パキスタン軍は１５日夜、声明を発表し、イスラム過激派の拠点となっているアフガニスタンとの国境に近い北西部の北ワジリスタン地区で、地上部隊の派遣や空爆を含む大規模な軍事作戦を開始したことを明らかにしました。
作戦の詳細は明らかになっていませんが、軍によりますと、すでに１万人規模の部隊が過激派の潜伏先を包囲するなどの作戦を始めているということです。
パキスタン政府はことし、最大のイスラム過激派組織「パキスタン・タリバン運動」と和平に向けた協議を始めたものの、交渉は難航し、今月に入ってからは最大都市、南部のカラチの国際空港が過激派に襲撃され、３０人が死亡する事件が発生していました。
今回、軍は地上部隊を派遣して本格的な掃討作戦に踏み切った形で、過激派組織に対する軍の大規模な軍事作戦は２００９年以来です。パキスタン国内では、今後、イスラム過激派による報復攻撃やテロが激しさを増し、国内の治安がさらに悪化するおそれが出ています。
