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ドイツは資産バブルへ向かうか 「ゼロ金利」が巻き起こす格差論|金融市場異論百出|ダイヤモンド・オンライン

 ドイツ・フランクフルトの中心部から東へ車で10分ほど行くと、かつて欧州最大規模の青果市場だったエリアがある。このマイン川沿いの場所に欧州中央銀行(ECB)は新本部ビルを建設し、昨年11月に移転した。

 また、この新本部ができた辺りは中低所得層が住む地域だったが、ECBの再開発で近隣の住宅価格が上昇してきている。もっとも、ここに限らずドイツでは今、各地で不動産ブームが過熱してきている。ECBの量的緩和策とマイナス金利政策のためだ。フランクフルトの市場関係者は次のように語っていた。


「この国には貯蓄を尊ぶカルチャーがある。しかし、預金金利はほぼゼロ%のため、預金から他の代替投資手段に資金が流れている。株式、不動産、貴金属、美術品、アンティークにも資金が流入している。ただし、そういったポートフォリオ(運用資産構成)のリバランス(比率調整)を進めている個人投資家は、基本的に裕福な人々に限られる」


「苦労して老後の資金を数万ユーロためたような多くの中低所得層は投資リテラシーを持っていない。また、彼らの投資元本は少ないので富裕層のような機敏な投資はできず、ゼロ金利環境で苦しめられている。ECBの政策で貧富の差が拡大している」


ドイツ国債の利回りは6年物までマイナスなので、国債で資金を運用してきた中小金融機関の収益は悪化している。また、ドイツの公的年金は安全重視であるため、株式市場にほとんど投資しない。公的年金の利回りは深刻に低下するだろう」


 ECBの今の政策は、南欧の景気を押し上げようとするよりも、まずはドイツのような優良な経済で資産バブルを起こしてユーロ圏全体を持ち上げようとしているように見える、との声もフランクフルトでは聞こえた。