習近平国家主席とグエン・フー・チョン書記長は、７日、北京の人民大会堂で会談し、国営の中国中央テレビは、２人が「共に努力して海を巡る対立をうまく管理、コントロールし、南シナ海の平和と安定を守らなければならない」という認識で一致したと伝えました。
両国の間では去年５月、領有権争いのある島の近くの海域に中国が掘削装置を設置したことをきっかけに、一時緊張が高まり、アメリカも中国の強引な海洋進出に対する警戒感を一層強めました。こうしたなか、ベトナムにとってことしはアメリカとの国交正常化から２０年という節目の年に当たり、チョン書記長は１９７５年のベトナム戦争終結後、最高指導者として初めてアメリカを訪れる予定です。
中国としては、アメリカに先んじてチョン書記長の訪問を受け入れることで、両国の関係修復をアピールし、南シナ海の問題にアメリカが介入しないようけん制するねらいがありそうです。
また、ベトナムとしても、経済的に結びつきの強い中国との関係は重要で、チョン書記長による歴史的な訪米の前に共産党政権どうしの友好を重んじる姿勢を見せることで、外交上のバランスを取ったものとみられます。
