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日本の経営者教育の“幼稚化” 世界相手に勝てるわけがない

 配布される資料は数ページだけである。一般的に、特定企業の事例が事実として簡潔に記されている。これをどう「読む」のか、実態にどう「即応」するのかが試される。


 この資料を見ながら、何を、何のために、どう調べるのか、をまず実践する。大量の情報が氾濫する現代社会において、自分にとって本当に必要な情報を獲得する能力を自らの努力によって身につけなければならないからだ。


 次は情報の整理と分析である。この時に欠かせないのが論理的な思考。そして、関連理論を応用する。現象から本質を読み取り、問題を抽出すると共に、解決策としての戦略を組み立てる。


 これも始まりに過ぎない。次はさまざまなバックグラウンドをもつ人々に自らの考えを説明し、激しく展開される議論の中で、その検証が行われる。


 このようなケースは数十から数百もあり、その一つ一つの答えを覚えるのが目的ではない。あらゆる状況に対して、瞬時の判断と的確な説明が随所に求められ、その訓練が繰り返される。

 自ら考えることなく答えを与えられてきた者、周囲から迎合ばかりされてきた者に、激変する環境に即応できる戦略を打ち出せるわけがない。