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アングル:円安回帰には時間必要か、「夢」から覚めた海外勢 | Reuters

マネーが新興国通貨から先進国通貨に回帰しているが、これまでの反動で円は最も強い通貨になっており、円安トレンドに回帰するには時間が必要との見方が多くなってきた。

「海外勢の失望売りというよりも、日本のことをよく知らないで追随した海外の投資家の目が覚めたということだ」――大手証券のディーラーはそう話す。一部の海外投資家は日本についてよく知らないまま、値動きの良さだけに触発されてアベノミクス相場に追随し、円ショート/日経平均ロングを膨らませたという。しかし、QE3の早期縮小観測が浮上すると世界で株価が急落。アベノミクスについても楽観論が後退したほか、リスク資産のポジション解消で米国への資金還流が見込まれるため、「日本をそれほど買う必要はない」との見方が強まっているという。

グローバル規模で為替市場を見渡せば、流動性相場の恩恵を享受してきた新興国や資源国の通貨が大きく売られ、先進国通貨へ資金がシフトしている。インドルピー、トルコリラ南アランド、ブラジルレアル、豪ドルは対米ドルで下げ基調をたどっている。一方、先進国通貨では、円やユーロが大きく上昇している。


一部新興国には経常赤字などの要因もあるが、大きな構図は、グローバル投資家がこれまで短期金利がゼロ近辺の先進国通貨を調達し、高金利新興国通貨に投資していたキャリートレードの巻き戻しだ。「ユーロの信頼が回復途上にある」(国内銀行幹部)との声もあるが、ユーロ圏経済は依然厳しくディスインフレも進んでいる。ファンダメンタルズの評価が全面的に高まってユーロが買われているわけではない。円高もファンダメンタルズの改善を評価しての円買いではなく、いまだ足取りが覚束ない日本経済に影を落とそうとしている。