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【次代への名言】温故知新編(63)

「人間というものは、完成に至れば動物のなかでも最高の存在となるのだが、法と正義から逸脱してしまうと、最悪と化する」(アリストテレス政治学』)

 《法律は欲望とは無縁の知性なのだ。(中略)人が正しさを求めるのは、だれの利益にもかたよらない中庸(ちゅうよう)を求めているということにほかならない。法とは、その中庸なのだ》(『政治学』)

 政治システムでいえば、アリステレスは「民主制がいちばん中ほどで逸脱の危険が少ない」と「中庸」として評価し、「最優秀ではあるが、限られた数の人々よりも、大衆に最高権限を与えよという議論には真実があるようだ」と説く。しかしながら、こうもつづっている。


 「民主制が法の束縛をこえて最高権限を求めるようになると、暴君の専制と同じになる。民主制の決定は、暴君の命令と同じとなり、扇動家と民衆の関係は、取り巻きと暴君の関係と同じになる」