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豪中銀の声明全文

 オーストラリア準備銀行は本日の理事会において、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを4.50%に据え置くことを決めた。


 世界経済は2010年半ばまでの1年間にトレンドを上回るペースで成長したが、向こう1年で恐らく、トレンドペース近辺に鈍化するだろう。最近の情報によると、中国と大半のアジア諸国の経済成長ペースは、より持続可能な、しかし依然として力強いものとなっている。欧州と米国では、金融危機の名残りとそれが民間のファイナンスや財政に及ぼす影響により、短期的に成長見通しは緩やかなようだ。金融市場には依然として一定の不透明感が残っており、地域間の成長見通しの格差、一部の欧州中小国で明らかな財政・銀行システムへの圧力に反応している。大半の商品価格はここ数カ月ほとんど変化がみられず、オーストラリアにとって最も重要な商品価格は依然として非常に高い。


 豪経済は過去1年間、トレンド付近のペースで成長している。公的支出が数四半期にわたって総需要を押し上げたのは明らかだが、その影響は低下しつつある。民間需要の見通し、特に設備投資の見通しは、改善している。これは、国民所得を非常に大きく押し上げているオーストラリアの交易条件の大幅な改善を踏まえると予想されることだ。


 資産価値は、どちらの方向にも大きく動いていない。貸し出し意欲が一部で高まっている形跡はあるが、全体の信用の伸びは、現段階ではかなり抑制されている。インフレは2008年の過度なペースから緩和している。タバコ税増税の影響を除けば、CPI上昇率は過去1年間2.75%付近で推移している。この状態は目先、続く可能性が高い。


 現在の金融政策スタンスにより、借り入れ金利は過去10年間の平均水準に近くなっている。理事会はこれが当面適切だと認識している。経済情勢が、現在の理事会の予想通りに推移すれば、インフレ率を中期的な目標と一致させるため、ある時点で利上げが必要になる可能性が高い。