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アマチュア将棋の今泉さん プロ編入決める NHKニュース

今泉健司さんは広島県福山市出身の41歳。
小学校2年生の頃に父親から将棋を教わり、めきめきと上達しました。
中学校2年生、14歳で「新進棋士奨励会」に入り、プロへの道を歩み始めます。
中学校3年生のときに書いた作文には「いま、プロの予備軍として一生懸命頑張っています。このままプロになれたら」と思いを綴っていました。
21歳のとき、三段に昇段し、プロとなる四段昇格への最後の関門、三段リーグ戦に参加します。
しかし、昇段争いに何度も食い込んだものの、満26歳までに四段に上がれず、規定により奨励会を退会しました。
今泉さんは当時を振り返って、「自分はプロになるものと思い込んでいて、なれないなんて思っていなかった。傲慢な部分もあったし、弱さを見つめる強さもなかった」と話しています。
師匠だった小林健二九段は、「実力はあったが、自由奔放で、将棋以外のことに興味を持ってしまうことも多かった。将棋の勉強が足りなかったのだと思う」と話しています。
奨励会を退会したあとは、地元の将棋教室で指導に当たるかたわら、調理師として飲食店で働くなどしていました。
しかし、今泉さんは、アマチュア竜王やアマチュア王将のタイトルを次々と獲得し、プロの竜王戦の挑戦者トーナメントでベスト8に入るなどの実績を残し、平成19年、33歳のときに試験に合格し、三段リーグへの復帰を果たしたのです。
ところが、2年の間に四段に上がるという条件を満たせず、再び奨励会を退会しました。
そして地元、福山に戻り、介護施設介護士として働き始めました。
「もうプロになることはない」と思っていた今泉さんでしたが、ことし、三度目のチャンスが巡ってきます。
マチュア王将やアマチュア名人など、主要な3つのアマチュアタイトルを独占する「大三冠」を達成したうえ、プロの公式棋戦でもプロ相手に勝ち星を重ね、プロ編入試験の受験資格を獲得したのです。
今泉さんは、「ありがたいことに、自分の将棋を楽しく、全力でやろうとひたすらやっていたら成績が寄ってきた。プロが全力で負かしにくるところで戦わせてもらって幸せだと思う」と話していました。
また、師匠の小林九段は「まさか、プロに挑戦するチャンスが三回も来るとは。将棋の神様が今泉君を呼んでいるのだと思う」と語っていました。

今回、今泉健司さんが挑戦したプロ棋士への編入試験は、平成18年に設けられた制度で、この制度でプロを目指したのは今泉さんが初めてです。
実力のあるアマチュア棋士が、竜王戦棋王戦などプロの公式の棋戦に挑み、6割5分以上の勝率で10勝以上することで受験資格が得られます。
そのうえで、若手の四段の棋士5人と対局し、3勝以上するとプロになれるという制度です。
一方、通常のルートで将棋のプロ棋士になるためには、まず、日本将棋連盟のプロ棋士養成組織、「新進棋士奨励会」の会員になり、奨励会の会員どうしで対局を重ねて四段に昇段しなくてはいけません。
ただ、満26歳までに四段に昇段できなければ、原則、奨励会を退会しなくてはいけません。
日本将棋連盟によりますと、奨励会に入会して四段に上がれるのは全体の2割程度だということです。
このほか、アマチュアなどで抜群の成績を挙げたことで特例の編入試験が行われ、プロになったケースが、過去2人います。
また、年齢制限を超えたために、一度退会した三段リーグに復帰して四段を目指す制度もあり、こちらは条件を満たして復帰を果たしたのは7年前の今泉さんだけです。