中国国営メディアは14日、中国政府が都市化推進計画の詳細をまとめたと報じた。中国政府は、経済成長を維持するため、約14億人いる人口の60%を2020年までに都市住民としたい考えを示している。
中国では事実上、移住が制限されており、社会不安の源となっているが、都市への移住に伴うスラム化や失業問題が懸念されているほか、食料確保に支障を来すとの批判も出ており、政府は難しい対応を迫られている。
国営メディアによると、政府は都市化の質の向上を協議する会議を開催。閉幕時に声明を発表したが、新たな政策や具体的な日程は盛り込まれなかった。
声明は、拙速な都市化は弊害をもたらすと指摘。「人間中心の都市化」の質の改善を秩序立った方法で進めることが地方の貧困撲滅につながると表明した。
都市化に際して、環境保護や効率的な土地の活用をこれまで以上に重視する方針も示した。
新華社によると、政府は「(1)出稼ぎ労働者の都市での差別を段階的になくす(2)町や小都市の戸口(戸籍)の規制を全廃する(3)中規模都市の規制を段階的に緩和する(4)巨大都市の人口を厳格に管理しつつ、大都市への定住に妥当な条件を設定する──ため努力する」方針。
中国政府は都市化の推進を掲げているものの、実際の改革には消極的で、近い将来にどの程度積極的な改革が行われるかは不透明だ。