情報BOX:米FRB当局者発言「金融安定への対応は規制強化で」 | Reuters
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は2日、金融安定のための引き締めに否定的な見方を示した。過度なリスクテークへの対策では、金利政策ではなく、規制が中心的な役割を担うべきとの考えをあらためて示した。
FRB内では金融政策運営において、金融安定を一段と重要視すべきとの意見も出ているが、バブルに対応するための利上げについて否定的な見方もあり、タカ派とハト派の境界線を越えて様々な意見が出ている。
<ハト派>
シカゴ地区連銀のエバンズ総裁(5月30日)
金融政策手段を金融不安定化リスク軽減のために用いることは、目標を下回るインフレ率や新たなリソースの緩みの発生という状況を招きかねない。
タルーロFRB理事(2月25日)
金融安定への対応と金融政策の関係を見直すにあたり、広範囲にわたる持続的なシステミックリスクの高まりに対応するために、金融政策措置を選択肢から外すことはできない。
現時点で、マクロ経済面での悪影響を食い止めるという点で、金融引き締めにより得るものはほとんどない。ただ、インフレ率と雇用水準がFRBの目標近くになれば、金融安定を検討することは、適切な金融緩和水準を決定するにあたり大きな役割を果たす可能性が高い。
<中道派>
フィッシャーFRB副議長(3月13日)
景気後退(リセッション)から、FRBは二重の責務を達成するだけでなく、金融システムの安定性にも貢献する必要があるとの教訓を学んだ。
サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁(6月5日)
金融政策に関する討議で金融安定を強調した国において、インフレ期待低下の初期の兆候があることが特に懸念される。
<タカ派>
リッチモンド地区連銀のラッカー総裁(5月30日)
物価安定から意図的に離れるべきでない。われわれの金利政策は、「monetary stability」に焦点を当てるべきだ。それが金融安定「financial stability」に最も貢献する。
ダラス地区連銀のフィッシャー総裁(4月4日)
中銀当局者として、金融安定確保の責務を認識している。金融安定の動向を注視する必要がある。