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イラン核問題 最終解決へ枠組みで合意 NHKニュース

国連安全保障理事会常任理事国にドイツを加えた6か国とイランは、スイスのローザンヌに外相らが集まり、イランの核開発問題の解決に向けた最終合意の枠組みをまとめることを目指し、先月末の期限を延長して大詰めの交渉を行ってきました。
日本時間の3日午前3時前、イランのザリーフ外相と、6か国側の調整役を務めるEU=ヨーロッパ連合のモゲリーニ上級代表がそろって会見し、共同声明を発表しました。
この中で、双方が最終的な解決に向けた枠組みで合意したことを明らかにしました。
共同声明などによりますと、合意内容では、イランが、遠心分離機の数を3分の1に減らすなどウランの濃縮活動の規模を大幅に制限する措置を10年にわたって続け、濃縮活動は、イラン中部にあるナタンズの核施設以外では行わないとしています。
また、欧米側が警戒を強めていたイラン中部、フォルドゥの地下深くに建設された核施設については、ウラン濃縮活動は行わず、研究などを行う施設に転換するとしています。
一方、イランが強く求めていた制裁の全面的な解除については、最終合意に達したうえで、IAEA国際原子力機関によってイランの核開発の制限が確認された場合、アメリカやEUが制裁を停止するとしています。
イランの核開発問題を巡っては、平和利用が目的だと主張するイランに対し、欧米側は核兵器開発の疑いがあるとして制裁措置に踏み切るなど対立が深まり、軍事衝突の危機もはらんだ「中東最大の火種」とされてきました。
今回の合意で、6か国とイランは、外交的な解決に向けて歩みを進めたことになり、ことし6月末までに、詳細を詰めたうえで、最終合意の実現を目指すことになります。

イランの核開発問題を巡っては、国連の安全保障理事会常任理事国アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国にドイツを加えた6か国が、問題の解決に向けてイランと協議を続けています。
問題となったイランのウラン濃縮活動は2002年に発覚しました。
欧米各国は、イランが秘密裏に核兵器の開発を進めているのではないかと懸念を強めたのに対し、イランは、原子力発電など平和利用が目的だと主張してきました。
しかし、2011年、IAEA国際原子力機関が「核兵器の開発に等しい研究を行っている」と指摘したことをきっかけに、欧米がイラン産原油の禁輸に向けた独自の制裁措置に踏み切り、イランの銀行との取り引きも厳しく制限しました。
さらに、イランと敵対するイスラエルは、イランの核開発は核兵器を取得するための軍事目的だとみなし、安全保障上の最大の脅威と位置づけ、イランの核開発を阻止するためには軍事攻撃も辞さないとする構えを見せ、「中東最大の火種」と懸念されました。
一方のイランは、欧米に対して強硬な姿勢を示していたものの、制裁措置の影響で、通貨の価値が暴落し、物価も2倍以上に上がるなど、市民生活に大きな影響が出ました。
こうしたなか、おととし8月にロウハニ大統領が就任すると、欧米側との対話路線を掲げて柔軟な姿勢に転じました。
この年の11月には、イラン側が、軍事利用が疑われるウランの濃縮活動を制限する代わりに、欧米側が、経済制裁の一部を緩和するとした「第1段階の措置」について合意に達しました。
しかし、核の平和利用を主張するイランにどの程度のウラン濃縮活動を認めるのか、また、イランに対する制裁をどのように解除するのかを巡って、双方は隔たりを埋められないまま、去年7月と11月の2度にわたって交渉の期限を延長していました。双方は、ことし6月末を期限に最終合意の実現を目指しています。

イラン核枠組み合意、ウラン濃縮制限など条件履行なら制裁解除へ | Reuters

今回の枠組み合意は、6月30日まで最終合意を得るための重要なステップとなるもの。ただ、イラン側も6カ国側も詳細についてはさらなる交渉が必要としており、すべての対イラン制裁は最終合意が得られるまで解除されない。

枠組み合意によると、イランはウラン生産に用いる遠心分離機の3分の2以上を停止し、プルトニウムの生産が可能な原子炉を解体する。また、合意順守を検証するための査察も受け入れる。


米国の資料によると、イランは遠心分離機の数を1万9000基から6104基に減らし、将来的には6カ国との合意の下で5060基のみを運用する。


懸案の1つだったイランの研究開発活動にも制限が加えられる。


米国の資料によると「イランは15年間、フォルドゥ(の核施設)で、ウラン濃縮に関連した研究開発を行わないことに合意した」ほか、ナタンズ(核施設)に現在設置されている、先進的な第2世代遠心分離機1000基を撤去し、向こう10年間にわたって国際原子力機関IAEA)の監視下にある保管庫に置くことでも一致したという。


イランが最終合意の条件を履行していることが確認されれば、米国と欧州連合(EU)による制裁は段階的に緩和されることになる。イランが条件を守らなければ、制裁は「即刻再開される」(米資料)。

協議の調整役を務めた欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表は記者会見で「重要な一歩を踏み出した」とし、「今回の合意は包括的な共同行動計画の最終的な文言の土台となる」と述べた。


