連邦準備制度、何年にもわたる巨額バランスシート維持へ準備 - Bloomberg
米連邦準備制度理事会(FRB)当局者らは、量的緩和策を通じて4兆3000億ドル (約440兆円)に膨らんだ連邦準備制度のバランスシートについて、仮に保有債券の売却に動けば米景気回復を損ないかねないとして、今後何年にもわたり過去最大規模のまま維持する方向で準備している。
当局者らは2011年6月、米経済の回復時に米国債などの購入などで拡大したバランスシートを金融危機前の規模に戻すため、緩和策からの出口戦略を取りまとめたが、現在の動きは3年前の方針からの転換を意味する。同戦略は、まず保有債券が徐々に償還期限を迎えるのを待ち、その後、短期金利を引き上げて、住宅ローン担保証券(MBS)などを中心に売却を開始するという内容だった。
しかし、セントルイス連銀のブラード総裁によると、連邦準備制度がこのような債券売却に踏み切れば、長期金利の急上昇を招き、企業投資や個人消費のための借り入れコスト高まるとして、当局者らの間に懸念が台頭している。
ブラード総裁は先週のインタビューで、このような見方に個人的には異議を唱えながらも、「連邦準備制度の一部では広く受け入れられ」、「有力」な見解となっていると説明した。先月公表された4月29、30両日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録にも、資産売却への言及は一切なかった。
来年以降の政策金利引き上げを見込む当局者らは、利上げ後も巨額のバランスシートを維持することを可能とする新たな政策ツールを試している。当局者らは銀行システムから超過準備の一部を一時的に吸収するために、こうした措置を活用する見通しだ。
マクロエコノミック・アドバイザーズの共同創業者、ローレンス・マイヤー元FRB理事は当局者らについて、「彼らが長期にわたり巨額の準備と巨大なバランスシートを抱えた状況で、政策運営に当たる事態を予想しているのは極めて明白だ」と述べた。
連邦準備制度のバランスシートは、資産購入によって国内総生産(GDP)比25%と、07年初めの6%から拡大した。日銀やイングランド銀行(英中央銀行)も、大きなバランスシートを抱えながら政策運営を進める戦略を将来的に策定しなければならない。このうちイングランド銀のバランスシートはGDP比24%と、07年の約6%から膨らんでいる。
Fed Prepares to Keep Super-Sized Balance Sheet for Years to Come - Bloomberg
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140610#1402397238
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140603#1401792591
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140602#1401706753