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有権者に育てられていない民主党議員、自覚の不足は深刻だ

 何とも情けない限りである。今秋の衆院解散・総選挙も取り沙汰される中、民主党の若手議員のオタオタぶりを耳にした。つまるところ、選挙の戦い方が分からないらしい。刻々と「戦いのとき」が迫っているのに、有権者との間合いに戸惑うようでは、何をかいわんやだろう。

 聞けば、7月中旬に開かれたとある民主党のグループ会合で、幾人かの若手議員がこう愚痴ったというのである。


 「執行部はもっと党支持率が上がるような取り組みをしてほしい」


 「前回衆院選では、数週間前に出馬を決めた。まだ地盤が固まっていない。どうしたらいいのか」


 発言はいずれも、自身の選挙区でそれなりに汗をかかず、別の何者かに窮状を訴え、どうにかしてほしいという内容である。

 21年衆院選民主党が擁立した候補には、政策研究機関の研究員をはじめ、国内や外国を問わず大企業の会社員など、いわゆる「政策通」と呼ばれる候補があまたいた。野党時代に国会論戦で名前を売った者や若手官僚も多くが当選している。


 その全員とは言わないが、当選してから選挙活動らしい活動なんぞたいしてしておらず、今でもそんなざまのようである。

 冒頭の会合のエピソードは、前回衆院選民主党候補の多くがいかに「政権交代」という追い風で当選したのか如実に物語っている。議員本人がどうしていいのか分からないのに、支える秘書が分かろうはずもない。ソワソワしているだけで、実効性のある手を打てないわけだ。


 選挙はいかにも「泥臭い」のである。好き嫌いではなく、これを徹底して政治家としての足場を固めなくして、充実した政治活動は望めない。何より、自身が掲げる政策を実現することがおぼつかなくなる。地盤を固め当選回数を重ねていく中で、政治力を蓄えていくしかない。

 過日、幹事長など党三役や重要閣僚を務めた自民党幹部と会った際、民主党をどう見ているのか尋ねた。いわく「有権者に育ててもらっている議員が少ない」とのこと。この幹部は、外交・安全保障分野に明るいが、農水族でもある。若手議員のころは、農林水産業者の支持を取り付けるため、車座の集会などをこなし参加者の話に耳を傾け、自らの考えも開陳したという。


 当然のことながら、まともな話もできないようでは相手にされるはずもなく、勉強も大いにやった。ようやっと受け入れられるようになったと実感できたのは、当選4回を数えたころだという。


 こういう努力を民主党議員の多くは、ことのほか、若手議員に至ってはしていない、あるいは、乏しいと言い当てた。

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