ただイランのザリフ外相は「最終目標までにはまだ長い道のりが残されている」とし、慎重な見方を示した。

米国のオバマ大統領は枠組み合意を受け、「良い取り決め」であり、全面実施されればイランが核兵器保有することはないとする声明を発表。


「米国と同盟国、そしてパートナーはきょう、イランと歴史的な合意に達した。全面実施されれば、イランが核兵器を入手することを防ぐ」と指摘。「この枠組みが最終的な包括合意につながれば、わが国と同盟国、そしてわれわれの世界はより安全になる」とした。


ホワイトハウスの発表によると、オバマ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談し、枠組み合意について協議した。大統領は、継続的な解決策に向けた大きな前進との見方を伝えたという。

一方、共和党のベイナー下院議長は枠組み合意について、オバマ大統領の当初のゴールから「かけ離れた内容」だと批判。イランへの制裁を解除する前に、合意内容について議会で詳細に検討する必要があると述べた。

フランスのオランド大統領も、枠組み合意を歓迎。「イランが核兵器を所有できる状態にないことを国際社会が確認できる検証可能な合意が得られることを確実にしたい」と述べた。

ロシアは、イランが地域的な問題や紛争の解決に積極的に関与できるようになるため、今回の合意は中東の治安情勢にプラスの作用をもたらすとの見解を示した。

一方イスラエルは、今回の合意は現実からかい離しているとし、冷めた見方を示している。

国連安保理常任理事国(米英仏中ロ)にドイツを加えた6カ国とイランの間で行われている核協議は、枠組み合意の期限としていた3月31日に決着せず1日延長されたものの決着せず、ぎりぎりの交渉が続いていた。


枠組み合意に達したものの、詳細については今後多くの点で交渉が必要になることから、協議の内容に詳しい外交筋は、情勢は流動的で6月30日の期限までに今回の合意内容が覆される可能性も排除できないとしている。


有識者の間からも、最終合意は今回の枠組み合意よりも格段に困難になるとの見方が示されている。

焦点:イラン核枠組み合意、年内の石油輸出増は見込み薄 | Reuters

今回の合意はあくまでも「枠組み合意」に過ぎず、6月末の最終合意を目指す。対イラン制裁が解除されるには、イランが条件を履行していることを欧米が確認する必要があることから、イランの石油輸出が目に見えて増加するのは、早くとも2016年以降になると見られる。


原油市場では、イラン制裁解除を見越した売り圧力が強まり、北海ブレント原油先物LCOc1は一時5%下落、1バレル=54ドルをつけた。ただ、イランの石油輸出が実際に増えるのはいつになるのか、との疑問が浮上するにつれ、ブレントは最終的には55ドル近くに戻した。


ブッシュ前米大統領のアドバイザーを務め、現在は米エネルギーコンサルタント会社ラピダン・グループ社長のボブ・マクナリー氏は、イランの履行状況の検証には「最終合意後に長い時間が必要。その最終合意にしても、目標の6月末からずれ込む可能性がある」と指摘した。


オバマ大統領の元アドバイザーで、 コロンビア大学グローバルエネルギー政策センターの創設ディレクターであるジェイソン・ボードフ氏も同意する。「イラン産原油が世界市場に帰ってくるには時間がかかる。早くとも2016年以降になるのではないか」との見方を示した。

イランの石油輸出増が遅れれば、サウジアラビアイラク、その他の石油輸出国機構(OPEC)加盟国にとっては朗報だ。OPECは、イランの石油生産が急速に回復すれば、供給過剰を背景に昨夏から半分の水準に下落した原油価格に、一段の圧力がかかると警戒している。


OPECは6月5日、生産据え置きを決定した昨年11月以降で初の総会を開く。世界の石油需要は想定よりも速いペースで回復し、米国のシェール生産の伸びが急速に鈍化するなかで、イランという新たな不透明要因が加わることになる。OPECは難しい判断を迫られそうだ。

専門家の大半は、制裁解除後6カ月でイランの石油輸出は日量20万─60万バレル増加する、と予想。ブルッキングス研究所でエネルギー安保・気候変動問題を専門とするアクティングディレクター、ティム・ブルスマ氏は、90日以内に日量50万バレル増も可能と見る。


ただ、新規投資などが必要となるため、イランの石油生産が完全に回復するのは早く見積もっても2016年下半期以降と見られている。


エネルギー・アスペクツのアナリストらは2日、リサーチノートのなかで「6月に最終合意の調印にこぎつけたとしても、その後6カ月か1年の間に制裁が解除されるとは考えにくい」との見方を示している。

原油価格は、今回の急落が始まる前の数年ほどの間、1バレル=100ドル付近で推移していたが、対イラン制裁が価格下支えの役割を果たしていた。今回の合意を受けイランの役割は一変するかもしれない。


ロジウム・グループのパートナー、トレバー・ハウザー氏は「イランの原油輸出が回復するには、時間がかかるかもしれないが、今回の合意で石油価格の上昇余地が一段と狭まったことは確かだ」と述べた。

Tehran and world powers reach solutions on Iran nuclear program ― RT News