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焦点:仏銃撃事件で炎上か、イスラムめぐる欧州「文化戦争」 | Reuters

イスラム教を繰り返し風刺していたフランスの週刊紙「シャルリエブド」の本社銃撃事件は、欧州各地で反移民の機運を一段と高め、宗教や民族的なアイデンティティーをめぐる「文化戦争」を燃え上がらせる可能性がある。

欧州大学院の政治学者で中東問題の専門家オリビエ・ロイ氏は、今回の事件で「フランス国内でイスラム嫌悪が一段と強まるのは必至だ」と語る。


フランスの作家でジャーナリストのエリック・ゼムール氏は著書「Le suicide francais(原題)」の中で、大量のイスラム移民が同国の世俗的な価値観を破壊する一因になっていると書いたが、同著は2014年のベストセラーとなった。また、作家で詩人のミシェル・ウエルベック氏は、2022年にはイスラム教徒のフランス大統領が誕生し、宗教学校や一夫多妻制、女性の労働禁止制度を導入するという内容の小説を発表し、年明けに大きな話題を呼んだ。

世論調査で支持率を伸ばす国民戦線マリーヌ・ルペン党首は、「イスラム原理主義」がフランスで宣戦を布告したとし、それに対する強力かつ有効な対策が求められると述べた。


ルペン党首自身は、フランス的な価値観を共有する一般的なイスラム教徒と、「イスラムの名を借りた殺人者」を注意深く区別している。ただ、同党創始者でルペン氏の父親であるジャン・マリー・ルペン氏と、同党副代表のフロリアン・フィリポ氏は、もっとあからさまだ。


フィリポ氏はRTLラジオに対し、「イスラム急進主義と移民が一切関係ないと言う人は別の惑星に住んでいる」と語った。

オランド大統領は先月、移民を経済および文化的な恵みとして受け入れるよう国民に呼びかけ、景気低迷のスケープゴートにしてはならないと強調した。これに対し、政界復帰を狙うサルコジ前大統領は、不法移民の取り締まり強化を求めている。

昨年フランスで実施された調査では、国民は移民が人口の31%を占めていると考えていることが分かった。これは実際の数字の約4倍となる。フランスは民族的もしくは宗教的な人口統計は取っていないが、ピュー・リサーチ・センターによる調査では、同国の人口に占めるイスラム教徒の比率は約7.5%となっている。国民との意識に差はあるが、同数字は、オランダの6.0%、ドイツの5.8%、英国の4.4%を大きく上回っている。

英国では、反欧州連合(EU)を掲げる英独立党(UKIP)の党首ナイジェル・ファレージ氏が、仏紙襲撃事件は、自国の中に存在する敵勢力によって起こされたと主張。LBCラジオに対し「英国は他文化から来た人たちに自分たちの文化の中にとどまるよう奨励し、社会に完全に溶け込まないよう仕向けていた」と語った。


この発言に対しキャメロン首相は、自身も多文化主義を失敗と呼んで移民の制限を求める立場だが、今は政治ゲームとする時ではないと非難した。

社会科学者らは、フランス式の同化主義的移民政策も、米国や英国などの多文化主義的移民政策も、社会から疎外された若いイスラム過激派による暴力は抑えられなかったと指摘する。