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【イラク情勢】シーア派同士が争い 統治揺らぎに拍車 - MSN産経ニュース

 イラクでは、6月にスンニ派過激組織「イスラム国」が国内で攻勢を拡大させて以降、シーア派最高権威のシスタニ師が国民から志願兵を募ったり、スンニ派クルドを含む各政治勢力に団結を呼びかける声明を相次いで発表。これに対しサルヒ師は最近、ネット上で反対を表明した。


 シスタニ師派との関係が緊張する中、サルヒ師派民兵は1日、カルバラ市内の道路を封鎖、治安部隊がサルヒ師逮捕に乗り出して戦闘となった。同師は戦闘中に自宅から逃れたという。


 サルヒ師は、シーア派の隣国イランでとられている政治体制「ベラーヤテ・ファギーフ(イスラム法学者の統治)」をイラクで実現することを目指しているとされる一方、イランからの政治的影響力の排除を主張。イラン生まれで同国と近い関係にあるシスタニ師には以前から批判的で、過去にも双方の民兵が衝突する事件などが起きていた。

 こうした時期にサルヒ師が、多くのシーア派信徒から尊敬を集めるシスタニ師の権威に公然と挑戦する行動に出たのは、混乱の中で自身の影響力を拡大させる狙いがあるためだ。