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本紙で新連載スタート!!【参院選激戦区 小沢系候補を追う】静岡 中本奈緒子

 党本部の公募で公認が決まった中本は、勤務先こそ静岡だったものの、兵庫県出身、大阪府立大大学院工学研究科の博士課程修了で、落下傘候補に近い。

組織の支援がないため、選挙事務所は両親や夫など家族運営でスタート。見かねた小沢は、4月中旬に事務局長を、5月初めに若手の私設秘書を送り込んだ。

以降、中本は小沢秘書の指導の下、徹底した“小沢選挙”を行っている。
「『国民の生活が第一』の政治を前に進めてまいります」
 軽ワゴンで数百メートル進んでは、2、3分の演説を繰り返す。小沢から、「選挙は地道な活動から始まる。大変だぞ。1日50回やれば勝てる」と言われたと中本は話す。山間部から始めた毎日50カ所の辻立ちは、1カ月かけて市街地へ下り、県内を一巡した。いわゆる小沢流の「川上から川下戦略」である。
 県連が反発すればするほど、中本イコール「小沢の候補」という看板が強調される。党内対立は県民の間でも有名で、大組織が若い女性を“イジメ”る構図に、事務所へは同情の声が届き、ボランティアが集まった。運転する軽トラックを止めて、中本の辻立ちを眺めていた高齢者は、「昔からの小沢さんのファンなんだ」と声をかけてきた。
 突然のダブル辞任で、事務所は小沢や鳩山とのツーショットポスターをはがすのに追われた。しかし、50回の辻立ちなど選挙のやり方は変えない。小沢の秘書も引き続き中本を支える。事務局長も「今まで通り淡々とやるしかない」と引き締める。

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