ジャクソンホール・シンポジウムで投資家が気にする「FRB所有債券の行方」その結果、市場のボラティリティはどうなる?|世界投資へのパスポート|ザイ・オンライン
なお今回の失業率の改善は「中身のある」改善だと言えます。これまでの失業率改善は、余りにも長く職が見つからないので、求職を諦めてしまった人が増え、それが見かけ上、失業率の改善に寄与してきました。
その場合、失業率の改善にもかかわらず、労働力率(=総人口のうち何パーセントの人たちが労働市場に参加しているか)は下がるという現象が見られました。
しかし6月の労働力率は5月と同じ62.8%で、下がっていません。これは実際に雇用が拡大したことを示唆しています。
賃金の伸び率は+2%で、これは雇い主が人材を確保するため賃上げをする必要性を余り感じていないことを示唆しています。
また自分の納得のゆく職が見つからないので、パートタイムで我慢する人も27.5万人増えました。
これらのことは、まだ労働市場には「たるみ」があり、急速に賃金が上がる、あるいは採用のペースがどんどん加速するなどのシナリオには程遠いと見て良いでしょう。
ただ製造業、建設業、ビジネス・サービスなどの、いわゆる「良い働き口」での雇用の拡大は歓迎すべきニュースです。
カンザスシティ連銀は1978年以降、毎年、8月下旬にワイオミング州ジャクソンホールでシンポジウムを開催してきました。今年のテーマは「労働市場の動向を再評価する」というものです。
過去において歴代のFRB(連邦準備制度理事会)議長は、そのシンポジウムの場で重要な政策を打ち出すことが多かったです。
実際、ベン・バーナンキ前議長は、相次ぐ量的緩和政策をジャクソンホール・シンポジウムの前後に発表してきました。
去年は、あと半年足らずでFRB議長を後任のジャネット・イエレンに譲ることがほぼ決まっていたので、バーナンキ前議長はシンポジウムに欠席しました。
しかし今年、イエレン議長は出席することが決まっています。
現在、FRBは債券買い入れプログラムを縮小中であり、このまま行けば今年中に債券買い入れプログラムは終了します。
新規買い入れをしなくなった後も、これまでに買った債券の在庫は残ります。
現在、FRBは債券買い入れプログラムを縮小中であり、このまま行けば今年中に債券買い入れプログラムは終了します。
新規買い入れをしなくなった後も、これまでに買った債券の在庫は残ります。
最近の資本市場を見ると、株式のみならず、債券やFXでもボラティリティ(価格変動)は極めて小さくなっています。
これは各国中央銀行が量的緩和政策を行い、市場に対してクッションを提供しているから、そうなっているという面が多分にあります。