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焦点:金融政策の目的、財政再建支援やデフレ脱却にシフトへ

 3月日銀短観では景気回復の波及が鮮明となり、需給ギャップも縮小方向に向かっていることが確認された。市場関係者の間では、日銀にとって追加緩和を必要とする内容ではなかったとの見方が大勢となっている。リーマンショック以降の危機対応としての緩和措置をさらに追加していく必要性は後退したと見られる。


 だが、日銀が景気の回復を見守ったまま、現状の金融政策を維持していくとみている市場関係者は少数派のようだ。多くの参加者は、何らかの対応を日銀が迫られるとみている。中でも、悪化する財政を抱え、金融政策への圧力を強めつつある政府との関係で、日銀が次のステージに踏み込む可能性を予想する声が出ている。

 一方で、実体経済が回復基調をたどる中、日銀が追加的な措置を取る場合には、その措置への説明責任も問われてくるとの見方が、BOJウォッチャーの中で高まりつつある。3月の新型オペ供給額増加措置への説明の中で、景気認識と緩和方向の政策が一致していなかった点や、実体経済への効果が薄いということとのかねあいで、今回の緩和措置を選択した目的があいまいだったという疑問の声も上がっていた。

 金融政策の行方を占う上で、短期的には30日に発表される「展望リポート」の取り扱いがポイントになるとの見方が、市場で浮上している。

 今後、財政再建やデフレ脱却の観点から低金利の持続が長期にわたり必要となると見られ、各政策委員が示す「物価安定の理解」の活用を促す見方もある。「物価安定の理解」は年に1回、4月展望リポートで見直すことになっているが、昨年12月に日銀は0─2%というこれまでの消費者物価上昇率の数値について「0%以下を許容しない」ことを表明した。