ウクライナでは、今月2日に親ロシア派が、東部のドネツク州とルガンスク州の一部の地域で、独自の選挙を強行しました。
これを受けて、ポロシェンコ大統領は、東部に部隊を追加で派遣する決定を行ったほか、ことし9月の停戦合意に基づいて制定した、東部の親ロシア派が掌握する地域に自治権の拡大を認める法律を、廃止する手続きも始めました。
これに対し、親ロシア派の指導者は、5日、声明を発表し、「ポロシェンコ大統領が自治権の拡大を見直すなら、停戦合意に基づいた行動は取れなくなる」と述べ、本格的な戦闘の再開も辞さない構えを示すなど緊張が高まっています。ウクライナ東部では、停戦合意のあとも、政府軍と親ロシア派が中心都市ドネツクの空港や工業都市マリウポリの郊外などで散発的な戦闘を続けていて、5日も、ドネツク空港からおよそ3キロ離れた学校の運動場に砲弾が着弾して少年2人が死亡しています。