■ - d1021の日記

ＮＨＫの新大河の「江」、面白かったですね。とにかく鈴木保奈美が美しく素晴らしい。絶世の美女のお市の方のイメージにぴったり。現在43歳ですが、昔より美貌の度は増している感じ。北の庄落城の回まで、存分に彼女の美を愉しめる期待が持てます。子役の二人もよかった。ジェンダーの大河ですね。

脚本も悪くない印象でした。戦国の世というのは、家（血＝DNA）中心であると同時に、きわめて個人主義の原理の社会なんですよね。男女の平等が形式的にではなく実質的にある。上下の身分関係も同じ。家柄だ男女だ関係なく、裸の一人一人が個人で向き合って関係する時代なのです。能力と個性が中心。

明日をも知れぬ身だから、明日は戦場で死ぬか生きるかの者同士だから、形式や所与は関係なく、個人の持つ能力と個性が何より大事で、その生の人間関係と選択で互いに生き抜いたのですね。超越的な独裁者である信長とおね、信長と松の関係などは、そういう社会的な事情と前提を抜きに考えられません。

拘束された境遇の中で、市の方は自分の生き方を選択しているわけです。浅井長政も同じですね。個人としての選択の契機があり、それが描かれています。自分自身の無能をよく承知し、市と三人の娘を生き伸びらせる形で、浅井のDNAを繋ぐ選択をするわけです。ドラマとしてよく書けていると思いました。