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〔クロスマーケットアイ〕流動性相場下支え役に加わった欧州、米に資金流入なら日本株にメリット | Reuters

欧州中央銀行(ECB)は4日の理事会で、先行きの金融政策に関し、事前に約束をしないという従来の慣例を破り、将来の政策指針(フォワドガイダンス)を表明。イングランド銀行(英中央銀行、BOE)も、将来の金融政策に関するガイダンスの提示に踏み切る構えを示唆した。
カーニーBOE新総裁は「偶然」とするが、欧州の2つの中央銀行が相次いで、緩和方向に金融政策のバイアスを強めたことで、市場にはリスクオンムードが再び強まっている。


2つの欧州中銀が緩和バイアスを強めた背景には、インフレ懸念が強まっていないこともあるが、米量的緩和第3弾(QE3)の縮小観測があるとみられている。
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は6月19日の会見で、QE3縮小に向けた「ロードマップ」を提示。市場には動揺が広がっていた。
金融相場を支える流動性が縮小するとの観測で、ヘッジファンドなどがリスクポジションの巻き戻しを加速させれば、米国と比較して回復がかなり鈍い欧州経済にとって痛手となりかねない。


日本の「異次元緩和」に加えて、欧州の金融緩和が流動性相場を支えれば、懸念される新興国からの資金流出も加速せずに済む可能性がある。
実際のマネーフローには経常収支動向など複雑な経路が介するが、実際上、流動性相場を支えるのは市場のセンチメント。QE3縮小観測で縮こまっていたリスク選好マインドが回復すれば、緩和マネーの勢いが回復する可能性がある。


シティグループ証券・チーフエコノミストの村嶋帰一氏は、ECBの決断を「歴史的転換」と評価。「FRBのQE3縮小について、市場は相当程度、織り込んだのではないか。そうした中でECBから異例ともいえる緩和姿勢が示され、投資家のリスク選好度が大きく回復している。米経済は年後半にかけてソフトパッチを脱する見込みだ。日欧の金融緩和が支えてくれて、業績相場にはそれほど混乱なく移行できるのではないか」との見方を示している。