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野田政権の出方次第で「ありとあらゆる選択肢がある」【小沢一郎インタビュー】

僕は、東日本大震災は災いを転じてそれを実現する最大の機会だったと思います。
 地方に金を渡して、好きなように道路や橋、堤防を造ってくれ、と言えばいい。あれだけの惨状を目にすれば、中央の官僚だって反対できない。中央の官僚がいちいち査定し、補助金を出すのではなく、地方が考えて自分たちの予算を自由に使う。そうすれば、地域主権が実現して、それが地方経済の活性化をもたらす。地方が自分で考えて、予算を作れば、事業のスピードが違うし、本当に必要な予算で、地元の企業に発注する。国、地方を通じて行政の無駄がなくなり、効率的になります。ユーロ危機で日本の輸出がメタメタになる中、内需拡大策にもなる。
 それなのに、民主党政権はそうしなかった。政治家が「とりあえず、被害のひどい福島、宮城、岩手の3県だけでもやろう」と決断すれば、地域主権確立の突破口になったのに本当に残念です。

 裁判でずっと座っているのはきついですよ。しかし、僕が検察・法務官僚に屈してしまうと、日本の民主主義は崩壊してしまう。
 この問題は僕個人の問題ではなく、政権交代を目前にした野党第1党の党首に対して、何の証拠もないのに、検察が強制捜査を行ったということなんです。それが許されるなら、日本は法治国家でも民主主義国家でもない。
 これまでの田代検事、前田元検事らの証言などで、国民の皆さんも「やっぱり国家権力の乱用だった。最初から小沢を起訴して裁判にかけようと意図して捜査した」ということが分かってきたと思います。犯罪をなくすのが警察、検察の仕事なのに、犯罪人をつくろうとしたのか、それがあなたたちの仕事なのか、と言いたい。
 公判が進んでいる以上、「日本は民主主義国家なんだ」という結論をきちんと出さなければいけない。僕自身がみんなにそれを示さなければならない。そういう覚悟で闘っています。

 野田政権のTPP交渉も疑問です。国内と国外で言うことが違う。向こうではアメリカにいいことを言って、日本に帰ってくると言い訳をする。こういう二枚舌の手法、姿勢が一番いけない。国内だけでなく海外からも信頼されなくなる。「何だ、アイツ。自分で言ったくせに、発表を訂正しろとか、ふざけるな」となっちゃう。

 なぜ、それができないのか。よい言い方をすると、やり方を知らないのです。知恵と胆力ですね。今の民主党議員はその辺の基礎的訓練ができていない。ディベートの技術は勉強したのかもしれないが、制度論とか、政治の哲学、理念、それに基づく国家統治などを本気で議論してきたとは思えない。だから、どうしたらいいのかがわからない。官僚の言う通りにしか動けない。