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菅首相にとどめを刺す寸前だった小沢一郎の「人間力」 総理にない求心力がなぜこの男にはあるのか 田崎史郎

 民主党首脳部もわたしたちも、民主党元代表小沢一郎のパワーを小さく見過ぎているのではなかろうか。今回の「内閣不信任案政局」を見ていて、そう思った。

なぜ、小沢の意向でこれだけの衆院議員が動くのだろうか?

 菅政権側が対策を打ち始めたのは、自民、公明両党が内閣不信任案の早期提出に向けて調整を開始した5月23日以降のことだ。それでも同25日夜、党執行部の1人に情勢を聞くと、楽観的だった。

 この1週間後には造反組は執行部が想定した倍に膨れあがっていた。これを目の当たりにした自民党幹部は「小沢はすごい。何の権力も持っていないのに、首相を辞めさせる寸前にまで追い込んだのだから」と語った。

 政治家には、人に仕えるタイプと、ポストに仕えるタイプがいる。菅の周りにいる人たちはほとんど、その役職に就いているから菅を支えるというポストに仕えるタイプだ。これに対し、小沢の周りにいる人たちは小沢に惚れ込み、仕えている。

 その求心力をもたらしているのはおそらく小沢の「人間力」だ。菅の人間力はないに等しいが、小沢には十分にあると見なければ、この政局における議員の動きを理解することができないのではないか。

 それでも、執行部側は「小沢の力は落ちていくから心配ない」と言う。そんな甘いことを言っていると、次の政局でふたたび肝を冷やすことになるのではないか。