上初の検察と戦う政権党になった」（中堅議員）などといった声が上がる。
だが、検察側は鳩山政権のこうした姿勢に、おもねる考えはないようだ。検察幹部は党大会での小沢氏の発言をテレビで見ながら「あがいているだけだ。取るに足らない」と切り捨てた。小沢氏の検察批判のトーンは昨年３月の公設第１秘書の逮捕時と同様に激しかったが、「検察にとっては前回にも増していわれのない批判」との受け止めだ。
