1日夕の2度目の3者会談で、首相は「私も身を引きますが、小沢さんも幹事長職を引いて頂きたい」とねじ込んだ。
選挙に精通する小沢氏抜きで参院選は戦えないだけに、首相は「これで参院の反乱は鎮圧できる」と踏んだわけだ。それまで押し黙っていた小沢は「分かった」と応じたが、横にいた輿石氏は怒り心頭。「大変なことになるぞ」と捨てぜりふを吐いた。
会談を終えた首相は、国会内で待ち受ける報道陣から「首相続投か」と聞かれると、薄笑いを浮かべながら左手の親指を立てる「OKサイン」をで応えた。
これについて首相は2日夕のぶら下がりで、「自分の心を外には出さないように努めた」とし、辞意を隠し元気さを装うための演技だった説明した。
だが、首相秘書官の1人が「辞める気がないということだ。ちゃめっ気だ」と解説したように、実は首相はこれで続投に道筋がついたと浮かれていたとの見方が強い。
しかし、この不用意なしぐさはその日の夜、テレビで相次いで流され、倒閣勢力の怒りの火に油を注いだのだ。
こうした党内の空気を察知した小沢氏は同日夜、ダメ押しの電話を入れた。「参院がとまれば、法案が通らなくなる」。小沢氏は米軍普天間問題の迷走で社民党が連立政権から離脱した現状を踏まえ、政権運営が行き詰まっていることを伝えた。最後通牒だった。
実際、小沢氏は社民党の政権離脱を契機に、倒閣に動いていた。党関係者によると、先月30日には側近議員らに「鳩山降ろしに動いていい」と指示を出し、相前後して日曜日に閣僚の認証式を行った例があるか確認も。「政治空白は許されない」と考える小沢氏は、6日の後継内閣発足を念頭に置いていたのだ。
さらに、両院議員総会で代表解任動議を出す案も浮上していた。党規約によると、両院議員総会は全議員の半数の出席で成立し、その過半数の賛成で党の意思決定がされる。首相が辞任を決意しなければ、強引に首相の座から引きずり降ろす覚悟だったのだ。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100602#1275480088(先月31日に小沢氏に辞意を伝えた/月曜のときには私の方から身を引きたいと。辞したいということを申しました。)
【鳩山ぶら下がり】(2)親指立てたポーズの真意は…(2日夜)
――首相は民主党をクリーンな政党に戻したいということだが、たとえ小沢幹事長がポストを外れたとしても穏全たる影響力をこれからも発揮するということであれば、国民はクリーンな政党とは認識しないと思う。首相は小沢幹事長が首相と同様に次期衆院選に出馬するべきではないかと考えるか。また、会談の中でそういった要請はしたか
「次期衆院選に出馬するか、されないかというのは、それは政治家本人がお決めになることであって、私が申し上げるべきことではありません。そして隠然たる勢力というものをみなさん方はおっしゃいますが、大事なことはやはり、私が申し上げたように、国民のみなさんにこの政党は変わったなと。クリーンになったなと。そのような印象を少なくとも与えることが大事であって、それはやはり、今回の新しい代表の選出の仕方とかですね、あるいはさらに新しい代表がどのような人選をされるかとか、そういったところにかかっているんじゃないでしょうか」