ECB、利下げ・追加措置の決定は全会一致ではない=総裁 | Reuters
ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は4日、理事会による利下げを含む一連の追加措置の決定は全会一致ではなかったと明らかにした。
ECBは市場の据え置き予想に反し、主要政策金利のリファイナンス金利を過去最低の0.05%に引き下げた。ドラギ総裁はこの決定が全会一致ではなかったと述べた。
また、資産担保証券(ABS)およびカバードボンドの買い入れの実施については、理事会メンバーの半数を十分に上回る賛成があったとした。
総裁はまた、理事会が量的緩和も議論したと述べた。
「量的緩和が議論された。理事会メンバーのなかには公表した以上の措置を求める意見や、それ以下の措置を求める意見もあった。このため、われわれの提案はその中間にある」とした。
欧州中央銀行(ECB)は4日、予想外に主要政策金利のリファイナンス金利を過去最低の0.05%に引き下げた。
<成長と構造改革>
信頼感の観点から言えば、まずは構造改革に関し極めて真剣な協議を行い、その後に柔軟性について話をすることがはるかに望ましい。
これが私が米ジャクソンホールでの講演で申し上げたことだ。これ以上の、もしくはこれ以下の解釈があるとすれば、それは私の責任ではない。メッセージの意図は明確だった。
<量的緩和(QE)>
QEについて協議が行われた。理事会内では、本日の決定以上の措置を望む意見と、逆にそれ以下の措置を望む意見の両方があった。そのため本日の決定はその中間の妥協点といえる。広範な資産買い入れも協議されたし、一部メンバーはより踏み込んだ措置を望むことを明確にした。
<4日の政策決定、全会一致でない>
全会一致でなかった。
プログラム実施に賛成するメンバーが安定多数だった。
<利下げは打ち止め>
われわれは、テクニカルな調整がこれ以上は不可能な下限に到達した。
<成長の足かせ>
高止まりする失業率や能力の著しい未活用に加え、官民で必要なバランスシートの調整、引き続き民間への融資の伸びがマイナスであることなどが景気回復を今後も阻害する公算が大きい。
成長見通しに関わる想定や主要要因を注意深く監視する必要がある。
<成長の勢い低下>
一時的要因を反映していることも一因となり、(第2・四半期GDPは)予想を下回った。第3・四半期に関し、8月までの入手できる統計は、循環的な成長のモメンタムが失われる一方、それ以外は緩やかな拡大と整合することを示唆している。
<追加的な非伝統的措置>
低インフレの期間が相当長びくリスクに一段の対応が必要となれば、責務の範囲内で追加的な非伝統的手段を活用していくことで、理事会は全会一致した。
<金利>
(ECBの決定は)ECBの主要金利に関するフォワードガイダンスを裏づけるとともに、先進国間の金融政策サイクルに関する違いが著しく、さらに拡大しているという事実を反映している。
<カバードボンド>
ユーロシステムは、新たなカバードボンド買い入れプログラムの下で、ユーロ圏の通貨金融機関(Monetary Financial Institutions)発行のユーロ建てカバードボンドの広範な買い入れを実施する。
同プログラムの下での買い入れは、2014年10月に開始する。買い入れの詳細な枠組みは、10月2日の理事会後に公表する。
<バランスシートにかなりの影響>
新たに決定した措置は、2週間以内に実施される的を絞った長期資金供給オペ(TLTRO)とともに、バランスシートにかなりの影響を与えるだろう。
<ABS買い入れ>
ユーロシステムは、資産担保証券(ABS)買い入れプログラムの下で、ユーロ圏の非金融・民間部門に対する債務に裏付けられた、単純、かつ透明性の高いABSの広範な買い入れを実施する。
これは、経済のなかの信用の流れを円滑にするというABS市場が果たす役割を反映したもので、この件に関する準備作業強化の一環となる。