イラクでは、イスラム教スンニ派の過激派組織の台頭を招いたとしてマリキ首相が退陣表明に追い込まれ、後任の首相候補に指名されたアバディ氏の下で、新しい政権作りに向けた協議が続けられています。
こうしたなか、シーア派の大国、イランのザリーフ外相が24日、イラクを訪問し、同じシーア派のマリキ首相やアバディ氏らと新しい政権作りや過激派組織への対策などを協議しました。
会談後の記者会見で、ザリーフ外相は「イラクの政治指導者が導き出した賢明な結論を喜ばしく思う」と述べ、マリキ首相が続投を断念しアバディ氏に協力する考えを示したことを評価しました。
そのうえで「これまでと同様にイラクを支援することを保証する」と述べ、アバディ氏が宗派間の対立を解消し、挙国一致の政権を発足させることに期待を示しました。イランのメディアによりますと、ザリーフ外相は、クルド人勢力のマスーム大統領とも会談して新政権を全力で支援する考えを伝えたということです。
隣国イラクで台頭するスンニ派過激派組織はイランにとって脅威となっており、イランとしては、イラク情勢の安定に向け、影響力を最大限に行使していくものとみられます。