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CIAの尋問は「拷問」、議会や大統領と情報共有せず−報告 - Bloomberg

米中央情報局(CIA)がテロ容疑者を尋問する手口は公に説明されているよりも残酷で、情報を引き出す手段としては成果が小さく、しかもブッシュ大統領(当時)や議員らに詳細を伝えていなかった。民主党が尋問報告書をまとめ、9日に上院情報委員会に提出した。


厳しい尋問の正当性を支持する陣営からは、こうした行為で得られた情報が国際テロ組織アルカイダの指導者だったウサマ・ビンラディン容疑者殺害につながったとしているが、報告書はそうした重要情報は尋問で出てこなかったと指摘。過酷な尋問は効果的ではなかったと断じた。この日公開された報告書は6000ページに及ぶ。その要旨によると、尋問プログラムの詳細は議員らと共有されることはなかった。


上院情報委員会のダイアン・ファインスタイン委員長(民主、カリフォルニア州)は「この文書で検証されているのは、CIAが海外で秘密裏に拘束した119人以上の個人に対する行為であり、強制的に情報を聞き出す手段の中には拷問に相当するものがある」と声明で説明した


報告書によると、少なくとも26人のケースが身柄拘束の基準を満たしていない。2002年秋にコンクリートの床に身体を固定されて低体温症で死亡したケースや、17日間誰にも知らされずに暗闇に閉じ込められたケースもあった。


最終版となる同報告書は6年の歳月と4000万ドル(約48億円)のコストをかけてまとめられた。2001年9月11日の対米同時多発テロ以降、CIAがブラックサイトと呼ばれる国外の秘密基地でテロ容疑者に用いた「強化された尋問手法」について、初めて包括的な検証が行われた。

CIA Misled Bush, Congress on Interrogation Tactics, Report Finds - Bloomberg
米議会が報告書「CIAの過酷な尋問 違法行為も」 NHKニュース

アメリカ議会上院の情報特別委員会は、2001年の同時多発テロのあと、ブッシュ前政権のもとでCIA=中央情報局がテロ容疑者に行っていた過酷な尋問について、5年半にわたって調査し、9日、報告書を公表しました。
報告書では、CIAが容疑者から自白を引き出すため、顔に大量の水を注ぐ「水責め」や1週間以上にわたり睡眠を妨害する行為など過酷な尋問の実態を記し、39人の容疑者にこうした取り調べを行ったとしています。
そのうえで過酷な尋問は一部が法律を逸脱していたほか、正確な情報収集の成果に結びついておらず効果的な手法ではなかったと結論づけています。
さらに、CIAが過酷な尋問の実態や成果をホワイトハウスや議会などに正確に報告していなかったなどと批判しています。
情報特別委員会のファインスタイン委員長は9日、議会上院で「一部は拷問だった。今回の報告書はアメリカが、こうした行為を二度と行わないというメッセージを発するものだ」と述べ、報告書公表の意義を強調しました。
しかし、アメリカ政府は、拷問の実態が明らかになったことで、中東などでアメリカに対する反発が高まることを懸念しており、大使館や海外のアメリカ軍基地に対して、テロなどの不測の事態に備えて厳戒態勢を取るよう指示しています。

野党・共和党の重鎮、マケイン上院議員は9日、「アメリカの国民は、国家の価値観が軽視されたときにはその事実を知らなければならない」と述べて、報告書の公表を支持する立場を示しました。
そのうえで、「われわれが容疑者に対して水責めやほかの方法で拷問を行ったことを世界が知っている。テロリストが、この報告書をアメリカ人を攻撃する口実に使う可能性がある」と述べ、テロなどの不測の事態に備える必要があると訴えました。

CIAのブレナン長官は9日、声明を発表し「容疑者の拘束と尋問の計画には欠陥があり、われわれは間違いを犯した」と過ちを認めました。
その一方で、議会の報告書が「過酷な尋問は、正確な情報を得るための効果的な手法でなかった」と結論づけたことについては、「機密情報が得られテロ計画を未然に防いだこともある」と反論したほか、CIAが議会に対し、意図的に事実をゆがめて報告していたという指摘にも同意できないなどと主張しています。

オバマ大統領は9日、発表した声明で、「残酷な方法による取り調べはアメリカの価値観にそぐわず、テロとの戦いや安全保障上の国益に合致しない」としています。
そして、「拷問による取り調べは、アメリカの国際社会での地位に深刻な打撃を及ぼし、同盟国と共に国益を追求していくことを困難にした」として、大統領の責任で拷問を禁じ、二度と使うことはないと強調しています。
そのうえで、「完璧な国家などない。しかし、アメリカの強さは、率直に過去と向き合い欠点をただすことだ」として、報告書を公表することで、ブッシュ前政権時代に行われた行き過ぎた行為の再発を防止したい考えを示しました。