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宮田秀明 人は、自ら目標を定めて努力して育つ

 師弟関係とは不思議なものだ。一緒にいい研究をしたから生まれることもあるし、全くそんなことはないのに生まれることもある。初めての学生との関係には、何かもっと不思議なものがあるのかもしれない。

 人はどうして育つのだろう。私はY君を育てた憶えがない。一緒に歌舞伎町とニューヨークで飲んだけれども、あまりいいことを教えた憶えがない。新米教員にはできなかったと言うのが正しいかもしれない。

 教育は難しいことだと思う。30年以上もその道のプロとして勤めてきたつもりなのに、実はまだあまり自信がない。

 「人は教えられて育つのではない。自ら目標を定めて努力して育つ」。これは教員にとってはアンチテーゼかもしれないが、本当の事だと思う。教えられて偉くなる人はいない。自ら成長しようと努力して人は偉くなる。だから、教員の仕事の一番大きなことは学生たちがこのことを分かるための環境を作ることだ。

 産学連携プロジェクトの意味もここにあると思う。あるプロジェクトに加わった学生が、研究とは何のために行うのだろう、どうすれば社会貢献できるのだろう、ということを真剣に感じる最初の体験を提供することは、賛否両論あるだろうが、私は大学教員の重要な役目だと思う。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100204#1265244678
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