【世界を斬る】オバマ政権、経済政策失敗 ゼロ金利とドル余り続けばバブルとインフレが… - ZAKZAK
オバマ大統領はこれまで失業率を下げることさえできれば、労働者の賃金収入が増えて消費購買力が高まり、経済が力強く回復すると説明してきた。だが、現状はその説明とまったく食い違ってしまった。
ハドソン研究所の経済専門家は、私にこう言った。
「オバマ氏の政策では米経済はうまく動かないと、イエレン議長が白状したようなものだ」
オバマ氏の経済回復策は不良債権の買い上げとゼロ金利、つまり金融政策と「失業保険の供与期間を延長する」「生活保護費を増やす」といった社会主義的な政策、それに公共資金を投じての土木建設が中心だった。
このような政策は結局、米国人の働く意欲と企業の投資意欲を削いだだけで、実質的な米経済の拡大をもたらさなかった。もたらしたのは、形の上だけの失業率の低下、それにあり余るドルと借金だった。
オバマ氏の経済回復策は、米経済を拡大させることに失敗してしまった。誰の目にも、政策の変更が必要になっていることは明らかだ。先の経済シンポジウムでは、イエレン議長が、そうした政策の変更を示唆するのではないかと、世界中から参加した人々は期待していた。
ところが、イエレン議長はその期待を裏切っただけでない。連邦準備制度理事会が米経済の実体を把握しきっていないこと、現在のゼロ金利をいつ、どのような形で打ち切るか決めていないことを暴露しただけだった。
米国では、人々が株価の上昇と借金生活を楽しんでいるため、切迫した危機感は存在していない。だが、経済が拡大しないままゼロ金利とドル余りが続けば、間違いなくバブルとインフレがやってくるだろう。